ここではDRの準備について説明します。
本製品では以下の4種類のボリュームについて、RECの設定をします。
本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリューム
Glanceのバックエンドに使用するNFS用ボリューム
Cinderバックアップ格納先に使用するNFS用ボリューム
Cinderボリュームの実体となるETERNUS上のボリューム
ここでは1.~3.のボリュームについてRECを設定します。4.についてはコピーグループの作成だけを実施します。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 本番サイト
手順実施サーバ : なし
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 作成するボリューム数分
以下の3種類のボリュームについて、本番サイトのETERNUSでボリュームを作成してください。
本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリューム
Glanceのバックエンドに使用するNFS用ボリューム
Cinderバックアップ格納先に使用するNFS用ボリューム
作成したボリュームのサイズとボリュームNoを控えてください。ボリュームサイズはコピー先ボリュームの作成時に使用します。ボリュームNoはコピーペアの登録で使用します。
本手順で作成するボリュームの最低容量は、以下のとおりです。
ボリューム | サイズ |
---|---|
1. 本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリューム | 10 (MB) × Novaインスタンス総数 |
2. Glanceのバックエンドに使用するNFS用ボリューム | Glanceイメージの総容量(MB) |
3. Cinderのバックアップ格納先に使用するNFS用ボリューム | Cinderボリュームの総容量と同量(※) |
※ Cinderバックアップ格納先の容量は、以下の参考情報も考慮してください。
参考
1ヶ月の運用で仮想マシンのディスク内容が5~10%書き換わると想定すると、 月1回増分バックアップを取得した場合、1年でCinderバックアップの容量は フルバックアップ取得時の1.6~2.2倍になります。
注意
本番サイトと災対サイトにおいて、ボリューム名とボリュームNoが重複しないように指定してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : なし
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 作成するボリューム数分
「(1) コピー元ボリュームの作成【サイト:本番サイト】」で作成したボリュームのコピー先ボリュームを、災対サイトのETERNUSで作成してください。
作成したボリュームのボリュームNoを控えてください。コピーペアの登録で使用します。
注意
本番サイトと災対サイトにおいて、ボリューム名とボリュームNoが重複しないように指定してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : AdvancedCopy Manager CCMのインストール先サーバ
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 作成するコピーグループ数分
以下のとおり、本製品用にコピーグループを作成します。
コピーグループ名 | 用途 |
---|---|
RCXSR_SYSTEM | 1. 本製品用、2. Glanceバックエンド用、3. Cinderバックアップ用 |
RCXSR_VOL_01、 ...、 RCXSR_VOL_n | 4. Cinderボリューム用コピーグループ |
4.のCinderボリューム用のコピーグループについては、ボリューム数に応じて複数のコピーグループに分けて作成してください。
以下のコマンドを実行し、1.~4.のコピーグループを作成します。
acgroup create -g <copyGroup> -type REC -a <diskArrayName> -remote <remoteDiskArrayName>
acgroup createコマンドの詳細は、AdvancedCopy Manager CCMのコマンドリファレンスを参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : AdvancedCopy Manager CCMのインストール先サーバ
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 登録するコピーペア数分
コピーペアの登録にはボリュームNoが必要です。(1)、(2)で控えたものを使用してください。
コピーペアを登録する際に指定するボリュームNoは、以下の規則に従ってください。
「0x」で始まる16進数であること
桁数が4未満の場合は、左から0を足して4桁にすること
英文字はすべて大文字であること
ボリュームNoの指定例:
正しい例:0x0009、 0x001A
間違った例:10(十進数)、 0x009(桁数が足りない) 、 0x000a(英小文字が存在)
以下のコマンドを実行し、コピーペアを登録します。
acpair add -g <copyGroup> -p <copyPair>
copyPairは、災対サイト:本番サイト の順番で指定してください。 acpair addコマンドの詳細は、AdvancedCopy Manager CCMのコマンドリファレンスを参照してください。
以下のコマンドを実行し、コピーペアが登録されたことを確認します。 1.本製品用、2.Glanceバックエンド用、3.Cinderバックアップ用に対応するコピーペアが登録されたことを確認してください。
# acgroup detail -g RCXSR_SYSTEM
例
# acgroup detail -g RCXSR_SYSTEM Copy Group Name : RCXSR_SYSTEM Copy Group Type : REC Disk Array Name : DX200S3#4 (00ETERNUSDXLS3ET203B######IF4611405314##) Remote Disk Array Name : DX200S3#3 (00ETERNUSDXLS3ET203B######IC4611405320##) Pair --------------------------------- DX200S3#4/0x0020:DX200S3#3/0x0001 DX200S3#4/0x0021:DX200S3#3/0x0002 DX200S3#4/0x0028:DX200S3#3/0x0011
acgroup detailコマンドの詳細は、AdvancedCopy Manager CCMのコマンドリファレンスを参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : AdvancedCopy Manager CCMのインストール先サーバ
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : コピーグループ数分
以下のコマンドを実行し、RECによるコピーを実行します。
acec start -g <copyGroup> -transfer <動作モード> -r
acec startコマンドの詳細は、AdvancedCopy Manager CCMのコマンドリファレンスを参照してください。
本製品のインストールについては「本製品のインストール、アンインストール」を参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 本番サイト
手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : コントロールノードごとに1回
以下の設定ファイルを編集します。
/etc/opt/FJSVrcxsr/rcxsr.conf
/etc/opt/FJSVrcxsr/hostname_map
設定内容は「設定ファイル」を参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 本番サイト
手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : コントロールノードごとに1回
以下のディレクトリに、本製品の作業ディレクトリとして、NFS共有をマウントします。
ディレクトリ
/var/opt/FJSVrcxsr/mnt
すべてのコントロールノードで同じNFS共有をマウントしてください。
OS起動時に自動的にマウントするには、/etc/fstabに設定を記載してください。
/etc/fstabの記載例
server:/remote/export /var/opt/FJSVrcxsr/mnt nfs defaults 0 0
/etc/fstabの構文についてはOSのドキュメントを参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 本番サイト
手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 1回
以下のコマンドを実行し、SRユーザー(rcxsrosp)を作成します。
rcx_srosp_setup sruser [--password <PASSWORD>]
注意
本番サイトと災対サイトのSRユーザーには、同じパスワードを設定してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 本番サイト
手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 対象ユーザー(※)ごとに所属するプロジェクト数分
(※)DR対象のNovaインスタンスやCinderボリュームを作成するユーザー
以下のコマンドを実行し、DR対象のNovaインスタンスやCinderボリュームを作成する各ユーザーについて、権限を委譲します。
rcx_srosp_setup trust-create <trustor_user_token> <trustor_project> <trustor_user>
注意
複数プロジェクトに所属するユーザーについては、1プロジェクトごとに権限委譲する必要があります。
権限を委譲していないユーザーがいる場合、以下の切替え手順実施時に、 Cinderボリューム・Novaインスタンスの復旧に失敗する場合があります。
ユーザーを削除する場合、削除するユーザーの権限委譲情報を事前に削除してください。権限委譲情報の削除方法は「権限委譲情報の削除」を参照してください。
権限委譲していないユーザーの確認方法は「権限委譲していないユーザーの確認」を参照してください。
本手順では、Cinderボリュームに対して、リモート・アドバンスト・コピー(REC)を設定します。
注意
新規にCinderボリュームを作成した場合には、その都度本手順を実施してください。Novaインスタンス作成の延長でCinderボリュームが作成される場合も同様です。
NovaインスタンスにアタッチされていないCinderボリュームにRECの設定がされていない場合、 「ボリュームのリストア」で当該Cinderボリュームはリストア対象になりません。
NovaインスタンスにアタッチされているCinderボリュームにRECの設定がされていない場合、 「インスタンスのリストア」で当該Cinderボリュームはリストアに失敗します。
運用中にCinderボリュームをリサイズする場合は、一度RECの設定を解除し、コピー元(Cinderボリューム)およびコピー先(ETERNUS上のボリューム)を同じサイズにリサイズしてから、再度本手順を実施してください。
RECを設定していないCinderボリュームの確認方法は「RECの確認」を参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 本番サイト
手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 作成したCinderボリューム数分
以下のコマンドを実行し、ボリュームの情報を表示します。
ボリュームNoとボリュームサイズを控えてください。
rcx_srosp_setup volume-info <volume_id> [<volume_id> ...]
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : なし
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 作成したCinderボリューム数分
災対サイトのETERNUS上に、RECの設定(1)で確認したボリュームサイズと同じサイズのボリュームを作成します。 作成したボリュームのボリュームNoを控えてください(RECの設定(3)のコピーペアの登録時に使用します)。
注意
本番サイトと災対サイトにおいて、ボリューム名とボリュームNoが重複しないように指定してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : AdvancedCopy Manager CCMのインストール先サーバ
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 登録するコピーペア数分
コピーペアを登録します。
コピーペアの登録にはボリュームNoが必要です。RECの設定(1)、(2)で控えたものを使用してください。
コピーペアを登録する際に指定するボリュームNoは、以下の規則に従ってください。
「0x」で始まる16進数であること
桁数が4未満の場合は、左から0を足して4桁にすること
英文字はすべて大文字であること
ボリュームNoの指定例:
正しい例:0x0009、 0x001A
間違った例:10(十進数)、 0x009(桁数が足りない) 、 0x000a(英小文字が存在)
以下のコマンドを実行し、コピーペアを登録します。
acpair add -g <copyGroup> -p <copyPair>
acpair addコマンドの詳細は、AdvancedCopy Manager CCMのコマンドリファレンスを参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : AdvancedCopy Manager CCMのインストール先サーバ
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : コピーグループ数分
RECによるコピーを実行します。
acec start -g <copyGroup> -transfer <動作モード> -r
acec startコマンドの詳細は、AdvancedCopy Manager CCMのコマンドリファレンスを参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : AdvancedCopy Manager CCMのインストール先サーバ
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : コピーグループ数+ディスクアレイ数分
以下のコマンドを実行して、コピーグループの情報を出力します。<コピーグループ名>には、Cinderボリューム用コピーグループ指定してください。すべてのCinderボリューム用のコピーグループに対して実行してください。
acgroup detail -g <コピーグループ名> > recinfo_copy_pair_<コピーグループ名>
以下のコマンドを実行して、コピーグループの情報を出力します。
acinq lv -a <コピー元ディスクアレイ名> > recinfo_source_volumes
以下のコマンドを実行して、コピーグループの情報を出力します。
acinq lv -a <コピー先ディスクアレイ名> > recinfo_destination_volumes
保存した情報はフルバックアップで使用するため、本番サイト側コントロールノードの/workなどに保管してください。
保管したファイルを使用して、RECを設定していないCinderボリュームがないか確認を実施してください。RECを設定していないCinderボリュームの確認方法は「RECの確認」を参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : コントロールノードごとに1回
以下の設定ファイルを編集します。
/etc/opt/FJSVrcxsr/rcxsr.conf
/etc/opt/FJSVrcxsr/hostname_map
/etc/opt/FJSVrcxsr/host_aggregate.json
/etc/opt/FJSVrcxsr/instance_port_sequences_main.json
/etc/opt/FJSVrcxsr/instance_port_sequences_backup.json
設定内容は「設定ファイル」を参照してください。
注意
以下の設定ファイルは、メイン作業用コントロールノードに作成してください。それ以外のコントロールノードに作成する必要はありません。
/etc/opt/FJSVrcxsr/instance_port_sequences_main.json
/etc/opt/FJSVrcxsr/instance_port_sequences_backup.json
以下の設定ファイルは、切戻し時に作成する必要はありません。
/etc/opt/FJSVrcxsr/instance_port_sequences_backup.json
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : なし
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 1回
本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリュームを、災対サイトのETERNUS上に作成してください。
上記で作成するボリュームの最低容量は以下のとおりです。
ボリューム | サイズ |
---|---|
本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリューム | 10 (MB) × Novaインスタンス総数 |
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : コントロールノードごとに1回
以下のディレクトリに、本製品の作業ディレクトリとして、NFS共有をマウントします。
ディレクトリ
/var/opt/FJSVrcxsr/mnt
すべてのコントロールノードで同じNFS共有をマウントしてください。
OS起動時に自動的にマウントするには、/etc/fstabに設定を記載してください。
/etc/fstabの記載例
server:/remote/export /var/opt/FJSVrcxsr/mnt nfs defaults 0 0
/etc/fstabの構文については、OSのドキュメントを参照してください。
本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 1回
以下のコマンドを実行し、SRユーザー(rcxsrosp)を作成します。
rcx_srosp_setup sruser [--password <PASSWORD>]
注意
本番サイトと災対サイトのSRユーザーには、同じパスワードを設定してください。
OpenStackでユーザーを追加した場合、本手順を実施してください。本手順は、以下の条件で実施してください。
手順実施サイト : 災対サイト
手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
手順実施ユーザー : インフラ管理者
手順実施回数 : 対象ユーザー(※)ごとに所属するプロジェクト数分
(※)DR対象のNovaインスタンスやCinderボリュームを作成するユーザー
以下のコマンドを実行し、DR対象のNovaインスタンスやCinderボリュームを作成する各ユーザーについて、権限を委譲します。
rcx_srosp_setup trust-create <trustor_user_token> <trustor_project> <trustor_user>
権限委譲していないユーザーの確認方法は「権限委譲していないユーザーの確認」を参照してください。