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Interstage Application Server V12.2.0 高信頼性システム運用ガイド
FUJITSU Software

3.2.2 CORBAワークユニット


3.2.2.1 IPCOMの設定

負荷分散ポリシーの設定

「IPCOMのマニュアル」を参照してください。
なお、負荷分散ポリシーの設定は、以下のように行ってください。

3.2.2.2 Interstageのセットアップ

セットアップ手順の概要

以下の手順でセットアップしてください。

  1. Interstageのセットアップ

    1. hostsファイルの設定

    2. Interstageの停止

    3. Interstageシステム定義の生成

    4. Interstageシステム定義ファイルの登録

    5. Interstage動作環境定義のカストマイズ

    6. Interstageの初期化

  2. オブジェクトリァレンスの登(負荷分散方式の設定)
    以下のどちらかの方式で設定します。

  3. クライアントの環境設定


ただし、ネーミングコンテキストを使用している場合で、メソッド呼出し単位の負荷分散方式を行う場合は、以下の手順でセットアップしてください。

  1. Interstageのセットアップ

    1. hostsファイルの設定

    2. Interstageの停止

    3. Interstageシステム定義の生成

    4. Interstageシステム定義ファイルの登録

    5. ホスト名の設定

    6. Interstageの初期化

  2. オブジェクトリファレンの登録(負荷分散方式の設定)
    メソッ呼出し単位の負荷分散方式で設定します。

  3. クライアントの環境設定

セットアップ手順の詳細について、以降に示します。

Interstageのセットアップ

負荷分散対象サーバのInterstageの環境設定は、負荷分散対象となる全サーバに対して、以下の手順で実施してください。Interstageの環境設定手順の詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「Interstageの環境設定」を参照してください。



  1. hostsファイルの設定

    以下のhostsファイルに定義されている自サーバのホスト名とIPアドレスの設定文に対して、別名で、仮想IPアドレスのホスト名の宣言を追加します。

    Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts

    /etc/hosts

    宣言を追加した後、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。
    以下に、初期化対象となるサーバのホスト名がhost1、仮想IPアドレスのホスト名がvhostの場合の記述例を示します。なお、"192.0.2.21"のIPアドレスは、host1の実IPアドレスです。

    192.0.2.21  host1   vhost

  2. Interstageの停止

    isstop -fコマンドを実行し、Interstageを停止します。
    以下に、isstop -fコマンドの実行例を示します。

    > isstop -f

  3. Interstageシステム定義の生成

    isgendefコマンドを実行し、Interstageシステム定義を生成します。
    以下に、システム規模がsmallの場合におけるisgendefコマンドの実行例を示します。

    > isgendef small

  4. Interstageシステム定義ファイルの登録

    isregistdefコマンドを実行し、Interstageシステム定義ファイルを登録します。
    以下に、isregistdefコマンドの実行例を示します。

    > isregistdef

  5. Interstage動作環境定義のカストマイズ

    Interstage動作環境定義をカストマイズします。Interstage動作環境定義は以下に格納されています。

    /opt/FSUNtd/etc/isreg/isinitdef.txt

    /opt/FJSVtd/etc/isreg/isinitdef.txt

    Interstage動作環境定義に、以下の項目を設定してください。

    • CORBA HOST NAME

    • CORBA PORT NUMBER

    以下に、各定義項目の指定例を示します。

    CORBA HOST NAME=host1
    CORBA PORT NUMBER=8003

    注意

    ネーミングコンテキストを使用しない場合に、本設定を行ってください。


  6. ホスト名の設定

    OD_set_envコマンドを実行し、オブジェクトリファレンスの生成時に埋め込むホスト名を設定します。
    以下に、OD_set_envコマンドの実行例を示します。

    > OD_set_env -n vhost

    注意

    ネーミングコンテキストを使用する場合に、本設定を行ってください。


  7. Interstageの初期化

    -fオプションを指定してisinitコマンドを実行し、Interstageを初期化します。
    Windowsシステムでは、Interstageの初期化時には、ネーミングサービスを、ローカルサーバ上にセットアップしてください。
    以下に、Interstageの運用形態がtype1の場合の初期化実行例を示します。

    > isinit -f type1

注意

IPCOM連携機能では、負荷分散対象サーバ上のネーミングサービスに登録されたオブジェクトリファレンスの登録内容により負荷分散方式を決定します。
したがって、ネーミングサービスは、負荷分散対象となるすべてのサーバマシン上に配置します。


オブジェクトリファレンスの登録(負荷分散方式の設定)

オブジェクトリファレンスの登録方法は、負荷分散の方式により、異なります。


ネーミングサービスのオブジェクトリファレンス獲得時点の負荷分散

メソッド呼出し単位の負荷分散

注意

ネーミングコンテキストを使用している場合は、ネーミングコンテキストを登録する必要があります。負荷分散対象サーバに複写元のサーバシステムのネーミングサービス登録情報をコピーしてください。これにより、負荷分散対象サーバのネーミングサービスに、複写元のサーバシステムと同じ構成のネーミングコンテキストを登録できます。
負荷分散対象サーバ“host2”に、複写元のサーバシステム“host1”のネーミングサービス登録情報をコピーする操作手順を以下に示します。


host1での操作手順

  1. Interstageの停止

    isstop -fコマンドを実行し、Interstageを停止します。
    以下に、isstop -fコマンドの実行例を示します。

    > isstop -f

  2. ネーミングサービス登録情報のコピー

    ネーミングサービス登録情報が格納されているディレクトリを作業用ディレクトリにコピーします。
    以下に、カレントディレクトリ(作業用ディレクトリ)にネーミングサービス登録情報をコピーする場合の実行例を示します。

    > xcopy C:\Interstage\ODWIN\etc\CosNaming CosNaming_host1

    host2の作業用ディレクトリに、上記のディレクトリ“CosNaming_host1”をコピーします。


    > cp -r -p /opt/FSUNod/etc/CosNaming CosNaming_host1

    host2の作業用ディレクトリに、ftpコマンドを使用して上記のディレクトリ“CosNaming_host1”をバイナリ形式で転送します。


    > cp -r -p /opt/FJSVod/etc/CosNaming CosNaming_host1

    host2の作業用ディレクトリに、ftpコマンドを使用して上記のディレクトリ“CosNaming_host1”をバイナリ形式で転送します。


  3. Interstageの起動

    isstartコマンドを実行し、Interstageを起動します。
    以下に、isstartコマンドの実行例を示します。

    > isstart

  4. ネーミングコンテキストの登録内容の確認

    odlistns -l -Rコマンドを実行し、host1のネーミングサービスに登録されているネーミングコンテキストを表示します。以下の[表示結果]とhost2のodlistns -l -Rコマンドの[表示結果]を比較して、host1とhost2のネーミングサービスにネーミングコンテキストが同じ構成で登録されているかを確認することにより、ネーミングサービス登録情報が正しくコピーされたかを判断します。
    以下に、odlistns -l -Rコマンドの実行例とその表示結果を示します。

    > odlistns -l -R
    [表示結果]
    Name(Type)  Object information(detail)
                Default object information(detail)
    NC001(c)    IDL:CosNaming/NamingContextExt:1.0, IDL:CosNaming/NamingContext:1.0, (vhost:8002:1.0:), context.1225331880.0

    上記の[表示結果]から、host1のネーミングサービスには、コンテキストID“context.1225331880.0”のネーミングコンテキスト“NC001”が登録されていることが確認できます。


host2での操作手順

  1. Interstageの停止

    isstop -fコマンドを実行し、Interstageを停止します。
    以下に、isstop -fコマンドの実行例を示します。

    > isstop -f

  2. ネーミングサービス登録情報のバックアップ・コピー

    host2のネーミングサービス登録情報が格納されているディレクトリを退避したあと、host1のネーミングサービス登録情報をコピーします。
    以下に、カレントディレクトリ(作業用ディレクトリ)にhost1のネーミングサービス登録情報が格納されている場合の実行例を示します。

    > rename C:\Interstage\ODWIN\etc\CosNaming CosNaming_backup
    > xcopy CosNaming_host1 C:\Interstage\ODWIN\etc\CosNaming

    > mv /opt/FSUNod/etc/CosNaming /opt/FSUNod/etc/CosNaming_backup
    > cp -r -p CosNaming_host1 /opt/FSUNod/etc/CosNaming
    > chown root /etc/opt/FSUNod/CosNaming
    > chown sys /etc/opt/FSUNod/CosNaming

    > mv /opt/FSJSVod/etc/CosNaming /opt/FSJSVod/etc/CosNaming_backup
    > cp -r -p CosNaming_host1 /opt/FSJSVod/etc/CosNaming
    > chown root /etc/opt/FSJSVod/CosNaming
    > chown sys /etc/opt/FSJSVod/CosNaming

  3. Interstageの起動

    isstartコマンドを実行し、Interstageを起動します。
    以下に、isstartコマンドの実行例を示します。

    > isstart

  4. ネーミングコンテキストの確認

    odlistns -l -Rコマンドを実行し、host2のネーミングサービスに登録されているネーミングコンテキストを表示します。
    以下に、odlistns -l -Rコマンドの実行例とその表示結果を示します。

    > odlistns -l -R
    [表示結果]
    Name(Type)  Object information(detail)
                Default object information(detail)
    NC001(c)    IDL:CosNaming/NamingContextExt:1.0, IDL:CosNaming/NamingContext:1.0, (vhost:8002:1.0:), context.1225331880.0

    上記の[表示結果]から、host2のネーミングサービスにも、コンテキストID“context.1225331880.0”のネーミングコンテキスト“NC001”が登録されていることが確認できます。
    これにより、host1とhost2のネーミングサービスにネーミングコンテキストが同じ構成で登録されていることが確認でき、ネーミングサービス登録情報が正しくコピーされていると判断できます。


クライアントの環境設定

以下のファイルに設定するネーミングサービスの参照先ホスト名に、仮想IPアドレスのホスト名を設定してください。IPアドレスは指定できませんので、注意してください。

inithostファイル

initial_hostsファイル


正しい記述例)
vhost          8002
誤った記述例)
192.0.2.10   8002

また、以下のhostsファイルに、仮想IPアドレスと仮想IPアドレスのホスト名、負荷分散対象となるすべてのサーバのホスト名とIPアドレスの対応について宣言してください。
宣言を追加した後、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。

Windowsインストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts

/etc/hosts



注意

  • Interstage Application Serverを運用しているサーバ(Interstage統合コマンドで初期化した環境のみ)をクライアントとする場合、Interstage初期化時にネーミングサービスの参照先ホストとして、仮想ホスト名を指定してください。指定方法については、「運用ガイド(基本編)」の「Interstage統合コマンドによる運用操作」の「ネーミングサービス・インタフェースリポジトリの設定変更」を参照してください。

  • 1台のクライアントマシンからサーバマシンへの通信に対して直接通信するパターンと負荷分散装置を経由して通信するパターンが混在する場合、送信元のアドレス変換を行っていないとネットワーク異常が発生することがあります。そのため、負荷分散装置等を経由した通信で、クライアントマシンのIPアドレスとポート番号が直接サーバマシンに通知されないように、NAT装置や負荷分散装置等のアドレス変換機能(NAPT等)を使用してください。