List Worksの帳票、印刷資源、および保管データベースを、定期的に退避したバックアップデータから復元する方法について説明します。
以下の場合に、バックアップデータから復元する必要が発生します。
保管データベースが破損した場合
保管データベースが破損している状態では、以下のような現象がおきます。
保管フォルダや帳票が帳票一覧に表示されない
ハードウェア障害で保管データベースが起動できない など
保管データベースが起動できない場合は、データベースサービスの起動に失敗しています。この情報は、イベントログに保管データベースのイベントとして出力されます。
保管フォルダおよび帳票が破損した場合
保管フォルダおよび帳票が破損している状態では、帳票ファイルが存在しません。この場合、以下のような現象がおきます。
保管フォルダ配下の帳票が表示されない
保管フォルダが表示されない など
保管データベース、保管フォルダ、および帳票が破損した場合
例えば、以下の2つの現象が同時に起きている状態です。
保管データベースが破損した場合の現象
保管フォルダおよび帳票が破損した場合の現象
“(2) 保管データベースが破損した場合に、破損直前の状態まで復元 <Windows版>”の手順で復元します。
保管データベースのみが破損した場合、バックアップデータから保管データベースを復元した後、List Worksサービスをコールドスタートで開始します。これにより、保管フォルダとの比較が行われ、保管データベースのバックアップ以降、破損直前までに追加された保管フォルダや帳票を復元することができます。
復元方法の詳細については、“(2) 保管データベースが破損した場合に、破損直前の状態まで復元 <Windows版>”を参照してください。
List Worksサービスのコールドスタートの方法については、“(2) 保管データベースが破損した場合に、破損直前の状態まで復元 <Windows版>”の“手順5:List Worksサービスの開始(コールドスタート)”を参照してください。
“(1) 退避時の状態まで復元 <Windows版>”の手順で復元します。
この場合、保管データベース、保管フォルダともバックアップデータを復元するため、退避時の状態に戻ります。退避後、破損するまでに行った変更については、復元されません。
また、退避後、破損するまでに作成した保管フォルダおよび登録した帳票については、再度、作成および登録する必要があります。
このため、退避の間隔を調整するなど運用設計を行ってください。
保管フォルダの格納場所であるディスクが破損した場合は、ディスク交換などの作業の後に“(1) 退避時の状態まで復元 <Windows版>”で復旧してください。
復元方法の詳細については、“(1) 退避時の状態まで復元 <Windows版>”を参照してください。
“(1) 退避時の状態まで復元 <Windows版>”の手順で復元します。
退避したバックアップデータを用いて、保管フォルダ配下の帳票、印刷資源、保管データベースの状態を、退避時の状態まで復元する方法です。
復元方法の詳細については、“(1) 退避時の状態まで復元 <Windows版>”を参照してください。
バックアップデータを用いて、保管フォルダ配下の帳票、印刷資源、および保管データベースの状態を、退避時の状態まで復元する方法について説明します。
復元の手順を以下に示します。
手順 | 使用しているデータベースシステム | |||
---|---|---|---|---|
List Works組込 | Symfoware | Oracle | ||
(1) | スクリプトの複写 | - | ○(注) | - |
(2) | スクリプトの修正 | ○ | ○ | - |
(3) | List Worksサービスの停止 | ○ | ○ | ○ |
(4) | フォルダ、印刷資源の復元 | ○ | ○ | ○ |
(5) | 保管データベースの復元 | ○ | ○ | ○ |
(6) | List Worksサービスの開始 | ○ | ○ | ○ |
○:必要 -:不要
注:SymfowareがList Worksサーバとは異なるサーバにある場合のみ実施します。
保管データベースの復元では、以下のスクリプトを使用します。
List Works組込データベースの場合
List Worksのインストール先フォルダ\db\lwdb\LWDB\restoreLWDB.bat
Symfowareの場合
List Worksのインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB\restoreLWDB.bat
注意
復元処理中は、リストクリーナ - サーバまたはF5CWDSDL.EXEコマンドを実行しないでください。
手順1:スクリプトの複写(SymfowareがList Worksサーバとは異なるサーバにある場合)
SymfowareがList Worksサーバとは異なるサーバ(データベースサーバ)にある場合は、スクリプト(restoreLWDB.bat)をデータベースサーバへ複写します。
手順2:スクリプトの修正(List Works組込データベース、またはSymfowareの場合のみ)
スクリプト(restoreLWDB.bat)の修正をします。
復元する退避ファイルの格納先に合わせ、スクリプトの以下の箇所(太字下線)を修正します。
@rem /*----------------------------------------------------------------*/
@rem /* リストアする退避ファイルの格納先を指定します。 */
@rem /*----------------------------------------------------------------*/
@SET RESTORE_DATA_FILE_PATH="C:\TEMP\LWDB_BAK"
Symfowareで、保管データベースのRDBシステム名をLWDB以外に変更している場合は、スクリプトの以下の箇所(太字下線)を、環境に合わせて修正します。
@rem /*------------------------------------------------------------------*/
@rem /* 保管データベースのRDBシステム名を指定します。 */
@rem /* RDBシステム名をLWDB以外にしている場合は、環境に合わせて変更して */
@rem /* ください。 */
@rem /*------------------------------------------------------------------*/
@SET RDBNAME=LWDB
手順3:List Worksサービスの停止
List Worksの復元を実施する場合は、必ずList Worksサービスを停止した状態で行ってください。
List Worksサービスの停止方法については、“8.2.2 List Worksサービスの停止”を参照してください。
以下のフォルダや印刷資源について、エクスプローラなどを使用して、退避フォルダや媒体から復元先のフォルダに複写(復元)します。なお、フォルダの階層構造やアクセス権は崩さず復元してください。
受信フォルダ
保管フォルダ
印刷フォルダ
ファイリングフォルダ
オーバレイ(帳票を表示する際に使用)
印刷資源
電子保存装置(データ転送コネクタ)
仕分け定義体(EEのみ)
注意
保管フォルダの共有運用を行っている場合
フォルダおよび印刷資源によって、復元を実施するサーバが異なります。以下に従って実施してください。
各サーバで実施
受信フォルダ
印刷フォルダ
ファイリングフォルダ
印刷資源
電子保存装置
仕分け定義体
いずれか1台のサーバで実施
保管フォルダ
オーバレイ
クラスタ運用を行っている場合
フォルダおよび印刷資源によって、復元を実施するサーバが異なります。以下に従って実施してください。
運用ノードおよび待機ノードの各サーバで実施
受信フォルダ
印刷フォルダ
ファイリングフォルダ
印刷資源
オーバレイ
電子保存装置
仕分け定義体
運用ノードのサーバで実施
保管フォルダ
各フォルダの復元場所を以下に示します。
各フォルダ | 格納場所 |
---|---|
受信/印刷フォルダ | 受信フォルダと印刷フォルダは、同時に復元する必要があります。
|
保管フォルダ (注1) | 第一階層の保管フォルダのプロパティに表示されるフォルダの場所 |
ファイリングフォルダ | 【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【資源】タブで指定した「システムファイル」の格納場所のフォルダ配下のManage\FolManagerフォルダ |
印刷資源 | 【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【登録】タブで指定した「印刷資源」の格納場所のフォルダ (注2) |
オーバレイ (注3) | 【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【資源】タブで指定した「オーバレイ」の格納場所のフォルダ (注4) |
電子保存装置(データ転送コネクタ) | List Worksのインストール先フォルダ\Print-Adapter\etc\lwvprint.ini (注5) |
仕分け定義体(EEのみ) | 扱う帳票によって、仕分け定義体の格納場所が異なります。 (注6)
|
データベース構築スクリプト(List Works組込データベース、またはSymfowareの場合) | 保管データベースの環境設定で、RDBシステムの作成時に複写した複写先フォルダ |
注1:保管フォルダには、mem、srhなどの関連ファイルが含まれます。
注2:HOST PRINTで印刷資源(オーバレイなど)を管理している場合は、HOST PRINTの環境移行支援ツールを使用して退避したデータを用いて、HOST PRINTの環境を復元してください。
環境移行支援ツールの詳細は、“HOST PRINTのマニュアル”を参照してください。
注3:リスト管理サーバの帳票を表示する際に使用するオーバレイです。
注4:オーバレイの格納場所のフォルダにはfldファイルが含まれます。
注5:電子保存装置にデータ転送コネクタを指定した場合に有効となります。List Works仮想プリンタの情報を復元したい場合は、OSの復元機能を使用してシステム全体を復元ください。
注6:運用によって、仕分け定義体の格納場所を変更している場合は、変更した格納場所に仕分け定義体を復元してください。
保管データベースを復元します。
保管フォルダの共有運用およびクラスタシステムでの運用を行っている場合は、以下の注意があります。
注意
保管フォルダの共有運用を行っている場合は、データベースがインストールされているサーバで保管データベースの復元を実施してください。
クラスタ運用を行っている場合は、待機ノードのクラスタサービスとデータベースサービスを停止し、運用ノードのサーバで保管データベースの復元を実施してください。
データベースのクラスタ運用の詳細については、“Symfowareのマニュアル”および“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
復元方法は、使用しているデータベースシステムによって異なります。
“手順2:スクリプトの修正(List Works組込データベース、またはSymfowareの場合のみ)”で修正したスクリプト(restoreLWDB.bat)を実行します。
スクリプトの実行中にエラーが発生した場合は、ログファイル(restorelog_LWDB.txt)を参照し、エラーメッセージを確認します。ログファイルは、スクリプトを実行したカレントフォルダに出力されます。
保管データベースの復元処理時に出力される可能性の高いメッセージを、“メッセージ集”に抜粋して説明しています。参考にしてください。 また、詳細なエラーメッセージの説明については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。
Oracleの各種ツール(Oracle Enterprise Managerなど)を使用して復元します。
Oracleの各種ツールの詳細については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
手順6:List Worksサービスの開始
(2) 保管データベースが破損した場合に、破損直前の状態まで復元 <Windows版>
保管データベースのみが破損した場合、退避したバックアップデータを利用して、保管データベースが破損する直前の状態まで復元する方法について説明します。
復元の手順を以下に示します。
手順 | 使用しているデータベースシステム | |||
---|---|---|---|---|
List Works組込 | Symfoware | Oracle | ||
(1) | スクリプトの複写 | - | ○(注) | - |
(2) | スクリプトの修正 | ○ | ○ | - |
(3) | List Worksサービスの停止 | ○ | ○ | ○ |
(4) | 保管データベースの復元 | ○ | ○ | ○ |
(5) | List Worksサービスの開始(コールドスタート) | ○ | ○ | ○ |
(6) | 保管フォルダ名、フォルダの階層構造、アクセス権の復元 | ○ | ○ | ○ |
(7) | 第一階層の保管フォルダの復元 | ○ | ○ | ○ |
○:必要 -:不要
注:SymfowareがList Worksサーバとは異なるサーバにある場合のみ実施します。
注意
ハード障害による保管データベースの破損の場合は、上記の復元手順の前に、壊れたディスクを交換し、List Worksとデータベースの再インストール、および環境設定を行う必要があります。
List Worksとデータベースのインストールについては、“インストールガイド”を参照してください。 List Worksと保管データベースの環境設定については、“セットアップガイド”を参照してください。
復元処理中は、リストクリーナ - サーバまたはF5CWDSDL.EXEコマンドを実行しないでください。
保管データベースの復元では、以下のスクリプトを使用します。
手順1:スクリプトの複写(SymfowareがList Worksサーバとは異なるサーバにある場合)
SymfowareがList Worksサーバとは異なるサーバ(データベースサーバ)にある場合は、スクリプト(restoreLWDB.bat)をデータベースサーバへ複写します。
手順2:スクリプトの修正(List Works組込データベース、またはSymfowareの場合)
スクリプト(restoreLWDB.bat)の修正をします。
復元する退避ファイルの格納先に合わせ、スクリプトの以下の箇所(太字下線)を修正します。
@rem /*----------------------------------------------------------------*/
@rem /* リストアする退避ファイルの格納先を指定します。 */
@rem /*----------------------------------------------------------------*/
@SET RESTORE_DATA_FILE_PATH="C:\TEMP\LWDB_BAK"
Symfowareのとき、保管データベースのRDBシステム名をLWDB以外に変更している場合は、スクリプトの以下の箇所(太字下線)を、環境に合わせて修正します。
@rem /*------------------------------------------------------------------*/
@rem /* 保管データベースのRDBシステム名を指定します。 */
@rem /* RDBシステム名をLWDB以外にしている場合は、環境に合わせて変更して */
@rem /* ください。 */
@rem /*------------------------------------------------------------------*/
@SET RDBNAME=LWDB
手順3:List Worksサービスの停止
List Worksの復元を実施する場合は、必ずList Worksサービスを停止した状態で行ってください。
List Worksサービスの停止方法については、“8.2.2 List Worksサービスの停止”を参照してください。
保管データベースを復元します。
保管フォルダの共有運用およびクラスタシステムでの運用を行っている場合は、以下の注意があります。
注意
保管フォルダの共有運用を行っている場合は、データベースがインストールされているサーバで保管データベースの復元を実施してください。
クラスタ運用を行っている場合は、待機ノードのクラスタサービスとデータベースサービスを停止し、運用ノードのサーバで保管データベースの復元を実施してください。
データベースのクラスタ運用の詳細については、“Symfowareのマニュアル”および“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
復元方法は、使用しているデータベースシステムによって異なります。
“手順2:スクリプトの修正(List Works組込データベース、またはSymfowareの場合)”で修正したスクリプト(restoreLWDB.bat)を実行します。
スクリプトの実行中にエラーが発生した場合は、ログファイル(restorelog_LWDB.txt)を参照し、エラーメッセージを確認します。ログファイルは、スクリプトを実行したカレントフォルダに出力されます。
保管データベースの復元処理時に出力される可能性の高いメッセージを、“メッセージ集”に抜粋して説明しています。参考にしてください。 また詳細なエラーメッセージの説明については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。
Oracleの各種ツール(Oracle Enterprise Managerなど)を使用して復元します。
Oracleの各種ツールの詳細については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
手順5:List Worksサービスの開始(コールドスタート)
List Worksサービスをコールドスタートします。
List Worksサービスをコールドスタートすると、保管フォルダと保管データベースの比較が行われ、保管データベースのバックアップから破損直前までに追加された保管フォルダおよび帳票が自動的に復元されます。
注意
保管フォルダの共有運用を行っている場合は、いずれか1台のサーバで実施してください。
クラスタ運用を行っている場合は、運用ノードのサーバで実施してください。
保管フォルダ数、および保管フォルダ内の帳票数が多い場合、List Worksサービスのコールドスタートに時間がかかる場合があります。
【スタート】メニューの【管理ツール】-【サービス】から「List Works」サービスのプロパティ画面を起動し、「開始パラメータ」に“cold”オプションを付加してサービスを開始してください。
手順6:保管フォルダ名、フォルダの階層構造、アクセス権の復元
List Worksサービスのコールドスタートによって復元された保管フォルダについては、以下の作業を行います。
復元された保管フォルダのフォルダ名の変更
復元された保管フォルダの階層構造の変更
保管フォルダと帳票のアクセス権の変更
注意
保管フォルダの共有運用を行っている場合は、いずれか1台のサーバで実施してください。
クラスタ運用を行っている場合は、運用ノードのサーバで実施してください。
List Worksサービスのコールドスタートにより自動的に保管データベースに再登録された保管フォルダは、「復旧されたフォルダ_YYYYMMDD_HHMM_nnnnn」(nnnnnは連番)という名称で復旧されるため、リストナビを使用してフォルダ名を変更してください。
List Worksサービスのコールドスタートにより自動的に保管データベースに再登録される保管フォルダは、第一階層の保管フォルダ直下のフォルダとして復元されるため、リストナビを使用して正しいフォルダ位置に移動してください。
List Worksサービスのコールドスタートにより自動的に保管データベースに再登録される保管フォルダのアクセス権には、すべて初期値が設定されるため、管理者ツールを利用してアクセス権を再設定してください。
リストナビによるフォルダ名の変更、フォルダの移動、および管理者ツールによるアクセス権の設定方法については、“6.1.4 保管フォルダ名を変更、移動、複写する”および“6.5 保管フォルダ/帳票のアクセス権の設定”を参照してください。
注意
List Worksサービスのコールドスタートでは、以下の項目については破損直前の状態に復元することができません。必要に応じて再操作などを行い復旧してください。
帳票は、帳票登録時の情報で復元されます。登録時の情報に戻る可能性のある情報は、以下に示す、各種操作で変更された情報です。
帳票名
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リモート印刷依頼の状態
ローカル印刷依頼の状態
保管データベースのバックアップから破損直前までの間に削除した帳票および保管フォルダについては、バックアップ時点の削除されていない状態に戻ります。帳票については、リストクリーナやリストナビを使用して、再度削除してください。保管フォルダについては、削除コマンドやリストナビを使用して、再度削除してください。
保管データベースのバックアップから破損直前までに追加された第一階層の保管フォルダについては、コールドスタートでは復元されません。
以下の手順で復元してください。
リストナビで、以前と同じ「保管フォルダ名」、「フォルダの場所」を指定して第一階層の保管フォルダを作成し直します。
リストナビを終了し、再度、以下の作業を順に行ってください。
注意
“手順4:保管データベースの復元”作業は、再度、行わないように注意してください。
上記の作業により、第一階層の保管フォルダ配下の保管フォルダおよび帳票が復元されます。
注意
第一階層の保管フォルダの直下に存在した帳票は「復旧されたフォルダ_YYYYMMDD_HHMM_nnnnn」として復元されたフォルダの配下に復元されます。必要に応じて帳票を第一階層のフォルダ直下に移動し、「復旧されたフォルダ_YYYYMMDD_HHMM_nnnnn」として復元されたフォルダを削除してください。
受信フォルダの「受信した帳票の振り分け先」として新規に作成した第一階層の保管フォルダを指定していた場合、「受信した帳票の振り分け先」を再度設定し直してください。