サーバ側では物理サーバとHBAのWWN、ストレージ側ではHBAのWWNとストレージのボリュームとの関係を定義し、システムを設計します。
以下にHBAの2ポートを使いマルチパスでストレージに接続するときの例を示します。
詳細は、各ストレージ製品のマニュアルを参照してください。
注意
HBA address rename方式によるサーバ切替えの場合、管理対象サーバに搭載されているHBAのポートが合計2ポート以下の構成だけサポートしています。
ストレージアフィニティ切替え方式によるサーバ切替えの場合、管理対象サーバに搭載されているHBAのポートが合計8ポート以下の構成だけサポートします。
使用するWWNの決定
HBA address renameまたはVIOM利用時には、使用するWWNを決定します。
HBA address renameまたはVIOMで使用するWWNを決定し、サーバ側にはOS(業務)と物理サーバを関連付け、ストレージ側にはボリュームを関連付けます。
HBA address renameまたはVIOMを利用することで、サーバに搭載されたHBAのWWNを意識しなくても、仮想化されたWWNを利用してサーバとストレージの設計が行えます。物理サーバが存在しないなどの、サーバに搭載されたHBAのWWNが把握できない場合でも、サーバとストレージを設計できます。
HBA address renameを利用する場合、WWNは"I/O仮想化オプション"で提供された値を使用します。
VIOMを利用する場合、WWNは以下のどれかの値を使用します。
"I/O仮想化オプション"で提供された値
VIOMインストール時に選択するアドレス範囲から自動的に選択される値
WWNの衝突によるデータの破損を防ぐため、"I/O仮想化オプション"で提供された値を使用することをお勧めします。
参考
"I/O仮想化オプション"は、全世界で一意のWWNを提供します。これにより予期しないWWNの衝突を防ぐことができます。
注意
HBA address renameとVIOMで同じWWNを使用しないでください。同じWWNを使用した場合、データが破損する危険性があります。
HBA address renameまたはVIOMで使用するWWNの形式を、以下に示します。
提供されたWWNの先頭"2x"を以下のようにWWNNとWWPNに割り当てて利用します。
20: WWNNとして利用
2x: WWPNとして利用
HBA address renameでは、xはHBAのI/Oアドレスの降順に割り当てられます。
なお、HBAのI/Oアドレスは、HBAのBIOS上またはHBAベンダーが提供しているツールで確認してください。
注意
HBA address renameでは、HBAのI/Oアドレスの降順にWWNを割り当てるため、HBAに記載されているポート番号順と一致しない場合があります。
詳細は、「C.2 HBA address rename設定時のWWNの割当て順序」を参照してください。
決定したWWNは、サーバ側の設計とストレージ側の設計で使用します。
サーバ側の設計
サーバごとに利用するWWNを割り当て、サーバ側の設計で使用します。
ストレージ側の設計
サーバごとに接続するボリュームを決定し、サーバに割り当てたWWNと同じWWNを、ストレージ側の設計で使用します。
使用するWWNの決定(VIOM利用時)
VIOMを利用する場合、VIOMの設定を先に行います。それによって決定したWWNと同じ値をストレージ側にも設定します。
I/O仮想化オプションで提供された値を使用する場合、VIOMインストール時にアドレスの範囲を設定しないでください。
WWN Address Range
VIOMのサーバプロファイル作成時に提供されたWWNの先頭"2x"を以下のようにWWNNとWWPNに割り当てて利用します。
20: WWNNとして利用
2x: WWPNとして利用
サーバプロファイルについては、ServerView Virtual-IO Managerのマニュアルを参照してください。
例
ブレードサーバで2ポートのHBAの場合、以下のように割り当てます。
"I/O仮想化オプション"で提供されたWWN値 : 20:00:00:17:42:51:00:00 HBA port1とport2のWWNN値 : 20:00:00:17:42:51:00:00 HBA port1のWWPN値 : 21:00:00:17:42:51:00:00 HBA port2のWWPN値 : 22:00:00:17:42:51:00:00 |