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Systemwalker Centric Manager 使用手引書 セキュリティ編
FUJITSU Software

10.5.3 ポリシーを使用して設定する

ポリシーを使用して設定する方法を説明します。監査ログ管理機能の導入時に使用します。監査ログ分析機能を使用してログ分析を行いたい場合、ポリシーに従ったログ収集を行う場合や収集対象マシンが多い場合に使用します。特に監査ログ分析機能を使用してログ分析を行いたい場合、必ずポリシーを使用した設定を行ってください。

1. ポリシーを設する

2. 監視を作(必要に応じて)
      設定場所:Systemwalkerコンソール

3. ポリシー
      設定場所:運用管理サーバ

4. 中継サーバを設定(必要に応じて)
      設定場所:Systemwalkerコンソール(リモートコマンド使用)

5. ポリシー録する
      設定場所:運用管理サーバ

6. ポリシー配付する
      設定場所:Systemwalkerコンソール

7. 中継サーバの被管理サーバのロ収集を定義する(必要に応じて)
      設定場所:Systemwalkerコンソール(リモートコマンド使用)、
      または運用管理サーバ

ポリシーを設計する

ポリシーを使用したログ収集の設定を行うには、現在のシステム内のどのサーバ上のログを収集するか、どのような経路でログを収集するか などを検討します。

以下に考慮する観点を説明します。

監視ツリーを作成する

複数のノードに対して同じポリシーを設定する場合は、運用管理クライアントまたは運用管理サーバ(Windowsのみ)からSystemwalkerコンソールを起動し、監視ツリーを作成します。

ノードを指定してポリシーを設定する場合や、すべてのノードに同じポリシーを設定する場合は、監視ツリーを設定する必要はありません。

複数のノードに対して異なるポリシーを設定する場合は、監視ツリーにポリシーの種類分のフォルダを作成します。作成したフォルダ配下に同じポリシーを設定するノードを追加することにより、ポリシーを効率的に配付することができます。

例えば、“ポリシーを設する”の構成の場合は、Systemwalkerコンソールの監視ツリーを以下のように作成すると効率的にポリシーを配付することができます。

ポリシーを作成する

ポリシーを設計する”で設計したポリシー値に沿って、運用管理サーバの任意のディレクトリ配下に監査ログ管理ポリシーファイル(以降は、ポリシーファイルと表現)を作成します。ポリシーファイルは、ポリシーの種類やOSごとに作成します。mpatmdef.dat(監査ログ管理設定サンプルファイル)を流用すると簡単に作成することができます。ポリシーファイルのAPDEFセクションで、収集実行の設定が「YES」(収集する)となっているもの、または監査ログ管理ポリシーファイル中の必須項目を記載している定義についてポリシー登録を行います。監査ログ管理ポリシーファイルと監査ログ管理設定サンプルファイルの詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

日付書式定義ファイルの作成

ポリシーファイルに記述した日付書式定義ファイルをポリシー配付する場合は、ポリシーファイルと同じディレクトリ配下にポリシー配付する日付書式定義ファイルを作成します。

ポリシーファイルに記述していない日付書式定義ファイルを、ポリシーファイルと同じディレクトリ配下に作成しても、その日付書式定義ファイルはポリシー配付しません。

ポリシーファイルに、日付書式定義ファイルをフルパス名で記述した場合は、ポリシーを配付するサーバの該当ディレクトリ配下に日付書式定義ファイルを格納します。

ディレクトリを省略し、ファイル名だけを記述した場合は、ポリシーを配付するサーバの以下のディレクトリ配下に日付書式定義ファイルを格納します。

すでに日付書式定義ファイルが存在する場合は、ポリシー配付した日付書式定義ファイルを上書きします。

ポリシーを配付したサーバに、すでに日付書式定義ファイルがある場合は、ポリシーを配付する必要がないため、日付書式定義ファイルを作成する必要はありません。

例えば、デフォルトで提供しているイベントログ、シスログ、IISのログやSystemwalker Centric Managerのリモートコマンド検索コマンドなどの日付書式定義ファイルは、Systemwalker Centric Managerをインストールしたときに、日付書式定義ファイルをインストールしているため、作成する必要はありません。

ポリシー配付する日付書式定義ファイルのファイル名は、パスも含めて80文字以内になるようにしてください。

また、ファイル名には日本語を含めないでください。(使用できないファイル名の例は、日本語.fmt)

日付書式定義ファイルについては、“日付書式定義ファイルについて”を参照してください。

mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)の作成

被管理サーバからログ収集するサーバを限定する場合は、mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)を運用管理サーバの任意のディレクトリ配下に作成します。mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)はポリシーファイルの有無にかかわらずポリシー配付します。

ポリシーファイルと一緒にポリシー配付する場合は、ポリシーファイルと同じディレクトリ配下にmpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)を作成してください。

ポリシーを配付したサーバにすでにmpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)が存在する場合は、ポリシー配付したmpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)を上書きします。

ログ収集できるサーバを限定しない場合は、mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)を作成する必要はありません。

mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)については、“収集対象のサーバを限定する”を参照してください。

中継サーバを設定する

ポリシーを設定する前に、中継サーバの選定を行います。中継サーバの選定後、中継サーバを設定する必要がある場合は、以下の手順で中継サーバの設定を行います。

  1. 運用管理クライアント、または運用管理サーバ(Windowsのみ)からSystemwalkerコンソールを起動します。

  2. Systemwalkerコンソールで中継サーバとする部門管理サーバまたは業務サーバに対して、リモートコマンドによるコマンド投入により、中継サーバの設定を行います。中継サーバの設定は、mpatmsvrtypedef(サーバ種別設定コマンド)を実行します。

    mpatmsvrtypedef REP -R

    中継サーバ上の格納ディレクトリや被管理サーバから収集した格納ディレクトリ配下のログ収集の設定については、“中継サーバ上の被管理サーバのログ収集を定義する”を参照してください。

ポリシーを登録する

ポリシーを配付する前に、ポリシーの登録をします。

ポリシーの登録方法は、以下の2つの方法があります。

作成(編集)したポリシーファイルを使用してポリシー登録する

ポリシーの登録は、運用管理サーバでmpatmpset(監査ログ管理ポリシー情報移入コマンド)を実行して行います。

mpatmpset {-N ノード名|-I IPアドレス|-F フォルダ名 } -D ディレクトリ名

mpatmpset(監査ログ管理ポリシー情報移入コマンド)では、実行結果を監査ログに出力します。監査ログについては、“Systemwalker Centric Managerログを出力する”を参照してください。

mpatmpset(監査ログ管理ポリシー情報移入コマンド)については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

以下のマシン構成を例に、ケースごとに実行するmpatmpset(監査ログ管理ポリシー情報移入コマンド)の実行例を記述します。

ノードを指定してポリシーを登録する場合は、ディレクトリ(例えば、c:\policy)配下にポリシーファイル、日付書式定義ファイル、mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)を作成し、以下のコマンドを実行します。

mpatmpset -N 業務サーバ1 -D c:\policy

ノードの表示名が重複している場合は、ノード名ではなくIPアドレスを指定します。

mpatmpset -I 192.168.0.1 -D c:\policy

1回のコマンド実行で共通のポリシーを各ノードに登録することもできます。

その場合、フォルダの表示名を指定してmpatmpset(監査ログ管理ポリシー情報移入コマンド)を実行します。

ノードの表示名、フォルダの表示名については、Systemwalkerコンソール上で確認してください。

フォルダ配下のすべてのノードに対し、共通の定義を設定できない場合は、Systemwalkerコンソール上でポリシー登録用の監視ツリーを新規に作成します。

作成した監視ツリーに、ポリシーの種別ごとにフォルダを作成し、登録するポリシーに該当するノードを追加してください。

部門管理サーバ3、部門管理サーバ4、部門管理サーバ5に同じポリシーを適用する場合、Systemwalkerコンソールの監視ツリーにフォルダを作成し、そのフォルダ配下に部門管理サーバ3、部門管理サーバ4、部門管理サーバ5を追加します。

ディレクトリ(例えば、c:\policy)配下にポリシーファイル、日付書式定義ファイル、mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)を作成し、以下のコマンドを実行します。

mpatmpset -F 監査ログ管理 -D c:\policy

監視ツリーを作成しない場合は、mpatmpset(監査ログ管理ポリシー情報移入コマンド)をノード数分実行します。このとき、以下のようにバッチファイルを作成すると、1回の操作でポリシーを登録することができます。mpatmpset(監査ログ管理ポリシー情報移入コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

バッチファイルの記述例)

mpatmpset -N gyoumu1 -D c:\policy_a
mpatmpset -N gyoumu2 -D c:\policy_a
mpatmpset -N gyoumu3 -D c:\policy_a
mpatmpset -N gyoumu4 -D c:\policy_b
mpatmpset -N gyoumu5 -D c:\policy_c

移出したポリシーまたはローカル定義をポリシー登録する

mppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)で移出した監査ログ管理のポリシーを登録することもできます。

監査ログ管理のポリシー情報の移出からポリシー登録するまでの手順は以下のとおりです。

  1. mppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)を実行します。

    各ノードから共通化したい監査ログ管理の設定をしたノードを選定し、mppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)を実行します。

    mppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)では、監査ログ管理のポリシー情報として以下のファイル(以降は、監査ログ管理ポリシー情報ファイルと表現)を生成します。

    生成したこれらのファイルを編集しないでください。

    • P_mpatm_policy.csv

    • P_mpatm_format.ini

    • P_mpatm_conn.ini

    mppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)を「-A」または「-n」オプションを指定して実行した場合は、ノードに設定したポリシーを移出します。
    「-A」または「-n」オプションを指定せずに実行した場合は、ローカル定義を移出します。
    「-A」または「-n」オプションは運用管理サーバで実行する場合のみ指定できます。

    mppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

  2. 監査ログ管理のポリシー情報を運用管理サーバに転送します。

    運用管理サーバ以外でmppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)を実行した場合に、監査ログ管理ポリシー情報ファイルを運用管理サーバに転送します。

    転送先のディレクトリは任意です。

    運用管理サーバでmppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)を実行した場合は、監査ログ管理ポリシー情報ファイルを転送する必要はありません。

  3. 監査ログ管理のポリシー情報をポリシー登録可能なファイル形式に変換します。

    運用管理サーバで、mpatmpconv(監査ログ管理ポリシー情報変換コマンド)を実行します。

    mpatmpconv(監査ログ管理ポリシー情報変換コマンド)では、以下のファイルを生成します。

    • 監査ログ管理ポリシーファイル

      監査ログ管理ポリシーファイルの詳細は“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

    • 日付書式定義ファイル

      日付書式定義ファイルの詳細は“日付書式定義ファイルについて”を参照してください。

    • mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)

      mpatmconnect.ini(接続可能一覧ファイル)の詳細は“収集対象のサーバを限定する”を参照してください。

    mpatmpconv(監査ログ管理ポリシー情報変換コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

    mpatmpconv(監査ログ管理ポリシー情報変換コマンド)で指定する移出ディレクトリ名には、監査ログ管理ポリシー情報ファイルが格納されているディレクトリ名をフルパスで指定します。

    mppolcollect(ポリシー情報移出コマンド)は「-A」オプション、または「-n」オプションの指定により監査ログ管理ポリシー情報ファイルの出力先が以下のように変わるため注意してください。

    • 「-A」オプション、または「-n」オプション指定あり

      コマンド例)

      mppolcollect -A -o c:\policy

      「-o」オプションで指定したディレクトリ配下にIPアドレスと同じ名称のディレクトリを作成します。
      作成したIPアドレスと同じ名称のディレクトリ配下に監査ログ管理ポリシー情報ファイルを出力します。

    • 「-A」オプション、および「-n」オプション指定なし

      コマンド例)

      mppolcollect -o c:\policy

      「-o」オプションで指定したディレクトリ配下に監査ログ管理ポリシー情報ファイルを出力します。

  4. ポリシー登録するファイルの内容を修正します。

    mpatmpconv(監査ログ管理ポリシー情報変換コマンド)で作成されたファイルの内容を確認してください。

    設定内容を変更する場合は、テキストエディタを使用して、変更するパラメタ値のみ更新します。

    移出したノードの設定を、そのままポリシー登録する場合は更新は不要です。

  5. ポリシーを登録します。

    運用管理サーバでmpatmpset(監査ログ管理ポリシー移入コマンド)を実行します。

    ポリシー登録後、ポリシー配付を行うことにより、ポリシーが指定したノードに適用されます。ポリシー登録、ポリシー配付については、“ポリシーを登録する”および“ポリシーを配付する”を参照してください。

ポリシーを配付する

全体監視(Systemwalkerプロトコル)運用している場合、全体監視サーバから、自部門のノードへのポリシー配付はできません。

Systemwalkerコンソールを起動する

Systemwalkerコンソールを起動します。

Systemwalkerコンソールの起動については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“設定の各手順”を参照してください。

ポリシー配付画面を起動する

ポリシー配付画面は、以下の2とおりの方法で起動することができます。

ポリシーを配付する

  1. [ポリシーの配付]画面で[OK]ボタンをクリックすると、配付が開始します。

  2. ポリシーの配付をキャンセルする場合は、[キャンセル]ボタンをクリックします。

    ポリシーの配付のキャンセルは数十秒かかる場合があります。複数のポリシーを配付しているときに[キャンセル]ボタンがクリックされた場合、すでに配付が完了したポリシーはキャンセルされません。

  3. ポリシーの配付状況の詳細を表示する場合は、[詳細]ボタンをクリックします。

注意

ポリシー配付中に[ポリシーの配付状況]ダイアログボックスを強制的に終了しないでください。強制終了すると、ポリシー配付を実行するプロセスが滞留し、以降のポリシー配付ができなくなる場合があります。

ポリシーの配付状況を確認する

  1. [ポリシーの配付状況]画面を起動します。

    Systemwalkerコンソールの[ポリシー]メニューから、[監視]-[ポリシーの配付状況]を選択します。ポリシーを配付する前から[ポリシーの配付状況]画面を起動している場合は、[ポリシーの配付状況]画面の[リフレッシュ]メニューを選択し、画面の情報を更新してください。

  2. 配付の成功を確認します。

    [ポリシーの配付状況]画面の左側ツリーで、[配付済み(配付成功)]を展開し、配付したコンポーネントを選択します。画面右側のリストに配付したポリシーの情報が表示さると配付成功です。

  3. 配付の失敗を確認します。

    [ポリシーの配付状況]画面の左側ツリーで、[配付失敗]を展開し、配付したコンポーネントを選択します。画面右側のリストに、配付したポリシーの情報が表示された場合は配付が失敗しています。右側のリストの[配付結果]に表示されているエラーコードを参照し、配付が失敗した原因を特定して対処を行ってください。

    [配付結果]に表示されているエラーコードの詳細については、[ポリシーの配付状況]画面の“Systemwalker Centric Manager オンラインヘルプ”、または“Systemwalker Centric Manager メッセージ説明書”の“[ポリシーの配付状況]画面に表示されるエラーコード一覧”を参照してください。

注意

  • 配付が完了したポリシーを取り消すことはできません。ポリシー配付前の状態に戻す可能性がある場合は配付前のポリシーの設定状況を確認しておいてください。

  • Systemwalker Centric Managerインストールディレクトリ配下に、作業用ファイルを格納しないでください。格納した場合は、配付エラー(アクセスエラー)となり、ポリシー配付に失敗する場合があります。

中継サーバ上の被管理サーバのログ収集を定義する

中継サーバを設定した場合は、中継サーバ上の被管理サーバのログ収集定義を行います。

中継サーバでは被管理サーバから収集したログを中継サーバ上の格納ディレクトリに保管しています。そのログを運用管理サーバに収集するように中継サーバに定義を行います。本設定は通常中継サーバごとに管理する被管理サーバが異なるため、個別に設定する必要があります。本設定については、“中継サーバを利用するための設定”を参照してください。

注意事項