ここでは、仮想L-Serverのエクスポート操作について説明します。
VMコンバーターでは、GUIおよび CLIによる仮想L-Serverのエクスポート機能を提供します。
仮想L-Serverのエクスポート機能では、選択した仮想L-Serverを指定されたフォルダーにエクスポートします。
VMコンバーターのエージェントプログラムのインストール
移行先でのインポートに備え、エクスポートする仮想マシンには、あらかじめVMコンバーターのエージェントプログラムがインストールされている必要があります。
エージェントプログラムのインストーラーは、VMコンバーターのインストールフォルダー配下に格納されています。
VMコンバーターインストールフォルダー\VMConverter\Agent\x86\TransportAgent.msi VMコンバーターインストールフォルダー\VMConverter\Agent\x64\TransportAgent.msi
エクスポート対象の仮想マシンのOSのビットモードに合わせていずれかのインストーラーを選択し、仮想マシン上で実行してエージェントプログラムをインストールしてください。
注意
エージェントプログラムは、VMコンバーターのバージョンV1.1.0以降に含まれています。
継続してインポートを実施する場合、V1.1.0以降のVMコンバーターを利用してください。
VMコンバーターで提供されるGUIにより、対象のL-Serverのエクスポートの開始、およびエクスポート処理(タスク)の進捗状況を取得できます。
スタートメニューより、VMコンバーターを起動すると、エクスポート、インポート、または処理状況の表示のボタンのあるホーム画面が表示されます。
図17.4 ホーム画面
移行元と移行先のクラウドを選択します。"- N/A -"は移行先クラウドを特定しない場合に選択します。
図17.5 クラウドの選択
移行元クラウドのアカウント情報を入力します。
図17.6 アカウント情報の入力
アカウントに対応するテナント中の仮想L-Server一覧が表示されるので、移行する仮想L-Serverを選択します。このとき選択できる L-Serverは1つだけです。
図17.7 仮想L-Serverの選択
選択した仮想L-Serverが動作するVMホスト情報を入力します。
図17.8 VMホスト情報の入力
エクスポートされたファイルを格納するフォルダを指定します。なお、このフォルダーには、エクスポートされたファイルとともに、仮想L-Serverのメタ情報ファイルも生成、格納されます。
図17.9 ファイルの格納先フォルダーの指定
確認画面が表示されるので、タスクを開始する場合には、[Launch]ボタンをクリックします。この後、1.のホーム画面に戻ります。
図17.10 確認画面
ホーム画面の[Task Status]ボタンをクリックすると、進捗状況画面が表示されます。表示内容は、60秒間隔で自動的に更新されます。
図17.11 進捗状況画面
タスクの進捗状況の表示機能で出力される項目と各項目の説明については、以下の表を参照してください。
GUIでの項目名 | CLIでの項目名 | 説明 |
---|---|---|
TID | TaskID | タスクID "TASK5桁の数値" |
Name | VMName | エクスポート対象の仮想L-Server名 |
Src. | SourceCloudType | 移行元クラウド名
|
Dst. | DestinationCloudType | 移行先クラウド名
|
Operation | 処理フェーズ "Export"または"Import" | |
Status | タスクの状態 Initializing : 初期化中 Running : 実行中 Succeeded : 正常終了 Error : 異常終了 Aborted : 中止 | |
Progress | タスクの進捗割合(%表示) | |
Start Time | タスクの開始時間(yyyy/MM/dd HH:mm:ss) | |
End Time | タスクの終了時間(yyyy/MM/dd HH:mm:ss) 終了時までは表示なし | |
Message |
|
VMコンバーターで提供されるCLIにより、対象のL-Serverのエクスポートの開始、およびエクスポート処理(タスク)の進捗状況を取得できます。
CLIは、Windows PowerShell2.0以降で以下のコマンドレットとして提供されます。
コマンドレットの使用にあたり、Import-Moduleコマンドを実行し、あらかじめモジュールマニフェストファイルをインポートしておく必要があります。
モジュールマニフェストファイルは、インストールフォルダー配下のファイルです。
VMコンバーターのインストールフォルダー\VMConverter\Client\PowerShell\Fujitsu.VMConverterClient.psd1
上記フォルダーに移動し、Import-Moduleコマンドを実行します。
Import-Module .\Fujitsu.VMConverterClient.psd1 |
コマンドレットの構文を説明します。
>Connect-SourceCloud -SourceCloudType String -SourceServer String -SourceServerUserName String -SourceServerPassword String <RETURN> |
コマンドレット名 | 説明 | パラメーター | 出力 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
パラメーター名 | 型 | 必須 | 説明 | |||
Connect-SourceCloud | 移行元クラウドにログインします。 | SourceCloudType | String | True | 移行元となるクラウドの種別を指定します。 | なし |
SourceServer | 移行元となるクラウドのサーバ名をFQDN名またはIPアドレスで指定します。 移行元として本製品の管理サーバだけをサポートします。 | |||||
SourceServerUserName | 移行元となるクラウドにログオンするための認証ユーザーIDを指定します。 | |||||
SourceServerPassword | 移行元となるクラウドにログオンするための認証パスワードを指定します。 |
>Disconnect-SourceCloud -SourceCloudType String <RETURN> |
コマンドレット名 | 説明 | パラメーター | 出力 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
パラメーター名 | 型 | 必須 | 説明 | |||
Disconnect-SourceCloud | 移行元クラウドからログアウトします。 | SourceCloudType | String | True | 移行元となるクラウドの種別を指定します。 | なし |
>Get-VMList -SourceCloudType String <RETURN> |
コマンドレット名 | 説明 | パラメーター | 出力(戻り値) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
パラメーター名 | 型 | 必須 | 説明 | |||
Get-VMList | 移行元クラウドのVMの一覧を取得します。 | SourceCloudType | String | True | 移行元となるクラウドの種別を指定します。 | Hashtable (VMリスト) Name: カレントフォルダー名 Value: VM名の列挙(区切り文字は コンマ(",")) |
>Start-ExportTask -SourceCloudType String [-SourceServer String] -SourceVMName String -SourceServerUserName String] [-SourceServerPassword String] -VMHostUserName String -VMHostPassword String -DestinationCloudType String -OutFolderPath String [-Wait switch] <RETURN> |
コマンドレット名 | 説明 | パラメーター | 出力 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
パラメーター名 | 型 | 必須 | 説明 | |||
Start-ExportTask | エクスポートのタスクを開始します。 | SourceCloudType | String | True | 移行元となるクラウドの種別を指定します。 | タスクID (String) |
SourceServer | False | ログイン済の場合、指定する必要はありません。 移行元となるクラウドの管理サーバ名をFQDN名またはIPアドレスで指定します。移行元として本製品の管理サーバだけをサポートします。 | ||||
SourceVMName | True | エクスポートするVM名(移行元のクラウド上でのVM名) | ||||
SourceServerUserName | Flase | ログイン済の場合、指定する必要はありません。 移行元のクラウドにログオンするための認証ユーザーIDを指定します。 | ||||
SourceServerPassword | ログイン済の場合、指定する必要はありません。 移行元のクラウドにログオンするための認証パスワードを指定します。 | |||||
VMHostUserName | True | エクスポートするVMのVMホストにログオンするための認証ユーザーIDを指定します。 | ||||
VMHostPassword | エクスポートするVMのVMホストにログオンするためのパスワードを指定します。 | |||||
DestinationCloudType | 移行先のクラウドの種別を指定します。 | |||||
OutFolderPath | エクスポート処理したファイルの格納先フォルダーを指定します。ローカルフォルダーまたは本ツールの実行ユーザーがアクセス可能な共有パスが指定できます。 | |||||
Wait | Switch | False | エクスポート処理が完了するまで待ちます。 |
>Update-ConvertTask [-Show] <RETURN> |
コマンドレット名 | 説明 | パラメーター | 出力(戻り値) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
パラメーター名 | 型 | 必須 | 説明 | |||
Update-ConvertTask | 管理中のタスクの実行状況を更新します。 (タスクデータベースの更新) | Show | Switch | False | 指定された場合、更新したタスク管理データベースを読み出します。 | なし |
タスクの進捗状況の表示機能で出力される項目と各項目の説明については、「表17.18 タスクの進捗状況の表示機能で出力される項目と説明」を参照してください。