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Interstage List Works V10.3.1 環境構築手引書
FUJITSU Software

2.4.1 Symfowareデータベースの環境設定

Symfowareデータベースの環境設定について説明します。なお、保管データベースの環境設定は管理者で行います。


以下の手順で保管データベースの環境設定を行います。

注:

保管データベースがList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に存在する場合のみ行う作業です。保管データベースがList Worksサーバに存在する場合は行う必要はありません。


保管データベースがList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に存在する場合は、上記の作業手順と作業するサーバが以下のように異なります。点付き数字の順番に従って環境設定を行ってください。

作業項目

作業するサーバ

データベースサーバ

List Worksサーバ

(1) ディスクスペースの見積もり

1.

(2) RDBシステムの作成

2.

(3) Windowsファイアウォールの設定

3.

(4) 保管データベースの作成

4.

(5) 保管データベースの接続設定

5.

ここでは、手順の概略を説明しています。Symfowareデータベースの環境設定の詳細は、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。

保管データベースをList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に用意する場合は、クラスタシステムを使用して保管データベースをクラスタ運用することを推奨します。

Symfowareデータベースのクラスタ運用を行う場合の環境設定の詳細は、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。

注意

Symfowareデータベースの環境設定は、以下のユーザIDでWindowsシステムにログオンして実施してください。

  保管データベースを構築するサーバのAdministratorまたはAdministrators権限に所属し、かつ半角英数字18文字以内のユーザID

上記のユーザIDでWindowsシステムにログオンしていないと、データベースの作成に失敗することがあります。


(1) ディスクスペースの見積もり

保管データベースの運用に必要なディスク容量の見積もりは、Database見積もりツールを使用して行います。見積もりによって求めた値は、“2.4.3 保管データベース作成用のファイル編集”で使用します。

Database見積もりツール(dbmitsumori.xls)は、以下の場所に格納されています。

  「List Worksのインストール先フォルダ\db」配下

(2) RDBシステム作成

RDBシステムの作成では、以下のことを行います。

RDBシステムを作成する手順を、以下に示します。

手順1:フォルダ複写

複写元のフォルダを、作業フォルダ配下に複写します。保管データベースをデータベースサーバに構築する場合は、データベースサーバの作業フォルダ配下に複写します。

複写元

List Worksのインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB

複写先の例

C:\LW\db\symfo\LWDB

注意

複写先のパス名は、半角英数字で50バイト以内で作成します。なお、空白は使用できません。


手順2setupLWDB.batファイル編集

手順1の複写先フォルダ配下にあるsetupLWDB.batファイルを、テキストエディタで開いて編集します。

setupLWDB.batの編集箇所
@rem /* RDBシステム名                                                     */
@rem /* RDBシステム名は、8バイト以内の半角英数字を指定してください。      */
@set RDB_NAME=LWDB  ←(注1)

@rem /* RDBシステムのデータ格納先                                         */
@rem /* 40バイト以内の半角英数字を指定してください。空白は指定できません。*/
@set RDB_PATH=C:\LWDB  ←(注2)

@rem /* リモートアクセスで使用するポート番号                              */
@rem /* 未使用の番号を指定してください。                                  */
@set RDB_PORT=2050  ←(注3)

@rem /* ローカルアクセス数を指定します                                    */
@set RDB_MAX_CONNECT_SYS=256  ←(注4)(注5)

@rem /* リモートアクセス数を指定します                                    */
@set RDB_MAX_CONNECT_TCP=256  ←(注4)(注5)

@rem /* フェイルオーバ機能を有効にするか無効にするか指定します            */
@rem /* 0:無効 1:有効                                                     */
@set RDB_FAILOVER=0  ←(注6)

@rem /* フェイルオーバ機能のサーバ種別を指定します                        */
@rem /* 0:運用サーバ 1:待機サーバ                                         */
@set RDB_SERVER=0  ←(注7)

@rem /* 共用バッファを指定します                                          */
@set RDB_BUFFER8K=4317  ←(注8)

@rem /* マルチRDB運用を行う場合を行う場合にRDBシステムIDを指定します      */
@rem /* マルチRDB運用の場合にシステムで一意になる1~31の数字を指定します  */
@rem /* List Worksの場合は25番です。                                      */
@set RDB_SYSTEMID=25  ←(注9)
注1:

RDBシステム名(LWDB)は、原則、固定です。
Symfowareを設定する際に、既存のRDBシステム名に「LWDB」が使われていない場合は、変更する必要はありません。

すでにSymfowareを使用してマルチRDB運用を行っているときに、設定する「RDBシステム名」が重複する場合は、重複しない「RDBシステム名」を設定してください。

注2:

RDBシステムのログファイル、ディクショナリファイル(データベースの定義情報を格納するファイル)などを格納する場所(任意の格納場所)を指定します。

クラスタ運用する場合は、共有ディスク(「フェールオーバークラスター マネージャー」で定義したディスク)を指定します。

注意

  • RDBシステムのデータ格納先のファイルシステムには、NTFSの必要があります。

  • RDBシステムのデータ格納先には、Database見積もりツールにて算出された空き容量が必要です。

参考

RDBシステムのデータ格納先は、ハード障害時に備えて、リスト管理サーバのインストール先とは別のディスクを指定することを推奨します。

注3:

以下の範囲で未使用の値を設定してください。

  • Windows Server 2003の場合:5001~49151

  • Windows Server 2012、Windows Server 2008 R2またはWindows Server 2008の場合:1024~49151

以降の説明では、リモートアクセスで使用するポート番号を「2050」として説明しています。実際に設定したポート番号に置き換えてお読みください。

注意

注4:

5台以上のリスト管理サーバでフォルダ共有運用する場合は、以下の方法で計算した値と初期値である256のうち、大きい方の値を設定してください。

  • 1台のリスト管理サーバは、サーバ処理で33セッション、リストクリーナ-サーバ・サーバ機能API・サーバコマンドの起動時にそれぞれ1セッション使用するため、同時起動する分のセッションが必要です。

  • リストクリーナ-サーバ、サーバ機能APIおよびサーバコマンドを使用しない場合でも、同時起動する分のセッションとして、2セッションを指定してください。

  • リスト管理サーバの台数に応じて、以下のように設定してください。

    (33+リストクリーナ-サーバ、サーバ機能APIおよびサーバコマンドの同時起動数)×サーバ台数
        リストクリーナ-サーバ、サーバ機能APIおよびサーバコマンドを使用せず、10台接続する場合の例:
          (33セッション+2セッション)×10台=350
注5:

マルチプロセス運用を行う場合は、以下の計算方法で算出された値を設定します。

(33×リスト管理サーバの起動プロセス数)+ サーバ機能APIおよびサーバコマンドの同時起動数(*)

(*)サーバ機能APIおよびコマンドを使用しない場合は、同時起動数に「10」を指定します。

算出された値が256以下の場合

256を設定します。

算出された値が256より大きい場合

算出された値を設定します。

リスト管理サーバの起動プロセス数が20、サーバ機能APIおよびサーバコマンドを使用しない場合の例:
  (33×20)+10 = 670
注6:

クラスタシステムで運用する場合に、必要に応じて編集します。

注7:

クラスタシステムで運用する場合に、運用系の場合は「0」、待機系の場合は「1」をします。

注8:

以下の計算方法で必要なメモリ量を算出します。
物理メモリに算出された値以上の余裕がある場合は、算出された値を設定します。

1フォルダあたりに保管する最大帳票数 ÷ 8 × 同時ログイン数
「RDB_BUFFER8K」に設定する値

算出された値 ≦ 4317 の場合
4317を設定します。

4317 < 算出された値 < 65535 の場合
算出された値を設定します。

65535 ≦ 算出された値 の場合
65535を設定します。

必要となるメモリ量
「RDB_BUFFER8K」に設定する値 × 8KB
注9:

List Worksのデータベース以外で、システムID「25」を使用している場合は、1~31の間で使用していないIDに変更します。


手順3setupLWDB.batファイル実行

コマンドプロンプトを起動し、手順1の複写先フォルダ配下の「setupLWDB.bat」を実行します。

例)

C:\LW\db\symfo\LWDB > setupLWDB.bat

実行後、コマンドプロンプト上に、「RDBシステム(LWDB)の作成を終了しました。」のメッセージが表示されることを確認します。

実行中にエラーが発生した場合は、以下の手順でRDBシステムを削除してから、再度作成します。

実行中にエラーが発生した場合
  1. ログファイルを参照し、エラーメッセージを確認します。
    ログファイルは、setupLWDB.batを実行したカレントディレクトリに、以下のファイル名で出力されます。

    • rdbsetsyslog_LWDB.txt

    • rdbsetuplog_LWDB.txt

  2. エラーの原因を取り除きます。

  3. RDBシステムを削除します。

    注意

    作成したRDBシステムを削除するには、setupLWDB.batを実行したときに出力される「setupLWDB.dat」が必要です。このため、手順1の複写先フォルダを削除しないでください。

    コマンドプロンプトを起動し、手順1の複写先フォルダ配下の「deleteLWDB.bat」を実行します。

    例)

    C:\LW\db\symfo\LWDB > deleteLWDB.bat

    実行後、コマンドプロンプト上に、「RDBシステム(LWDB)の削除を終了しました。」のメッセージが表示されることを確認します。

    なお、実行中にエラーが発生しても、エラーメッセージが出力されない場合がありますので、ログファイルを参照し、エラーの内容を確認してください。ログファイルは、手順1の複写先フォルダ配下に以下のファイル名で出力されます。

    • rdbdelsyslog_LWDB.txt

    • rdbdeletelog_LWDB.txt

    実行時にエラーが発生した場合でも、RDBシステムの削除は中断されず、最後まで実行されます。

  4. setupLWDB.batを再度実行します。


(3) Windowsファイアウォールの設定

保管データベースがList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に存在する場合は、以下の確認が必要です。

データベースサーバのWindowsファイアウォールの設定が「有効」の場合は、保管データベースで使用するポート番号を「例外」または「受信の規則」として設定する必要があります。「無効」の場合は設定する必要はありません。

Windowsファイアウォールの設定については、“付録F Windowsファイアウォールの設定”を参照してください。

(4) 保管データベースの作成(データベース構築スクリプトの実行)

データベース構築スクリプトを使用して保管データベースを作成します。

クラスタ運用する場合は、運用系または待機系のどちらかでデータベース構築スクリプトを実行します。


作成手順を以下に示します。

手順1データベース構築スクリプトの編集

(2) RDBシステムの作成”の手順1の複写先フォルダ配下にあるcreateLWDB.datを開いて、以下の内容を編集して保存します。保管データベースのスペース量などは、Database見積もりツールで求めた値を反映します。

  • 保管データベースの場所(物理パス)

  • 項目ごとの保管データベースのスペース量、インデックス  データ部のスペース量、インデックス  インデックス部のスペース量、およびディスクスペース容量(合計値)

    データベース構築スクリプトの編集の詳細については、“2.4.3 保管データベース作成用のファイル編集”を参照してください。

手順2createLWDB.batファイルの実行

コマンドプロンプトを起動し、手順1で編集したcreateLWDB.batを実行します。

例)
C:\LW\db\symfo\LWDB > createLWDB.bat

実行後、コマンドプロンプト上に、「データベースの構築が完了しました。」のメッセージが表示されることを確認します。

実行中にエラーが発生した場合は、“(2) RDBシステムの作成”の手順3にある「実行中にエラーが発生した場合」の手順で、RDBシステムを削除してから、再度作成します。

なお、ログファイルは、createLWDB.batを実行したカレントディレクトリに、以下のファイル名で出力されます。

  • dbsetuplog_LWDB.txt

ポイント

データベース構築スクリプトの実行中に出力される可能性の高いメッセージを、“付録C データベース環境設定時のメッセージ”に抜粋して説明しています。参考にしてください。また、詳細なメッセージの説明については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。

参考

List Works標準のデータベース構築スクリプトを実行した場合の所要時間の目安は、15分です。

なお、所要時間はサーバスペックなどにより左右されますので、ご注意ください。


手順3保管データベースの接続確認

スクリプトの実行が完了したら、保管データベースへの接続確認を行います。

  1. コマンドプロンプト上で、以下の構文(rdbexecsql -s RDBシステム名.保管データベース名)を入力して実行します。保管データベース名は「LWDB」固定です。

    > rdbexecsql -s LWDB.LWDB

  2. 「SQL>」と表示されたら、以下の構文を入力して実行します。

    SQL> SELECT * FROM LW.LW_USER

    以下のような結果が表示されれば、保管データベースは正常に構築されています。

    SQL> SELECT * FROM LW.LW_USER
    Number of records:0
    SQLSTATE:00000
    SQLMSG:JYP2001I 正常に終了しました.
    SQL>

    エラーが発生した場合は、Symfowareのエラーメッセージが表示されます。

    エラーメッセージが表示された場合は、保管データベースの作成に失敗している可能性がありますので、“付録C データベース環境設定時のメッセージ”を参考にしてください。

    エラーメッセージの詳細は、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。

  3. 以下の構文を入力して実行し、確認で使用したsqlexecコマンドを終了します。

    SQL> QUIT

    以下のメッセージが表示されますので、確認したら、コマンドプロンプトを閉じてください。

    qdg02200i:rdbexecsqlが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=LWDB)

(5) 保管データベースの接続設定

保管データベースの作成まで完了したら、保管データベースとの接続のために、以下の表に示す作業を行います。保管データベースの配置場所によって作業が異なります。

作業順番

作業

List Worksサーバに保管データベースが存在する場合

List Worksサーバとは別にデータベースサーバを設定する場合

1.

データベース接続用設定ファイルの編集

×

2.

環境変数の設定

×

3.

コンピュータの再起動

×

4.

リスト管理サーバの環境設定

○:実施必要
×:実施不要(行わないでください)

注意

保管データベースをList Worksサーバとは別にデータベースサーバとして設定する場合は、上記の作業をList Worksサーバ上で行います。


手順1データベース接続用設定ファイルの編集

リスト管理サーバがSymfowareデータベースに接続するための設定ファイルを、実行環境に合わせて編集します。

データベース接続用設定ファイル(sqlrt.env)が、「List Worksインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB」配下に格納されています。

以下に示す「sqlrt.env」の太字下線の部分を動作環境に合わせて編集します。

 SERVER_SPEC=(RDB2_TCP,LWDB,LWDB,localhost,2050)
localhost

データベースサーバのホスト名を指定します。

2050

2.4.1 Symfowareデータベースの環境設定”の“(2) RDBシステムの作成”のsetupLWDB.batで指定したポート番号を指定します。


手順2環境変数の設定

以下の手順でシステム環境変数を設定します。なお、Windowsの操作については、Windows Server 2008 R2の操作方法で説明しています。

  1. 【スタート】メニューの【コントロールパネル】をクリックします。

    →【コントロールパネル】ウィンドウが表示されます。


  2. 【システム】をクリックします。

    →【システム】ウィンドウが表示されます。


  3. コンソールツリーで【システムの詳細設定】をクリックします。

    →【システムのプロパティ】ダイアログボックスの【詳細設定】タブが表示されます。


  4. 【環境変数】ボタンをクリックします。

    →【環境変数】ダイアログボックスが表示されます。


  5. 「システム環境変数」の【新規】ボタンをクリックします。

    →【新しいシステム変数】ダイアログボックスが表示されます。


  6. 【新しいシステム変数】ダイアログボックスに、以下の値で新しいシステム環境変数を追加します。このシステム環境変数は、保管データベースの接続に必要となります。

    変数名

    SQLRTENV

    変数値

    データベース接続用設定ファイルの物理パス(List Worksインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB\sqlrt.env)


    注意

    システム環境変数SQLRTENVが既に設定されている場合、管理者のユーザ環境変数SQLRTENVにデータベース接続用設定ファイルの物理パスを設定してください。ユーザ環境変数SQLRTENVにデータベース接続用設定ファイルの物理パスを設定した場合、以下の操作はユーザ環境変数SQLRTENVを設定した管理者で実行してください。

    • サーバ機能API

    • List Worksのコマンド


  7. 【新しいシステム変数】ダイアログボックスの【OK】ボタンをクリックします。


  8. 【環境変数】ダイアログボックスの【OK】ボタンをクリックします。


  9. 【システムのプロパティ】ダイアログボックスの【OK】ボタンをクリックします。


手順3コンピュータの再起動

環境変数の設定まで完了したら、コンピュータを再起動します。

参考

次のリスト管理サーバの環境設定後に再起動する手順でも構いません。


手順4リスト管理サーバの環境設定

リスト管理サーバの環境設定時に、使用する保管データベースの接続情報を設定します。【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【データベース】タブで設定します。

リスト管理サーバの環境設定については、“2.4.5 リスト管理サーバの環境設定”を参照してください。