アプリケーションを実行するためにはInterstage Business Application Serverの環境設定が完了している必要があります。“Interstage Business Application Server セットアップガイド”を参照して、環境設定を行ってください。
■業務処理実行アプリケーションの配備形式
◆Javaで作成した業務処理実行アプリケーションの場合
非同期アプリケーション連携実行基盤では、アプリケーションはつねにMessage-driven Beanである非同期アプリケーション連携実行基盤の実行環境と組み合わされて動作するため、両者を1つの配備ファイルとして作成し、アプリケーションサーバのワークユニット上に配備して運用します。
配備ファイルの作成単位
Interstage Application Serverでは、配備ファイル(ejb-jar)ごとにキューを設定します。Interstage Studioでは、プロジェクトごとに配備ファイル(ejb-jar)が作成されるので、同一のキューを使用するアプリケーション群をまとめ、1つのプロジェクトとします。
[配備ファイルの作成単位]
[複数のejb-jarをまとめてEARファイルにする場合]
配備ファイルの構成(ejb-jar)
配備ファイルは、以下の構成のejb-jarファイルになります。
ejb.jar(配備ファイル:ファイル名はユーザ指定)
業務処理実行アプリケーション
META-INFフォルダ
+-ejb-jar.xml
+-MANIFEST.MF
業務処理実行アプリケーション
ユーザ作成のアプリケーションクラスです。パッケージ構造に応じてフォルダが作成され、アプリケーションのクラスが格納されます。複数のアプリケーションを格納する場合のフォルダ構成も、パッケージ構造に従います。このため、同じejb-jar内で、同名のクラスを2つ以上用いることはできません。
ejb-jar.xml
Message-driven Beanとして動作する非同期アプリケーション連携実行基盤の実行環境のデプロイメントディスクリプタです。
MANIFEST.MF
JARファイルの情報が記述されたマニフェストファイルです。
配備ファイルの構成(EAR)
配備ファイルをEARとして生成した場合、以下のような構成になります。
application.ear(配備ファイル:ファイル名はユーザ指定)
ejb.jar
META-INFフォルダ
+-application.xml
+-MANIFEST.MF
ejb.jar
Interstage Studioでプロジェクトごとに作成されるejb-jarと同等のejb-jarファイルです。ユーザが指定した数だけ、EARに複数個含まれる可能性があります。ファイル名はユーザが指定します。
application.xml
EARに含まれるejb-jarの情報を記述したデプロイメントディスクリプタです。
MANIFEST.MF
EARファイルの情報が記述されたマニフェストファイルです。
注意
アプリケーションが運用される環境に、同名のアプリケーションクラスが複数存在し、配備ファイル内に含まれるものとCLASSPATHで指定した場所とにあった場合、初期設定では前者が優先的に呼び出されます。ただし、ワークユニットの設定で、[クラスローダの検索順序]を[親が後]に設定すると、後者が優先的に呼び出されます。誤動作を防止するため、アプリケーションクラスと同名のクラスが存在しないように留意してください。
◆COBOLで作成した業務処理実行アプリケーションの場合
アプリケーションは、インタフェースや呼出し情報などを定義したファイルと組み合わされて動作します。アプリケーション配備コマンドを実行して、作成したサーバアプリケーション(lib***.soファイル)と、アプリケーションを実行するために必要な各種定義ファイルを、それぞれアプリケーションサーバのディレクトリに格納し、ワークユニット上に配備して運用します。
■アプリケーションの配備単位
◆Javaで作成した業務処理実行アプリケーションの場合
非同期アプリケーション連携実行基盤の業務処理実行アプリケーションは、Javaアプリケーションとして、開発環境であるInterstage Studioで作成します。
業務処理実行アプリケーションは、アプリケーション連携の制御を行う非同期アプリケーション連携実行基盤の実行環境と、つねに組み合わされて動作します。開発環境で非同期アプリケーション連携実行基盤の実行環境を使用するためのデプロイメントディスクリプタを結合した後、Interstage管理コンソールまたはInterstage Studioを使用して、運用するアプリケーションサーバのワークユニットに配備します。
◆COBOLで作成した業務処理実行アプリケーションの場合
サーバアプリケーションは、業務単位に配備します。複数のサーバアプリケーションで1つの業務を実現する場合は、それらを同じディレクトリに格納します。また対応する定義ファイルも、業務単位に1つのディレクトリに格納します。
■ワークユニットの構成
アプリケーションを配備するワークユニットは、業務単位で作成します。ワークユニットは、単一サーバ上に作成することも、複数サーバにまたがって作成することも可能です。非同期アプリケーション連携実行基盤のフローとワークユニットの単位については、特に規定された関係はありませんが、以下のような指針で構成してください。
フローを構成するアプリケーション(アクティビティ)は業務を構成するための部品であり、フロー全体で1つの業務を行う場合
1つのフローを1つの業務とみなし、1つのワークユニットにフロー全体を配備します。
フローを構成するアプリケーション(アクティビティ)のそれぞれが1つの業務であり、フローで業務連携を行う場合
各アプリケーションを1つの業務とみなし、それぞれを別のワークユニットに配備します。
注意
上記は指針であり、フローおよびアプリケーションとワークユニットの関係を上記の指針以外の構成にした方が効果的な場合もあります。例については、以下の“◆複数のフローから共通利用されるアプリケーションの配備方法”を参照してください。
◆複数のフローから共通利用されるアプリケーションの配備方法
アプリケーションによっては、共通機能として複数のフローから呼び出される形態を取る可能性があります。このような場合、共通利用のアプリケーションを独立したワークユニットで運用することも可能です。
◆フロー定義の格納
フロー定義の情報は、実行時にフロー定義DBから読み込まれます。フロー定義は事前にフロー定義DBへ登録しておく必要があります。
登録方法の詳細は、“Interstage Business Application Server セットアップガイド”の“フロー定義の登録”を参照してください。