AdvancedCopy Manager CCMにおいて、ディスクのボリュームをコピーするときに、コピー元ボリュームのエクステント開始位置・エクステントサイズ、およびコピー先ボリュームのエクステント開始位置を指定することで、ボリュームの内容をパーティションにバックアップできます。本マニュアルでは、この機能を“LU to Partition”と呼びます。
図3.8 ボリュームをパーティションにコピー
注意
本機能は、コピー先ボリュームのデータをテープなどの2次媒体にバックアップする場合だけ使用できます。
ディスクからディスクにコピーする場合は、本機能を使用しないでください。
コピーペアの追加
LU to Partitionを使用するには、エクステント開始位置を指定して、コピーペアを追加する必要があります。
コピーペアとは、コピー元およびコピー先の論理ボリュームを定義した文字列です。
図3.9 コピーペアの形式
(1) コピー元のETERNUS名
(2) コピー元の論理ボリューム番号 (注)
(3) コピー元ボリュームのエクステント開始位置(ブロック単位) (注)
(4) コピー元ボリュームのエクステントサイズ(ブロック数) (注)
(5) コピー先のETERNUS名
(6) コピー先の論理ボリューム番号 (注)
(7) コピー先ボリュームのエクステント開始位置(ブロック単位) (注)
注: "0x"で始まる16進数を指定してください。(例: 0x1、0x0001)
以下の手順に従って、コピーペアを追加してください。
コピー元のエクステントサイズの算出
コピーペアに追加するコピー元のエクステントサイズを算出します。
バックアップサーバでacinq lvコマンドを実行し、コピー元の論理ボリューム番号(LV No)と論理ボリュームのサイズ(LV Size)を確認します。
[実行例]
> acinq lv -a ET001 LV No LV Name LV Size LV Type RG No Encrypt ------ ------- ------- ------- ----- ------- 0x0000 128M Open 0 - 0x0001 128M Open 0 - 0x0002 128M Open 0 - 0x0003 128M Open 0 - 0x0004 128M Open 0 - 0x0005 128M Open 0 - 0x0006 128M Open 0 - 0x0007 128M Open 0 - 0x0008 1024M Open 0 - 0x0009 1024M Open 0 - 0x000A 1024M Open 0 - 0x000B 1024M Open 0 - 0x000C 1024M Open 0 - 0x000D 1024M Open 0 - 0x000E 1024M Open 0 - 0x000F 1024M Open 0 - |
以下の計算式を使って、論理ボリュームのサイズ(メガバイト単位)から、エクステントサイズ(ブロック数)を算出します。
エクステントサイズ(ブロック数) = 論理ボリュームのサイズ(メガバイト単位)×1024×1024/512 |
参考
コピー元の論理ボリューム番号がわからない場合
Solaris/Linux/HP-UX/AIXの場合
業務サーバでacgetvolinfoコマンドを実行し、コピー元の論理ボリューム番号(LV No)とエクステントサイズ(Size)を確認します。
[実行例]
[Solarisの場合]
# acgetvolinfo /dev/rdsk/c4t0d10s2 BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x001,0x0,0x40000 |
[Linuxの場合]
# acgetvolinfo /dev/sdo BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x001,0x0,0x40000 |
[HP-UXの場合]
# acgetvolinfo /dev/rdsk/c1t0d20 BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x001,0x0,0x40000 |
[AIXの場合]
# acgetvolinfo /dev/hdisk10 BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x001,0x0,0x40000 |
以下の計算式を使って、論理ボリュームのエクステントサイズ(ブロック単位)から、論理ボリュームのサイズ(バイト単位またはメガバイト単位)を算出します。
論理ボリュームのサイズ(バイト単位) = エクステントサイズ(ブロック単位)×512 論理ボリュームのサイズ(メガバイト単位) = エクステントサイズ(ブロック単位)×512/(1024×1024) |
Windowsの場合
業務サーバでacgetvolinfoコマンドを実行し、コピー元の論理ボリューム番号(LV No)を確認します。
[実行例]
C:\> acgetvolinfo F: BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x001,0x80,0x20000 |
バックアップサーバでacinq lvコマンドを実行し、論理ボリュームのサイズを確認します。
パーティションの作成
コピー先のボリュームに、パーティションを作成します。
パーティションのサイズは、コピー元の論理ボリュームのサイズ以上にする必要があります。コピー元の論理ボリュームに128MBを加えたサイズを目安として、パーティションを作成してください。
注意
メガバイトの単位
ここでは、メガバイトの単位を、1024×1024バイトとして定義しています。
Linuxでは、メガバイトの単位が1000×1000バイトとして計算されるため、パーティションを作成するときに注意してください。
ポイント
パーティションの作成
Windowsの場合
ドライブ文字を付けてパーティションを作成してください。
Solarisの場合
VTOCラベルを含めないようにパーティションを作成してください。
コピー先論理ボリュームの情報確認
バックアップサーバでacgetvolinfoコマンドを実行し、コピーペアに追加するコピー先の論理ボリューム番号(LV No)、エクステント開始位置(Address)、およびエクステントサイズ(Size)を確認します。
ポイント
コピー先パーティションのエクステントサイズが、コピー元ボリュームのエクステントサイズ以上であることを確認してください。
コピー先パーティションのエクステントサイズが、コピー元ボリュームのエクステントサイズより小さい場合は、手順2に戻って、コピー先パーティションを再作成してください。
[実行例]
Solarisの場合
# acgetvolinfo /dev/dsk/c0t0d0s3 BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x008,0x0100000,0x140cc3 |
Linuxの場合
# acgetvolinfo /dev/sda1 BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x008,0x0100000,0x140cc3 |
Windowsの場合
C:\> acgetvolinfo X: BOX-ID,LV No,Address,Size 00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######,0x008,0x0100000,0x140cc3 |
Windowsの場合は、mountvolコマンドでパーティションをアンマウントしてください。
[実行例]
C:\> mountvol X: /p |
注意
AdvancedCopy Manager CCMの運用中は、コピー先ボリュームのパーティションをマウントしないでください。
コピーペアを追加
acpair addコマンドで、コピーグループにコピーペアを追加します。
コピー元ボリュームに以下の値を指定して、コピーペアを作成してください。
コピー元ボリュームに指定する値
エクステント開始位置: 0x0
エクステントサイズ: 手順1で算出した、論理ボリュームのエクステントサイズ
コピー先ボリュームに指定する値
エクステント開始位置: 手順3で確認した、論理ボリュームのエクステント開始位置
コピーグループを追加するときの実行例を、以下に示します。
OPC、QuickOPC、EC、RECの場合
図3.10 コピーペアの追加(OPC、QuickOPC、EC、RECの場合)
[実行例]
> acpair add -g GRP1 -p "ET001/0x25[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x29[addr=0x10000]" Successful completion. > acpair add -g GRP1 -p "ET001/0x26[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x30[addr=0x10000]" Successful completion. > acpair add -g GRP1 -p "ET001/0x27[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x30[addr=0x30000]" Successful completion. > acpair add -g GRP1 -p "ET001/0x28[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x30[addr=0x50000]" Successful completion. |
SnapOPCPの場合
図3.11 コピーペアの追加(SnapOPCPの場合)
[実行例]
> acpair add -g GRP2 -p "ET001/0x31[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x32[addr=0x10000]" Successful completion. > acpair add -g GRP2 -p "ET001/0x31[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x33[addr=0x10000]" Successful completion. > acpair add -g GRP2 -p "ET001/0x31[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x34[addr=0x10000]" Successful completion. |
注意
SnapOPC+では、1つのボリュームに複数のセッションを作成できません。
1つのボリュームごとに1つのパーティションを作成して、コピーペアを登録してください。
追加したコピーペアの確認
追加したコピーペアの論理ボリューム番号を確認します。
acgroup detailコマンドでETERNUS ディスクアレイの情報を表示し、指定した論理ボリューム番号でコピーペアが追加されていることを確認してください。
[実行例]
> acgroup detail -g GRP1 Copy Group Name : GRP1 Copy Group Type : OPC Disk Array Name : ET001 (00ETERNUSDXM##ET44S20A####HK000104######) Pair --------------------- ET001/0x25[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x29[addr=0x10000] ET001/0x26[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x30[addr=0x10000] ET001/0x27[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x30[addr=0x30000] ET001/0x28[addr=0x0,size=0x5000]:ET001/0x30[addr=0x50000] |