ここでは、本製品のシステム構成について例を使用して説明します。
管理サーバ
複数の管理対象サーバを管理するサーバです。
管理サーバは、Windows環境とLinux環境で動作します。なお、管理サーバは、VMwareとHyper-V環境の仮想マシン上で動作させることもできます。
管理サーバに、マネージャーをインストールしてください。クラスタソフトウェアを利用することで冗長構成を実現できます。また、管理クライアントと共通にできます。
管理サーバにエージェントをインストールし、管理サーバ自身を監視、操作する運用形態はできません。
管理サーバをVMゲスト上に構築し、そのVMゲストが動作しているVMホストを管理することができます。
管理サーバが動作しているVMゲストにはサーバロール(Manager)を設定してください。
詳細は、「操作ガイド VE」の「9.9 サーバロールの変更」を参照してください。
注意
ブレードサーバで物理L-Serverを作成する場合、ServerView Virtual-IO Managerもインストールしてください。
管理サーバをVMwareまたはHyper-Vの仮想マシン上で動作させる場合、管理サーバを動作させるVMホストは、VMプールに登録しないでください。
【VMware】
VMware ESXiを利用する場合、ServerView Operations Managerに対象のVMware ESXiを登録してください。
【Hyper-V】
管理対象サーバでHyper-Vを利用する場合、管理サーバのOSはWindowsだけサポートします。
【Xen】
管理対象サーバでRHEL5-Xenを利用する場合、管理サーバのOSはLinuxだけサポートします。
管理対象サーバ
業務を運用するサーバです。管理サーバによって管理されます。
管理対象サーバは、以下の環境で動作している運用サーバです。
Windows環境
Linux環境
Solaris環境
サーバ仮想化ソフトウェア環境
サーバ仮想化ソフトウェアの種別は、「11.1 サーバ仮想化ソフトウェアの決定」を参照してください。
管理対象サーバには、エージェントをインストールしてください。
なお、サーバ仮想化ソフトウェアの環境では、VMホストだけにエージェントをインストールしてください。
注意
VMware ESXiの場合、VMとゲストOSの管理は管理サーバから直接行うため、管理対象サーバに本製品のエージェントをインストールする必要はありません。
ServerView ESXi CIM Providerをインストールしてください。
他社サーバの場合は、「導入ガイド CE」の「C.1.5 他社サーバ上のVMware ESXiを利用して仮想L-Serverを作成する場合の設定」を実施してください。
【Windows】
ドメインタイプによって、バックアップ・リストア、クローニング、およびバックアップ・リストア方式のサーバ切替えが利用できない場合や、管理対象サーバ上で追加の操作が必要になる場合があります。
ドメインタイプ | バックアップ・リストア | クローニング | バックアップ・リストア方式のサーバ切替え |
---|---|---|---|
ドメインコントローラー | × | × | × |
メンバーサーバ (注1) | △ (注2) | △ (注2、注3) | △ (注2、注4) |
ワークグループ | ○ | ○ | ○ |
○: 利用できます。
△: 追加の操作が必要です。
×: 利用できません。
注1) Windows NTドメインまたはActive Directoryのメンバーサーバです。
注2) 操作のあとにWindows NTドメインまたはActive Directoryに参加し直してください。
注3) クローニングイメージを採取する前に、Windows NTドメインまたはActiveDirectoryに参加していない状態にしてください。
注4) 自動リカバリを利用して切り替えた場合も、業務を開始する前にWindows NTドメインまたはActive Directoryに参加し直してください。
ドメインタイプがドメインコントローラーの場合、ドメインコントローラーに昇格した状態ではエージェントをインストールできません。
ドメインタイプがメンバーサーバ、ワークグループの場合、Administrators(権限)グループに所属するローカルアカウントでログインしている状態の場合、エージェントをインストールできます。
管理クライアント
管理サーバに接続し、システム全体の構成や状態をGUIから確認、操作するクライアント端末です。
管理クライアントは、Windows環境で動作します。
管理クライアントには、Webブラウザをインストールしてください。
管理クライアントにサーバ仮想化ソフトウェアのクライアントがインストールされている場合、本製品のクライアント画面から起動できます。
ストレージ管理製品のサーバ
複数のストレージ装置を管理するストレージ管理製品を動作させるサーバです。
管理サーバとの共存は、利用するストレージによって異なります。
ETERNUSストレージを利用する場合
ETERNUS SF Storage Cruiserは管理サーバと共存させてください。
管理サーバとストレージ管理製品が動作する両方のリソースが必要になるため、注意してください。
ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Copy Control Moduleは管理サーバと共存させてください。
NetAppストレージを利用する場合
本製品では、Data ONTAPをストレージ管理製品として利用しますが、Data ONTAPは、NetAppストレージのOSであるため、ストレージ管理製品のサーバは必要ありません。
EMC CLARiXストレージまたはEMC VNXストレージを利用する場合
本製品では、Navisphereをストレージ管理製品として利用しますが、Navisphereは、EMC CLARiXストレージまたはEMC VNXストレージのStorage Processor (以降、SP)で動作するソフトウェアであるため、ストレージ管理製品のサーバは必要ありません。
EMC Symmetrix DMXストレージまたはEMC Symmetrix VMAXストレージを利用する場合
本製品では、Solutions Enablerをストレージ管理製品として利用します。ストレージ管理製品のサーバと管理サーバは共存できますが、ストレージ管理製品はFC-HBAでEMC Symmetrix DMXストレージまたはEMC Symmetrix VMAXストレージと接続されている必要があります。共存する場合、管理サーバとストレージ管理製品が動作する両方のリソースが必要になるため、注意してください。
FalconStor NSSが動作するStorage Serverを利用する場合
本製品では、FalconStor NSSをストレージ管理製品として利用します。FalconStor NSSはStorage Serverにインストールします。ストレージ管理製品のサーバと管理サーバは共存できません。
VM管理製品のサーバ
複数のサーバ仮想化ソフトウェアを統合管理するVM管理製品を動作させるサーバです。
本製品に登録できるVM管理製品は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.2 VM管理製品の登録」を参照してください。
管理サーバと共存させて使用できます。
なお、管理サーバと共存させる場合、管理サーバとVM管理製品が動作する両方のリソースが必要になるため、注意してください。
サーバ管理製品のサーバ
複数のサーバを管理するサーバ管理製品を動作させるサーバです。
BMC BladeLogic Server Automation を利用する場合 【Solaris ゾーン】【OVM for SPARC】
「第11章 サーバ仮想化ソフトウェアの決定と設定」の「表11.1 サーバ仮想化ソフトウェアによる機能の違い」に"△"が付いている機能をを利用する場合に必要です。
マネージャーと同じサーバ上(推奨)にも、異なるサーバ上にも配置できます。
マネージャーをクラスタ運用する場合には、異なるサーバ上に配置してください。
SMTPサーバ
電子メールによる利用者への情報通知を行う場合に必要です。
管理サーバと同じサーバ上にも、異なるサーバ上にも配置できます。
PXEブート用サーバ
OSのインストールなどを目的に、独自のPXEサーバを用意し、物理L-ServerをPXEブートする場合に必要です。
管理サーバと異なるサーバに設置してください。
注意
タグVLAN設定を使用するネットワーク上でPXEブートは利用できません。
PXEブート用サーバにはタグVLANを設定しないでください。
HBA address rename設定サービス用サーバ
HBA address rename設定サービスを動作させるサーバです。
HBA address renameを使用したI/O仮想化で物理L-Serverを作成する場合に必要です。
ブレードサーバで物理L-Serverを作成する場合、必要ありません。
管理サーバと管理対象サーバが通信できない場合、管理サーバに代わって管理対象サーバの起動時に必要なWWNの設定を行います。
HBA address rename設定サービス用サーバは、Windows環境とLinux環境で動作します。
本サーバには、HBA address rename設定サービスをインストールしてください。
なお、HBA address rename設定サービス用サーバは、管理サーバまたは管理対象サーバと兼用できません。
本サーバは、管理サーバの故障や通信異常に備えて、常に電源ON状態にしてください。
詳細は、「10.1.3 HBA・ストレージ装置の設定値」と「C.2 HBA address rename設定時のWWNの割当て順序」を参照してください。
管理LAN
管理対象サーバとストレージを管理サーバから管理するためのLANです。
管理対象サーバで業務を行うための業務LANとは別に設置します。
サーバ上でネットワーク冗長化ソフトウェアを利用することで、管理LANや業務LANを冗長化できます。ネットワーク冗長化ソフトウェアの設定は、手動で行ってください。
物理L-Serverを利用する場合、管理LANとして利用できるデフォルトの物理ネットワークアダプター番号は以下のとおりです。
冗長化しない場合、"1"
冗長化する場合、"1"と"2"
注意
デフォルトのNIC以外を使用する場合、物理サーバ登録時とL-Server作成時の設定を合わせる必要があります。このため、設計上では、同じサーバプールに登録する物理サーバは、同じNIC indexを使用することをお勧めします。
参考
管理LANとして使用できる1番目のNICを、変更できます。
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「5.4.2 ブレードサーバの登録」を参照してください。
iSCSI LAN
「9.1.3 業務LANとiSCSI LANの物理ネットワークの設計」を参照してください。