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ETERNUS SF Express 16.4 / Storage Cruiser 16.4 / AdvancedCopy Manager 16.4 導入ガイド
FUJITSU Storage

4.2.3 SNMPトラップの設定

運用管理サーバでSNMPトラップを受信するために、SNMPの設定をします。

4.2.3.1 SNMPトラップ設定(Windows環境の場合)

運用管理サーバのSNMPトラップ設定は、SNMPv1プロトコルだけを利用して装置を監視する場合と、以下のどちらかの場合で異なります。運用環境に応じた設定を行ってください。

SNMPv1プロトコルだけ利用して装置を監視する場合

Windows標準SNMPトラップ受信サービス(SNMP Trap)をインストールしてください。
このサービスは、OSのインストールメディアに含まれています。

SNMPv3プロトコルだけを利用して装置を監視する場合、またはSNMPv1プロトコルおよびSNMPv3プロトコルを利用して装置を監視する場合

SNMPトラップを利用する他アプリケーション(Systemwalker Centric Manager、ServerView Resource Orchestratorなど)が同居しないとき
  1. 以下の手順でExpressマネージャーを停止します。

    1. サービス画面を開きます。

      Windows Server 2012の場合は、[コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。

      上記以外のWindows環境の場合は、[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。

    2. "ETERNUS SF Manager Tomcat Service"を選択し、[停止]ボタンをクリックします。

  2. コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行し、ETERNUS SF SNMP Trap Serviceを導入します。$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールした時の「プログラムディレクトリ」です。

    > powershell -ExecutionPolicy Unrestricted $INS_DIR\ESC\Manager\opt\FJSVssmgr\sbin\swsttctr.ps1 -install
  3. 以下の手順でETERNUS SF SNMP Trap Serviceを起動します。

    1. サービス画面を開きます。

    2. "ETERNUS SF SNMP Trap Service"を選択し、[開始]ボタンをクリックします。

  4. 以下の手順でExpressマネージャーを起動します。

    1. サービス画面を開きます。

    2. "ETERNUS SF Manager Tomcat Service"を選択し、[開始]ボタンをクリックします。

SNMPトラップを利用する他アプリケーション(Systemwalker Centric Manager、ServerView Resource Orchestratorなど)が同居するとき

注意

SNMPトラップを利用する他アプリケーションが同居する場合は、管理対象のIPアドレスはIPv4アドレスだけを使用してください。管理対象のIPアドレスにIPv6アドレスの装置を含む場合は、SNMPトラップを利用する他アプリケーションと同居できません。

  1. 以下の手順でExpressマネージャーを停止します。

    1. サービス画面を開きます。

      Windows Server 2012の場合は、[コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。

      上記以外のWindows環境の場合は、[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。

    2. "ETERNUS SF Manager Tomcat Service"を選択し、[停止]ボタンをクリックします。

  2. コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行し、ETERNUS SF SNMP Trap Serviceを導入します。$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールした時の「プログラムディレクトリ」です。

    > powershell -ExecutionPolicy Unrestricted $INS_DIR\ESC\Manager\opt\FJSVssmgr\sbin\swsttctr.ps1 -install
  3. 付録I SNMPトラップ転送プログラムの導入と設定」を参照し、SNMPトラップ転送プログラムを導入してください。

4.2.3.2 SNMPトラップ設定(Linux環境の場合)

運用管理サーバのSNMPトラップ設定は、SNMPv1プロトコルだけを利用して装置を監視する場合と、以下のどちらかの場合で異なります。運用環境に応じた設定を行ってください。

SNMPv1プロトコルだけ利用して装置を監視する場合

運用管理サーバでSNMPトラップを受信するために、OS標準のnet-snmpパッケージに含まれるsnmptrapdの設定ファイルをカスタマイズします。

Red Hat Enterprise Linux 7の場合、以下のコマンドを実行してください。
# systemctl enable snmptrapd.service
# systemctl start snmptrapd.service
Red Hat Enterprise Linux 5またはRed Hat Enterprise Linux 6の場合、以下の手順を実施してください。

以下のコマンドを実行し、snmptrapdの起動が有効になっているか確認します。

# chkconfig --list snmptrapd
snmptrapd 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off

有効になっていない場合は、以下のコマンドを実行して有効にしてください。

# chkconfig --add snmptrapd
# chkconfig snmptrapd on

ポイント

snmptrapdの設定ファイルは/etc/snmp/snmptrapd.confにありますが、他製品では/usr/share/snmp/snmptrapd.confも使用している場合があります。
設定においては、他製品との共存のために両方のファイルを確認します。

アクセス制御の設定状況確認

アクセス制御の設定状況を確認します。
snmptrapd.confに以下の設定がなければ、アクセス制御が有効になっています。

disableAuthorization yes

注意

  • /etc/snmp/snmptrapd.confと/usr/share/snmp/snmptrapd.confの両方の、アクセス制御の設定状況を確認してください。

  • 他製品からの要求がなければ、/etc/snmp/snmptrapd.confに上記の"disableAuthorization yes"を設定して、アクセス制御を無効にしてください。

SNMPトラップ受信の設定(アクセス制御が無効な場合)

/etc/snmp/snmptrapd.confに以下の設定を追加します。

forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket
SNMPトラップ受信の設定(アクセス制御が有効な場合)

以下の設定を追加します。

authCommunity net public
authCommunity net SANMA
forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket

/etc/snmp/snmptrapd.confと/usr/share/snmp/snmptrapd.confの両方を確認し、他製品によってauthCommunityが設定されている方のsnmptrapd.confを編集してください。どちらにも設定がなければ、/etc/snmp/snmptrapd.confを編集してください。

参考

  • authCommunityは、アクセス制御が有効になっている場合に編集できる項目です。

    書式は以下のとおりです。

    authCommunity TYPES COMMUNITY [SOURCE [OID | -v VIEW ]]
    
      TYPES: log,execute,net
      COMMUNITY: 監視対象のSNMPトラップのコミュニティー名

    TYPESフィールドにはlog、execute、netが設定できます。
    COMMUNITYフィールドには、監視対象装置のSNMPトラップのコミュニティー名を設定します。
    なお、Expressでは、SOURCE、OID、およびVIEWフィールドは設定しないでください。

    例えば、以下のように設定します。

    authCommunity net public
    authCommunity net SANMA
  • SNMPトラップのコミュニティー名がpublicとSANMA以外のETERNUS ディスクアレイを監視する場合は、authCommunityの設定を追加します。
    例えば、コミュニティー名がcommonのETERNUS ディスクアレイを監視対象にする場合は以下のように設定します。なお、publicとSANMAの設定は必須です。

    authCommunity net public
    authCommunity net SANMA
    authCommunity net common
    forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket
  • authCommunity logやauthCommunity executeが、他製品によってすでに設定されている場合は、コンマ(,)区切りでnetを追加します。
    例えば、authCommunity execute publicが設定されている場合は以下のように設定します。

    authCommunity execute,net public
    authCommunity net SANMA
    forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket
設定ファイルの反映

snmptrapd.confの変更後、以下のコマンドを実行してsnmptrapdを再起動します。
変更後の内容がSNMPトラップの設定に反映されます。

  • Red Hat Enterprise Linux 7の場合

    以下のコマンドを実行してください。

    # systemctl restart snmptrapd.service
  • Red Hat Enterprise Linux 5またはRed Hat Enterprise Linux 6の場合

    以下のコマンドを実行してください。

    # /etc/init.d/snmptrapd stop
    # /etc/init.d/snmptrapd start

注意

snmptrapd.confをカスタマイズした後に、ServerView AlarmServiceなどのsnmptrapdを利用するアプリケーションをインストール、アンインストールまたは設定変更を実施した場合は、snmptrapd.confのカスタマイズ内容が変更されていないか確認してください。

ポイント

ServerViewトラップ転送プログラムを使用している環境の場合は、snmptrapdデーモンとtrpsrvdデーモンを再起動してください。

参考

snmptrapd.confの詳細は『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「snmptrapd.confファイル説明」を参照してください。

SNMPv3プロトコルだけを利用して装置を監視する場合、またはSNMPv1プロトコルおよびSNMPv3プロトコルを利用して装置を監視する場合

ETERNUS SF Managerのインストール直後は、SNMPv1プロトコルの装置だけを監視する設定になっています。このため、以下の手順で、OS標準のnet-snmpパッケージに含まれるsnmptrapdからの変更を行ってください。

  1. 以下のコマンドを実行して、ETERNUS SF Managerを停止してください。

    # /opt/FJSVesfcm/bin/stopesf.sh
  2. OS標準のSNMPトラップデーモン(net-snmpパッケージのsnmptrapd)を起動している場合は、以下の手順を実施して停止してください。

    Red Hat Enterprise Linux 7の場合、以下のコマンドを実行してください。

    # systemctl stop snmptrapd.service

    Red Hat Enterprise Linux 5またはRed Hat Enterprise Linux 6の場合、以下のコマンドを実行してください。

    # /etc/init.d/snmptrapd stop
  3. OS標準のSNMPトラップデーモンの設定を実施します。

    インストールしているETERNUS SF Managerプログラムに応じて、以下の設定を行ってください。

    • Red Hat Enterprise Linux 7の場合
      OS標準のSNMPトラップデーモンをシステム起動時に自動起動している場合は、以下のコマンドを実行して自動起動を停止してください。

      # systemctl disable snmptrapd.service
    • Red Hat Enterprise Linux 6の場合
      OS標準のSNMPトラップデーモンをシステム起動時に自動起動している場合は、以下のコマンドを実行して自動起動を停止してください。

      # chkconfig snmptrapd off
      # chkconfig --list snmptrapd
    • Red Hat Enterprise Linux 5の場合
      設定は、パッケージのインストール時に自動的に行われます。特別な設定は不要です。

  4. SNMPトラップデーモンパッケージのインストールと設定を行います。

    1. パッケージのインストール

      /opt/FJSVssmgr/etc/pkgにあるFJSVswstt-XXXX.rpmパッケージをインストールしてください。

      # rpm -i /opt/FJSVssmgr/etc/pkg/FJSVswstt-XXXX.rpm

      パッケージファイルのXXXX部分は、システムのプラットフォームによって異なります。
      Red Hat Enterprise Linux 6およびRed Hat Enterprise Linux 7の場合は、以下のとおりです。

      # rpm -i /opt/FJSVssmgr/etc/pkg/FJSVswstt-V13.7.0-1.x86_64.rpm
    2. 自動起動の設定

      本手順はRed Hat Enterprise Linux 7の場合だけ実施してください。以下のコマンドを実行して、SNMPトラップデーモンの自動起動を設定してください。

      # cp -p /opt/FJSVssmgr/etc/pkg/startsc-snmptrapd.service /usr/lib/systemd/system
      # systemctl enable startsc-snmptrapd.service
    3. OS標準のSNMPトラップデーモンの起動

      本手順はRed Hat Enterprise Linux 5の場合だけ実施してください。以下のコマンドを実行して、OS標準のSNMPトラップデーモンを再起動してください。

      # /etc/init.d/snmptrapd restart
  5. 以下のコマンドを実行して、ETERNUS SF Managerを起動してください。

    # /opt/FJSVesfcm/bin/startesf.sh

注意

Systemwalker Centric Managerと同一サーバ上で混在して使用している環境において、Systemwalker Centric Managerをアンインストールすると、SNMPトラップデーモンが停止する場合があります。
混在環境からSystemwalker Centric Managerをアンインストールした場合は、以下の作業を実施してください。

  1. 以下のコマンドを実行して、nwsnmp-trapdが動作していることを確認してください。

    • Red Hat Enterprise Linux 7の場合

      # systemctl status startsc-snmptrapd.service
    • Red Hat Enterprise Linux 5またはRed Hat Enterprise Linux 6の場合

      # ps -ef | grep nwsnmp-trapd
  2. nwsnmp-trapd が動作していない場合は、システムを再起動または以下のコマンドを実行してください。

    • Red Hat Enterprise Linux 7の場合

      # systemctl start startsc-snmptrapd.service
    • Red Hat Enterprise Linux 5またはRed Hat Enterprise Linux 6の場合

      # /opt/FJSVswstt/bin/mpnm-trapd stop
      # /opt/FJSVswstt/bin/mpnm-trapd start

SNMPトラップデーモン用SELinuxポリシーモジュールのインストール

SELinux=Enforcingの場合、以下の手順に従って、ポリシーモジュールを適用してください。
Red Hat Enterprise Linux 7の場合は、デフォルトでSELinux=Enforcingになります。
本手順を実施することで、snmptrapdデーモンのSELinuxポリシーモジュールは自動的にインストールされ、SNMP トラップによるイベント受信が可能になります。

注意

snmptrapdデーモンに本製品のポリシーを適用する前に、他製品が snmptrapdデーモンのポリシー設定を変更していないか確認します。必要であれば本製品で設定するポリシーをカスタマイズしてください。
正しく設定できていない場合、snmptrapdデーモンが正しく動作しないことがあります。