クローニングによるサーバ導入をする場合、クローニングイメージを採取してください。
エージェントの登録が完了している管理対象サーバから、クローニングイメージを採取できます。
エージェントの登録については、「8.2 VMホストに対するソフトウェアのインストールとエージェントの登録」を参照してください。
クローニングイメージの採取は、以下のすべての条件を満たす管理対象サーバで行えます。
サーバの状態が、正常(normal)、警告(warning)であること
保守モードに設定されていること
VMホストとVMゲストからはクローニングイメージを採取できません。
事前準備
クローニングイメージを採取する管理対象サーバに、導入時に必要なOS、アプリケーションをインストールします。
必要に応じて、設定変更やパッチの適用を行ってください。
終了したあと、管理対象サーバが正しく動作するか確認してください。
管理対象サーバが以下の構成の場合は、クローニングイメージを採取する前にイメージ操作対象ディスクを設定してください。
内蔵ディスクブートでかつSANデータ環境の場合
設定については、「操作ガイド VE」の「9.1.13 イメージ操作対象ディスクの変更」を参照してください。
管理対象サーバが以下の構成の場合には、クローニングイメージを採取する前に以下のコマンドを実行してください。
Red Hat Enterprise Linux 6、またはRed Hat Enterprise Linux 7のext4ファイルシステムを使用しており、以下のどちらかの条件に当てはまる場合
HBA address renameを使用したSANブート環境
ラック型サーバ、タワー型サーバで、"サーバ管理ソフトウェア(ServerView)"の"使用しない"を選択してサーバを登録
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
#/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
HBA address renameを使用したSANブート環境であり、以下の機種である場合
PRIMERGY BX960 S1
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
#/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
クローニングイメージを採取する管理対象サーバでDHCPクライアントが有効になっているか確認してください。
同じ名前のクローニングイメージは、クローニングイメージの保存世代数まで保持できます。
すでに保存世代数以上に採取されている状態で、新たにクローニングイメージの採取を行う場合、削除するクローニングイメージを選択してください。
クローニングイメージの保存世代数はデフォルトで3世代です。
クローニングイメージの保存世代数の変更方法については、「6.4 クローニングイメージの保存世代数の変更(物理サーバ)」を参照してください。
クローニングイメージの配付時、一時的に採取元のサーバ名、または物理サーバ名をサーバ名として配付先のサーバを起動します。
同一のネットワーク内に同じサーバ名が複数存在する間、OSのネットワーク重複エラーが発生します。
異なるサーバ名で起動すると問題が発生するプログラムをインストールしている場合、クローニングイメージ採取前にそのプログラムのサービスが自動起動しないように設定してください。
同一のサーバ名が存在すると問題が発生するプログラムをインストールしている場合、クローニングイメージ採取前にそのプログラムのサービスが自動起動しないように設定してください。
操作対象のサーバがPRIMEQUESTのサーバの場合、対象サーバに設定されているブートオプションとBIOSに設定されているブートオプションの設定が、Legacy bootになっていることを確認してください。
どちらかの設定がUEFIである場合、Legacy bootに変更してから処理を行ってください。
ブートオプションの変更方法については、「7.1.10 ブートオプションの変更」を参照してください。
システムディスクがローカルディスク、かつデータディスクがiSCSIストレージの場合、「設計ガイド VE」の「8.1.1 ストレージの構成」の「表 サポートするストレージ構成」に記載されている留意事項を参照してください。
【Windows】
NetBIOS over TCP/IPを有効にしてください。
ボリュームライセンスが必要です。また、本製品のエージェントをインストールする際に、ボリュームライセンスの情報を入力しておく必要があります。
詳細は、「導入ガイド CE」の「2.2.1.2 必要な情報の収集と確認」と「2.2.2 インストール【Windows】【Hyper-V】」を参照してください。
エージェントをインストールする際にボリュームライセンスの情報を入力しなかった場合や、インストールしたあとに修正する場合、利用するWindowsの種類に応じて、管理対象サーバ上で以下のライセンス情報定義ファイルを編集してください。
Windows Server 2008以降の場合
インストールフォルダー\Agent\scw\SeparateSetting\ipadj\activation.dat
定義ファイルの[ActivationInfo]セクションに1行ごとに"パラメーター=値"という形式で記述してください。
パラメーターについては、以下の表を参照してください。
方式 | パラメーター | 値 |
---|---|---|
KMS | .cmd.remotescript.1.params.kmscheck (必須) | KMSホストの検索方法です。 以下のどちらかの値を選択します。
"MANUAL"を選択した場合、.cmd.remotescript.1.params.kmsnameを必ず設定してください。 |
.cmd.remotescript.1.params.kmsname | KMSホストのホスト名(FQDN)、コンピュータ名、またはIPアドレスです。 | |
.cmd.remotescript.1.params.kmsport | KMSホストのポート番号です。省略時は1688になります。 | |
MAK | .cmd.remotescript.1.params.makkey (必須) | MAKキーです。 |
共通 | .cmd.remotescript.1.params.ieproxy | プロキシサーバのホスト名(FQDN)とポート番号をコロン(":")でつないだものです。 |
.cmd.remotescript.1.params.password | Administratorのパスワードです。 | |
encrypted | Administratorのパスワードの暗号化状態です。 |
例
KMS(自動探索)の場合
[ActivationInfo] |
KMS(手動設定)の場合
[ActivationInfo] |
MAKの場合
[ActivationInfo] |
Administratorのパスワードを変更した場合、以下のコマンドを実行してください。定義ファイルの.cmd.remotescript.1.params.passwordパラメーターに記述されているパスワードが暗号化された文字列に変更され、暗号化したことを示す"encrypted=yes"の行が追加されます。
詳細は、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.8 rcxadm deployctl」を参照してください。
>"インストールフォルダー\Agent\bin\rcxadm" deployctl passwd -encrypt <RETURN> |
MAKの場合(暗号文)
[ActivationInfo] |
クローニングイメージの採取
以下の手順で、クローニングイメージを採取します。
管理対象サーバを保守モードに設定します。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、保守モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[設定]を選択します。
[保守モードの設定]ダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
管理対象サーバが保守モードに設定されます。
管理対象サーバ上の業務を停止します。
クローニングイメージを採取する場合、管理対象サーバが自動的に再起動されるため、事前に管理対象サーバ上の業務を停止してください。
以下の場合、設定を解除してください。
管理LANと業務LANに対応するNICへ冗長化を設定している (注)
NICにタグVLANを設定している
注) ただし、ネットワークパラメーター自動設定機能を使用して業務LANの冗長化設定を行っている場合、解除する必要はありません。
クローニングイメージの採取中は以下の固有情報が無効化されます。管理対象サーバ起動時に以下の情報を参照するサービスは、起動しないように設定してください。
ホスト名
管理LANのIPアドレスとサブネットマスク
管理LANのデフォルトゲートウェイ
クローニングイメージを採取します。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、クローニングイメージを採取する物理OSを右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[採取]を選択します。
[クローニングイメージの採取]ダイアログが表示されます。
以下の項目を設定します。
採取したクローニングイメージを識別する名前を入力します。
新規作成
新規に名前を入力する場合、[新規作成]を選択し、クローニングイメージ名を入力します。
クローニングイメージ名は、先頭文字を英字とし、半角英数字とアンダースコア("_")で構成された32文字以内の文字列を入力します。
更新
採取してあるクローニングイメージと同じ名前を指定する場合、[更新]を選択し、リストからクローニングイメージを選択します。
同じ名前のクローニングイメージは、クローニングイメージの保存世代数まで保持できます。
すでに保存世代数以上に採取されているクローニングイメージを選択した場合、採取したクローニングイメージの一覧で、削除するクローニングイメージのチェックボックスにチェックを入れてください。
クローニングイメージの採取が完了した時点で削除が行われます。
クローニングイメージの保存世代数はデフォルトで3世代です。
クローニングイメージの保存世代数の変更方法については、「6.4 クローニングイメージの保存世代数の変更(物理サーバ)」を参照してください。
クローニングイメージを識別するためのコメントを入力します。
パーセント("%")、円マーク("\")、ダブルクォーテーション( " )、および改行以外の文字で日本語、半角文字に関係なく128文字以内の文字列を指定できます。
[クローニングイメージ名]で[更新]を選択した場合、選択したクローニングイメージの最新世代のコメントが表示されます。
コメントを入力しない場合、RORコンソールにハイフン("-")が表示されます。
コメントには、ハードウェア構成(サーバのモデル名、ディスクサイズ、NIC数など)、ソフトウェア構成(インストールされているソフトウェア名、適用しているパッチなど)、およびネットワークパラメーター自動設定機能の状態などを入力することをお勧めします。
クローニングイメージを採取したあとに保守作業を終了し、自動的に管理対象サーバの保守モードを解除する場合、チェックボックスにチェックを入れます。
チェックボックスにチェックを入れない場合、クローニングイメージを採取したあとに手動で保守モードを解除してください。
[OK]ボタンをクリックします。
クローニングイメージの採取が開始されます。
処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。
進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。
業務を再開します。
手順2.で自動起動しないように設定したサービスがあれば設定を戻し、起動してください。
以下の場合、設定を戻してください。
管理LANと業務LANに対応するNICへの冗長化の設定を解除した
NICへのタグVLANの設定を解除した
動作確認を行い、業務が正常に開始されているか確認してください。
保守モードを解除します。
[クローニングイメージの採取]ダイアログで、[採取後に保守モードを解除]チェックボックスにチェックを入れた場合、本手順を行う必要はありません。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、運用モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[解除]を選択します。
[保守モードの解除]ダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
管理対象サーバの保守モードが解除されます。
クローニングイメージを採取中に、採取しているクローニングイメージ、および同じ名前のクローニングイメージに対する操作は同時に行えません。