ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド 4.4
FUJITSU Software

3.2.3 ping監視先の選定

以下の点を考慮して、アダプターの切替え契機となるping監視先を選定してください。

サーバに隣接するネットワーク機器に設定する場合

ネットワーク機器の冗長性を確保するために、監視先を必ず2つ以上設定してください。監視先が1つだけの場合、1台が故障しただけで外部と通信できなくなります。2つ設定することで、ネットワーク機器などの保守時でも業務通信を継続できます。


図3.2 サーバに隣接するネットワーク機器に設定する場合


注意

スイッチ間のカスケード接続は必須ではありません。ネットワーク構成に応じて接続してください。

ホットスタンバイ構成のルータに設定する場合

ホットスタンバイ構成のL3スイッチ(ルータ)を監視先に設定する場合、個々のL3スイッチのIPアドレスまたは仮想IPアドレスを監視先に指定します。

L3スイッチ間で引き継ぐ仮想IPアドレスを監視先にしたい場合は、L3スイッチに故障が発生してから待機側のL3スイッチに仮想IPアドレスが引き継がれるまでの時間より長くなるように、ping監視の監視間隔、監視回数を設定してください。短く設定すると、片方のL3スイッチが故障しただけで、両方のL3スイッチが故障したと判断される可能性があります。監視間隔、監視回数の設定の詳細は、“6.2.5 hanetpoll”を参照してください。


図3.3 ホットスタンバイ構成のルータに設定する場合

注意

スイッチ間のカスケード接続は必須ではありません。ネットワーク構成に応じて接続してください。

別ネットワークのネットワーク機器に設定する場合

別ネットワークに設定した場合、ping監視の状態は、サーバと監視先の間にあるL3スイッチ(ルータ)のルーティング情報に依存します。したがって、ネットワーク故障時のRIP(Routing Information Protocol)の広報時間およびルーティング情報の更新時間を考慮し、ping監視の監視間隔および監視回数を初期値より多くとるように変更してください。また、アダプターの切替え条件に隣接のネットワーク機器を監視先として加えて、誤った切替えが発生しないように設定してください。設定の詳細は、“6.2.5 hanetpoll”を参照してください。

図3.4 別ネットワークのネットワーク機器に設定する場合

通信相手サーバに設定する場合

監視先として通信相手サーバを設定した場合、通信相手サーバを保守するために再起動した際に、伝送路異常が発生したとみなされ、アダプターの切替えが発生します。アダプターの切替え条件に、通信相手だけでなく隣接のネットワーク機器を追加するか、通信相手サーバに異常が発生していても切替えが行われないよう設定してください。設定の詳細は、“6.2.5 hanetpoll”を参照してください。

図3.5 通信相手サーバに設定する場合


3.2.3.1 ping監視の異常検出時間

ping監視先の選定後、ネットワーク構成に応じて、ping監視の異常検出時間を設定します。

ping監視の異常検出時間は、監視の間隔と回数の積になります。異常検出時間を長く設定すると、業務停止時間が長くなります。一方、異常検出時間を短く設定すると、ネットワーク高負荷の影響を受けて、pingパケットのロストが発生し、異常の誤検出の確率が高くなります。そのため、ネットワークの構成に応じて、事前にping監視の間隔と回数を調整しておく必要があります。

GLSでは、ネットワークが高負荷になった場合、伝送路異常の誤検出が発生しないように、事前にping監視の間隔と回数を調整することができます。通常は、デフォルトの設定値で問題ありません。


参照

ping監視の間隔と回数の設定については、“6.2.5.4 param”を参照してください。


なお、GLSの異常検出時間(最小値/最大値)は、以下の方法で算出できます。

異常検出時間(最小値)

監視間隔(秒)×(監視回数-1) + pingのタイムアウト時間(注)

異常検出時間(最大値)

監視間隔(秒)×(監視回数-1) + pingのタイムアウト時間(注)+ 監視間隔(秒)

注) 監視間隔が1秒の場合は1秒、それ以外の場合は2秒となります。


デフォルトの設定値で算出すると、以下のようになります。

異常検出時間(最小値) : 3秒×(5回-1)+2秒=14秒

異常検出時間(最大値) : 3秒×(5回-1)+2秒+3秒=17秒


NIC切替方式におけるping監視機能の伝送路異常検出シーケンスは、以下のとおりです。

図3.6 伝送路異常検出シーケンス