Linuxの場合、配付方法によって外字の移入方法が異なります。
配付して自動適用する方法
配付方法を「Charset Managerの資源配付機能で配付する」にし、適用種別を「即時」にします。設定方法については、“Charset Manager 使用手引書 日本語資源管理編”の“6.2.1.2 配付情報の設定”を参照してください。
部門サーバに配付すると、シェルが自動で実行されます。
フォントの更新を確実にするために、ウィンドウシステムを再起動します。
配付して手動で適用する方法
配付方法を「Charset Managerの資源配付機能で配付する」にし、適用種別を「適用しない」にします。または、配付方法を「オフラインで配付する」にします。設定方法については、“Charset Manager 使用手引書 日本語資源管理編”の“6.2.3.1 配付情報の設定”を参照してください。
部門サーバに配付します。
部門サーバに配付された資源の中の「部門サーバ用適用シェルファイル」を実行します。「部門サーバ用適用シェルファイル」については、“2.1.3 オフライン配付の設定”の“表2.1 部門サーバへの配付資源”を参照してください。
フォントの更新を確実にするために、ウィンドウシステムを再起動します。
外字を転送ファイルに取り出して移入する方法
外字の取出しでLinuxのフォントを転送ファイルに取り出します。外字の取出しについては、“Charset Manager 使用手引書 日本語資源管理編”の“4.8 外字の取出し”を参照してください。
転送ファイルを部門サーバに転送します。
フォントシステムごとの移入コマンドを使用して移入します。移入コマンドについては、“2.2.3.1 システムフォント”、“2.2.3.2 VSPフォント”、“2.2.3.3 Unicode-JEFフォント”を参照してください。
フォントの更新を確実にするために、ウィンドウシステムを再起動します。
以下の操作によって、各サイズの転送ファイルからフォントファイルに外字を登録します。
なお、外字を登録する前に、Linux版の“ソフトウェア説明書”に記述されている“インストール後の環境設定”を行う必要があります。
注)フォント環境の格納先として以下が使用されます。
/usr/share/X11/fonts/75dpi
手順に沿って説明します。
フォントファイルの作成(qgfcrtpコマンド)
ファイル形式の変換(bdftopcfコマンド)
フォント環境へ移行(mvコマンド)
フォント環境に登録したフォントファイルを使用する場合は、使用するアプリケーションに、以下のフォント名(XLFD名)を指定する必要があります。
なお、登録したフォントは、日本語(マルチバイト)に対応したアプリケーションだけ使用できます。また、登録したフォントを使用した場合、今まで使用していたフォントの字形と異なる場合があります。
フォント名(XLFD名)
12ドットフォント:
-fjmincho-fixed-medium-r-normal--12-112-75-75-c-120-jisx0208.1990-0
16 ドットフォント:
-fjmincho-fixed-medium-r-normal--16-150-75-75-c-160-jisx0208.1990-0
24ドットフォント:
-fjmincho-fixed-medium-r-normal--24-225-75-75-c-240-jisx0208.1990-0
例
エディタ(emacs)で登録した16ドットサイズのフォントを使用する場合、以下のように
指定します。emacsのパラメタの説明については、manコマンドを使用してLinuxのマニュアルを参照してください。
なお、本例には、インストール後の環境設定(Linux版の“ソフトウェア説明書”参照)で登録するG0コードのフォントを使用する形で記述します。
emacs -fn -fjmincho-fixed-medium-r-normal--16-*-0
フォントファイルの作成
qgfcrtpコマンドを使用して、独自のフォントファイル(BDF形式)を作成します。
qgfcrtp -i 外字連携形式の転送ファイル名
-fr RCF
[-o BDF形式のフォントファイル格納ディレクトリ名]
“-i”で指定した転送ファイルの形式(RCF)を指定します。
BDF形式のフォントファイルを格納する既存のディレクトリ名を指定します。
なお、本オプションを省略した場合、カレントディレクトリが指定されたものとみなされます。
例
16ドットサイズの場合、以下のように指定します。
qgfcrtp -i a00F0F0F.RCF -fr RCF -o /tmp
ファイル形式の変換
qgfcrtpコマンドで作成したフォントファイル(BDF形式)をPCF形式のフォントファイルに変換します。
bdftopcf -o PCF形式のフォントファイル名 BDF形式のフォントファイル名
PCF形式に変換されたフォントを格納するファイル名を指定します。
fiscxx_1.pcf:xxは、ドットサイズで12,16または24です。
qgfcrtpコマンドで作成したフォントのファイル名を指定します。
fiscxx_1.bdf:xxは、ドットサイズで12,16または24です。
例
16ドットサイズの場合、以下のように指定します。
bdftopcf -o /tmp/fisc16_1.pcf /tmp/fisc16_1.bdf
外字環境へ移行
PCF形式のフォントファイルを外字環境へ移行します。
mv
mv 移動元PCF形式のフォントファイル名 移動先PCF形式のフォントファイル名
bdftopcfコマンドで変換されたPCF形式のフォントファイル名を指定します。
bdftopcfコマンドで変換されたPCF形式のフォントファイルを移動するフォント環境の格納先を指定します。フォント環境の格納先として以下が使用されます。
/usr/share/X11/fonts/75dpi
例
16ドットサイズの場合、以下のように指定します。
mv /tmp/fisc16_1.pcf /usr/share/X11/fonts/75dpi/fisc16_1.pcf
LinuxでのVSPフォントの移入は、以下のコマンドで行います。
VSPフォントの移入コマンドは、Solarisの場合と同じです。移入コマンドの詳細については、“2.2.2.3 VSPフォント”を参照してください。
Unicode-JEFフォントに外字を移入するためには、以下の製品がインストールされている必要があります。
注意
日本語資源管理でUnicode-JEFフォントの外字を作成するには、以下の製品がインストールされている必要があります。
JEF拡張漢字フォントの外字を作成する場合
JEF 拡張漢字サポート
JEFゴシックフォントの外字を作成する場合
JEF ゴシックフォント
詳しくは、“Charset Manager 概説書”の“付録A 動作環境”を参照してください。
日本語資源管理で作成したUnicode-JEFフォントの転送ファイル(TrueType外字連携形式)から外字を移入します。
qgfaddtpコマンドの形式を以下に示します。
qgfaddtp
qgfaddtp [-style {mincho | gothic}] [-r] 転送ファイル名
外字の書体を指定します。指定できるのは以下の2種類です。
JEF拡張漢字フォント
JEFゴシックフォント
省略時は、JEF拡張漢字フォントが指定されたものとみなします。
すでに存在するデータと置き換えて登録する場合に指定します。
本オプションを省略しすでにデータが存在した場合、置き換え処理は行われません。
注意
ターミナルエミュレータ(gnome-terminal,xterm等)を使用して登録した外字を表示すると、文字が重なって見える場合があります。外字の確認を行う場合は、エディタ(gedit)を使用してください。