アプリケーションサーバの設計について説明します。
利用者業務は、データベースサーバにアクセスする場合、Connection Managerを利用して接続します。
DBミラーリングシステムでは、データベースサーバをフェイルオーバ運用(1:1運用待機型の構成)として構築しています。そのため、Connection Managerは、データベースサーバがフェイルオーバ運用の場合の構成と組み合わせたシステム構成にしてください。
本項では設計に関する注意事項を説明します。
コネクション自動切替え機能は、プレコネクション切替え方式を利用します。
DBミラーリングシステムのノードごとのデータベースサーバの状態を、Connection Managerのマニュアル内のフェイルオーバ運用で説明している状態と、以下のように対応させてください。
データベースサーバの状態 | Connection Managerでの状態 |
---|---|
正系ノードのサービス中(注) | 運用系 |
副系ノードのサービス中(注) | 待機系 |
上記以外 | 接続不可 |
注)各ノードの状態の詳細は、“付録L DBミラーリングシステムの状態遷移”を参照してください。
Connection ManagerのAPC動作環境ファイルで指定するRDBシステム名は、運用開始時に正系ノードとして運用を行うRDBシステム名を指定してください。
このようにすることで、アプリケーションは正系ノードのデータベースに自動的に接続されます。
以下にデータベースサーバ1(host1)を正系ノードで運用する場合の例を示します。
参照
Connection Managerの詳細については、“Connection Manager ユーザーズガイド”を参照してください。
Mirroring Controllerを使用して、ノード間の通信異常時、または正系ノードのノードダウンおよびスローダウン時の自動ノード切替えを行う場合に必要となるConnection Manager(GCM:Grand Connection Manager)を決定します。
GCMに関する定義は、DBミラーリング動作環境ファイルのGCM_FAILOVERパラメタおよびGCM_ADDRESSパラメタに指定します。また、GCM_ADDRESSパラメタに複数のアプリケーションサーバをGCMとして指定することができます。
GCMとするConnection Managerが動作していない場合、正系ノードがノードダウンしても、自動ノード切替えを行いません。このため、GCM_ADDRESSを1つだけ指定する場合は、可用性の高いアプリケーションサーバ上のConnection ManagerをGCMとするようにしてください。GCM_ADDRESSパラメタに複数のアプリケーションサーバを指定すると、GCMとして接続されているアプリケーションサーバが故障しても、異なるアプリケーションサーバをGCMとして利用することができます。
GCMは2台のデータベースサーバに対して第三者として連携し、自動ノード切替えの有無を判断します。
GCMが第三者として正しく連携するために、正系ノード・副系ノードと同時に異常にならないよう以下に注意してシステムを構築してください。
GCMに指定したアプリケーションサーバとデータベースサーバが同時にダウンしない環境に構築してください。
ネットワークが同時に不通にならないように業務用のLANと管理用のLANは分離してください。
注意
クラウド環境、VM環境など、GCMに指定したアプリケーションサーバとデータベースサーバが同時にダウンする環境に設置した場合、GCMの機能に以下の制限があります。
配置 | 機能の制限 |
---|---|
正系ノードとGCMが同時にダウン | 自動ノード切替えができません。 |
副系ノードとGCMが同時にダウン | GCM_ADDRESSのオペランドを複数指定している場合、GCMの切り替えができません。 |
正系ノードと副系ノードはノード切替えによって入れ替わるので、ノードが正系ノード・副系ノードのどちらの状態か確認してから、上記の表を参照してください。
ポイント
アプリケーションサーバを設置しない構成の場合、データベースサーバとは別に監査サーバを設置し、そのサーバにGCMをセットアップしてください。
参照
DBミラーリング動作環境ファイルについては、“D.1 DBミラーリング動作環境ファイルの編集”を参照してください。
GCMの利用による自動ノード切替えの詳細については、“付録C システムの監視対象と方法(Mirroring Controller使用時)”を参照してください。
参考
GCMとの接続ができていない場合でも、DBミラーリングサービスは正常に開始されます。しかし、ノード間の通信異常時、または正系ノードのダウンおよびスローダウン時に、自動ノード切替えができません。
そのため、DBミラーリングサービスを開始する場合には、“8.1.4 DBミラーリングサービスの開始”に示すとおり、必ずdxinfコマンドでGCMの接続が正常な状態であることを確認してください。
アプリケーション作成時の注意事項は、“Connection Manager ユーザーズガイド”を参照してください。