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Interstage Charset Manager Standard Edition V9 使用手引書 日本語資源管理編
FUJITSU Software

E.3.1 配付コマンド

日本語資源管理の配付機能をコマンド形式で呼び出す方法について説明します。

配付機能の詳細は、“6.3 配付の実行”を参照してください。コマンド形式で呼び出す場合、配付する外字と辞書の範囲を部分的に指定したり、配付資源を一時的に任意のディレクトリに取り出したりすることもできます。

注意

  • 配付コマンドを実行すると、処理の経過を標準出力に出す場合があります。

  • Charset-Web入力用の資源は部分配付できません。

コマンド

Charset Managerインストールディレクトリ\JPMAN\F5ATUJRM.EXE

呼出し形式

F5ATUJRM.EXE /H /GY "業務名" [/SG "サーバグループ名" [/GDIR "取出し先ディレクトリ"]]
[/EN] [/PRF "部分配付範囲指定ファイル"]

パラメタの説明

/H

配付処理を行う場合に指定します。

/GY "業務名"

配付処理を行う業務の業務名を指定します。

業務名は、ダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。

[/SG "サーバグループ名"]

配付処理を行うサーバグループ名を指定します。

サーバグループ名は、ダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。省略した場合は、業務内のすべてのサーバグループに対して配付処理が行われます。

[/GDIR "取出し先ディレクトリ"]

配付資源を一時的に取り出す先のディレクトリを、150バイト以下のフルパスで指定します。存在しないディレクトリ名が指定された場合には、作成してから取り出します。

本パラメタを指定する場合、/SGパラメタは必須です。

本パラメタを指定すると、配付情報に従った配付は行いません。本コマンドで指定されたサーバグループが、Charset Managerの資源配付の配付スケジュールに登録されている場合、取り出すことはできません。取り出したい場合は、配付が完了するまで待ってから取り出すか、配付スケジュールをキャンセルしてください。配付スケジュールのキャンセルについては、“6.3.1 配付のキャンセル”を参照してください。

取出し先ディレクトリ名は、ダブルクォーテーション(")で囲んで指定してください。

また、ディレクトリ名の最後に"\"を指定しないでください。

[/EN]

外字が作成されていないフォントシステムを無視して配付処理を続行する場合は、指定します。省略した場合は、外字が作成されていないフォントシステムの配付処理を行うとエラーコード1201で復帰します。

[/PRF "部分配付範囲指定ファイル"]

配付する外字、辞書の範囲を部分的に指定するためのファイルをフルパスで指定します。部分配付範囲指定ファイルの形式は、“部分配付範囲指定ファイルの形式”を参照してください。

部分配付範囲指定ファイルの形式

部分配付範囲指定ファイルは、iniファイル形式とします。

[SETTINGS]セクション

本セクションは、必須です。指定できるキーと値は以下のとおりです。

キー名

設定値

意味

VERSION

1.0

部分配付範囲指定ファイルのバージョン

[DELIVERRANGES]セクション

本セクションは、必須です。以下の指定できるキーのいずれか一つ以上が必須です。

キー名

設定値

意味

FONT.xxxx

コード範囲

指定されたフォントシステムの配付する部分をコード範囲指定

DIC.KANJI

コード範囲

運用漢字辞書の配付する部分をコード範囲指定

DIC.TANGO

配付開始日

運用単語辞書の配付する部分を配付開始日指定

FONT.xxxxキー

指定されたフォントシステムの配付する部分のコード範囲を指定します。

指定できるフォントシステムは、本コマンドで指定された業務の配付情報において、サーバに適用する資源、または、クライアントに適用する資源として登録されているフォントシステムです。業務(またはサーバグループ)に登録されていないフォントシステムが指定された場合、エラーとなります。

FONT.xxxxキーで配付するフォントシステムを指定した場合、FONT.xxxxキーで指定されたフォントシステムだけが配付対象となります。/GYパラメタで指定された業務(/SGで指定されたサーバグループ)に登録されているフォントシステムでも、FONT.xxxxキーで指定されていないフォントシステムは配付されません。

フォントシステムの指定方法

フォントシステムは、以下のように指定します。

FONT.フォントシステム名.書体名.サイズ

キーの構成要素

指定方法

FONT

固定値です。省略できません。

フォントシステム名

E.5.1 フォントシステム名、書体名について”を参照してください。なお、以下のフォントシステムは、指定できません。

  • Solaris CDE外字

  • Linux システムフォント(S90)

本指定は省略できません。

書体名

E.5.1 フォントシステム名、書体名について”を参照してください。

省略された場合、登録されている全書体が対象となります。

サイズ

サイズを以下の形式で指定します。(nnは数値)

横×縦:nn×nn

横×縦(レター):nn×nn(nn)

例)

横32ドット、縦32ドットの場合、32×32

横32ドット、縦32ドット、レターサイズ32ドットの場合、32×32(32)

省略された場合、登録されている全サイズが対象となります。

業務にWindows TrueType フォント(UCS2)の「MS 明朝」と「MS ゴシック」が登録されている場合

以下の指定の場合、「MS 明朝」と「MS ゴシック」が配付されます。

[DELIVERRANGES]
FONT.Windows TrueType フォント(UCS2)=E000

以下の指定の場合、「MS 明朝」だけが配付されます。

[DELIVERRANGES]
FONT.Windows TrueType フォント(UCS2).MS 明朝=E000

注意

書体名またはサイズが省略されたキーと、書体名またはサイズが省略されていないキーが同時に存在した場合、エラーとなります。

[DELIVERRANGES]
FONT.Windows TrueType フォント(UCS2).MS 明朝=E000
FONT.Windows TrueType フォント(UCS2)=E000

コード範囲の指定方法

以下のいずれかの形式で記述します。

範囲先頭文字コード[-範囲最終文字コード]

範囲先頭文字コードから範囲最終文字コードまでを、指定されたコードも含んで配付します。
コードは16進数で、4桁または6桁の半角英数字で記述してください。大文字、小文字は区別しません。

指定するコード系は、指定されたフォントシステムのコード系になります。

範囲最終文字コードは省略することができます。範囲最終文字コードを省略した場合、範囲先頭文字コード1文字を対象範囲とします。

カンマで区切って複数範囲を指定することができます。

指定されたフォントシステムの外字の範囲外のコードが指定された場合は、エラーとなります。

また、範囲先頭文字コードと範囲最終文字コードで以下の組み合わせはエラーとなります。

コード系

範囲先頭文字コード

範囲最終文字コード

JIPS

G0集合

G1集合

G1集合

G0集合

範囲先頭文字コードよりも小さい

上記以外

範囲先頭文字コードよりも小さい

E000からE010まで配付したい場合

E000-E010

E000とE010を配付したい場合

E000,E010

E000からE010とE020を配付したい場合

E000-E010,E020

UDCALL

全ての外字を配付対象範囲とします。複数範囲を指定することはできません。

ALL

外字一覧で表示できる文字すべて(外字)を配付対象範囲とします。UDCALLを指定した場合と同じです。複数範囲を指定することはできません。

DIC.KANJIキー

運用漢字辞書の配付する部分のコード範囲を指定します。本コマンドで指定された業務(/SGパラメタがある場合、指定されたサーバグループ)に登録されているクライアントグループのIME種別がCharset-入力アシストでない場合、本指定は無視されます。

本キーが省略された場合、運用漢字辞書は配付されません。

コード範囲の指定方法

以下のいずれかの形式で記述します。

範囲先頭文字コード[-範囲最終文字コード]

範囲先頭文字コードから範囲最終文字コードまでを、指定されたコードも含んで配付します。
コードは16進数で、4桁~6桁の半角英数字で記述してください。大文字、小文字は区別しません。5桁以上の場合、コードの先頭に0はつけないでください。

指定するコード系は、入力用マスタコード系になります。

範囲最終文字コードは省略することができます。範囲最終文字コードを省略した場合、範囲先頭文字コード1文字を対象範囲とします。

カンマで区切って複数範囲を指定することができます。

入力用マスタコード系の範囲外のコードが指定された場合は、エラーとなります。

また、範囲先頭文字コードと範囲最終文字コードで以下の組み合わせはエラーとなります。

コード系

範囲先頭文字コード

範囲最終文字コード

JIPS

G0集合

G1集合

G1集合

G0集合

範囲先頭文字コードよりも小さい

Unicode
(2004MS)

範囲先頭文字コードよりも小さい

範囲先頭文字コードと違う面のコード

上記以外

範囲先頭文字コードよりも小さい

UDCALL

全ての外字を配付対象範囲とします。複数範囲を指定することはできません。

ALL

漢字辞書一覧で表示できる文字すべて(内字および外字)を配付対象範囲とします。複数範囲を指定することはできません。

注意

指定されたコードの編集時間以降に、以下の内容を変更した文字コードについては配付されます。

  • 異体字関係を変更した場合

  • 文字コードの属性を変更した場合

DIC.TANGOキー

運用単語辞書の配付開始日を指定します。指定された開始日以降に更新された単語のみを配付します。本コマンドで指定された業務(/SGパラメタがある場合、指定されたサーバグループ)に登録されているクライアントグループのIME種別がCharset-入力アシストでない場合、本指定は無視されます。

本キーが省略された場合、運用単語辞書は配付されません。

配付開始日の指定方法

以下のいずれかの形式で記述します。

YYYY/MM/DD

配付開始日(YYYY/MM/DD)以降に更新された範囲を配付します。配付開始日に指定した日も含みます。

指定できる日付の範囲は、1970/01/02から2038/01/19までです。範囲外の場合はエラーとなります。

ALL

すべての範囲を配付対象とします。

部分配付範囲指定ファイルの例

[SETTINGS]
VERSION=1.0

[DELIVERRANGES]
FONT.Windows TrueType フォント(UCS2)=E000
DIC.KANJI=E000
DIC.TANGO=2006/04/01

注意

  • 部分配付範囲指定を使用しない運用(日本語資源管理ウィンドウからの配付は必ずこの運用形態になります。)から部分配付範囲指定を使用する運用に変更する場合、次の手順で資源の配付を行ってください。
    この手順により、部分配付範囲指定用の資源をクライアントで取得します。

    1. DIC.TANGO=ALL を指定して配付コマンドを実行します。
      実際に指定したい辞書の範囲に関わらず、必ず"ALL"を指定してください。

    2. すべてのクライアントで日本語資源取出しを実行し、1の資源を取得します。

    3. DIC.TANGO=YYYY/MM/DDで配付する範囲を指定して配付コマンドを実行します。

    運用を変更後に、部分配付範囲指定を使用する運用を続ける場合は、3の操作を続けて実行してください。

  • 本指定で指定した単語と同じよみの単語情報を含んだ形で出力されることがあります。

  • 部分配付で再起動後適用を実施する場合は、コード範囲ひとつに対して、一回ごとに配付、再起動を実施してください。

コマンドの実行例

以下の条件で配付する場合

  • 業務名が「総務」

  • サーバグループ名が「グループA」

    "C:\Program Files\CharMGR\JPMAN\F5ATUJRM.EXE" /H /GY "総務" /SG "グループA"

復帰コード

正常終了すると、0が返却されます。それ以外の値はエラーです。

エラーの内容と対処法については、“E.5.2 復帰コード”の“表E.4 外字関連、配付機能、退避機能のコマンドで返却される復帰コード”を参照してください。