ここでは、HTTPトンネリング機能の環境設定について説明します。
環境設定はすべて共通環境ファイルを修正することによって行います。
環境設定の流れ
共通環境ファイルによる環境設定は、原則として次の手順で行う必要があります。
共通環境ファイルの修正
共通環境ファイルの所在を確認し、その内容を適宜修正します。
修正にあたって、Navigatorの運用を停止しておく必要はありません(この時点ではまだ修正内容は機能に反映されません)。
運用の停止、および開始
修正内容を反映させるために、運用を一旦停止し、再度開始します。これによって修正内容を反映した運用が可能になります。
Navigator Windowsクライアントの設定
HTTPトンネリングを運用するためには、サーバ上での設定に加えて各クライアントでの設定も必要になります。
Navigator Windowsクライアントでの設定については、“Navigator Server ユーザーズガイド(Windowsクライアント編)”を参照してください。
共通環境ファイルの所在
共通環境ファイルは、以下のパスに存在します。パスの変更、名前の変更、ファイル属性の変更などを行ってはいけません。
UNIXの場合
インストールディレクトリにかかわりなく、以下の場所に作成されます。
/etc/opt/FJSVnhvcl/conf/symnavhttp.conf |
Windowsサーバの場合
仮想クライアントモジュールのインストールディレクトリ配下に以下の名前で作成されます。
<インストールディレクトリ>\conf\symnavhttp.conf |
例) 仮想クライアントをC:\FJSVnhvclにインストールした場合
C:\FJSVnhvcl\conf\symnavhttp.conf |
共通環境ファイルの書式
共通環境ファイルの書式は次のとおりです。
環境変数=値 |
第一カラムから記述します。
空行は無視されます。
第一カラムが「#」ではじまる行は、コメント行とみなされます。
空行かコメント行以外は、すべて有効行とみなされます。
「=」の前後に空白をいれてはいけません。環境変数、値の前後にも空白は記述できません。環境変数や値が空白を含んでもいけません。
有効行には、日本語などのASCII文字以外の文字は使用できません。
共通環境ファイルには、指定可能なすべての環境変数に関するサンプル行とその説明が、次の例のようにコメント行として記述されています。個々の説明を読み、環境変数指定のコメントを外して、適宜値を変更すれば、環境変数名の誤りなどを防止できます。
=================================================================================== #################################### # # 仮想クライアント用ログ設定 # # SYMNAVVCL_LOG # SYMNAVVCL_LOGDIR # # 解説: # 仮想クライアントの動作ログを出力するかどうかを指定します。 # ログを出力する場合は、二つの変数を次のように同時に指定します。 # SYMNAVVCL_LOG=YES # SYMNAVVCL_LOGDIR=<出力先ディレクトリ> # 一方が未指定の場合や、値が不当な場合は、ログは出力されません。 # <出力先ディレクトリ>はフルパスで指定しなければなりません。 # ログは、<出力先ディレクトリ>の下に、"symnavvcl.log"という # ファイル名で出力されます。 # #SYMNAVVCL_LOG=YES #SYMNAVVCL_LOGDIR=<出力先ディレクトリ> ===================================================================================
作業ディレクトリの変更(UNIXのみ)
Navigatorトンネリングコンポーネントと仮想クライアントは、プロセス間通信に作業ディレクトリを使用します。使用する作業ディレクトリの場所を以下の環境変数で必ず指定してください。
SYMNAVHTTP_DIR=<作業ディレクトリ> |
指定値は絶対パスで記述してください。
指定した作業ディレクトリには、rootに対するすべての権限が必要です。
またセキュリティなどの理由から、root以外には権限を与えないでください。
作業ディレクトリには、必ず専用のディレクトリを作成し指定してください。
注意
Red Hat Enterprise Linuxの初期設定では、/tmp に作成したファイルは最終アクセス時刻から一定期間(初期値は10日間)経過すると自動的に削除されます。
HTTPトンネリング起動中に、作業ディレクトリ配下のファイルが削除されると正常に動作しません。
この場合HTTPトンネリングの再起動が必要になります。
ログ取得の指定
HTTPトンネリング機能では、複数の種類のログを取得することができます。そのうち、共通環境ファイルに指定する環境変数の値によって、取得の有無、取得先を変更することができるものがあります。
Navigatorトンネリングコンポーネント:
SYMNAVTSV_LOG=YES |
仮想クライアント:
SYMNAVVCL_LOG=YES |
HTTPトンネリング機能のログ取得についての詳細と、上記環境変数の使い方については、“K.1.6 HTTPトンネリングのログ機能”を参照してください。
systemdの設定(Linuxでsystemdを使用する場合のみ実施)
HTTPトンネリングの仮想クライアントのインストール時に設定しなかった場合に行います。Linuxでsystemdを使用する場合のみに必要な設定です。
systemdを使用する場合、HTTPトンネリングの仮想クライアントの以下のユニットファイルを作成します。
/usr/lib/systemd/system/symnavvcl.service
[Unit] |
ユニットファイルは、所有者およびグループをroot、アクセス権は-rw-r--r--で作成します。
下線太字の部分は環境に合わせて設定します。
設定が完了したら、systemdに対しユニットファイルの再読み込みと有効化を行います。
ユニットファイルの再読み込み
#systemctl daemon-reload
ユニットの有効化
# systemctl enable symnavvcl.service