ページの先頭行へ戻る
ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.3.0 操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理)
FUJITSU Software

12.3 配付

採取したクローニングイメージを指定した1台または複数のサーバに配付できます。

クローニングイメージの配付は、以下のすべての条件を満たす管理対象サーバで行えます。

VMホストとVMゲストが動作している管理対象サーバには、クローニングイメージを配付できません。


事前準備

注意

  • ほかの管理対象サーバの予備サーバに設定されているサーバで、I/O仮想を利用していない場合、クローニングイメージを配付できません。予備サーバの設定を解除したあと、配付してください。

  • イメージ操作対象ディスク設定済みサーバに対してクローニングイメージを配付する場合は、1台ずつ配付してください。
    イメージ操作対象ディスクを設定せずにクローニングイメージが配付された場合、意図しないディスクに対してデータが上書きされる可能性があります。

  • クローニングではLANスイッチのVLAN設定の情報は配付されません。クローニングイメージを配付する前にLANスイッチのVLAN設定を行ってください。
    LANスイッチブレードのVLAN設定については、「5.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。

  • クローニングイメージの採取元と配付先が同じ場合、クローニングイメージを配付する前に管理対象サーバのバックアップを行ってください。

    バックアップについては、「操作ガイド VE」の「16.2 バックアップ」を参照してください。

    クローニングイメージの配付でエラーが発生し、クローニングイメージの再採取が必要になった場合、以下の手順で再採取を行ってください。

    1. クローニングイメージを配付する前に採取したシステムイメージをリストアします。

    2. 必要に応じて、管理対象サーバの設定や構成などを変更します。

    3. クローニングイメージを再採取します。

    4. 配付に失敗したクローニングイメージを削除します。

  • 複数の管理対象サーバを指定してクローニングイメージを配付する際に、管理対象サーバが互いに異なるサブネットに属する場合、配付できません。

  • PRIMEQUESTでは、UEFIが設定されているパーティションにクローニングイメージを配付できません。
    クローニングイメージの採取・配付を行う場合は、BIOS設定とブートオプションの設定をLegacy bootに変更してから行ってください。
    ブートオプションの変更方法については、「7.1.10 ブートオプションの変更」を参照してください。

  • システムディスクがローカルディスク、かつデータディスクがiSCSIストレージの場合、「設計ガイド VE」の「8.1.1 ストレージの構成」の「表 サポートするストレージ構成」に記載されている留意事項を参照してください。


クローニングイメージの配付

以下の手順で、クローニングイメージを配付します。

  1. 管理対象サーバを保守モードに設定します(エージェントが登録されている場合だけ)。

    1. RORコンソールのサーバリソースツリーで、保守モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[設定]を選択します。

      [保守モードの設定]ダイアログが表示されます。

    2. [OK]ボタンをクリックします。

      管理対象サーバが保守モードに設定されます。

  2. クローニングイメージを配付します。

    • 1台のサーバにクローニングイメージを配付する場合

      1. RORコンソールのサーバリソースツリーで、クローニングイメージを配付するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[配付]を選択します。

        [クローニングイメージの配付]ダイアログが表示されます。
        配付できるクローニングイメージが表示されます。
        配付できるクローニングイメージは、配付するサーバとモデル名が一致しているサーバから採取したクローニングイメージです。

      2. 配付するクローニングイメージを選択し、以下の項目を設定します。

        配付後のサーバ名
        クローニングイメージを配付したサーバを識別する名前を入力します。
        デフォルトは、物理OSを登録している場合は物理OS名、登録していない場合は物理サーバ名が入力されています。

        【Windows】
        半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された63文字以内の文字列を入力します。
        数字だけの文字列は使用できません。

        【Linux】
        半角英数字、および以下の半角記号で構成された64文字以内の文字列を入力します。

        "%"、"+"、","、"-"、"."、"/"、":"、"="、"@"、"_"、"~"

        参考

        入力したサーバ名は管理対象サーバのホスト名としても使用するため、RFC(Request For Comment)952で規定されている以下の文字で構成することをお勧めします。

        - 半角英数字

        - ハイフン("-")

        - ピリオド(".")【Linux】

        [配付後に保守モードを解除]チェックボックス
        クローニングイメージを配付したあとに、管理対象サーバの保守モードを解除する場合、チェックボックスにチェックを入れます。
        チェックボックスにチェックを入れない場合、クローニングイメージを配付したあとに手動で保守モードを解除してください。

      3. [OK]ボタンをクリックします。

        クローニングイメージの配付が開始されます。
        処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。
        進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。

        注意

        - クローニングイメージの配付をキャンセルしても、対象のサーバを、イメージを配付する前の状態に復旧できません。

        - 多言語対応(英語/日本語の言語パックを適用)のWindowsのイメージの場合、クローニングイメージの配付時に言語バージョンを手動で選択する必要があります。

    • 複数台のサーバに同じクローニングイメージを配付する場合

      1. RORコンソールで、[イメージ一覧]タブを選択します。

        クローニングイメージ一覧が表示されます。

      2. 配付するクローニングイメージを右クリックし、表示されたメニューで[配付]を選択します。

        [クローニングイメージの配付]ダイアログが表示されます。
        配付できるサーバが表示されます。

      3. クローニングイメージを配付するサーバのチェックボックスにチェックを入れ、以下の項目を設定します。

        [配付後に保守モードを解除]チェックボックス
        クローニングイメージを配付したあとに、管理対象サーバの保守モードを解除する場合、チェックボックスにチェックを入れます。
        チェックボックスにチェックを入れない場合、クローニングイメージを配付したあとに手動で保守モードを解除してください。
        リストに表示されている[サーバ名]は、クローニングイメージを配付したサーバを識別する名前です。
        デフォルトは物理サーバ名またはサーバ名が表示されます。
        指定した名前は、管理対象サーバのコンピュータ名【Windows】またはシステムノード名【Linux】としても設定されます。

        配付したあとにサーバ名を変更する場合、以下の手順で行います。

        1. 変更したいサーバの[配付後のサーバ名]のセルをダブルクリックします。

        [配付後のサーバ名]のセルが編集できる状態になります。

        2. 配付後に変更したいサーバ名を入力します。

        【Windows】
        半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された63文字以内の文字列を入力します。
        数字だけの文字列は使用できません。

        【Linux】
        半角英数字、および以下の半角記号で構成された64文字以内の文字列を入力します。

        "%"、"+"、","、"-"、"."、"/"、":"、"="、"@"、"_"、"~"

        参考

        入力したサーバ名は管理対象サーバのホスト名としても使用するため、RFC(Request For Comment)952で規定されている以下の文字で構成することをお勧めします。

        - 半角英数字

        - ハイフン("-")

        - ピリオド(".")【Linux】

      4. [OK]ボタンをクリックします。

        クローニングイメージの配付が開始されます。
        処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。
        進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。

        注意

        - 複数のサーバに対する同じクローニングイメージの配付をキャンセルする場合、配付対象のすべてのサーバへのクローニングイメージ配付がキャンセルされます。

        - クローニングイメージの配付をキャンセルしても、対象のサーバを、イメージを配付する前の状態に復旧できません。

        - 多言語対応(英語/日本語の言語パックを適用)のWindowsのイメージの場合、クローニングイメージの配付時に言語バージョンを手動で選択する必要があります。

  3. 業務を再開します。

    必要に応じて以下の設定をしてください。

    • 管理LANと業務LANに対応するNICへの冗長化設定

    • NICへのタグVLANの設定

    配付したあとにはデフォルトゲートウェイが管理サーバに設定されているので、必要に応じて変更してください。
    動作確認を行い、業務が正常に開始されているか確認してください。
    管理対象サーバ上で動作するアプリケーションが、ホスト名とIPアドレス情報を保持している場合、配付したあとに手動で設定変更してください。

    注意

    管理対象サーバがPRIMEQUESTの場合、配付後にPSA-MMB間のIPアドレスを設定してください。設定方法については該当するハードウェアのマニュアルを参照してください。

  4. 保守モードを解除します。

    [クローニングイメージの配付]ダイアログで、[配付後に保守モードを解除]チェックボックスにチェックを入れた場合、本手順を行う必要はありません。

    1. RORコンソールのサーバリソースツリーで、運用モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[解除]を選択します。

      [保守モードの解除]ダイアログが表示されます。

    2. [OK]ボタンをクリックします。

      管理対象サーバの保守モードが解除されます。

注意

  • Windowsが動作する管理対象サーバで採取したクローニングイメージの配付では、Microsoft社の提供するSysprepを利用して管理対象サーバごとに以下の情報が初期化されます。
    必要に応じて、クローニングイメージを配付したあとに以下の情報を設定してください。

    • デスクトップのアイコンとショートカット

    • ドライブマッピングの設定

    • [システムのプロパティ]画面にある、[詳細設定]タブの"起動と回復"の各種設定

    • 仮想メモリの設定

    • TCP/IPに関する設定

    • モデムの[所在地情報]画面にある"国名/地域名(W)"の設定

    • ディスククォータの設定

    • Storage Providerの設定

    • Microsoft Internet Explorerの設定(購読の情報、オートコンプリートで入力した情報、パスワード保存)

    • Microsoft Outlook Expressの設定(メールサーバ、ディレクトリサーバのパスワード)

    • ネットワークカードのドライバの設定(デジタル署名のないドライバは、デジタル署名の存在する最新版のドライバに置き換わる)

    • \Documents and Settings\Default Userフォルダーのアクセス権の設定

  • クローニングイメージを配付中に、配付しているクローニングイメージ、および同じ名前のクローニングイメージを指定した採取・配付、削除は同時に行えません。

  • クローニングイメージの必要ディスクサイズよりも、大きいディスク容量を持つシステムへ配付を行った場合、クローニングイメージの必要ディスクサイズを超える容量は未使用領域になります。この未使用領域はほかの用途に利用できます。

  • クローニングイメージの配付中、管理対象サーバは複数回再起動されます。配付完了を確認したあと、業務の再開や設定を行ってください。

  • HBA address renameを利用している場合、利用していない場合よりも配付中の再起動の回数が増加します。

  • 本操作でWindows Server 2008以降のアクティベーションが失敗した場合、メッセージ番号 47233のメッセージが表示されます。
    このメッセージが表示された場合、Windows Server 2008以降の配付は完了し、アクティベーションだけが失敗した状態です。
    詳細は、「メッセージ集」の「メッセージ番号 47233」に記載されている対処を行ってください。

  • クローニングで、複数台のサーバに同じクローニングイメージを配付する場合、管理LANのスイッチにIGMP snooping機能の設定が必要になる場合があります。IGMP snooping機能を設定しなかった際は、同一ネットワーク内に速度の異なるポートがある場合、または同時にイメージ操作を実行している場合に、転送性能が低下することがあります。