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PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド 4.4
FUJITSU Software

6.2.5 hanetpoll

仮想アダプターの運用に必要なping監視の構成情報の設定/削除/表示、ping監視の開始/停止は、hanetpollコマンドを使用します。

hanetpollコマンドは、以下の表に示すサブコマンドを使用して実行します。

表6.10 hanetpollコマンドのサブコマンド

サブコマンド

処理概要

実行権限

create

ping監視の設定の作成

Administrators

delete

ping監視の設定の削除

Administrators

print

ping監視の設定内容表示

AdministratorsまたはUsers

param

ping監視の間隔/回数の変更

Administrators

on

ping監視の開始

Administrators

off

ping監視の停止

Administrators

6.2.5.1 create

ping監視を設定するには、createサブコマンドを使用します。

形式

hanetpoll create -t adapter -p ping_target1[,ping_target2] [-f yes|no]

機能説明

ping監視を設定します。

オプション

-t adapter

仮想アダプターに束ねられる物理アダプター名(hanetconfig createコマンドの-tオプションで指定した物理アダプター名)を指定します。この物理アダプターが運用アダプターになったときに、-pオプションで指定した監視先に対してping監視を実行します。なお、物理アダプター名の“イーサネット ”または、“ローカル エリア接続 ”の文字列を省略して指定することもできます。

省略しない場合(通常指定)

> hanetpoll create -t "イーサネット 1" -p 192.168.2.10

省略する場合

> hanetpoll create -t 1 -p 192.168.2.10

以下に、Windows上で表示されるアダプター名と、GLSのコマンドでの省略形を示します。

表6.11 Windows上でのアダプター名とGLSのコマンド指定時の省略形

Windows上でのアダプター

GLSのコマンド指定時の省略形

“イーサネット”または、“イーサネット 0”

0

“イーサネット 1”

1

“イーサネット 2”

2

-p ping_target1[,ping_target2]

監視先のIPアドレスを指定します。複数指定する場合は、コンマ(,)で区切って指定します。このIPアドレスの並びを“IPアドレスリスト”と呼びます。1つのリストには、IPアドレスが最大3つまで指定できます。また、1つの物理アダプターに対して、IPアドレスリストは最大3つまで指定できます。

IPアドレスリストのすべてのIPアドレスでpingが無応答になった場合、IPアドレスリストが故障になります。物理アダプターに設定されるIPアドレスリストのうち、どれか1つが故障した場合、NICが切り替わります。

仮想アダプター配下の物理アダプターに監視先のIPアドレスを指定する場合、その仮想アダプターが束ねているもう1つの物理アダプターについても、監視先のIPアドレスを設定してください。

アドレス形式として、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスが設定できます。IPv6アドレスを設定する場合、プレフィックス長は指定できません。また、指定できるIPv6のアドレス形式はOSの仕様に準じます。
監視先にIPv6アドレスを使用する場合、以下のIPv6アドレスが設定できます。

-f {yes|no}

IPアドレスリストに対する属性付けを行います。

“yes”を指定した場合、IPアドレスリストが故障した場合に、通信異常が検出され、アダプターを切り替えます。“no”を指定した場合、通信異常だけが検出され、アダプターの切替えは行われません。

本オプションは省略可能です。省略した場合、“yes”を指定した場合と同様に動作します。

なお、IPアドレスリストは、“yes”、“no”のそれぞれの場合で最大3つまで指定できます。

注意事項

本コマンドは、セーフモードでは使用できません。

使用例

例1

物理アダプター(イーサネット 1)が運用アダプターの場合に、192.168.10.10をping監視先として設定します。

> hanetpoll create -t "イーサネット 1" -p 192.168.10.10

例2

物理アダプター(イーサネット 1)が運用アダプターの場合に、2001:db8:10:1::10をping監視先として設定します。

> hanetpoll create -t "イーサネット 1" -p 2001:db8:10:1::10

3

物理アダプター(イーサネット 2)が運用アダプターの場合に、192.168.10.10と192.168.10.20をping監視先として設定します。

> hanetpoll create -t "イーサネット 2" -p 192.168.10.10,192.168.10.20

4

物理アダプター(イーサネット 1)が運用アダプターの場合に、192.168.10.10と192.168.2.2(通信相手システム)をping監視先とし、ping監視による異常が検出された場合に、ネットワークアダプターの切替えを行わない設定をします。

> hanetpoll create -t "イーサネット 1" -p 192.168.10.10,192.168.2.2 -f no

5

“イーサネット ”を省略して、物理アダプター(イーサネット 1)が運用アダプターの場合に、192.168.10.10をping監視先として設定します。

> hanetpoll create -t 1 -p 192.168.10.10

6

192.168.10.10または192.168.10.20のいずれかが故障した場合、切替えを行います。

> hanetpoll create -t 1 -p 192.168.10.10
> hanetpoll create -t 1 -p 192.168.10.20

7

192.168.10.10と192.168.10.20の両方が故障、または、192.168.10.30と192.168.10.40の両方が故障した場合、切替えを行います。

> hanetpoll create -t 1 -p 192.168.10.10,192.168.10.20
> hanetpoll create -t 1 -p 192.168.10.30,192.168.10.40

6.2.5.2 delete

pingの監視先の設定を削除するには、deleteサブコマンドを使用します。

形式

hanetpoll delete -t {adapter|all}

機能説明

ping監視先の設定を削除します。

オプション

-t adapter

ping監視の設定を行った物理アダプター名を指定します。物理アダプター名の“イーサネット ”または、“ローカル エリア接続 ”の文字列を省略して指定することができます。

省略しない場合(通常指定)

> hanetpoll delete -t "イーサネット 1"

省略する場合

> hanetpoll delete -t 1

以下に、Windows上で表示されるアダプター名と、GLSのコマンドでの省略形を示します。

表6.12 Windows上でのアダプター名とGLSのコマンド指定時の省略形

Windows上でのアダプター

GLSのコマンド指定時の省略形

“イーサネット”または、“イーサネット 0”

0

“イーサネット 1”

1

“イーサネット 2”

2

-t all

すべてのping監視の設定を削除する場合に指定します。

使用例

1

物理アダプター(イーサネット 1)のping監視の設定を削除します。

> hanetpoll delete -t "イーサネット 1"

例2

すべての物理アダプターに対するping監視の設定を削除します。

> hanetpoll delete -t all

6.2.5.3 print

ping監視先の設定内容を表示するには、printサブコマンドを使用します。

形式

hanetpoll print

機能説明

ping監視先の設定内容を表示します。

出力形式

以下に出力形式を示します。

以下に出力項目の意味を示します。

表6.13 出力項目と意味

出力項目

内容

Polling Status

ping監視の状態

ON

監視が有効です。
ping監視が動作している物理アダプターが1つ以上存在する場合、ONになります。

OFF

監視が無効です。

interval(idle)

ping監視の間隔(監視開始までの待機時間)

interval

pingの監視間隔です。

idle

ping監視開始直後から監視状態のチェックを始めるまでの待ち時間です。
ネットワーク機器にSTPを使用している場合、NICがリンクアップしてからSTPタイマーが満了するまで、サーバとネットワーク機器間で通信できないことがあります。待ち時間を設定することにより、通信できない時間帯にネットワーク異常が発生したとGLSが誤った判断しないようにすることができます。

times

pingにより異常と判断するまでの最大実行回数

Adapter

物理アダプター名

Fo

ping監視による異常が検出された場合の切替え設定

YES

ping監視による異常が検出された場合、ネットワークアダプターを切り替えます。

NO

ping監視による異常が検出された場合、ネットワークアダプターを切り替えません。異常の検出は、メッセージによってユーザーに通知します。

Target ip

ping監視の監視先のIPアドレス

6.2.5.4 param

ping監視の監視時間を設定するには、paramサブコマンドを使用します。

形式

hanetpoll param [-s sec|-c times|-p sec]

機能説明

ping監視の監視時間を設定します。

オプション

-s sec

pingを送信する間隔を指定します。設定可能な範囲は1~300秒です。ただし、本オプションと-cオプションの積が300以内になるよう設定する必要があります。
初期値は3秒です。なお、本オプションを省略した場合、前回の設定値が有効になります。

-c times

ネットワークに異常が発生したと判断するまでのping実行回数を指定します。設定可能な範囲は、1~300回です。ただし、本オプションと-sオプションの積が300以内になるよう設定する必要があります。
初期値は5回です。なお、本オプションを省略した場合、前回の設定値が有効になります。

-p sec

ping監視の開始から最初の監視先へのチェックを行うまでの待ち時間を設定します。設定可能な範囲は、1~300秒です。
監視間隔(-sオプション)と監視回数(-cオプション)の積よりも値が小さい場合は、本オプションで設定された時間は無視され、-sオプションと-cオプションで設定されている時間が採用されます。初期値は60秒です。

注意事項

使用例

ping監視の監視間隔を2秒に設定します。

> hanetpoll param -s 2

6.2.5.5 on

ping監視を開始するには、onサブコマンドを使用します。

形式

hanetpoll on [-n vadapter]

機能説明

ping監視を開始します。

オプション

-n vadapter

ping監視を開始する仮想アダプターを指定します。指定した仮想アダプターが束ねるすべての物理アダプターでping監視を開始します。

本オプションを省略した場合、すべての仮想アダプターに対してping監視を開始します。

注意事項

使用例

1

すべての仮想アダプターに対してping監視を開始します。

> hanetpoll on

例2

指定した仮想アダプターに対してping監視を開始します。

> hanetpoll on -n sha0

6.2.5.6 off

ping監視を停止するには、offサブコマンドを使用します。

形式

hanetpoll off [-n vadapter]

機能説明

ping監視を停止します。

オプション

-n vadapter

ping監視を停止する仮想アダプターを指定します。指定した仮想アダプターが束ねるすべての物理アダプターでping監視を停止します。

本オプションを省略した場合、すべての仮想アダプターに対してping監視を停止します。

使用例

例1

すべての仮想アダプターに対してping監視を停止します。

> hanetpoll off

例2

指定した仮想アダプターに対してping監視を停止します。

> hanetpoll off -n sha0

注意事項