Symfowareデータベースの環境設定について説明します。なお、保管データベースの環境設定は管理者で行います。
以下の手順で保管データベースの環境設定を行います。
保管データベースがList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に存在する場合のみ行う作業です。保管データベースがList Worksサーバに存在する場合は行う必要はありません。
保管データベースがList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に存在する場合は、上記の作業手順と作業するサーバが以下のように異なります。点付き数字の順番に従って環境設定を行ってください。
作業項目 | 作業するサーバ | |
---|---|---|
データベースサーバ | List Worksサーバ | |
(1) ディスクスペースの見積もり | 1. | - |
(2) RDBシステムの作成 | 2. | - |
(3) Windowsファイアウォールの設定 | 3. | - |
(4) 保管データベースの作成 | 4. | - |
(5) 保管データベースの接続設定 | - | 5. |
ここでは、手順の概略を説明しています。Symfowareデータベースの環境設定の詳細は、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。 |
保管データベースをList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に用意する場合は、クラスタシステムを使用して保管データベースをクラスタ運用することを推奨します。
Symfowareデータベースのクラスタ運用を行う場合の環境設定の詳細は、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。 |
注意
Symfowareデータベースの環境設定は、以下のユーザIDでWindowsシステムにログオンして実施してください。
保管データベースを構築するサーバのAdministratorまたはAdministrators権限に所属し、かつ半角英数字18文字以内のユーザID
上記のユーザIDでWindowsシステムにログオンしていないと、データベースの作成に失敗することがあります。
保管データベースの運用に必要なディスク容量の見積もりは、Database見積もりツールを使用して行います。見積もりによって求めた値は、“2.4.3 保管データベース作成用のファイル編集”で使用します。
Database見積もりツール(dbmitsumori.xls)は、以下の場所に格納されています。
「List Worksのインストール先フォルダ\db」配下
(2) RDBシステムの作成
RDBシステムの作成では、以下のことを行います。
保管データベースのRDBシステムを作成する
システム環境変数(RDBNAME)を設定する
保管データベースのサービスを自動起動モードにして、サービスを起動する
RDBシステムを作成する手順を、以下に示します。
複写元のフォルダを、作業フォルダ配下に複写します。保管データベースをデータベースサーバに構築する場合は、データベースサーバの作業フォルダ配下に複写します。
List Worksのインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB
C:\LW\db\symfo\LWDB
注意
複写先のパス名は、半角英数字で50バイト以内で作成します。なお、空白は使用できません。
手順1の複写先フォルダ配下にあるsetupLWDB.batファイルを、テキストエディタで開いて編集します。
@rem /* RDBシステム名 */ @rem /* RDBシステム名は、8バイト以内の半角英数字を指定してください。 */ @set RDB_NAME=LWDB ←(注1) @rem /* RDBシステムのデータ格納先 */ @rem /* 40バイト以内の半角英数字を指定してください。空白は指定できません。*/ @set RDB_PATH=C:\LWDB ←(注2) @rem /* リモートアクセスで使用するポート番号 */ @rem /* 未使用の番号を指定してください。 */ @set RDB_PORT=2050 ←(注3) @rem /* ローカルアクセス数を指定します */ @set RDB_MAX_CONNECT_SYS=256 ←(注4)(注5) @rem /* リモートアクセス数を指定します */ @set RDB_MAX_CONNECT_TCP=256 ←(注4)(注5) @rem /* フェイルオーバ機能を有効にするか無効にするか指定します */ @rem /* 0:無効 1:有効 */ @set RDB_FAILOVER=0 ←(注6) @rem /* フェイルオーバ機能のサーバ種別を指定します */ @rem /* 0:運用サーバ 1:待機サーバ */ @set RDB_SERVER=0 ←(注7) @rem /* 共用バッファを指定します */ @set RDB_BUFFER8K=4317 ←(注8) @rem /* マルチRDB運用を行う場合を行う場合にRDBシステムIDを指定します */ @rem /* マルチRDB運用の場合にシステムで一意になる1~31の数字を指定します */ @rem /* List Worksの場合は25番です。 */ @set RDB_SYSTEMID=25 ←(注9)
RDBシステム名(LWDB)は、原則、固定です。
Symfowareを設定する際に、既存のRDBシステム名に「LWDB」が使われていない場合は、変更する必要はありません。
すでにSymfowareを使用してマルチRDB運用を行っているときに、設定する「RDBシステム名」が重複する場合は、重複しない「RDBシステム名」を設定してください。
RDBシステムのログファイル、ディクショナリファイル(データベースの定義情報を格納するファイル)などを格納する場所(任意の格納場所)を指定します。
クラスタ運用する場合は、共有ディスク(「フェールオーバークラスター マネージャー」で定義したディスク)を指定します。
注意
RDBシステムのデータ格納先のファイルシステムには、NTFSの必要があります。
RDBシステムのデータ格納先には、Database見積もりツールにて算出された空き容量が必要です。
参考
RDBシステムのデータ格納先は、ハード障害時に備えて、リスト管理サーバのインストール先とは別のディスクを指定することを推奨します。
以下の範囲で未使用の値を設定してください。
Windows Server 2003の場合:5001~49151
Windows Server 2012、Windows Server 2008 R2またはWindows Server 2008の場合:1024~49151
以降の説明では、リモートアクセスで使用するポート番号を「2050」として説明しています。実際に設定したポート番号に置き換えてお読みください。
注意
ポート番号を変更するときは、“(5) 保管データベースの接続設定”の“手順1:データベース接続用設定ファイルの編集”で設定するポート番号もあわせて変更します。
マルチRDB運用を行っている場合は、それぞれ異なるポート番号を指定してください。
5台以上のリスト管理サーバでフォルダ共有運用する場合は、以下の方法で計算した値と初期値である256のうち、大きい方の値を設定してください。
1台のリスト管理サーバは、サーバ処理で33セッション、リストクリーナ-サーバ・サーバ機能API・サーバコマンドの起動時にそれぞれ1セッション使用するため、同時起動する分のセッションが必要です。
リストクリーナ-サーバ、サーバ機能APIおよびサーバコマンドを使用しない場合でも、同時起動する分のセッションとして、2セッションを指定してください。
リスト管理サーバの台数に応じて、以下のように設定してください。
(33+リストクリーナ-サーバ、サーバ機能APIおよびサーバコマンドの同時起動数)×サーバ台数 |
リストクリーナ-サーバ、サーバ機能APIおよびサーバコマンドを使用せず、10台接続する場合の例: (33セッション+2セッション)×10台=350
マルチプロセス運用を行う場合は、以下の計算方法で算出された値を設定します。
(33×リスト管理サーバの起動プロセス数)+ サーバ機能APIおよびサーバコマンドの同時起動数(*)
(*)サーバ機能APIおよびコマンドを使用しない場合は、同時起動数に「10」を指定します。
256を設定します。
算出された値を設定します。
リスト管理サーバの起動プロセス数が20、サーバ機能APIおよびサーバコマンドを使用しない場合の例: (33×20)+10 = 670
クラスタシステムで運用する場合に、必要に応じて編集します。
クラスタシステムで運用する場合に、運用系の場合は「0」、待機系の場合は「1」をします。
以下の計算方法で必要なメモリ量を算出します。
物理メモリに算出された値以上の余裕がある場合は、算出された値を設定します。
1フォルダあたりに保管する最大帳票数 ÷ 8 × 同時ログイン数
算出された値 ≦ 4317 の場合
4317を設定します。
4317 < 算出された値 < 65535 の場合
算出された値を設定します。
65535 ≦ 算出された値 の場合
65535を設定します。
「RDB_BUFFER8K」に設定する値 × 8KB |
List Worksのデータベース以外で、システムID「25」を使用している場合は、1~31の間で使用していないIDに変更します。
コマンドプロンプトを起動し、手順1の複写先フォルダ配下の「setupLWDB.bat」を実行します。
例)
C:\LW\db\symfo\LWDB > setupLWDB.bat
実行後、コマンドプロンプト上に、「RDBシステム(LWDB)の作成を終了しました。」のメッセージが表示されることを確認します。
実行中にエラーが発生した場合は、以下の手順でRDBシステムを削除してから、再度作成します。
ログファイルを参照し、エラーメッセージを確認します。
ログファイルは、setupLWDB.batを実行したカレントディレクトリに、以下のファイル名で出力されます。
rdbsetsyslog_LWDB.txt
rdbsetuplog_LWDB.txt
エラーの原因を取り除きます。
RDBシステムを削除します。
注意
作成したRDBシステムを削除するには、setupLWDB.batを実行したときに出力される「setupLWDB.dat」が必要です。このため、手順1の複写先フォルダを削除しないでください。
コマンドプロンプトを起動し、手順1の複写先フォルダ配下の「deleteLWDB.bat」を実行します。
例)
C:\LW\db\symfo\LWDB > deleteLWDB.bat |
実行後、コマンドプロンプト上に、「RDBシステム(LWDB)の削除を終了しました。」のメッセージが表示されることを確認します。
なお、実行中にエラーが発生しても、エラーメッセージが出力されない場合がありますので、ログファイルを参照し、エラーの内容を確認してください。ログファイルは、手順1の複写先フォルダ配下に以下のファイル名で出力されます。
rdbdelsyslog_LWDB.txt
rdbdeletelog_LWDB.txt
実行時にエラーが発生した場合でも、RDBシステムの削除は中断されず、最後まで実行されます。
setupLWDB.batを再度実行します。
保管データベースがList Worksサーバとは別のサーバ(データベースサーバ)に存在する場合は、以下の確認が必要です。
データベースサーバのWindowsファイアウォールの設定が「有効」の場合は、保管データベースで使用するポート番号を「例外」または「受信の規則」として設定する必要があります。「無効」の場合は設定する必要はありません。
Windowsファイアウォールの設定については、“付録F Windowsファイアウォールの設定”を参照してください。 |
(4) 保管データベースの作成(データベース構築スクリプトの実行)
データベース構築スクリプトを使用して保管データベースを作成します。
クラスタ運用する場合は、運用系または待機系のどちらかでデータベース構築スクリプトを実行します。
作成手順を以下に示します。
“(2) RDBシステムの作成”の手順1の複写先フォルダ配下にあるcreateLWDB.datを開いて、以下の内容を編集して保存します。保管データベースのスペース量などは、Database見積もりツールで求めた値を反映します。
保管データベースの場所(物理パス)
項目ごとの保管データベースのスペース量、インデックス データ部のスペース量、インデックス インデックス部のスペース量、およびディスクスペース容量(合計値)
データベース構築スクリプトの編集の詳細については、“2.4.3 保管データベース作成用のファイル編集”を参照してください。 |
コマンドプロンプトを起動し、手順1で編集したcreateLWDB.batを実行します。
例)
C:\LW\db\symfo\LWDB > createLWDB.bat
実行後、コマンドプロンプト上に、「データベースの構築が完了しました。」のメッセージが表示されることを確認します。
実行中にエラーが発生した場合は、“(2) RDBシステムの作成”の手順3にある「実行中にエラーが発生した場合」の手順で、RDBシステムを削除してから、再度作成します。
なお、ログファイルは、createLWDB.batを実行したカレントディレクトリに、以下のファイル名で出力されます。
dbsetuplog_LWDB.txt
ポイント
データベース構築スクリプトの実行中に出力される可能性の高いメッセージを、“付録C データベース環境設定時のメッセージ”に抜粋して説明しています。参考にしてください。また、詳細なメッセージの説明については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。
参考
List Works標準のデータベース構築スクリプトを実行した場合の所要時間の目安は、15分です。
なお、所要時間はサーバスペックなどにより左右されますので、ご注意ください。
スクリプトの実行が完了したら、保管データベースへの接続確認を行います。
コマンドプロンプト上で、以下の構文(rdbexecsql -s RDBシステム名.保管データベース名)を入力して実行します。保管データベース名は「LWDB」固定です。
> rdbexecsql -s LWDB.LWDB
「SQL>」と表示されたら、以下の構文を入力して実行します。
SQL> SELECT * FROM LW.LW_USER
以下のような結果が表示されれば、保管データベースは正常に構築されています。
SQL> SELECT * FROM LW.LW_USER Number of records:0 SQLSTATE:00000 SQLMSG:JYP2001I 正常に終了しました. SQL>
エラーが発生した場合は、Symfowareのエラーメッセージが表示されます。
エラーメッセージが表示された場合は、保管データベースの作成に失敗している可能性がありますので、“付録C データベース環境設定時のメッセージ”を参考にしてください。
エラーメッセージの詳細は、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。 |
以下の構文を入力して実行し、確認で使用したsqlexecコマンドを終了します。
SQL> QUIT
以下のメッセージが表示されますので、確認したら、コマンドプロンプトを閉じてください。
qdg02200i:rdbexecsqlが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=LWDB)
保管データベースの作成まで完了したら、保管データベースとの接続のために、以下の表に示す作業を行います。保管データベースの配置場所によって作業が異なります。
作業順番 | 作業 | List Worksサーバに保管データベースが存在する場合 | List Worksサーバとは別にデータベースサーバを設定する場合 |
---|---|---|---|
1. | データベース接続用設定ファイルの編集 | × | ○ |
2. | 環境変数の設定 | × | ○ |
3. | コンピュータの再起動 | × | ○ |
4. | リスト管理サーバの環境設定 | ○ | ○ |
○:実施必要
×:実施不要(行わないでください)
注意
保管データベースをList Worksサーバとは別にデータベースサーバとして設定する場合は、上記の作業をList Worksサーバ上で行います。
リスト管理サーバがSymfowareデータベースに接続するための設定ファイルを、実行環境に合わせて編集します。
データベース接続用設定ファイル(sqlrt.env)が、「List Worksインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB」配下に格納されています。
以下に示す「sqlrt.env」の太字下線の部分を動作環境に合わせて編集します。
SERVER_SPEC=(RDB2_TCP,LWDB,LWDB,localhost,2050)
データベースサーバのホスト名を指定します。
“2.4.1 Symfowareデータベースの環境設定”の“(2) RDBシステムの作成”のsetupLWDB.batで指定したポート番号を指定します。
以下の手順でシステム環境変数を設定します。なお、Windowsの操作については、Windows Server 2008 R2の操作方法で説明しています。
【スタート】メニューの【コントロールパネル】をクリックします。
→【コントロールパネル】ウィンドウが表示されます。
【システム】をクリックします。
→【システム】ウィンドウが表示されます。
コンソールツリーで【システムの詳細設定】をクリックします。
→【システムのプロパティ】ダイアログボックスの【詳細設定】タブが表示されます。
【環境変数】ボタンをクリックします。
→【環境変数】ダイアログボックスが表示されます。
「システム環境変数」の【新規】ボタンをクリックします。
→【新しいシステム変数】ダイアログボックスが表示されます。
【新しいシステム変数】ダイアログボックスに、以下の値で新しいシステム環境変数を追加します。このシステム環境変数は、保管データベースの接続に必要となります。
SQLRTENV
データベース接続用設定ファイルの物理パス(List Worksインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB\sqlrt.env)
注意
システム環境変数SQLRTENVが既に設定されている場合、管理者のユーザ環境変数SQLRTENVにデータベース接続用設定ファイルの物理パスを設定してください。ユーザ環境変数SQLRTENVにデータベース接続用設定ファイルの物理パスを設定した場合、以下の操作はユーザ環境変数SQLRTENVを設定した管理者で実行してください。
サーバ機能API
List Worksのコマンド
【新しいシステム変数】ダイアログボックスの【OK】ボタンをクリックします。
【環境変数】ダイアログボックスの【OK】ボタンをクリックします。
【システムのプロパティ】ダイアログボックスの【OK】ボタンをクリックします。
環境変数の設定まで完了したら、コンピュータを再起動します。
参考
次のリスト管理サーバの環境設定後に再起動する手順でも構いません。
リスト管理サーバの環境設定時に、使用する保管データベースの接続情報を設定します。【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【データベース】タブで設定します。
リスト管理サーバの環境設定については、“2.4.5 リスト管理サーバの環境設定”を参照してください。 |