ページの先頭行へ戻る
ETERNUS SF XL-DATA/MV 13 使用手引書
FUJITSU Storage

2.4.2 [L20]UNIXサーバからの初期化

UNIXサーバから初期化する場合には、初期化コマンドを使用します。

初期化コマンドには、UNIXサーバとUNIX/IAサーバ間で、データ転送するために使用する、共用ディスクをXLデータムーバのデータ転送用ボリュームに初期化する場合に使用します。

初期化コマンドで未初期化のボリュームでは、データの転送はできません。必ず実行してください。

また、Solaris OSサーバと異種UNIXサーバ間でデータ転送を実施する場合には、Solaris OS側で初期化コマンドを実施することを推奨します。

初期化コマンドとして、以下のコマンドを提供しています。

コマンド名

概要

mftfdvini

ボリュームをデータ転送用ボリュームに初期化します

mftfdvadd

データ転送用ボリュームに、クライアントやサーバ情報を追加します

mftfdvalt

データ転送用ボリュームに定義済のクライアントやサーバ情報の内容を変更します

注意

グローバルサーバとUNIXサーバ間でデータ転送を実施する場合は、本初期化コマンドは使用せず、グローバルサーバで、初期化ユーティリティを使用してください。

また、本初期化コマンドで初期化済のボリュームは使用しないでください。

2.4.2.1 mftfdviniコマンド

構文

mftfdvini  デバイス名 [ -i 初期化情報設定ファイル名 ] [ -f ] { [ -L ] | [ -M ] }

説明

mftfdviniコマンドは、ディスクをV11形式のデータ転送用ボリューム形式に初期化するコマンドです。

また、本コマンドはシステム管理者(UIDが0のユーザ、一般的にはroot)だけが使用可能です。

本コマンドを実行すると、必ず確認プロンプトが表示されます。初期化する場合には"yes"、初期化をやめるときには"no"を指定してください。

本コマンドを実施する前には、初期化情報設定ファイルに、初期化に必要なサーバシステム名および、クライアントシステム名等の情報を設定した後、本コマンドで初期化情報設定ファイルを読み込み、データ転送用ボリュームを初期化します。

注意

本コマンドを実行すると、初期化対象ディスク内のすべてのデータは削除されます。

実行する前に、再度ディスクの確認を行ってから実施してください。

オプション

デバイス名

データ転送用ボリュームのキャラクタデバイス名を絶対パスで指定します。 (必 須)

Solaris OSの場合

ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。

AIXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。

HP-UXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。

Linux(RHEL8以前)の場合

ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。

Linux(RHEL9以降)の場合

XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。

-i 初期化情報設定ファイル名

初期化時にデータ転送用ボリュームに設定する初期化情報(クライアントシステム名、サーバシステム名等の情報)が格納された /etc/mftf/ini 配下のファイル名を指定します。

省略した場合には、以下のファイルを初期化情報設定ファイルとして初期化を行います。

  • /etc/mftf/ini/mftfdvini.conf

-f

データ転送用ボリュームが使用中であっても初期化を強制的に実行する場合に指定します。

データ転送中に本オプションを指定して実行した場合、転送中のデータは保証されません。

[L30]
-L

データ転送用ボリュームの1クライアントあたりの区画数を16にします。

-Mと同時に指定はできません。また、-L、-M 両方共指定されなかった場合には、区画数は16となります。

[L30]
-M

データ転送用ボリュームの1クライアントあたりの区画数を10にします。

-Lと同時に指定はできません。また、-L、-M 両方共指定されなかった場合には、区画数は16となります。

注意

mftfdviniでは、データ転送用ボリュームの1クライアントあたりの区画数を-L-Mで選択できます。

この指定は、データ転送用ボリュームとして使用するディスクのサイズや、転送の多重度によって指定する値が異なります。

これについては、“使用可能なディスクまたは論理ユニット”を参照してください。

復帰値

正常終了した場合には、0 を返します。

それ以外の場合は、エラーメッセージを出力し -1 を返します。

  • /etc/mftf/ini/mftfdvini.conf を初期化情報設定ファイルとして、/dev/rdsk/c1t2d3s2 のディスクを、XLデータムーバのデータ転送用ボリュームとして初期化する場合

    mftfdvini  /dev/rdsk/c1t2d3s2
  • /etc/mftf/ini/mftfdvini_20010630 を初期化情報設定ファイルとして、/dev/rdsk/c1t2d3s2 のディスクを、XLデータムーバのデータ転送用ボリュームとして強制的に初期化する場合

    mftfdvini  /dev/rdsk/c1t2d3s2  -i  mftfdvini_20010630  -f

初期化情報設定ファイルの例

UNIXサーバとUNIXサーバ間のデータ転送

UNIXサーバ(ノード名=unix01) と UNIXサーバ(ノード名=unix02) 間でデータ転送依頼を行う場合の例

(使用する中間ディスクは、unix01サーバから見て/dev/rdsk/c1t2d3s2、unix02サーバから見て/dev/rdsk/c2t2d3s2 )

  1. unix01サーバの /etc/mftf/ini 配下の初期化情報設定ファイル(mftfdvini.conf)に以下のように初期化情報を設定する。

    <Client System>
    # unix01 -- unix02 の定義 
        CLNAME=unix01
        <Server System>
            SVNAME=unix02
            PATH=/dev/rdsk/c2t2d3s2 
        </Server System>
    </Client System>
    # unix02 -- unix01 の定義 
    <Client System> 
        CLNAME=unix02 
        <Server System> 
           SVNAME=unix01 
            PATH=/dev/rdsk/c1t2d3s2 
        </Server System> 
    </Client System>
  2. unix01サーバから mftfdviniコマンド を以下のように実行する。

    mftfdvini  /dev/rdsk/c1t2d3s2
UNIXサーバとIAサーバ間のデータ転送

UNIXサーバ(ノード名=unix01) と IAサーバ(コンピュータ名=WIN01) 間でデータ転送を行う場合の例

(使用する中間ディスクは、unix01サーバから見て/dev/rdsk/c1t2d3s2、WIN01サーバから見て PHYSICALDRIVE2 )

  1. unix01サーバの /etc/mftf/ini 配下の初期化情報設定ファイル(mftfdvini.conf)に以下のように初期化情報を設定する。

    <Client System>
    # unix01 -- WIN01 の定義 
        CLNAME=unix01 
        <Server System> 
            SVNAME=WIN01
            DRIVE=PHYSICALDRIVE2
        </Server System>
    </Client System>
    <Client System>
    # WIN01 -- unix01 の定義
        CLNAME=WIN01
        <Server System>
            SVNAME=unix01
            PATH=/dev/rdsk/c1t2d3s2
        </Server System>
    </Client System>
  2. unix01サーバから mftfdviniコマンド を以下のように実行する。

    mftfdvini  /dev/rdsk/c1t2d3s2

注意

物理ドライブ名がわからない場合、最初に初期化情報設定ファイル(mftfdvini.conf)内の”DRIVE=”の行を省略してmftfdviniコマンドを実行し、その後、ディスクユーティリティに表示される物理ドライブ名を確認してからmftfdvaddコマンドを実行してください。

UNIXサーバとLinux(RHEL8以前)サーバ間のデータ転送

UNIXサーバ(ノード名=unix01) と Linuxサーバ(ノード名=linux02) 間でデータ転送依頼を行う場合の例

(使用する中間ディスクは、unix01サーバから見て/dev/rdsk/c1t2d3s2、linux02サーバ(RHEL8以前のOS)から見て/dev/sda2をrawコマンドで /dev/raw/raw2 にバインドした場合 )

  1. unix01サーバの /etc/mftf/ini 配下の初期化情報設定ファイル(mftfdvini.conf)に以下のように初期化情報を設定する。

    <Client System>
    # unix01 -- linux02 の定義
        CLNAME=unix01
        <Server System>
            SVNAME=linux02
            PATH=/dev/raw/raw2
        </Server System>
    </Client System>
    # linux02 -- unix01 の定義
    <Client System>
        CLNAME=linux02
        <Server System>
            SVNAME=unix01
            PATH=/dev/rdsk/c1t2d3s2
        </Server System>
    </Client System>
  2. unix01サーバから mftfdviniコマンド を以下のように実行する。

    mftfdvini  /dev/rdsk/c1t2d3s2

2.4.2.2 mftfdvaddコマンド

構文

mftfdvadd  デバイス名 クライアントシステム名 [ -s サーバシステム名 ]
           [ -p 絶対パスのデバイス名 | -d 物理ドライブ名 ] [ -f ]

説明

mftfdvaddコマンドは、mftfdviniコマンドで初期化されたデータ転送用ボリュームに、転送可能にしたいクライアントまたはサーバを追加したいときに使用するコマンドです。

また、本コマンドはシステム管理者(UIDが0のユーザ、一般的にはroot)だけが使用可能です。

本コマンドを実行すると、必ず確認プロンプトが表示されます。実行する場合には"yes"、実行しないときには"no"を指定してください。

注意

mftfdviniコマンドで初期化されていないデータ転送用ボリュームに対して、本コマンドを実行した場合にはエラーとなります。

オプション

デバイス名

データ転送用ボリュームのキャラクタデバイス名を絶対パスで指定します。 (必 須)

Solaris OSの場合

ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。

AIXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。

HP-UXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。

Linux(RHEL8以前)の場合

ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。

Linux(RHEL9以降)の場合

XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。

クライアントシステム名

クライアントシステム名を15文字以内で指定します。 (必 須)

クライアントシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化ポイントを参照してください。

-s サーバシステム名

サーバシステム名を15文字以内で指定します。

サーバシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化ポイントを参照してください。

-p 絶対パスのデバイス名

サーバシステムがUNIXサーバの場合、装置情報(デバイス名の絶対パス)を64文字以内で指定します。

-dオプションと同時に指定することはできません。

Solaris OSの場合

ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。

AIXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。

HP-UXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。

Linux(RHEL8以前)の場合

ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。

Linux(RHEL9以降)の場合

XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。

-p /dev/rdsk/c1t2d3s2

-d 物理ドライブ名

サーバシステムがIAサーバの場合、装置情報(物理ドライブ名)を64文字以内で指定します。

-pオプションと同時に指定することはできません。

-d PHYSICALDRIVE2

-f

データ転送用ボリュームが使用中であっても、情報の追加を強制的に実行する場合に指定します。

データ転送中に本オプションを指定して実行した場合、転送中のデータは保証されません。

復帰値

正常終了した場合には、0 を返します。

それ以外の場合は、エラーメッセージを出力し -1 を返します。

  • /dev/rdsk/c1t2d3s2 のデータ転送用ボリュームに、クライアントシステムとして新たなUNIXサーバ(ノード名 = sun01)を追加する場合

    mftfdvadd  /dev/rdsk/c1t2d3s2  sun01
  • /dev/rdsk/c1t2d3s2 のデータ転送用ボリュームに、クライアントシステムとして定義済のUNIXサーバ(ノード名 = sun02)に対するサーバシステムとして、IAサーバ(コンピュータ名 = win01)を追加する場合

    mftfdvadd  /dev/rdsk/c1t2d3s2  sun02  -s  win01
  • /dev/rdsk/c1t2d3s2 のデータ転送用ボリュームに、クライアントシステムとして定義済のUNIXサーバ(ノード名 = sun03)とサーバシステムとして定義済のIAサーバ(コンピュータ名 = win02)に、物理ドライブ PHYSICALDRIVE2 を定義追加する場合

    mftfdvadd  /dev/rdsk/c1t2d3s2  sun03  -s  win02  -d PHYSICALDRIVE2

2.4.2.3 mftfdvaltコマンド

構文

mftfdvalt  デバイス名 変更前のクライアントシステム名 [ /サーバシステム名 ]
           { 変更後のクライアントシステム名 [ /サーバシステム名 ] | 
            -p 絶対パスのデバイス名 |
            -d 物理ドライブ名 }
           [ -f ]

説明

mftfdvaltコマンドは、mftfdviniコマンドで初期化されたデータ転送用ボリュームに、既に定義済のクライアント名、サーバ名、デバイス名の絶対パス、または物理ドライブ名を変更するコマンドです。

また、本コマンドはシステム管理者(UIDが0のユーザ、一般的にはroot)だけが使用可能です。

本コマンドを実行すると、必ず確認プロンプトが表示されます。実行する場合には"yes"、実行しないときには"no"を指定してください。

注意

mftfdviniコマンドで初期化されていないデータ転送用ボリュームに対して、本コマンドが使用された場合には、エラーとなります。

オプション

デバイス名

データ転送用ボリュームのキャラクタデバイス名を絶対パスで指定します。 (必 須)

Solaris OSの場合

ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。

AIXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。

HP-UXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。

Linux(RHEL8以前)の場合

ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。

Linux(RHEL9以降)の場合

XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。

変更前のクライアントシステム名 [ /サーバシステム名 ]

変更前のクライアントシステム名とサーバシステム名をそれぞれ15文字以内で指定します。 (必 須)

クライアントシステム名だけ変更したい場合は、クライアントシステム名だけを指定してください。

サーバシステム名、またはサーバの装置情報、あるいはその両方を変更したい場合は、クライアントシステム名/サーバシステム名を指定してください。

なお、クライアントシステム名とサーバシステム名を同時に変更することはできません。

クライアントシステム名、サーバシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化ポイントを参照してください。

変更後のクライアントシステム名 [ /サーバシステム名 ]

変更後のクライアントシステム名とサーバシステム名をそれぞれ15文字以内で指定します。

変更前のクライアント名[/サーバ名]の指定に対応した、クライアントシステム名およびサーバシステム名を指定してください。

変更前の指定に、クライアントシステム名だけ指定した場合には、変更後もクライアントシステム名だけを、変更前の指定に、クライアントシステム名/サーバシステム名を指定した場合には、変更後にもクライアントシステム名/サーバシステム名を指定してください。

クライアントシステム名、サーバシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化ポイントを参照してください。

-p 絶対パスのデバイス名

変更対象となるサーバシステムがUNIXサーバの場合、サーバシステムの装置情報(デバイス名の絶対パス)を64文字以内で指定します。

-dオプションと同時に指定することはできません。

Solaris OSの場合

ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。

AIXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。

HP-UXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。

Linux(RHEL8以前)の場合

ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。

Linux(RHEL9以降)の場合

XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。

-p /dev/rdsk/c1t2d3s2

-d 物理ドライブ名

変更対象となるサーバシステムがIAサーバの場合、サーバシステムの装置情報(物理ドライブ名)を64文字以内で指定します。

-pオプションと同時に指定することはできません。

-d PHYSICALDRIVE2

-f

データ転送用ボリュームが使用中であっても変更を強制的に実行する場合に指定します。

データ転送中に本オプションを指定して実行した場合、転送中のデータは保証されません。

復帰値

正常終了した場合には、0 を返します。

それ以外の場合は、エラーメッセージを出力し -1 を返します。

  • /dev/rdsk/c1t2d3s2 のデータ転送用ボリュームに、定義済のUNIXサーバのクライアントシステム名 "sunsun" を、"sun02" に変更する場合

    mftfdvalt  /dev/rdsk/c1t2d3s2  sunsun  sun02
  • /dev/rdsk/c1t2d3s2 のデータ転送用ボリュームに、定義済のUNIXサーバのクライアントシステム名 "sun02" と対応する定義済のIAサーバのサーバシステム名 "win02" を、"win10" に変更する場合

    mftfdvalt  /dev/rdsk/c1t2d3s2  sun02/win02  sun02/win10
  • /dev/rdsk/c1t2d3s2 のデータ転送用ボリュームに、定義済のUNIXサーバのクライアントシステム名 "sun02" と対応する定義済のUNIXサーバのサーバシステム名 "unix001" に対して、デバイス名を "/dev/rdsk/c2t1d6s2" に変更する場合

    mftfdvalt  /dev/rdsk/c1t2d3s2  sun02/unix001  -p  /dev/rdsk/c2t1d6s2
  • /dev/rdsk/c1t2d3s2 のデータ転送用ボリュームに、定義済のUNIXサーバのクライアントシステム名 "sun02" と対応する、定義済のIAサーバのサーバシステム名 "WIN01" に対して、未設定であったデバイス名を "PHYSICALDRIVE2" にする場合

    mftfdvalt  /dev/rdsk/c1t2d3s2  sun02/WIN01  -d  PHYSICALDRIVE2

2.4.2.4 初期化情報設定ファイル

初期化情報設定ファイルとは・・・

初期化情報設定ファイルとは、ディスクをデータ転送用ボリュームとして初期化するとき(mftfdviniコマンドを使用するとき) に、必要となる各種情報の設定値を格納しておくファイルです。

本ファイルは必ず、/etc/mftf/ini 配下に格納してください。なお、通常使用されるファイルのファイル名は mftfdvini.conf です。

参考

mftfdvini.conf は、XLデータムーバインストール時に /etc/mftf/ini 配下 に格納されており、ファイル内にはUNIXサーバとIAサーバ間で使用する場合の例が記載されています。

その情報を元に修正して使用してください。

構文規約

本ファイルの構文規約は次のとおりです。

行の先頭が "#"

注釈

<xxxx>

各情報ブロックの開始

</xxxx>

各情報ブロックの終了

name = value

各情報の設定

情報名(name)に値(value)を設定する。

値を省略した場合には各情報の省略値が使用されます。

上記の各情報を、1行に複数指定することはできません。

1行に複数の情報の指定をした場合、指定規約違反となります。

行の先頭から各情報の間や、情報ごとの間には、空白(2バイト文字を除く)やタブで区切ることができます。

情報ブロック情報

本ファイルには、2つの情報ブロックが存在します。

※ 指定文字は大文字/小文字を区別しません。

クライアント情報ブロックおよび、サーバ情報ブロックの関係は下図のとおりです。

クライアント情報ブロックには、1クライアント分の情報を指定します。

サーバ情報ブロックには、対象クライアントとデータ転送する、相手サーバ1つ分の情報を指定します。

初期化情報

各初期化情報について、情報ブロックごとに説明します。

クライアント情報ブロック
CLNAME = クライアントシステム名 (必須)

クライアントシステム名を15文字以内で指定します。

クライアント情報ブロック内に1つしか指定できません。

クライアントシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化ポイントを参照してください。

サーバ情報ブロック
SVNAME = サーバシステム名 (必須)

サーバシステム名を15文字以内で指定します。

サーバ情報ブロック内に1つしか定義できません。同一クライアント情報ブロック内に同じサーバシステム名の重複指定はできません。

サーバシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化ポイントを参照してください。

[PATH = 絶対パスのデバイス名(UNIXサーバの場合) |
DRIVE = 物理ドライブ名(IAサーバの場合)]

データ転送用ボリュームのサーバシステムでの装置情報を64文字以内で指定します。

UNIXサーバの場合には、絶対パスのデバイス名を「PATH」に指定します。

IAサーバの場合には、デバイスの物理ドライブ名を「DRIVE」に指定します。

PATH と DRIVE を両方指定することはできません。

Solaris OSの場合

ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。

AIXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。

HP-UXの場合

キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。

Linux(RHEL8以前)の場合

ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。

Linux(RHEL9以降)の場合

XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。

IAサーバの場合

システムの物理ドライブ名(PHYSICALDRIVEn)を指定します。

UNIXサーバ (ノード名 = sun01) とIAサーバ (コンピュータ名 = WIN01) の間でデータ転送を実施する場合の初期化情報設定ファイルの例を以下に記載します。

# UNIX -- Windows の定義
<Client System>
    CLNAME=sun01
    <Server System>
        SVNAME=WIN01
    </Server System>
</Client System>
# Windows -- UNIX の定義
<Client System>
    CLNAME=WIN01
    <Server System>
        SVNAME=sun01
        PATH=/dev/rdsk/c1t2d3s2
    </Server System>
</Client System>