仮想マシンの作成や各種操作を行う場合、あらかじめ、ポリシーを作成します。
vSphere Web Clientの操作手順は、以下のとおりです。
[ホーム]から、[仮想マシンストレージポリシー]をクリックします。
[仮想マシンストレージポリシーを新規作成します]のアイコンをクリックします。
画面の表示に従って操作します。
[ルールセット]において、[データサービスに基づくルール]として[com.fujitsu.eternus]を選択すると、[ルールの追加]のプルダウンメニューが表示されます。このプルダウンメニューから、任意の機能を追加し、機能ごとの値を指定してください。
[ストレージ互換性]において、作成したポリシーを満たすことのできるVVOLデータストアが[互換ストレージ]に表示されます。[互換ストレージ]にVVOLデータストアが表示されなかった場合は、[ルールセット]の操作をやり直してください。
ポイント
[ルールの追加]では、以下の機能を追加できます。
仮想マシンバックアップ
ストレージ自動階層制御(拡張)
QoS自動化(拡張)
キャッシュ(拡張)
セキュリティ(拡張)
追加しなかった機能では、その機能のデフォルト値が設定されます。
ポリシーを指定して選択されたVVOLデータストアが複数のTierプールで構成されている場合は、Virtual Volume数が少ないTierプールにVirtual Volumeが作成されます。
注意
[共通機能に基づくルール]および[タグに基づくルール]は使用しないでください。
[別のルールセットの追加]は行わないでください。
機能によってポリシーの適用範囲が異なります。
機能 | ポリシーの適用単位 |
---|---|
仮想マシンバックアップ | 仮想マシン |
ストレージ自動階層制御(拡張) | TierプールまたはVirtual Volume |
QoS自動化(拡張) | Virtual Volume |
キャッシュ(拡張) | Virtual Volume |
セキュリティ(拡張) | Tierプール |
ポリシーを適用するには、仮想マシン作成時のストレージの選択(仮想マシンのファイルを格納するデータストアの選択)において、運用要件を満たすポリシーが設定されている仮想マシンストレージポリシーを選択します。
「仮想マシンバックアップ」を除くポリシーは、仮想マシン作成時に適用されます。仮想マシンの作成方法は、「3.4.1 仮想マシンの作成」を参照してください。
「仮想マシンバックアップ」のポリシーは、仮想マシンの電源をONにすると適用されます。
以下の機能は、プロパティの設定により、ポリシー適用完了後に自動的に開始されます。
機能 | プロパティ | 値 |
---|---|---|
仮想マシンバックアップ | 動作モード | Auto |
ストレージ自動階層制御(拡張) | - | - |
QoS自動化(拡張) | QoS自動化の有効/無効 | Enable |
キャッシュ(拡張) | Extreme Cache | Any(注1)、Enable |
セキュリティ(拡張) | データ暗号化 | Any(注2)、Enable |
-(ハイフン): プロパティの設定に関係なく開始されます。
注1: Extreme CacheまたはExtreme Cache Poolが登載されているストレージを利用する場合
注2: 暗号化されたTierプールを利用する場合
仮想マシンに接続されている仮想ディスク(Virtual Volume)のバックアップ運用は、仮想マシンに設定されているポリシーに従って実施されます。
注意
ポリシーの適用が失敗した場合は、「仮想マシンバックアップ」、「ストレージ自動階層制御(拡張)」、または「QoS自動化(拡張)」の自動運用が開始されません。このため、仮想マシンを作成したあと、ポリシーが正しく適用されていることを確認してください。
ポリシーの適用確認方法は、「3.3.3 ポリシーの適用確認」を参照してください。
適用したポリシーに「QoS自動化(拡張)」が含まれている場合、性能監視対象のVirtual Volumeだけに対してQoS自動化を開始します。Virtual VolumeをQoS自動化の対象とする場合は、そのVirtual Volumeを本製品の性能監視対象となるように性能管理の設定を変更してください。設定の変更方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「性能管理指示」を参照してください。
ポリシーの設定値(プロパティの値)と動作条件は、以下のとおりです。
機能 | プロパティ | 値 | 動作条件 |
---|---|---|---|
仮想マシンバックアップ | 動作モード | Auto | ETERNUS SFシステムに、仮想マシンバックアップ機能を使用するためのライセンスが設定されていること |
クローンバックアップの取得 | Enable | ETERNUS SFシステムに、クローンバックアップ用VVOLデータストアが作成されていること | |
ストレージ自動階層制御(拡張) | 階層数 | 2または3 | ETERNUS SFシステムに、ストレージ自動階層制御機能を使用するためのライセンスが設定されていること |
QoS自動化(拡張) | QoS自動化の有効/無効 | Enable | ETERNUS SFシステムに、QoS自動化機能を使用するためのライセンスが設定されていること、および |
割当て率調整 | On | ETERNUS SFシステムに、ストレージ自動階層制御機能を使用するためのライセンスが設定されていること | |
キャッシュ(拡張) | Extreme Cache | Enable | VVOLデータストアを構成するストレージ装置にExtreme CacheまたはExtreme Cache Poolが登載されていること |
セキュリティ(拡張) | データ暗号化 | Enable | VVOLデータストアを構成するストレージ装置が暗号化機能をサポートしていること |
以下のポリシーについて説明します。
仮想マシンバックアップのポリシーについて説明します。
仮想マシンバックアップのポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「仮想マシンバックアップ」を追加しておく必要があります。
仮想マシンバックアップのポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
仮想マシンバックアップのポリシーは、Virtual Volume単位ではなく、仮想マシン単位で設定してください。
プロパティ | 説明 | デフォルト値 | 変更の可否 |
---|---|---|---|
動作モード | 仮想マシンバックアップ機能の動作方法を指定する動作モードを選択します。
この項目に"Auto"または"Manual"を選択しても、以下のプロパティ設定(バックアップを取得しない設定)を行った場合は、自動的に"Disable"が設定されます。
| Disable | 可 |
実行周期 | バックアップの自動実行を実施する間隔を選択します。
| Monthly | 可 |
実行間隔(Hour) | [実行周期]に"Hourly"を指定した場合に、その実行間隔を時間単位で選択します。選択できる時間間隔は、1、2、3、4、6、8、または12です。 | 12 | 可 |
実行曜日(Week) | [実行周期]に"Weekly"を指定した場合に、その実行曜日を選択します。複数の曜日を選択できます。 | Sun | 可 |
実行日(Day) | [実行周期]に"Monthly"を指定した場合に、その実行日を選択します。選択できる日は、1~31または"Last"です。1つだけ選択できます。 | 1 | 可 |
実行開始時刻(Hour) | バックアップの自動実行を開始する時刻(時)を選択します。選択できる値は、0~23です。 | 0 | 可 |
実行開始時刻(Minute) | バックアップの自動実行を開始する時刻(分)を選択します。選択できる値は、0~55(5分単位)です。 | 0 | 可 |
スナップショットバックアップ世代数 | スナップショットバックアップの保存世代数を選択します。選択できる世代数は、0~28です。"0"を選択した場合、スナップショットバックアップは保存されません。 保存世代数を超えるスナップショットバックアップを実施した場合、バックアップを実施したあとに、最古の世代が自動的に削除されます。 | 1 | 可 |
静止ゲストファイルシステム | バックアップ時にファイルシステムの内容を整合性のある状態にする/しないを選択します。
| Enable | 可 |
仮想メモリスナップショット | スナップショットバックアップ取得時に、メモリの内容を含める/含めないを選択します。
| Disable | 可 |
クローンバックアップの取得 | クローンバックアップを取得する/しないを選択します。
| Disable | 可 |
バックアップは、仮想マシン単位で行います。バックアップ対象は、仮想マシンに接続されている仮想ディスクです。
バックアップを行うには、以下の条件を満たす必要があります。
仮想マシンの構成情報を格納するデータストアは、VVOLデータストアであること
仮想マシン作成時の「ストレージの選択」で、VVOLデータストアを選択してください。
仮想マシンに接続されている仮想ディスクは、すべてVirtual Volumeであること
Virtual Volume以外の仮想ディスクの場合、種類・設定によりバックアップ/リストアの対象になりません。
また、仮想ディスクの種類に関係なく、独立型(通常/読取り専用)モードの場合は、バックアップ/リストアの対象になりません。
詳細は、以下のとおりです。
仮想ディスクの種類 | スナップショットバックアップ、スナップショットバックアップからのリストア | クローンバックアップ、クローンバックアップからのリストア | シングルアイテムリストア |
---|---|---|---|
Virtual Volume | ○ | ○ | ○ |
VMFS | ○ | × | × |
RDM | ○ | × | × |
RDM | × | × | × |
○: 処理対象
×: 処理対象外
注意
クローンバックアップからのリストアにおいて、バックアップ/リストア対象外の仮想ディスクの接続構成は復元されません。必要に応じて、VMware vCenter Serverから再接続してください。
ストレージ自動階層制御のポリシーについて説明します。
ストレージ自動階層制御のポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「ストレージ自動階層制御(拡張)」を追加しておく必要があります。
ストレージ自動階層制御のポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
プロパティ | 説明 | デフォルト値 | 変更の可否 |
---|---|---|---|
階層数 | VVOLデータストアに含まれるTierプールの階層数を指定します。指定した階層数のTierプールを持つVVOLデータストアがVirtual Volumeの配置先の候補になります。
| Any | 不可 |
実行モード | VVOLデータストアに含まれるTierプールの実行モードを指定します。
[実行モード]に"Any"を指定した場合、または[階層数]に"1"を指定した場合は、すべての実行モードのTierプールを持つVVOLデータストアが候補になります。 | Any | 不可 |
優先FTSP | Virtual Volumeに新たなデータを割り当てる際、どのサブプールに優先的に割り当てるかを指定します。
[優先FTSP]の指定は、[階層数]の指定との間に以下の関係があります。
| Auto | 可 |
Low割当て率(%) | 再配置の際にLowサブプールに割り当てるボリュームの容量比率です。指定できる値は、0~100です。 | 0 | 可 |
Middle割当て率(%) | 再配置の際にMiddleサブプールに割り当てるボリュームの容量比率です。指定できる値は、0~100です。 | 0 | 可 |
High割当て率(%) | 再配置の際にHighサブプールに割り当てるボリュームの容量比率です。指定できる値は、0~100です。 | 0 | 可 |
参照
各プロパティおよびストレージ自動階層制御の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。
QoS自動化のポリシーについて説明します。
QoS自動化のポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「QoS自動化(拡張)」を追加しておく必要があります。
QoS自動化のポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
プロパティ | 説明 | デフォルト値 | 変更の可否 |
---|---|---|---|
QoS自動化の有効/無効 | QoS自動化機能を使用するかどうかを指定します。
"Any"または"Disable"を選択した場合、ほかのプロパティの設定は使用されません。 | Any | 可 |
QoS自動化:優先度 | Virtual VolumeのQoS自動化の優先度を指定します。
"Set Response Time"を指定した場合だけ、「目標レスポンスタイム(ミリ秒)」プロパティの設定が有効になります。 | No Set | 可 |
目標レスポンスタイム | QoS自動化の目標値をレスポンスタイムで指定します。指定できる値は、0~10000です。 このプロパティは、「QoS自動化:優先度」プロパティに"Set Response Time"を指定した場合だけ有効です。 | 0 | 可 |
割当て率調整 | ストレージ自動階層制御との連携を行うかどうかを指定します。
| Off | 可 |
注意
[割当て率調整]に"On"を指定した場合、「ストレージ自動階層制御(拡張)」の[階層数]に"Any"を指定してください。
参照
各プロパティおよびQoS自動化機能の詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』を参照してください。
キャッシュのポリシーについて説明します。
キャッシュのポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「キャッシュ(拡張)」を追加しておく必要があります。
キャッシュのポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
プロパティ | 説明 | デフォルト値 | 変更の可否 |
---|---|---|---|
Extreme Cache | Extreme Cache機能を使用するかどうかを指定します。
| Any | 可 |
セキュリティのポリシーについて説明します。
セキュリティのポリシーを設定するには、仮想マシンストレージポリシーの作成時に、機能として「セキュリティ(拡張)」を追加しておく必要があります。
セキュリティのポリシーとして設定可能なプロパティは、以下のとおりです。
プロパティ | 説明 | デフォルト値 | 変更の可否 |
---|---|---|---|
データ暗号化 | 暗号化されたVirtual Volumeを作成するかどうかを指定します。
| Any | 不可 |