タグVLANインタフェースを使用した伝送路の冗長化について説明します。
注意
GS/SURE連携方式では、タグVLANインタフェースを使用した伝送路の冗長化は未サポートです。
高速切替方式でタグVLANインタフェースを束ねる場合、物理インタフェースの代わりにタグVLANインタフェースを指定します。図3.16 タグVLANインタフェースを使用した高速切替方式に、タグVLANインタフェースを束ねた場合の構成を示します。
注意
同一物理インタフェース上のタグVLANインタフェースを1つの仮想インタフェースで束ねることはできません。高速切替方式で指定するタグVLANインタフェースは、必ず異なる物理インタフェース上のタグVLANインタフェースを指定してください。
タグVLANインタフェースと通常(タグ無し)のインタフェースを混在させて束ねることはできません。タグVLANインタフェースを束ねる場合は、束ねるインタフェースすべてをタグVLANインタフェースとする必要があります。
参照
高速切替方式が束ねるインタフェースの設定方法については、“7.1 hanetconfigコマンド”を参照してください。
図3.16 タグVLANインタフェースを使用した高速切替方式に、高速切替方式でタグVLANインタフェースを使用する場合の構成例を示します。
図3.16 タグVLANインタフェースを使用した高速切替方式
NIC切替方式でタグVLANインタフェースを束ねる場合、物理インタフェースの代わりにタグVLANインタフェースを指定します。
なお、同一物理回線上のタグVLANインタフェースを複数の仮想インタフェースで束ねる場合は、監視先情報の設定により「同期切替え」と「非同期切替え」の2種類の切替え動作を設定することができます。以下に、「同期切替え」と「非同期切替え」のそれぞれの動作について説明します。
参照
監視先の設定方法については、“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。
仮想インタフェースの同期切替え
タグVLANインタフェースを束ねる複数の仮想インタフェースについて、監視先情報に同一の監視先IPアドレスを設定することにより、伝送路異常発生時に、すべての仮想インタフェースを同期して切替えることができます。仮想インタフェースの同期切替えは、監視先となるスイッチ/HUBに、管理用IPアドレスが1つしか設定できない場合に選択します。
図3.17 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(同期切替え)に、仮想インタフェースの同期切替えを行う場合の構成を示します。
図3.17 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(同期切替え)
仮想インタフェースの非同期切替え
同期切替えとは逆に、タグVLANインタフェースを束ねる複数の仮想インタフェースを非同期に切替えることができます。この場合、監視先情報には仮想インタフェースごとに異なる監視先IPアドレスを設定します。仮想インタフェースの非同期切替えは、監視先となるスイッチ/HUBに、管理用IPアドレスが複数設定可能な場合、および、待機NICを有効に使用したい場合に選択します。
ポイント
監視先となるスイッチ/HUBに管理用IPアドレスが1つしか設定できない場合で、仮想インタフェースの非同期切替えを行いたい場合は、1つの仮想インタフェースに対する監視先にスイッチ/HUBの管理用IPアドレスを設定し、その他の仮想インタフェースについては、他の接続機器または相手ホストを監視先として設定してください。
図3.18 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(非同期切替え)に、仮想インタフェースの非同期切替えを行う場合の構成を示します。
図3.18 タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式(非同期切替え)
注意
NIC切替方式において、同一物理インタフェースのタグVLANインタフェースを共有する場合は、待機パトロールは1つの仮想インタフェースにのみ設定してください。例えば、sha0の仮想インタフェースが“fjgi1000”と“fjgi1001”を使用し、sha1の仮想インタフェースが“fjgi2001”と“fjgi2000”を使用する場合、どちらか1つの仮想インタフェースにのみ待機パトロールを設定します。
タグVLANインタフェースをNIC切替方式で二重化する場合、二重化する物理インタフェースのうち、どちらか1つだけをNIC共有させる構成はできません。例えば、ある仮想インタフェースが“fjgi1000”と“fjgi1001”を使用する場合、もう1つの仮想インタフェースが“fjgi2001”と“fjgi2002”を使用する構成は、物理インタフェースのfjgi1のみをNIC共有させることになるため、設定することはできません。
タグVLANインタフェースの同期切替えを行う場合、HUB監視に使用する仮想インタフェースは、監視先アドレスの値に最も近いアドレスが設定されている仮想インタフェースを選択して使用します。
タグVLANインタフェースの同期切替えを行う際に監視先アドレスを2つ設定する場合は、同一ネットワーク上のアドレスを2つ指定してください。監視に使用する仮想インタフェースは1つだけ選択されるため、異なるネットワークのアドレスが設定された場合は監視が正常に動作しない場合があります。
タグVLANを使用する仮想インタフェースに対して待機パトロール機能を設定した場合は、同一物理回線を使用する他のタグVLANインタフェースでの通信に影響を与えないように、セカンダリインタフェースに対するローカルMACアドレスの設定が次回のシステム再起動時まで保留されます。このため、設定後に待機パトロール機能を有効とするためには、システムの再起動が必要です。
仮想インタフェースの同期切替えは、論理IPアドレス引継ぎの場合のみ可能です。物理IPアドレス引継ぎの場合、仮想インタフェースの同期切替えは行えません。
NIC切替方式において、タグなしの仮想インタフェースとタグVLANの仮想インタフェース間で物理インタフェースを共有する場合は、双方の仮想インタフェースに対して待機パトロールを設定してください。この場合、MACアドレスには、0:0:0:0:0:0を指定してください。