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Interstage Application Server V12.0.0 Java EE 7 設計・構築・運用ガイド
FUJITSU Software

2.5.6 予兆監視

Interstage Java EE 7 DASサービス/サーバーインスタンスのJavaヒープ不足、およびそれに伴うガーベジコレクション多発によるレスポンス低下の予兆を監視する機能を提供します。

予兆監視では、予兆を検知すると警告メッセージで通知します。予兆監視機能の警告メッセージは下記に出力されます。


イベントログ/システムログを監視して、IJServerクラスタの予兆監視の警告メッセージを検出する場合は、create-system-propertiesサブコマンドを使用して、下記のシステムプロパティを定義してください。コマンドの詳細については、「10.1.16.1 create-system-propertiesサブコマンド」を参照してください。

com.fujitsu.interstage.javaee.ijserver.alert-monitoring.syslog=true

IJServerクラスタ名が“cluster01の場合

C:\Interstage\F3FMisje7\glassfish\bin\asadmin create-system-properties --target cluster01 com.fujitsu.interstage.javaee.ijserver.alert-monitoring.syslog=true
/opt/FJSVisje7/glassfish/bin/asadmin create-system-properties --target cluster01 com.fujitsu.interstage.javaee.ijserver.alert-monitoring.syslog=true

参照

注意

Java VMのヒープ領域使用量、および、メタスペース使用量が、短時間、かつ、急激に増加した場合、予兆監視の警告メッセージが出力されない場合があります。この場合、サーバーログに、メモリ不足を示すメッセージが出力されていますので、そのメッセージに従い対処を行ってください。


2.5.6.1 予兆監視警告メッセージ(Javaヒープ)

Java VMのメモリ割当てプールおよびメタスペースを監視し、警告メッセージ「OM3204」でJavaヒープ不足を通知します。

Javaヒープおよびメタスペースの問題を通知する警告メッセージの詳細メッセージ(2種類)を以下に示します。


There are possibilities of OutOfMemoryError because of the lack of the memory: TIME={0} SIZE={1}

[可変情報]

TIME:発生時刻

SIZE:Javaヒープ領域への追加量の目安(単位:バイト)

[意味]

Javaヒープ不足のため、OutOfMemoryErrorが発生する危険性があります。

[発生条件]

Full GC直後のjavaヒープ使用率が95%より大きい場合。

または、Full GC直後のJavaヒープ使用率が90%より大きく、かつ前回のFull GC発生時よりJavaヒープ使用サイズが増加している状態が3回以上続いた場合。


There are possibilities of OutOfMemoryError because of the lack of the Metaspace: TIME={0} SIZE={1}

[可変情報]

TIME:発生時刻

SIZE:メタスペースへの追加量の目安(単位:バイト)

[意味]

メタスペース不足のため、OutOfMemoryErrorが発生する危険性があります。

[発生条件]

メタスペースの使用量が90%より大きい場合。

注意

メタスペースは、クラスローダごとに管理するため、あるクラスローダでロードされたクラス情報を、別のクラスローダが管理するメタスペースに格納できません。また、各クラスローダ―のメタスペースは、クラス情報ごとに取得するのではなく、ある程度のまとまったサイズごとに取得して、そこにクラス情報を設定していきます。このため、取得済みのメタスペースに空きがある場合でも、別のクラスローダが管理するものであれば、その空きを使用できません(使用済みと扱います)。

メタスペースの構造は、「チューニングガイド」の「JDK/JRE 8のチューニング」-「Javaヒープとガーベジコレクション」を参照してください。



2.5.6.2 予兆監視警告メッセージ(ガーベジコレクション)

Java VMのガーベジコレクション処理の影響で業務レスポンス低下が発生する可能性を検出し、警告メッセージ「OM3204」で通知します。

Java VMのガーベジコレクションの影響を通知する警告メッセージの詳細メッセージ(5種類)を以下に示します。


ガーベジコレクション処理時間に関する警告メッセージ

It takes long time to do the garbage collections many times: TIME={0} AVERAGE={1}

[可変情報]

TIME:発生時刻

AVERAGE:過去3回のFull GCの平均時間(単位:ミリ秒)

[意味]

Full GCに長い時間かかる状態が続いています。

[発生条件]

過去3回のFull GC時間の平均値が5秒より長い場合。


ガーベジコレクション間隔に関する警告メッセージ

Inefficient garbage collections are run with the short intervals: TIME={0} WEIGHT={1}

[可変情報]

TIME:発生時刻

WEIGHT:Full GC直前のOld世代の使用率(単位:%)

[意味]

非効率なFull GCが短い間隔で発生しています。

[発生条件]

過去3回のFull GC間隔時間が20秒よりも短い場合、かつFull GC直前のOld世代領域の使用率が65%よりも小さい場合。


The garbage collections are run with the short intervals because of the lack of the memory: TIME={0} SIZE={1}

[可変情報]

TIME:発生時刻

SIZE:Javaヒープ領域への追加量の目安(単位:バイト)

注意

警告を回避するためには、警告発生時のJavaヒープ領域のサイズを大きくする必要があります。SIZEの値は、Javaヒープ領域のサイズの目安となる追加量です。

[意味]

Javaヒープ不足のため、Full GCが短い間隔で発生しています。

[発生条件]

過去3回のFull GC間隔時間が20秒よりも短い場合、かつFull GC直後のJava ヒープ使用率が65%より大きい場合。


System.gc() are run with the short intervals: TIME={0} INTERVAL={1}

[可変情報]

TIME:発生時刻

INTERVAL:java.lang.System.gc()メソッドやjava.lang.Runtime.gc()メソッドのインターバル時間(単位:ミリ秒)

[意味]

java.lang.System.gc()メソッドやjava.lang.Runtime.gc()メソッドが短い間隔で発生しています。

[発生条件]

過去3回のFull GC間隔時間が20秒よりも短い場合、かつjava.lang.System.gc()メソッドやjava.lang.Runtime.gc()メソッドによって発生したFull GCの頻度が高い場合。


The garbage collections are run with the short intervals: TIME={0} INTERVAL={1}

[可変情報]

TIME: 発生時刻

INTERVAL: Full GCのインターバル時間(単位:ミリ秒)

[意味]

Full GCが短い間隔で発生しています。

[発生条件]

過去3回のFull GC間隔時間が20秒より短い場合。


注意

発生条件を満たしても、ガーベジコレクションの処理時間が短い場合は、メッセージが出力されないことがあります。