本節では、グローバルサーバから実行するXLデータムーバの初期化ユーティリティ(KJUAFMT)について説明します。
ボリュームの初期化によりVTOCを作成したディスクを、KJUAFMTによりXLデータムーバ用に初期化します。
KJUAFMTで未初期化のディスクでは、データは転送できません。必ず実行してください。KJUAFMTを実行する際は、必ずバッチジョブとして起動してください。
KJUAFMTを使用する際の注意事項は、KJUAFMTの使用上の注意に記載されていますので、初期化を実施する前に参照してください。
KJUAFMTの機能には、データ転送用ボリュームの初期化とデータ転送用ボリュームの情報変更があります。
KJUAFMTの機能、概要と制御文を以下に示します。
機能 | 概要 | 制御文 |
---|---|---|
データ転送用ボリュームの初期化 | XLデータムーバおよびSANデータ連携製品がデータ転送を実行できる形式にボリュームを初期化します。 | DEVICE制御文 |
データ転送用ボリュームの情報変更 | データ転送用に初期化したデータ転送用ボリューム内のサーバシステムに関する情報を変更します。 | DEVICE制御文 |
ジョブ制御文 | 指定内容 |
---|---|
EXEC文 | プログラム名およびリージョンサイズを指定します。 |
SYSPRINT DD文 | KJUAFMT処理結果およびメッセージを出力する印刷用データセットを指定します。(*1) |
SYSIN DD文 | 制御文を定義しているデータセットを指定します。(*2) |
*1:印刷用データセットの属性は以下のとおりです。
データセット編成:順データセット
レコード形式:ANSI制御文字付き可変長ブロック化レコード形式(VBA形式)
レコード長:125バイト
ブロック長:125×n+4バイト以上
*2:SYSINデータセットは以下の属性である必要があります。
データセット編成:順データセット
レコード形式:固定長ブロック化レコード形式(FB形式)
レコード長:80バイト
ブロック長:80×nバイト
制御文の記述形式
制御文は、以下に示す欄からなります。
制御欄□オペレーション欄△オペランド欄○注釈欄
なお、上記記号の意味は以下のとおりです。
□:0個以上の空白または、カンマを表します。
△:1個以上の空白を表します。
○:カンマと1個以上の空白の組み合わせを表します。
制御文の各欄の説明
欄の名前 | 内容・目的 | 必要性 | 備考 |
---|---|---|---|
制御欄 | 制御文の有無を指定します。 | 必須 | 1カラム目に" "(空白)を指定します。 |
オペレーション欄 | 制御文の識別を指定します。 | 必須 | オペレーションの前後には、必ず1個以上のカンマまたは、空白で区切ります。 |
オペランド欄 | オペレーションの付属情報を指定します。 | 必須 | オペランドを複数指定する場合は、カンマまたは、空白で区切ります。 |
注釈欄 | コメントを記述します。 | 任意 | カンマ、空白の順序で区切り文字を記述後、注釈を記述します。 |
制御文は、1カラムから71カラムまでに記述する必要があります。
1個の制御文は、行を継続させて記述することができます。以下のどれかの記述があった場合、継続行とみなします。
オペレーションの直後に、カンマ、空白の順序に記述されている。
オペランドのパラメタを区切るカンマの後に空白が記述されている。
72カラム目に空白以外の文字が記述されている。
KJUAFMTは、以下の制御文で構成されています。
注意
UNIX/IAサーバ側の設定情報(該当オペランドの説明に“EBCDIC-ASCII”と記載)は、英字の大文字と小文字が区別されます。
そのため、該当するオペランドは、UNIX/IAサーバ側の情報と同じように、英字の大文字と小文字をEBCDIC-ASCIIコードにて正確に入力してください。
DEVICE制御文
DEVICE制御文は、初期化あるいは情報変更を行うボリュームを指定します。
制御欄 | オペレーション欄 | オペランド欄 |
---|---|---|
空白 | DEVICE | { VOL=ボリューム通し番号 | |
DEVICE制御文は、SYSINデータセットの先頭に記述する必要があります。
DEVICE制御文は、SYSINデータセット内に1つしか記述することができません。
VOLオペランドでデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。
PRIMEFORCEの共用ディスクの場合、VOLオペランドは指定できません。
DEVオペランドでデータ転送用ボリュームの装置番号/装置名を指定します。
OS/390の場合は、DEVオペランドを指定することはできません。
対象ボリュームを初期化する場合に指定します。
情報変更する場合は、指定しません。
データ転送用ボリュームの1クライアントあたりの区画数を指定します。
LARGEを指定した場合は、16個の区画が作成されます。
MIDDLEを指定した場合は、10個の区画が作成されます。
本オペランドは、INITオペランドが指定された場合に有効となり、INITオペランドが指定されていない場合はエラーとなります。
省略時にはLARGEが指定されたものとみなします。
なお、指定可能な区画数とディスクタイプまたは論理ユニットの容量の関係については、“使用可能なディスクまたは論理ユニット”を参照してください。
注意
VOLオペランドとDEVオペランドは同時に指定することはできません。
DEFCL制御文
クライアントシステムの指定を行います。
制御欄 | オペレーション欄 | オペランド欄 |
---|---|---|
空白 | DEFCL | SYSNAME=クライアントシステム名 |
クライアントシステム名を、15文字以内(UNIX/IAサーバ側をクライアントシステムとして使用する場合:“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
なお、SANデータ連携製品の場合は、SANデータ連携製品で使用するホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
クライアントシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化のポイントを参照してください。
DEFSV制御文
サーバシステム名とサーバシステムのボリューム情報を指定します。
制御欄 | オペレーション欄 | オペランド欄 |
---|---|---|
空白 | DEFSV | SYSNAME=サーバシステム名 |
サーバシステム名を、15文字以内(UNIX/IAサーバ側をサーバシステムとして使用する場合:“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
なお、SANデータ連携製品の場合は、SANデータ連携製品で使用するホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
サーバシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化のポイントを参照してください。
クライアントシステム名を、15文字以内(UNIX/IAサーバ側をクライアントシステムとして使用する場合:“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
クライアントシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化のポイントを参照してください。
VOLオペランド、PATHオペランド、DRIVEオペランドは、サーバシステムでのデータ転送用ボリュームの装置情報を指定します。
装置情報は、サーバシステムや装置種別により指定方法が、以下のように異なります。
VOLオペランドでデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。
PRIMEFORCEの共用ディスクの場合、VOLオペランドは指定できません。
DEVオペランドでデータ転送用ボリュームの装置番号/装置名を指定します。
VOLオペランドでデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。
PATHオペランドで、UNIXサーバに定義されている特殊ファイル名を、64文字以内(“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
特殊ファイル名は、UNIXサーバによってそれぞれ以下のようになります。
Solaris OSの場合
ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。
AIXの場合
キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。
HP-UXの場合
キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。
Linux(RHEL8以前)の場合
ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。
Linux(RHEL9以降)の場合
XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。
DRIVEオペランドで、IAサーバに定義されているディスクドライブの番号("PHYSICALDRIVEn" nは数字を表します)を、64文字以内(“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
ディスクドライブの番号には、ディスクユーティリティに表示される値を指定してください。
例
ディスクユーティリティで("Disk05")と表示されていれば、"PHYSICALDRIVE5"と指定してください。
ALTSV制御文
サーバシステムのボリューム情報を変更します。
制御欄 | オペレーション欄 | オペランド欄 |
---|---|---|
空白 | ALTSV | SYSNAME=サーバシステム名 |
サーバシステム名を、15文字以内(UNIX/IAサーバ側をサーバシステムとして使用する場合:“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
サーバシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化のポイントを参照してください。
クライアントシステム名を、15文字以内(UNIX/IAサーバ側をクライアントシステムとして使用する場合:“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
クライアントシステム名については、2.4 XLデータムーバの初期化のポイントを参照してください。
VOLオペランド、PATHオペランド、DRIVEオペランドは、サーバシステムでのデータ転送用ボリュームの装置情報を指定します。
装置情報は、サーバシステムや装置種別により指定方法が、以下のように異なります。
VOLオペランドでデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。
PRIMEFORCEの共用ディスクの場合、VOLオペランドは指定できません。
DEVオペランドでデータ転送用ボリュームの装置番号/装置名を指定します。
VOLオペランドでデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。
PATHオペランドで、UNIXサーバに定義されている特殊ファイル名を、64文字以内(“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
特殊ファイル名は、UNIXサーバによってそれぞれ以下のようになります。
Solaris OSの場合
ボリューム全体を示すパーティション番号"s2"の特殊ファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2s2など)を指定します。
AIXの場合
キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rhdisk3など)を指定します。
HP-UXの場合
キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/rdsk/c1t1d2など)を指定します。
Linux(RHEL8以前)の場合
ブロック型デバイス名をrawコマンドでバインドした、キャラクタ型デバイスファイル名(/dev/raw/raw2など)を指定します。
Linux(RHEL9以降)の場合
XLデータムーバ専用デバイス名(/dev_mftf/dev2など)を指定します。
DRIVEオペランドで、IAサーバに定義されているディスクドライブの番号("PHYSICALDRIVEn" nは数字を表します)を、64文字以内(“EBCDIC-ASCII”)で指定します。
ディスクドライブの番号には、ディスクユーティリティに表示される値を指定してください。
例
ディスクユーティリティで("Disk05")と表示されていれば、"PHYSICALDRIVE5"と指定してください。
KJUAFMTでは、データ転送用ボリューム内の転送区画が使用中の状態であった場合、初期化あるいは情報変更の処理は実施しません。
しかし、転送ジョブの異常終了やシステム異常により、データ転送処理が中断された場合、データ転送用ボリューム内の転送区画は使用中の状態のままになっていることがあります。
このような状態のデータ転送用ボリュームには、PARMパラメタ(MSP、OS/390の場合)/PARA文(XSPの場合)に"FORCEパラメタ"を指定することにより、強制的に初期化あるいは情報変更を行うことができます。
記述形式(MSP、OS/390の場合)
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ //PGM EXEC PGM=KJUAFMT,REGION=1024K,PARM='FORCE'
記述形式(XSPの場合)
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ \ EX KJUAFMT,RSIZE=1024K \ PARA FORCE
KJUAFMT制御文の使用例(JCL例)について説明します。
グローバルサーバとUNIXサーバ間でデータ転送を行う場合の使用例
グローバルサーバとIAサーバ間でデータ転送を行う場合の使用例
グローバルサーバとUNIXサーバ間でデータ転送を行う場合の使用例
MSP、OS/390システムの場合
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ //FORMAT EXEC PGM=KJUAFMT,REGION=1024K //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSIN DD * DEVICE VOL=MSPVOL,INIT (1) DEFCL SYSNAME=MSP1 (2) DEFSV SYSNAME=UNIX1,CLNAME=MSP1, (3) PATH=/dev/rdsk/c1t1d2s2 * DEFCL SYSNAME=UNIX1 (4) DEFSV SYSNAME=MSP1,CLNAME=UNIX1, (5) VOL=MSPVOL /*
(1):VOLオペランドでグローバルサーバ側のデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。この例ではMSPVOLとしています。
(2):グローバルサーバ側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでグローバルサーバのクライアントシステム名を指定します。 この例ではMSP1としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、クライアントシステム名は、SANデータ連携製品で使用するグローバルサーバ側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(3):UNIX側をサーバとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでUNIXのサーバシステム名を指定します。この例ではUNIX1としています。
CLNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
PATHオペランドにはUNIX側のデータ転送用ボリュームの特殊ファイル名を指定します。この例では/dev/rdsk/c1t1d2s2としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、サーバシステム名は、SANデータ連携製品で使用するUNIX側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(4):UNIX側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドには(3)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
(5):グローバルサーバ側をサーバとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
CLNAMEオペランドには(4)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
VOLオペランドには(1)のVOLオペランドと同じものを指定します。
XSPシステムの場合
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ \ EX KJUAFMT,RSIZE=1024K \ FD SYSPRINT=DA,SOUT=A \ FD SYSIN=* DEVICE VOL=XSPVOL,INIT (1) DEFCL SYSNAME=XSP1 (2) DEFSV SYSNAME=UNIX1,CLNAME=XSP1, (3) PATH=/dev/rdsk/c1t1d2s2 * DEFCL SYSNAME=UNIX1 (4) DEFSV SYSNAME=XSP1,CLNAME=UNIX1, (5) VOL=XSPVOL \ JEND
(1):VOLオペランドでグローバルサーバ側のデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。この例ではXSPVOLとしています。
(2):グローバルサーバ側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでグローバルサーバのクライアントシステム名を指定します。 この例ではXSP1としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、クライアントシステム名は、SANデータ連携製品で使用するグローバルサーバ側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(3):UNIX側をサーバとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでUNIXのサーバシステム名を指定します。この例ではUNIX1としています。
CLNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
PATHオペランドにはUNIX側のデータ転送用ボリュームの特殊ファイル名を指定します。この例では/dev/rdsk/c1t1d2s2としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、サーバシステム名は、SANデータ連携製品で使用するUNIX側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(4):UNIX側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドには(3)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
(5):グローバルサーバ側をサーバとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
CLNAMEオペランドには(4)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
VOLオペランドには(1)のVOLオペランドと同じものを指定します。
グローバルサーバとIAサーバ間でデータ転送を行う場合の使用例
IAサーバとデータ転送を行う場合の初期化は、以下の手順で実行してください。
クライアント/サーバシステム名を指定した初期化を実行します。このとき、IAサーバをサーバシステムとして定義する制御文には装置情報を指定しません。
IAサーバ側でディスクユーティリティを実行し、ディスクドライブの番号を求めます。
転送用ボリュームの情報更新を行います。このときの制御文に、ディスクユーティリティで求めたディスクドライブの番号を指定します。
MSP、OS/390システムの場合
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ //FORMAT EXEC PGM=KJUAFMT,REGION=1024K //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSIN DD * DEVICE VOL=MSPVOL,INIT (1) DEFCL SYSNAME=MSP1 (2) * DEFCL SYSNAME=NT1 (3) DEFSV SYSNAME=MSP1,CLNAME=NT1, (4) VOL=MSPVOL /*
(1):VOLオペランドでグローバルサーバ側のデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。この例ではMSPVOLとしています。
(2):グローバルサーバ側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでグローバルサーバのクライアントシステム名を指定します。 この例ではMSP1としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、クライアントシステム名は、SANデータ連携製品で使用するグローバルサーバ側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(3):IA側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでIAサーバのクライアントシステム名を指定します。この例ではNT1としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、クライアントシステム名は、SANデータ連携製品で使用するIA側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(4):グローバルサーバ側をサーバとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
CLNAMEオペランドには(3)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
VOLオペランドには(1)のVOLオペランドと同じものを指定します。
グローバルサーバ側で初期化を実行した後、IAサーバで、ディスクユーティリティを実行し、ディスクドライブの番号を求めます。
求めたディスクドライブの番号を、転送用ボリュームに情報として設定するために、情報更新のジョブを以下のJCL例にならって実行します。
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ //ALTER EXEC PGM=KJUAFMT,REGION=1024K //SYSPRINT DD SYSOUT=* //SYSIN DD * DEVICE VOL=MSPVOL (5) DEFSV SYSNAME=NT1,CLNAME=MSP1, (6) DRIVE=PHYSICALDRIVE3 /*
(5):VOLオペランドには(1)のVOLオペランドと同じものを指定します。
(6):IA側をサーバとした情報を追加します。
SYSNAMEオペランドには(3)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
CLNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
DRIVEオペランドには、ディスクユーティリティで求めたディスクドライブ名を指定します。この例ではPHYSICALDRIVE3としています。
XSPシステムの場合
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ \ EX KJUAFMT,RSIZE=1024K \ FD SYSPRINT=DA,SOUT=A \ FD SYSIN=* DEVICE VOL=XSPVOL,INIT (1) DEFCL SYSNAME=XSP1 (2) * DEFCL SYSNAME=NT1 (3) DEFSV SYSNAME=XSP1,CLNAME=NT1, (4) VOL=XSPVOL \ JEND
(1):VOLオペランドでグローバルサーバ側のデータ転送用ボリュームのボリューム通し番号を指定します。この例ではXSPVOLとしています。
(2):グローバルサーバ側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでグローバルサーバのクライアントシステム名を指定します。 この例ではXSP1としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、クライアントシステム名は、SANデータ連携製品で使用するグローバルサーバ側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(3):IA側をクライアントとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドでIAサーバのクライアントシステム名を指定します。この例ではNT1としています。
なお、SANデータ連携製品の場合、クライアントシステム名は、SANデータ連携製品で使用するIA側のホスト名/ノード名と同じにする必要があります。
(4):グローバルサーバ側をサーバとした指定を行います。
SYSNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
CLNAMEオペランドには(3)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
VOLオペランドには(1)のVOLオペランドと同じものを指定します。
グローバルサーバ側で初期化を実行した後、IAサーバで、ディスクユーティリティを実行し、ディスクドライブの番号を求めます。
求めたディスクドライブの番号を、転送用ボリュームに情報として設定するために、情報更新のジョブを以下のJCL例にならって実行します。
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+ \ EX KJUAFMT,RSIZE=1024K \ FD SYSPRINT=DA,SOUT=A \ FD SYSIN=* DEVICE VOL=XSPVOL (5) DEFSV SYSNAME=NT1,CLNAME=XSP1, (6) DRIVE=PHYSICALDRIVE3 \ JEND
(5):VOLオペランドには(1)のVOLオペランドと同じものを指定します。
(6):IA側をサーバとした情報を追加します。
SYSNAMEオペランドには(3)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
CLNAMEオペランドには(2)のSYSNAMEオペランドと同じものを指定します。
DRIVEオペランドには、ディスクユーティリティで求めたディスクドライブ名を指定します。この例ではPHYSICALDRIVE3としています。
データ転送処理が実行中の場合、KJUAFMTはエラー終了します。
KJUAFMTは、データ転送用ボリュームが使用中の状態であると認識した場合、エラー終了します。
このエラーは、データ転送用ボリュームの未使用中でも、以下の場合に発生することがあります。
以前、データ転送のジョブが異常終了した場合
以前、データ転送中にシステムダウンが発生した場合
その際は、PARMパラメタ(MSP、OS/390の場合)/PARA文(XSPの場合)の記述に従って、KJUAFMTを実行してください。
強制的に、データ転送用ボリュームの初期化あるいは情報変更を行う場合は、データ転送処理が実行されていないことを確認した上で実行してください。
RACF導入時の注意
KJUAFMTはETERNUS ディスクアレイ、F6494/F6495/F6496/F6497のデータ転送用ボリュームに転送用データセットを確保します。
転送用データセットの公衆アクセス権としてALTER権が必要です。
転送用データセット名は、下記の表を参照してください。
システム種別 | 転送用データセット名 |
---|---|
MSP | SYS1.XLDM.Vvolser |
XSP | SYS.XLDM.Vvolser |
OS/390 | SYS1.XLDM.Vvolser |
なお、RACF権限の登録方法の詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
MSPの場合:『OS IV/MSP RACFコマンド文法書』
XSPの場合:『OS IV/XSP RACF使用手引書』