ここでは、VMホストに対するソフトウェアのインストールとエージェントの登録について説明します。
ポイント
物理L-Serverに対しては、L-Server作成後にOS、必須ソフトウェア、エージェントのインストールを行うため、本章の手順は必要ありません。次に進んでください。
VMホストに対して、以下の順序で、ソフトウェアのインストールとエージェントの登録を行います。
エージェントを登録すると、エージェントをインストールしたVMホストがサーバリソースツリー上に表示されます。エージェントがインストール済みの管理対象サーバを登録した場合、自動的に登録されるため、本手順を行う必要はありません。
OS、必須ソフトウェア、エージェントの各ソフトウェアのうち、すでにインストール済みのものについては、再インストールする必要はありません。次に進んでください。
OSのインストール
管理対象サーバにOSをインストールします。
管理LANを設定します。
「設計ガイド CE」の「9.2.5 管理対象サーバへの設定情報」で定義した管理対象サーバの管理用IPアドレス、関連するネットワークマスク、デフォルトゲートウェイを設定します。
ストレージをマルチパスで利用する場合
VMホストにマルチパスドライバをインストールします。VMホストについては、標準でインストール済みのマルチパスドライバがあれば使用します。
SANブートとHBA address renameを使用する場合、「5.5.2 HBA address renameの設定」の「2. HBA address renameの設定」を参照し、HBAポート数にHBA address renameで利用するHBAの使用パス数を設定します。
サーバが自動的に再起動され、マルチパスで起動されます。
SANブートとVIOM/ISMを使用する場合、「5.1.1 プロファイルの登録」の手順を参照し、ServerView Virtual-IO Manager Web UIまたはServerView Infrastructure Manager Web UI上でプロファイルの設定を行います。
設定後にサーバを起動すると、マルチパスで起動されます。
SANブートとESCを使用する場合、「8.1 ETERNUS SF Storage Cruiser連携時のWWN情報の設定」の手順を参照し、HBAの使用パス数と各HBAのWWNとターゲットCAのWWNとAffinityGroupを設定します。また、OSの設定とOBPの設定をマルチパス用に修正します。
設定後にサーバを起動すると、マルチパスで起動されます。
注意
エージェントの登録が完了すると、管理対象サーバに設定したサーバ名(コンピュータ名【Hyper-V】またはシステムノード名【Solaris】【Solarisゾーン】【VMware】【Xen】【KVM】【Citrix Xen】【OVM for x86 2.2】【OVM for x86 3.x】【OVM for SPARC】)が表示されます。
サーバ名には以下の文字列を指定してください。
【Hyper-V】
半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された63文字以内の文字列を指定します。
数字だけの文字列は使用できません。
【VMware】【Xen】【KVM】【Citrix Xen】
半角英数字、および以下の半角記号で構成された64文字以内の文字列を指定します。
"%"、"+"、","、"-"、"."、"/"、":"、"="、"@"、"_"、"~"
【Solaris】【Solarisゾーン】【OVM for SPARC】
先頭文字を英字とし、半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された24文字以内の文字列を指定します。
ただし、ほかのサーバと通信することを考慮して、RFC(Request For Comment)952で規定されている以下の文字で構成することをお勧めします。
半角英数字
ハイフン("-")
VMホスト、VMゲストのホスト名には、重複しない名前を設定することをお勧めします。重複している場合、コマンドによる操作ができなくなります。
【Solaris】【Solarisゾーン】【OVM for SPARC】
OSがSolaris 11の場合で、かつインストール時にユーザーアカウントを作成した場合、rootは役割として登録されます。このため、rootアカウントでは直接ログインできません。いったんユーザーアカウントでログインしたあと、suコマンドでrootになる必要があります。
Solaris 10以前のように、rootアカウントで直接ログインできるように変更する場合、rootで以下を実行してください。この場合、rootは役割からrootユーザーになります。
rolemod -K type=normal root <RETURN> |
rootアカウントでSSH接続を使用し、VMホストと通信できることを確認してください。
通信ができない場合、設定を変更してください。詳細は、基本ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
必須ソフトウェアのインストール
管理対象サーバの必須ソフトウェアをインストールします。
必須ソフトウェアについては、「解説書」の「6.1.2.4 必須ソフトウェア」を参照してください。
注意
BMC BladeLogic RSCD Agentをインストールするとき、BladeLogicに管理対象サーバを追加します。
このとき管理対象サーバの管理IPアドレスを指定して追加してください。
エージェントのインストール
「導入ガイド CE」の「2.2 エージェントのインストール」を参照してください。
エージェントの登録
対象サーバが起動した状態で、RORコンソールからエージェントを登録します。
【Solarisゾーン】【OVM for SPARC】
Logical Domains Managerデーモンが有効になっている場合は、定義ファイルを設定することでSolarisゾーンとしてVMホストを登録できます。
詳細は、「導入ガイド CE」の「付録G 定義ファイル」を参照してください。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、対象のサーバを右クリックし、表示されたメニューで[登録]-[エージェント]を選択します。
[エージェントの登録]ダイアログが表示されます。
サーバOS種別(物理OS、VMホスト)を選択します。
SPARC M10/M12およびSPARC Enterprise以外の場合
物理OSの場合
[Windows/Linux]を選択します。
VMホストの場合
[VMホスト]を選択し、VMホストのログインアカウント情報を入力します。
ここで入力するログインアカウント情報は、本製品がVMホストにログインして、情報の取得や制御を行うために使用します。
SPARC M10/M12およびSPARC Enterpriseの場合
物理OSの場合
"Solaris"を選択します。
VMホストの場合
"VMホスト"を選択し、VMホストのログインアカウント情報を入力します。
ここで入力するログインアカウント情報は、本製品がVMホストにログインして、情報の取得や制御を行うために使用します。
VMホストにログインするユーザーIDを入力します。
ユーザー名は、VMホストの管理者権限を持つrootを指定してください。
注意
【Solaris】【Solarisゾーン】【OVM for SPARC】
OSがSolaris 11の場合で、かつインストール時にユーザーアカウントを作成した場合、rootは役割として登録されます。このため、rootアカウントでは直接ログインできません。いったんユーザーアカウントでログインしたあと、suコマンドでrootになる必要があります。
Solaris 10以前のように、rootアカウントで直接ログインできるように変更する場合、rootで以下を実行してください。この場合、rootは役割からrootユーザーになります。
rolemod -K type=normal root <RETURN> |
rootアカウントでSSH接続を使用し、VMホストと通信できることを確認してください。
通信ができない場合、設定を変更してください。詳細は、基本ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
VMホストにログインするユーザーのパスワードを入力します。
ただし、全角英数字および以下の記号は使用しないでください。
"`"、"%"、"^"、"&"、"\"、"|"、"("、")"、"<"、">"、"'"、"""、空白(" ")
[OK]ボタンをクリックします。
エージェントを通じてサーバの情報が管理サーバに取り込まれ、表示・監視が開始されます。
注意
エージェントを登録したサーバについて、サーバリソースツリー上のサーバの状態が"unknown"になる場合、「トラブルシューティング集」の「2.2 管理対象サーバの状態が"unknown"になる場合」を参照し、対処を行ってください。
VMホストの場合、エージェントを登録することで、そのVMホスト上のVMゲストも自動的に登録されます。以降、そのVMホスト上でVMゲストの作成、変更、削除、移動を行うと、その結果が自動的にサーバリソースツリーに反映されます。
RORコンソールで表示するVMゲスト名は、サーバ仮想化ソフトウェアのVM名、またはゲストOSのホスト名になります。
ゲストOSのホスト名は、サーバ仮想化ソフトウェアの製品によって出力されるタイミングが異なります。詳細は、「設計ガイド VE」の「9.2.2 利用する製品別の機能」を参照してください。
システムイメージのバックアップ、およびクローニングイメージの採取を使用する場合、登録完了後に、管理対象サーバを再起動するか、「運用ガイド CE」の「2.2 エージェントの起動と停止」に記載されている関連サービスを再起動してください。
エージェントの再起動については、「運用ガイド CE」の「2.2 エージェントの起動と停止」を参照してください。
VMホストが稼動しているサーバに対して、[サーバOS種別]の選択リストで、[Windows/Linux]を選択した場合、物理OSとして登録できる場合があります。(Windows Server 2008など)
VMホストが稼動しているサーバが物理OSとして登録された場合、一度サーバOSを削除してから、VMホストとして再登録してください。