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Interstage Application Server V12.0.0 Java EE 7 設計・構築・運用ガイド
FUJITSU Software

4.7.3 WebサーバとIJServerクラスタの連携設定

ここではWebサーバコネクタの設定方法について、WebサーバとIJServerクラスタを同じマシン(同一筐体)で運用する場合と、別のマシン(別筐体)で運用する場合のそれぞれについて説明します。

同じマシン(同一筐体)で運用する場合には、asadminコマンド、別のマシン(別筐体)で運用する場合には、wscadminコマンドを使用します。それぞれのサブコマンドの対応を以下に示します。

機能

同じマシン(同一筐体)で運用する場合

別のマシン(別筐体)で運用する場合

コマンド名

asadminコマンド

wscadminコマンド

連携設定

create-web-server-ref

add-instance-ref
(サーバーインスタンスの情報の追加)

add-application-ref
(振り分け先のアプリケーションの追加)

連携解除

delete-web-server-ref

delete-instance-ref

要求を受け付けるバーチャルホストの追加

create-virtual-host-ref

add-virtual-host-ref

要求を受け付けるバーチャルホストの削除

delete-virtual-host-ref

delete-virtual-host-ref

Webサーバコネクタの環境設定

update-web-server-connector-config

update-cluster-config

設定情報の表示

show-web-server-connector-config
(Webサーバコネクタの環境設定の表示)

list-web-servers

list-web-server-refs
(連携しているWebサーバの一覧を表示)

list-virtual-host-refs
(要求を受け付けるバーチャルホストの一覧の表示)

注意

Webサーバと、サーバーインスタンスのないIJServerクラスタを連携させることはできません。1つ以上のサーバーインスタンスがあるIJServerクラスタを準備してから、連携設定を行ってください。

4.7.3.1 WebサーバとIJServerクラスタを同じマシンで運用する場合

WebサーバとIJServerクラスタを同じマシンで運用する場合は、以下の手順で設定します。

ポイント

  • 以下の場合には、WebサーバとIJServerクラスタは、連携するように自動的に設定されるため、連携設定を行う必要はありません。

    • Webサーバコネクタの環境設定を行ったWebサーバが1つだけ存在するマシン内で、サーバーインスタンスのないIJServerクラスタに対して、サーバーインスタンスを作成した場合

  • Webサーバと連携しているIJServerクラスタに対して、以下の操作を行った場合、自動的に連携設定が更新されます。再度、連携設定を行う必要はありません。

    • サーバーインスタンスを追加/削除した場合

    • アプリケーションを配備/配備解除した場合

    • Webアプリケーションのコンテキストルートを変更した場合

    • HTTPリスナーのポート番号を変更した場合

    • ネットワーク設定の定義項目の「ネットワークアドレス」を変更した場合

  • Webサーバと連携しているIJServerクラスタに対して、以下の操作を行った場合、連携が自動的に解除されます。

    • IJServerクラスタを削除した場合

    • IJServerクラスタからすべてのサーバーインスタンスを削除した場合

    • HTTPリスナーポートを閉塞した場合

  • IJServerクラスタがWebサーバと連携しているかを確認するには、asadminコマンドのlist-web-server-refsサブコマンドを使用します。詳細は、「10.1.10.3 list-web-server-refsサブコマンド」を参照してください。

注意

同じマシンで運用する場合は、wscadminコマンドを使用してWebサーバとIJServerクラスタの連携設定を行わないでください。行った場合、設定の不整合が発生し、アプリケーションの動作異常を引き起こす場合があります。この場合は、wscadminコマンドを使用して連携を解除し、あらためてasadminコマンドで連携させてください。

WebサーバとIJServerクラスタの連携設定

  1. asadminコマンドのcreate-web-server-refサブコマンドを使用し、WebサーバとIJServerクラスタを連携させます。

    連携させるIJServerクラスタがIJServer001、WebサーバがFJapacheの場合

    C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin create-web-server-ref --target IJServer001 FJapache

    /opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin create-web-server-ref --target IJServer001 FJapache

注意

連携させた場合、「Webコンテナへアクセスする運用形態」が自動的に“webserver”に設定されるため、Webサーバを経由しないリクエストは拒否されるようになります。Webサーバを経由しないリクエストも許可する場合は、「Webコンテナへアクセスする運用形態」を“nocheck”に設定してください。詳細は、「8.8.3 ネットワーク設定の定義項目」の「Webコンテナへアクセスする運用形態」を参照してください。

WebサーバとIJServerクラスタの連携解除

  1. 連携対象を誤って設定した場合は、asadminコマンドのdelete-web-server-refサブコマンドを使用し、連携を解除します。

    連携を解除するIJServerクラスタがIJServer001、WebサーバがFJapacheの場合

    C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin delete-web-server-ref --target IJServer001 FJapache

    /opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin delete-web-server-ref --target IJServer001 FJapache

4.7.3.2 WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用する場合

WebサーバとIJServerクラスタを別のマシンで運用する場合は、以下の手順で環境設定します。

注意

  • WebサーバとIJServerクラスタでは、同一バージョンのInterstageを使用してください。

  • 連携設定後に、サーバーインスタンス、アプリケーションの追加/削除や、IPアドレス、ポート番号等の設定を変更した場合には、wscadminコマンドで連携設定を変更してください。

Webサーバ側の設定

  1. wscadminコマンドのadd-instance-refサブコマンドを使用し、WebサーバとIJServerクラスタを連携させます。add-instance-refサブコマンドは、IJServerクラスタに所属するサーバーインスタンスごとに繰り返し実行してください。

    連携させるWebサーバ名がFJapache 、IJServerクラスタがIJServer001、IPアドレスが192.0.2.1、リスナーポートが28495の場合

    C:\Interstage\F3FMwsc\bin\wscadmin add-instance-ref --webserver FJapache --target IJServer001 192.0.2.1:28495

    /opt/FJSVwsc/bin/wscadmin add-instance-ref --webserver FJapache --target IJServer001 192.0.2.1:28495

    add-instance-refサブコマンドで指定するサーバーインスタンスのリスナーポートは、以下をIJServerクラスタ側のマシンで実行することにより確認できます。

    asadminコマンドのlist-instancesサブコマンドを使用し、サーバーインスタンスの一覧を取得します。

    IJServerクラスタがIJServer001の場合

    C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin list-instances IJServer001

    IJServer001-1 not running

    Command list-instances executed successfully.

    /opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin list-instances IJServer001

    IJServer001-1 not running

    Command list-instances executed successfully.

    各サーバーインスタンスに対して、asadminコマンドのgetサブコマンドでHTTP_LISTENER_PORTシステムプロパティのvalueを確認します。

    サーバーインスタンスIJServer001-1のHTTP_LISTENER_PORTを確認する場合

    C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin get IJServer001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT

    IJServer001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.name=HTTP_LISTENER_PORT

    IJServer001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.value=28495

    Command get executed successfully.

    /opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin get IJServer001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT

    IJServer001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.name=HTTP_LISTENER_PORT

    IJServer001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.value=28495

    Command get executed successfully.

  2. 配備したWebアプリケーションを、wscadminコマンドのadd-application-refサブコマンドを使用し、Webサーバコネクタの振り分け対象に設定します。

    連携させるWebサーバ名がFJapache、IJServerクラスタがIJServer001、WebアプリケーションのコンテキストルートがSampleAppr1の場合

    C:\Interstage\F3FMwsc\bin\wscadmin add-application-ref --webserver FJapache --target IJServer001 SampleAppr1

    /opt/FJSVwsc/bin/wscadmin add-application-ref --webserver FJapache --target IJServer001 SampleAppr1

WebサーバとIJServerクラスタの連携解除

  1. 連携対象を誤って設定した場合は、wscadminコマンドのdelete-instance-refサブコマンドを使用し、WebサーバとIJServerクラスタの連携を解除します。

    連携を解除するWebサーバ名がFJapache、IJServerクラスタがIJServer001の場合で、すべてのサーバーインスタンス情報を削除する場合

    C:\Interstage\F3FMwsc\bin\wscadmin delete-instance-ref --webserver FJapache --target IJServer001 all

    /opt/FJSVwsc/bin/wscadmin delete-instance-ref --webserver FJapache --target IJServer001 all

IJServerクラスタ側の設定

  1. IJServerクラスタ側のマシンで、asadminコマンドのsetサブコマンドを使用し、Webコンテナへアクセスする運用形態を“webserver”、または“nocheck”に設定します。詳細は、「8.8.3 ネットワーク設定の定義項目」の「Webコンテナへアクセスする運用形態」を参照してください。