採取したクローニングイメージを指定した1台または複数のサーバに配付できます。
クローニングイメージの配付は、以下のすべての条件を満たす管理対象サーバで行えます。
サーバの状態が、正常(normal)、警告(warning)、不明(unknown)、または停止(stop)であること。
保守モードに設定されていること。
クローニングイメージを採取したサーバとモデル名が一致すること。
予備サーバに設定されている場合、I/O仮想を利用していること。
VMホストとVMゲストが動作している管理対象サーバには、クローニングイメージを配付できません。
事前準備
管理対象サーバが以下の構成の場合は、クローニングイメージを配付する前にイメージ操作対象ディスクを設定してください。
内蔵ディスクブートでかつSANデータ環境の場合
設定については、「操作ガイド VE」の「9.1.13 イメージ操作対象ディスクの変更」を参照してください。
管理対象サーバが以下の構成の場合には、クローニングイメージを配付する前に以下のコマンドを実行してください。
Red Hat Enterprise Linux 6、またはRed Hat Enterprise Linux 7のext4ファイルシステムを使用しており、以下のどちらかの条件に当てはまる場合
HBA address renameを使用したSANブート環境
ラック型サーバ、タワー型サーバで、"サーバ管理ソフトウェア(ServerView)"の"使用しない"を選択してサーバを登録
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
#/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
HBA address renameを使用したSANブート環境であり、以下の機種である場合
PRIMERGY BX960 S1
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
#/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm server set -name physical server -attr bootagt=winpe <RETURN> |
クローニングイメージ採取時に採取元サーバで上記コマンドを実行していない場合は、クローニングイメージが正しく採取できていない可能性があります。そのクローニングイメージは削除し、再度クローニング採取を行ってください。
クローニングイメージの内容に誤りがあった場合の復旧作業を簡単にするため、クローニングイメージを配付する前に管理対象サーバのバックアップを行うことをお勧めします。
バックアップについては、「操作ガイド VE」の「16.2 バックアップ」を参照してください。
注意
ほかの管理対象サーバの予備サーバに設定されているサーバで、I/O仮想を利用していない場合、クローニングイメージを配付できません。予備サーバの設定を解除したあと、配付してください。
イメージ操作対象ディスク設定済みサーバに対してクローニングイメージを配付する場合は、1台ずつ配付してください。
イメージ操作対象ディスクを設定せずにクローニングイメージが配付された場合、意図しないディスクに対してデータが上書きされる可能性があります。
クローニングではLANスイッチのVLAN設定の情報は配付されません。クローニングイメージを配付する前にLANスイッチのVLAN設定を行ってください。
LANスイッチブレードのVLAN設定については、「5.4.4 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。
クローニングイメージの採取元と配付先が同じ場合、クローニングイメージを配付する前に管理対象サーバのバックアップを行ってください。
バックアップについては、「操作ガイド VE」の「16.2 バックアップ」を参照してください。
クローニングイメージの配付でエラーが発生し、クローニングイメージの再採取が必要になった場合、以下の手順で再採取を行ってください。
クローニングイメージを配付する前に採取したシステムイメージをリストアします。
必要に応じて、管理対象サーバの設定や構成などを変更します。
クローニングイメージを再採取します。
配付に失敗したクローニングイメージを削除します。
複数の管理対象サーバを指定してクローニングイメージを配付する際に、管理対象サーバが互いに異なるサブネットに属する場合、配付できません。
PRIMEQUESTでは、UEFIが設定されているパーティションにクローニングイメージを配付できません。
クローニングイメージの採取・配付を行う場合は、BIOS設定とブートオプションの設定をLegacy bootに変更してから行ってください。
ブートオプションの変更方法については、「7.1.10 ブートオプションの変更」を参照してください。
システムディスクがローカルディスク、かつデータディスクがiSCSIストレージの場合、「設計ガイド VE」の「8.1.1 ストレージの構成」の「表 サポートするストレージ構成」に記載されている留意事項を参照してください。
クローニングイメージの配付
以下の手順で、クローニングイメージを配付します。
管理対象サーバを保守モードに設定します(エージェントが登録されている場合だけ)。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、保守モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[設定]を選択します。
[保守モードの設定]ダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
管理対象サーバが保守モードに設定されます。
クローニングイメージを配付します。
1台のサーバにクローニングイメージを配付する場合
RORコンソールのサーバリソースツリーで、クローニングイメージを配付するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[配付]を選択します。
[クローニングイメージの配付]ダイアログが表示されます。
配付できるクローニングイメージが表示されます。
配付できるクローニングイメージは、配付するサーバとモデル名が一致しているサーバから採取したクローニングイメージです。
配付するクローニングイメージを選択し、以下の項目を設定します。
配付後のサーバ名
クローニングイメージを配付したサーバを識別する名前を入力します。
デフォルトは、物理OSを登録している場合は物理OS名、登録していない場合は物理サーバ名が入力されています。
【Windows】
半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された63文字以内の文字列を入力します。
数字だけの文字列は使用できません。
【Linux】
半角英数字、および以下の半角記号で構成された64文字以内の文字列を入力します。
"%"、"+"、","、"-"、"."、"/"、":"、"="、"@"、"_"、"~"
参考
入力したサーバ名は管理対象サーバのホスト名としても使用するため、RFC(Request For Comment)952で規定されている以下の文字で構成することをお勧めします。
- 半角英数字
- ハイフン("-")
- ピリオド(".")【Linux】
[配付後に保守モードを解除]チェックボックス
クローニングイメージを配付したあとに、管理対象サーバの保守モードを解除する場合、チェックボックスにチェックを入れます。
チェックボックスにチェックを入れない場合、クローニングイメージを配付したあとに手動で保守モードを解除してください。
[OK]ボタンをクリックします。
クローニングイメージの配付が開始されます。
処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。
進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。
注意
- クローニングイメージの配付をキャンセルしても、対象のサーバを、イメージを配付する前の状態に復旧できません。
- 多言語対応(英語/日本語の言語パックを適用)のWindowsのイメージの場合、クローニングイメージの配付時に言語バージョンを手動で選択する必要があります。
複数台のサーバに同じクローニングイメージを配付する場合
RORコンソールで、[イメージ一覧]タブを選択します。
クローニングイメージ一覧が表示されます。
配付するクローニングイメージを右クリックし、表示されたメニューで[配付]を選択します。
[クローニングイメージの配付]ダイアログが表示されます。
配付できるサーバが表示されます。
クローニングイメージを配付するサーバのチェックボックスにチェックを入れ、以下の項目を設定します。
[配付後に保守モードを解除]チェックボックス
クローニングイメージを配付したあとに、管理対象サーバの保守モードを解除する場合、チェックボックスにチェックを入れます。
チェックボックスにチェックを入れない場合、クローニングイメージを配付したあとに手動で保守モードを解除してください。
リストに表示されている[サーバ名]は、クローニングイメージを配付したサーバを識別する名前です。
デフォルトは物理サーバ名またはサーバ名が表示されます。
指定した名前は、管理対象サーバのコンピュータ名【Windows】またはシステムノード名【Linux】としても設定されます。
配付したあとにサーバ名を変更する場合、以下の手順で行います。
1. 変更したいサーバの[配付後のサーバ名]のセルをダブルクリックします。
[配付後のサーバ名]のセルが編集できる状態になります。
2. 配付後に変更したいサーバ名を入力します。
【Windows】
半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された63文字以内の文字列を入力します。
数字だけの文字列は使用できません。
【Linux】
半角英数字、および以下の半角記号で構成された64文字以内の文字列を入力します。
"%"、"+"、","、"-"、"."、"/"、":"、"="、"@"、"_"、"~"
参考
入力したサーバ名は管理対象サーバのホスト名としても使用するため、RFC(Request For Comment)952で規定されている以下の文字で構成することをお勧めします。
- 半角英数字
- ハイフン("-")
- ピリオド(".")【Linux】
[OK]ボタンをクリックします。
クローニングイメージの配付が開始されます。
処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。
進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。
注意
- 複数のサーバに対する同じクローニングイメージの配付をキャンセルする場合、配付対象のすべてのサーバへのクローニングイメージ配付がキャンセルされます。
- クローニングイメージの配付をキャンセルしても、対象のサーバを、イメージを配付する前の状態に復旧できません。
- 多言語対応(英語/日本語の言語パックを適用)のWindowsのイメージの場合、クローニングイメージの配付時に言語バージョンを手動で選択する必要があります。
業務を再開します。
必要に応じて以下の設定をしてください。
管理LANと業務LANに対応するNICへの冗長化設定
NICへのタグVLANの設定
配付したあとにはデフォルトゲートウェイが管理サーバに設定されているので、必要に応じて変更してください。
動作確認を行い、業務が正常に開始されているか確認してください。
管理対象サーバ上で動作するアプリケーションが、ホスト名とIPアドレス情報を保持している場合、配付したあとに手動で設定変更してください。
注意
管理対象サーバがPRIMEQUESTの場合、配付後にPSA-MMB間のIPアドレスを設定してください。設定方法については該当するハードウェアのマニュアルを参照してください。
保守モードを解除します。
[クローニングイメージの配付]ダイアログで、[配付後に保守モードを解除]チェックボックスにチェックを入れた場合、本手順を行う必要はありません。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、運用モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[解除]を選択します。
[保守モードの解除]ダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
管理対象サーバの保守モードが解除されます。
注意
Windowsが動作する管理対象サーバで採取したクローニングイメージの配付では、Microsoft社の提供するSysprepを利用して管理対象サーバごとに以下の情報が初期化されます。
必要に応じて、クローニングイメージを配付したあとに以下の情報を設定してください。
デスクトップのアイコンとショートカット
ドライブマッピングの設定
[システムのプロパティ]画面にある、[詳細設定]タブの"起動と回復"の各種設定
仮想メモリの設定
TCP/IPに関する設定
モデムの[所在地情報]画面にある"国名/地域名(W)"の設定
ディスククォータの設定
Storage Providerの設定
Microsoft Internet Explorerの設定(購読の情報、オートコンプリートで入力した情報、パスワード保存)
Microsoft Outlook Expressの設定(メールサーバ、ディレクトリサーバのパスワード)
ネットワークカードのドライバの設定(デジタル署名のないドライバは、デジタル署名の存在する最新版のドライバに置き換わる)
\Documents and Settings\Default Userフォルダーのアクセス権の設定
クローニングイメージを配付中に、配付しているクローニングイメージ、および同じ名前のクローニングイメージを指定した採取・配付、削除は同時に行えません。
クローニングイメージの必要ディスクサイズよりも、大きいディスク容量を持つシステムへ配付を行った場合、クローニングイメージの必要ディスクサイズを超える容量は未使用領域になります。この未使用領域はほかの用途に利用できます。
クローニングイメージの配付中、管理対象サーバは複数回再起動されます。配付完了を確認したあと、業務の再開や設定を行ってください。
HBA address renameを利用している場合、利用していない場合よりも配付中の再起動の回数が増加します。
本操作でWindows Server 2008以降のアクティベーションが失敗した場合、メッセージ番号 47233のメッセージが表示されます。
このメッセージが表示された場合、Windows Server 2008以降の配付は完了し、アクティベーションだけが失敗した状態です。
詳細は、「メッセージ集」の「メッセージ番号 47233」に記載されている対処を行ってください。
クローニングで、複数台のサーバに同じクローニングイメージを配付する場合、管理LANのスイッチにIGMP snooping機能の設定が必要になる場合があります。IGMP snooping機能を設定しなかった際は、同一ネットワーク内に速度の異なるポートがある場合、または同時にイメージ操作を実行している場合に、転送性能が低下することがあります。