業務処理実行アプリケーション開発の概要について説明します。
Javaで作成した業務処理実行アプリケーションは、Message-driven Beanである非同期アプリケーション連携実行基盤の実行環境と組み合わされて動作するため、両者を1つの配備ファイルとして作成し、アプリケーションサーバのワークユニット上に配備して運用します。
このため、ユーザが業務処理実行アプリケーションを開発する場合、Interstage Studio上でアプリケーション連携フロープロジェクト(Interstage StudioのEnterprise JavaBeansプロジェクトと同様のプロジェクト構成をもつ、Javaの業務処理実行アプリケーション開発用のプロジェクト)を作成し、プロジェクト内に業務処理実行アプリケーション(Javaソースファイル)を作成します。
アプリケーション連携フロープロジェクト内に作成する資産を開発資産として管理してください。プロジェクト内に作成する開発資産は業務処理実行アプリケーションのほかに、以下のファイルがあります。
フロー定義ファイル(ファイル名はユーザ指定、拡張子は“apfl”)
複数のアプリケーションを連携させた業務処理システムを実現するために、アプリケーションの動作順序や動作条件を定義するファイルです。Interstage Studioからフロー定義ツールを利用して定義します。
詳細については、“5.2 フロー定義の作成”を参照してください。
ejb-jar.xml
Message-driven Beanとして動作する非同期アプリケーション連携実行基盤の実行環境のデプロイメントディスクリプタです。
アプリケーション連携フロープロジェクトを新規作成したときに、プロジェクト内のプロジェクトのソースフォルダ > [META-INF]フォルダに自動作成されます。
application.xml
EARに含まれるEJB-JARの情報を記述したデプロイメントディスクリプタです。
Interstage Studioの[エンタープライズアプリケーションプロジェクト]ウィザードを利用してEARファイルを生成する場合に、プロジェクト内に自動作成されます。
logConf.xml
ログ定義ファイルです。非同期アプリケーション連携実行基盤が利用する汎用ログの出力先やフォーマットなどの情報を設定できます。ログの利用方法についての詳細は“19.1 ログ定義ファイルを用いたログ出力”、および“19.5.1.1 ログ定義ファイルの環境作成”を参照してください。
アプリケーション連携フロープロジェクトを新規作成したときに、プロジェクト内のプロジェクトフォルダに自動作成されます。
logresource.xml
ログメッセージファイルです。アプリケーションで使用する文字列データをログ出力用にカスタマイズして、メッセージの一部に動的な情報を埋め込んで定義します。
ログの利用方法についての詳細は“19.3.1 ログメッセージファイルの記述”、および“19.5.1.2 ログメッセージファイルの環境作成”を参照してください。
アプリケーション連携フロープロジェクトを新規作成したときに、プロジェクト内のプロジェクトフォルダに自動作成されます。
業務処理実行アプリケーションの作成後、プロジェクトをビルドし、配備ファイルを作成します。配備ファイルには以下の種類があります。
ejb.jar(ファイル名はユーザ指定)
EJB-JARファイルです。
[エンタープライズアプリケーションプロジェクト]からEARファイルをエクスポート時に、EARファイル内に自動作成されます。
application.ear(ファイル名はユーザ指定)
EARファイルです。
Interstage Studioの[エンタープライズアプリケーションプロジェクト]ウィザードを利用してエンタープライズアプリケーションプロジェクトを作成して、プロジェクトのビルドをした後に、プロジェクトのコンテキストメニューから[エクスポート]して生成します。
配備ファイルの作成単位についての詳細は、“2.7 実行時の構成”を参照してください。
配備ファイルはアプリケーションサーバのワークユニット上に配備します。運用資産として管理してください。
■サーバアプリケーション資産の分類
サーバアプリケーション資産の分類を以下に示します。
開発資産とは、アプリケーションの開発に必要な資産でありバージョン管理対象および開発環境のバックアップ対象となります。
運用資産とは、アプリケーションの実行に必要な資産であり運用環境のバックアップ対象となります。
ファイル名 | 開発資産 | 運用資産 |
---|---|---|
業務処理実行アプリケーション | ○ | - |
フロー定義ファイル | ○ | - |
ejb-jar.xml | ○ | - |
application.xml | ○ | - |
logConf.xml | ○ | ○ |
logresource.xml | ○ | ○ |
ejb.jar | - | ○ |
application.ear | - | ○ |
○:対象資産であることを示します。 -:対象資産ではありません。