グローバルサーバ側がOS/390システムの場合の環境設定について説明します。
なお、OS/390システムの場合は、統計情報は出力されないため、統計情報出力の環境設定は不要です。
ここでは、起動プロシジャの定義について説明します。XLデータムーバの起動プロシジャは、以下のデータセットに標準に提供されています。標準の起動プロシジャを使用するときは、定義を変更する必要はありません。
データセット名
XLデータムーバの起動プロシジャは、以下のデータセットに標準提供されています。
XLデータムーバの起動プロシジャを格納したデータセット名(KJUMFTFP)
定義形式
XLデータムーバが標準に提供する起動プロシジャの定義形式を以下に示します。
//MFTFD PROC // EXEC PGM=KJUSMAIN,REGION=20M,TIME=1440 //SYSIN DD DSN=XLデータムーバの初期化パラメタを格納したデータセット名(KJUMFTFD),DISP=SHR
定義項目
起動プロシジャを変更する場合は、以下の定義項目を変更します。
"MFTFD"の替わりに、変更したプロシジャ名を指定します。
変更した初期化パラメタのデータセット名および属性を指定します。初期化パラメタのデータセットを参照可能なRACF権限(READ権)が必要です。
初期化パラメタのデータセットが区分データセットの場合は、必ずメンバ名を指定します。
データセットに対するRACF権限については、下記の表を参照してください。
XLデータムーバで利用者が認識する必要があるファイルの一覧を以下に示します。
定義体名 | データセット名 | アクセス名 | RACFのアクセス権 | 内容 | |
---|---|---|---|---|---|
XLデータムーバ | 運用管理者 | ||||
起動プロシジャ | XLデータムーバの起動プロシジャを格納したデータセット名(KJUMFTFP) | PROCLIB | READ | ALTER | XLデータムーバが標準で提供する起動プロシジャです(*1) |
初期化パラメタ | XLデータムーバの初期化パラメタを格納したデータセット名(KJUMFTFD) | PARMLIB | READ | ALTER | XLデータムーバが標準で提供する初期化パラメタです(*1) |
*1:利用者が別のデータセット(メンバ)に作成することが可能です。
別のデータセット(メンバ)を作成した場合にも同じRACFのアクセス権にしてください。
また、上記の表に加え、mftfsendコマンドまたはmftfrecvコマンドで使用するOS/390側のデータセットについても、該当データセットの作成/更新/参照が可能なRACF権限が必要です。該当データセットの使用目的に応じて、適切なRACF権限を設定してください。
前述の定義項目以外は、変更しないでください。
構文規則
起動プロシジャの定義の構文規則は、OS/390のジョブ制御文の文法に従います。
有効契機
定義の変更は、XLデータムーバを再起動したときに有効になります。
ここでは、初期化パラメタの定義について説明します。XLデータムーバの初期化パラメタは、以下のデータセットに標準に提供されています。利用者が別のデータセットに作成することもできます。
初期化パラメタの内容は、利用者のシステムによって値を見積り、定義する必要があります。
データセット名
XLデータムーバの初期化パラメタは、以下のデータセットに標準提供されています。
XLデータムーバの初期化パラメタを格納したデータセット名(KJUMFTFD)
XLデータムーバが標準提供する初期化パラメタのメンバ名です。利用者が再定義した初期化パラメタを、KJUMFTFDに替えて任意のメンバ名で登録することができます。
設定を有効にするには、起動プロシジャのSYSIN DD文に指定したメンバ名を指定する必要があります。
XLデータムーバの初期化パラメタを、上記のデータセット以外に作成する場合には、以下の属性で作成します。
レコード形式: FまたはFB
レコード長 : 80
定義形式
初期化パラメタの定義形式を以下に示します。
KJUHOST systemname KJUVOL VOL=volumename1 [,volumename2] …[,volumename8] [KJUMULTI taskno] [KJUMSG { YES | NO }]
定義項目
初期化パラメタの定義項目を以下に説明します。
サーバ名に関する定義です。
初期化ユーティリティ(KJUAFMT)で作成したグローバルサーバ上のXLデータムーバのサーバシステムのサーバ名を指定します。省略不可です。
データムーバが監視するデータ転送用ボリュームに関する定義です。
データ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。
最大8個までの複数指定が可能です。
XLデータムーバの処理多重度を指定します。
XLデータムーバの処理多重度を1~20の範囲で指定します。省略時は16とします。
構文規則
初期化パラメタの構文規則は、以下に従います。
1つのパラメタ文は1行で指定します。継続指定はできません。
1カラム目に「 * 」(アスタリスク)を記述した場合、その行は注釈文として扱われます。
パラメタの記述は、71カラム目までです。72カラム目以降は無視されます。
パラメタ文とオペランドの間の空白は1文字以上、任意です。
同一のパラメタ文が複数指定された場合、エラーとなります。
有効契機
XLデータムーバを再起動したときに有効になります。
例
例1) サーバ名:OS390、ボリューム通し番号:XLMV00、の場合
KJUHOST OS390 KJUVOL VOL=XLMV00
例2) サーバ名:OS390、ボリューム通し番号:XLMV00、XLMV01、XLMV02、処理多重度:20、の場合
KJUHOST OS390 KJUVOL VOL=XLMV00,XLMV01,XLMV02 KJUMULTI 20