クラスタ運用時、ある仮想インタフェースが使用しているすべての伝送路が異常となった場合にクラスタ切替えを行うことができます。本機能により、全伝送路異常を検出した場合、システム管理者が介入することなく、クラスタ間の切替えを行い業務を復旧することができます。高速切替方式、NIC切替方式、仮想NIC方式およびGS連携方式による伝送路二重化運用時においては、クラスタ切替えが行われるように初期設定されています。この機能はクラスタ定義を行う事により自動的に設定されます。
以下の図2.44 伝送路異常時のクラスタ間フェイルオーバに、ノードAで仮想インタフェースsha0が束ねているeth0、eth1の両者が通信不能となった場合にノードBへ切り替える場合の例を示します。
参考
以下は、高速切替方式の例ですが、NIC切替方式、仮想NIC方式およびGS連携方式でも同様です。
図2.44 伝送路異常時のクラスタ間フェイルオーバ
高速切替方式では、仮想インタフェースが束ねるすべてのネットワークに対して、同一ネットワークに接続された他の高速切替方式のノードとの通信(専用の監視フレーム)が途絶えた場合に、GLSはノードに異常が発生したと判断します。
図2.45 高速切替方式のノード異常検出
注意
1台のサーバ上に複数の仮想マシンを作成してクラスタ構成を組み、高速切替方式を使用する場合、サーバ外のスイッチが故障しても、クラスタのリソースは異常になりません。これは、複数の仮想マシンが接続された仮想スイッチ内で、常に監視が成功する構成になるためです。
参考
高速切替方式は、仮想インタフェースが束ねるネットワークに高速切替方式を運用しているシステムを追加した時点で、自動的に監視先として組み込みます。
NIC切替方式では、運用NICで監視の異常を検出しNICの切替えが行われた後、待機パトロールが復旧せずに、切替え先のNICでも監視の異常を検出した場合、GLSはノードに異常が発生したと判断します。
図2.46 NIC切替方式のノード異常検出
参考
HUB監視は、hanetpollコマンドの-pで設定したIPアドレスに対して実施されます。また、待機パトロールの設定は、hanetconfigコマンドで行います。詳細は、“7.1 hanetconfigコマンド”、“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。
仮想NIC方式では、運用NICで監視の異常を検出しNICの切替えが行われた後、NICが復旧せず、かつ、切替え先のNICでも監視の異常を検出した場合、ノードに異常が発生したと判断します。
図2.47 仮想NIC方式のノード異常検出
参考
ネットワーク監視では、hanetpathmonコマンドの-iで設定したIPアドレスに対してHUB監視が実施されます。また、待機パトロールの設定は不要です。詳細は、“7.1 hanetconfigコマンド”、“7.12 hanetpathmonコマンド”を参照してください。
GS連携方式では、通信相手ノードと自クラスタを構成する他ノードへの通信相手ホスト監視(pingによる監視)がすべて異常になった場合に、GLSはノードに異常が発生したと判断します。
図2.48 GS連携方式のノード異常検出
参考
通信相手ホスト監視は、hanetobservコマンドの-tで設定したIPアドレスに対して実施されます。詳細は、“7.15 hanetobservコマンド”を参照してください。