AdvancedCopy Manager CCMを利用する場合に必要な基本システム構成を説明します。
AdvancedCopy Manager CCMでは、AdvancedCopy Manager CCMをインストールしたサーバ(以降、“CCMサーバ”と記述します)からETERNUS ディスクアレイにアドバンスト・コピーを指示する方法として以下の2種類があります。
SAN経由のコピー制御(以降、“SAN経由コピー制御機能”と記述します)
LAN経由のコピー制御(以降、“LAN経由コピー制御機能”と記述します)
SAN経由コピー制御機能およびLAN経由コピー制御機能を利用できる装置は、以下のとおりです。
装置名 | SAN経由コピー制御機能での運用 | LAN経由コピー制御機能での運用 | ||
---|---|---|---|---|
運用の可否 | 対応ファームウェア版数 | 運用の可否 | 対応ファームウェア版数 | |
ETERNUS DX S4 series | ○ | 全版数 | ○ | 全版数 |
ETERNUS DX60 S2 | ○ | 全版数 | × | - |
ETERNUS DX60 | ○ | 全版数 | × | - |
ETERNUS DX400 series | ○ | 全版数 | ○(注) | V20L71以降 |
ETERNUS AF オールフラッシュアレイ | ○ | 全版数 | ○ | 全版数 |
注: acarray addコマンドを-lanオプション付きで実行することはできません。
以下の条件に該当する筐体間コピー(REC)だけ実行可能です。
LAN経由コピー制御機能をサポートしているETERNUS ディスクアレイとREC接続している。かつ、
acgroup createコマンドの-aオプションで指定したETERNUS ディスクアレイが、上記条件のLAN経由コピー制御機能をサポートしているETERNUS ディスクアレイである。
また、利用するには、該当するETERNUS ディスクアレイの対応ファームウェア版数の適用が必要です。
[SAN経由コピー制御機能のシステム構成]
システム構成が以下の条件を満たす必要があります。
CCMサーバとETERNUS ディスクアレイがLAN接続されていること
CCMサーバとETERNUS ディスクアレイをつなぐ論理ボリューム(以降、この論理ボリュームを“アクセスボリューム”と記述します)が存在すること
SAN経由コピー制御機能では、CCMサーバからETERNUS ディスクアレイへのアドバンスト・コピー指示を、アクセスボリューム経由で行います。操作対象のETERNUS ディスクアレイの中の論理ボリュームを1つ、アクセスボリュームとしてCCMサーバに割り当ててください。
図1.1 筐体内コピー(OPC/QuickOPC/SnapOPC+/EC)を行う場合のシステム構成例
システム構成が以下の条件を満たす必要があります。
CCMサーバとコピー元/コピー先のどちらかのETERNUS ディスクアレイがLAN接続されていること
CCMサーバとコピー元/コピー先のどちらかのETERNUS ディスクアレイをつなぐアクセスボリュームが存在すること
SAN経由コピー制御機能では、CCMサーバからETERNUS ディスクアレイへのアドバンスト・コピー指示を、アクセスボリューム経由で行います。コピー元/コピー先のどちらかのETERNUS ディスクアレイの中の論理ボリュームを1つ、アクセスボリュームとしてCCMサーバに割り当ててください。
図1.2 RECを行う場合のシステム構成例
ポイント
RECで利用し、かつSAN接続されていないETERNUS ディスクアレイ(以降、“リモートETERNUS ディスクアレイ”と記述します)を登録する手順は、OSごとに異なります。詳細は、「2.4 ETERNUS ディスクアレイの登録」を参照してください。
[LAN経由コピー制御機能によるシステム構成]
CCMサーバとETERNUS ディスクアレイがLAN接続されている必要があります。
LAN経由コピー制御機能では、CCMサーバからETERNUS ディスクアレイへのアドバンスト・コピー指示を、LAN経由で行います。
図1.3 筐体内コピー(OPC/QuickOPC/SnapOPC+/EC)を行う場合のシステム構成例
CCMサーバとコピー元/コピー先のどちらかのETERNUS ディスクアレイがLAN接続されている必要があります。
LAN経由コピー制御機能では、CCMサーバからETERNUS ディスクアレイへのアドバンスト・コピー指示を、LAN経由で行います。
図1.4 筐体間コピー(REC)を行う場合のシステム構成例
[LAN経由コピー制御機能とSAN経由コピー制御機能を混在させる場合のシステム構成]
筐体間コピー(REC)では、SAN経由コピー制御機能とLAN経由コピー制御機能を混在させる構成が可能です。
図1.5 コピー元がSAN経由コピー制御機能、コピー先がLAN経由コピー制御機能の場合のシステム構成例
図1.6 コピー元がLAN経由コピー制御機能、コピー先がSAN経由コピー制御機能の場合のシステム構成例
図1.7 コピー元がLAN経由コピー制御機能、コピー先がリモートETERNUS ディスクアレイの場合のシステム構成例
ポイント
コピー先の論理ボリュームは、どのサーバにも接続しない運用を推奨します。
テープにバックアップするためにコピー先の論理ボリュームをCCMサーバに接続する場合は、業務サーバとCCMサーバのOSを同じにする必要があります。
LAN経由コピー制御機能でRECを行う場合、両筺体共に、LAN経由コピー制御機能で運用できるETERNUS ディスクアレイを用意してください。
LAN経由コピー制御機能で運用できるETERNUS ディスクアレイは、「表1.1 SAN経由コピー制御機能およびLAN経由コピー制御機能を利用できる装置」を参照してください。
LAN経由コピー制御機能は、ETERNUS ディスクアレイとSSHで通信を行うため、SAN経由コピー制御機能と比べて、処理に時間がかかります。また、AdvancedCopy Manager CCMが一度に実行するコピーペアの数によって、LAN経由コピー制御機能のアドバンスト・コピーに数分かかる可能性があります。
LAN経由コピー制御機能を利用する運用環境で2つ以上のコピーペアが存在するコピーグループに対してコピーを指示する場合は、コピーの指示方法(コマンド、Webコンソール)にかかわらず、コピーペア単位にコピーペア数分のコピーを指示するよりコピーグループ単位でコピーを指示する方が、そのコピーグループに対する全体の処理時間を短縮できます。
LAN経由コピー制御機能を利用して複数のコピーペアを運用する場合は、コピーグループ単位に操作することを推奨します。