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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.3.0 操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理)
FUJITSU Software

12.1 概要

クローニングは、1台の管理対象サーバから採取したクローニングイメージを、複数の管理対象サーバに配付する機能です。

初期導入時に複数のサーバに対して、同じOSとソフトウェアをインストールできるため、短時間にサーバ導入ができます。
また、パッチ適用やソフトウェアの追加、変更などを行ったサーバのクローニングイメージを採取し、ほかのサーバに配付することで、ソフトウェア保守が簡単に短時間で行えます。

クローニングイメージは、採取する際に管理対象サーバごとに以下の固有の情報を無効化し、配付する際に自動的に再設定します。これにより、1つのクローニングイメージを複数の異なるサーバに配付できます。

これら以外の設定(アプリケーション/ミドルウェアの設定など)は自動的に再設定しないため、必要に応じてクローニング操作の前後に手動で設定してください。

iSCSIディスクで構成されている管理対象サーバがLinuxの場合、クローニングは行えません。

注意

  • 管理LAN上でServerView Deployment Managerを使用する場合、この機能は無効です。ServerView Deployment Managerのクローニング機能を使用してください。詳細は、「導入ガイド CE」の「I.2 ServerView Deployment Managerとの共存」を参照してください。

  • クローニングでは、ブート環境(ローカル/SAN/iSCSI)またはRAID構成にかかわらず、管理対象サーバのBIOSで認識された1台目のディスク(起動ディスク)の内容だけが、採取・配付の対象になります。
    2台目以降のディスク(データディスク)の内容はクローニングできません。ほかのバックアップソフトウェアや、ストレージ装置のコピー機能を利用して、データの採取・配付をしてください。
    内蔵ディスクブート+SANデータ構成である場合は、イメージ操作対象ディスクを設定する必要があります。
    イメージ操作対象ディスクを設定せずにクローニングイメージが配付された場合、意図しないディスクに対してデータが上書きされる可能性があります。

    詳細は、「操作ガイド VE」の「9.1.13 イメージ操作対象ディスクの変更」を参照してください。

    なお、1台目のディスクに複数の区画(Windowsのドライブ、Linuxのパーティション)を設定している場合、すべてのパーティションがクローニングの対象になります。

    表12.1 クローニング対象の例

    ディスク

    Windowsのドライブ名

    クローニング対象

    1台目

    C:

    E:

    2台目

    D:

    ×

    F:

    ×

  • クローニングイメージの採取・配付では、管理対象サーバを再起動するため、業務を停止する必要があります。

  • 先頭のパーティションは、基本パーティションである必要があります。

    クローニング対象のディスク内に複数のパーティションが存在する場合、システムドライブ以外のドライブレターはクローニングイメージ配付後に変更される場合があります。クローニングイメージ配付後に手動で元のドライブレターに変更してください。

  • ダイナミックディスクは使用できません。

  • 以下のファイルシステムの場合にクローニングイメージを採取できます。なお、LVM(Logical Volume Manager)を使用しているファイルシステムは使用できません。

    • NTFS

    • EXT3

    • EXT4

    • LinuxSwap

    ポイント

    Red Hat Enterprise Linux 7の場合、デフォルトのインストールではXFSのファイルシステムになります。

  • 管理対象サーバがWindows Server 2012で、かつ1つ目の起動ディスクにReFSのデータ領域が混在している場合、クローニングイメージを採取できません。

  • クローニングイメージを採取する管理対象サーバと配付する管理対象サーバで、以下のすべての条件を満たしている必要があります。

    • モデル名が同じであること。

    • オプションカードおよび拡張ボードとその搭載位置など、ハードウェア構成が同じであること。

    • UMC機能を使用している場合、ファンクションの数が同じであること。

    • ファンクションのTypeがすべてNICであること。

    • 「設計ガイド CE」の「8.2.7 管理対象サーバのBIOS設定」に従って同じBIOS設定がされていること。

    • LAN、SANの接続が同じ冗長化方式、冗長パス数で、同一のネットワーク装置やストレージ装置にアクセスできること。
      なお、カスケード接続されたLANスイッチやファイバーチャネルスイッチは、1台の装置とみなします。

  • クローニングと連携して、アプリケーションの設定は自動で行えません。
    必要に応じてクローニング操作の前後に、手動でアプリケーションの設定を行ってください。

  • システムイメージのバックアップ・リストア、クローニングイメージの採取・配付は同時に4つの処理まで実行できます。5つ以上の処理が要求された場合、実行中の処理が完了するまで待機状態になります。
    なお、バックアップ・リストア方式によるサーバ切替え・切戻し中に実行されるリストア処理も待機状態になります。バックアップ・リストア方式の自動リカバリ、および手動切替えを利用する場合、同時に実行するシステムイメージのバックアップ・リストア、およびクローニングイメージの採取・配付の処理数は3つまでにしてください。

  • クローニングイメージの採取または配付のあと、OS起動時に外部サーバなどへ接続処理が必要なソフトウェアが正しく起動しない場合があります。
    その場合、採取または配付のあとにOSを再起動してください。

  • 管理対象サーバのWatchdog(一定時間OSが応答しない状態をハングと検出して、自動的にリセットまたは電源OFFする機能)が有効になっていると、クローニング中に自動的にリセットまたは電源OFFされる場合があります。
    クローニングを行う前に、設定を無効にしてください。
    詳細は、管理対象サーバのマニュアルを参照してください。

  • Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2でアクティベーションの方式にMAKライセンス認証を使用している場合、Sysprepの実行回数は累積で3回までです。
    Sysprepはクローニングイメージ配付時に実行されるため、クローニングイメージの採取と配付を4回以上行えません。
    そのためクローニングイメージを配付した管理対象サーバから採取せず、専用のマスタサーバから採取することをお勧めします。

  • ソフトウェア・イニシエータを利用してiSCSI接続している場合、データが破損する危険性があるため、クローニングイメージの採取・配付は行わないでください。
    データディスクを使用する場合、ハードウェア・イニシエータを使用してください。

  • 管理対象サーバがLinuxで、by-id名を使用してディスクを認識している場合、クローニングを使用できません。