構成情報の保存
切戻し操作後に、切替え先サイトの状態を切替え操作前の状態に戻す予定がある場合、下記の情報を、DRの定義ファイルで指定した切替え先サイトの切替え情報格納フォルダー以外の場所に保存してください。
DRの定義ファイルの設定については、「3.3 マネージャーのインストールおよび設定」を参照してください。
切替え先サイトの構成情報
rcxmgrexportコマンドを実行して、切替え先サイトの構成情報を保存してください。
rcxrepdefコマンドおよびrcxstorageコマンドの実行は必要ありません。
例
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxmgrexport -dir C:\Users\Administrator\work\backup\Export <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxmgrexport -dir /root/work/backup/Export <RETURN> |
rcxmgrexportコマンドについては、「B.1 rcxmgrexport」を参照してください。
物理/仮想L-Server切替え(VMホスト/VMゲスト)の場合、「3.6 切替え時に使用するファイルの作成」で作成した、切替え先サイトのVM管理製品の情報が記載された定義ファイル
仮想L-Server切替え(VMゲスト)の場合、「3.6 切替え時に使用するファイルの作成」で作成した、切替え先サイトのVMホストの情報が記載されたVMプール定義ファイル
保存したこれらの情報は、「4.5 切戻し後の運用」で使用します。
リソースの解放
Active-Active運用の場合
以下のいずれかの方法で、切替えに使用する物理サーバを切替え先サイトの運用から解放する必要があります。
切替えに使用するサーバを、手動でプールから解除する場合
切替えに使用する物理サーバ上で動作している業務を停止します。
物理OSが動作している場合、物理サーバをシャットダウンしてください。
ただし、切替え時にVMホストとして使用する物理サーバはシャットダウンしないでください。
VMホスト上で稼働しているL-Serverが存在する場合、削除するか、切替えに使用しない別のVMホストへマイグレーションさせてください。
削除の詳細は、「操作ガイド テナント管理者編 CE」の「8.3.20 構成変更ページ」を参照してください。
マイグレーションの詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.7 VMホスト間の移動(マイグレーション)」を参照してください。
手順a.で停止した物理サーバを物理L-Serverから解放してください。または、物理L-Serverを削除してください。ただし、切替え時にVMホストとして使用する物理L-Serverは対象外です。
物理サーバを物理L-Serverから解放する手順については「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.8 L-Serverへのリソースの割当てと解放」を参照してください。
手順a.で停止した物理サーバ、またはVMホストをリソースプールから登録解除してください。
切替えに使用する物理サーバが予備サーバとして設定されている場合、予備サーバの設定を解除してください。
切替えに使用するサーバを、テナントを削除することで解放する場合
削除対象のテナント内のL-Platform/L-Serverが使用している物理サーバ、またはVMホストをGUIまたはCLIから特定します。
手順a.で特定した物理サーバで物理OSが動作している場合、物理サーバをシャットダウンしてください。VMホストとして動作している場合、VMホストはシャットダウンしないでください。
削除対象のテナントをクリーンアップします。
rcxadm config cleanup -tenantコマンドを実行して、切替え先サイトで削除対象のテナントをクリーンアップしてください。
クリーンアップコマンド(rcxadm config cleanup)を実行する際、以下の条件で-predrオプションおよび-deluserオプションを付加してください。
仮想L-Server切替え(VMゲスト) | -predrオプション |
---|---|
行う | つける |
行わない | つけない |
ディレクトリサービス情報 | -deluserオプション |
---|---|
サイト間で共有する | つけない |
サイト間で共有しない | つける |
参考
クリーンアップコマンド(rcxadm config cleanup)に-predrオプションを付加した場合、マネージャーから削除した仮想L-Serverリソースと、それに紐付くVMゲスト情報をVM管理製品から登録解除します。
これは、VMwareの仮想L-Server切替え(VMゲスト)方式の場合に、VM管理製品上の情報と本製品の構成情報を同期するために必要な処理です。
クリーンアップコマンド(rcxadm config cleanup)に-deluserオプションを付加した場合、マネージャーから削除したユーザーリソースと、それに紐付くユーザー情報をディレクトリサービスから削除します。
サイト間でディレクトリサービス情報を共有している場合、ディレクトリサービスからユーザー情報を削除すると、削除したユーザー情報を復旧できなくなるため、ユーザーを削除しないでください。
注意
テナントをrcxadm config cleanupコマンドで削除した場合、テナント内のL-Server配備に利用したVMwareのクローニングイメージがリソースプールから登録解除されます。クローニングイメージを継続して使用する場合、クローニングイメージをリソースプールへ再登録してください。
さらに、切替え先サイトで物理L-Serverとして使用していなかったサーバを、切替えで物理L-Serverとして使用する場合、以下の手順を実行してください。
rcxadm server listコマンドを実行してください。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm server list <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm server list <RETURN> |
rcxadm server listコマンドの詳細は、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.11 rcxadm server」を参照してください。
物理L-Serverの切替えに使用するサーバのうち、rcxadm server listの実行結果でSERVER項目に値が入っているサーバに対して、以下の手順を実行してください。
RORコンソールのサーバツリーから、対象のサーバを削除してください。
RORコンソールのサーバツリーに、対象のサーバを登録してください。
このとき、エージェント登録はしないでください。
Active-Standby運用の場合
以下のどちらかに該当する場合、下記の手順1.~3.を実行してください
サイト切替えを行う場合
テナント切替えを初めて行う場合
切り替え先サイトのすべての業務を停止してください。
サイト切替えを行う場合で、かつ、以下のどちらかの条件を満たす場合、以降の手順2.~3.の実行は必要ありません。
切替え元サイトに、切替え対象となる物理L-Serverが存在しない
切替え先サイトで、物理L-Serverの切替えに使用するサーバが、すでに物理L-Serverとして使用されている
下記のコマンドを実行して、切替え先サイトのサイト全体の構成情報をクリーンアップしてください。
クリーンアップコマンド(rcxadm config cleanup)を実行する際、「切替えに使用するサーバを、テナントを削除することで解放する場合」と同じ条件で-predrオプションおよび-deluserオプションを付加してください。
ただし、内部認証の場合は-deluserオプションを付加しないでください。
例
物理/仮想L-Server切替え(VMホスト/VMゲスト)を行い、かつディレクトリサービス情報をサイト間で共有しない場合
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm config cleanup -deluser <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm config cleanup -deluser <RETURN> |
仮想L-Server切替え(VMゲスト)を行い、かつActiveDirectoryを利用してディレクトリサービス情報をサイト間で共有する場合
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm config cleanup -predr <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm config cleanup -predr <RETURN> |
ポイント
クリーンアップ対象のL-ServerがUnknown状態であった場合、マネージャーの管理情報だけクリーンアップされます。実体となるVMゲストのインベントリは削除されないため、管理対象サーバの状態復旧後に、手動でVM管理製品からVMゲストのインベントリを削除してください。
切替え情報を自動採取する設定が有効である場合、クリーンアップを行うことで設定が無効になります。
「4.2.16 構成情報のエクスポートと切替え情報の自動採取の再開【切替え先サイト】」を参照し、必要に応じて設定を有効にしてください。
切替え先サイトで物理L-Serverとして使用していなかったサーバを、切替えで物理L-Serverとして使用する場合、以下の手順を実行してください。
rcxadm server listコマンドを実行してください。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm server list <RETURN> |
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm server list <RETURN> |
rcxadm server listコマンドの詳細は、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.11 rcxadm server」を参照してください。
物理L-Serverの切替えに使用するサーバのうち、rcxadm server listの実行結果でSERVER項目に値が入っているサーバに対して、以下の手順を実行してください。
1. RORコンソールのサーバツリーから、対象のサーバを削除してください。
2. RORコンソールのサーバツリーに、対象のサーバを登録してください。
このとき、エージェント登録はしないでください。
参考
rcxadm config cleanupコマンドを実行すると、以下のリソースが削除、またはリソースプールから登録解除されます。
-tenantオプションが指定されている場合
指定されたテナントに属するリソース | 指定されたテナントで使用されているグローバルリソース | その他のリソース | |
---|---|---|---|
User | - | - | - |
User Group | - | - | - |
L-Server | ○ | - | - |
L-Serverテンプレート | - | - | - |
Image | ○ | ○ | - |
AddressSet | ○ | ○ (注) | - |
Network | ○ | ○ (注) | - |
Pool | ○ | ○ (注) | - |
Folder | - | - | - |
VMHost | × | × (注) | - |
Server | × | × (注) | - |
Virtual_Storage | × | × (注) | - |
Disk | × | × (注) | - |
Network_device | × | × (注) | - |
Customized role | - | - | - |
○: リソースの削除
×: リソースプールから登録解除
-: 対象外
注) コマンドを実行したユーザーが、指定したテナントの最後の利用者である場合に処理されます。
-tenantオプションが指定されていない場合(サイト全体をクリーンアップする場合)
任意のテナントに属するリソース | 任意のテナントに使用されているグローバルリソース | その他のリソース | |
---|---|---|---|
User | - | - | ○ (注1) |
User Group | - | - | ○ (注2) |
L-Server | ○ | - | ○ |
L-Serverテンプレート | - | - | ○ |
Image | ○ | ○ | ○ |
AddressSet | ○ | ○ | ○ |
Network | ○ | ○ | ○ |
Pool | ○ | ○ | ○ |
Folder | - | - | ○ |
VMHost | × | × | × |
Server | × | × | × |
Virtual_Storage | × | × | × |
Disk | × | × | × |
Network_device | × | × | × |
Customized role | - | - | ○ |
○: リソースの削除
×: リソースプールから登録解除
-: 対象外
注1) ユーザーのアクセス範囲が"all"である兼任管理者、およびインフラ管理者の場合は除きます。
注2) ユーザーが"supervisor"ユーザーグループの場合は除きます。
rcxadm config cleanupコマンドの詳細は、「B.3 rcxadm config 」を参照してください。