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Interstage Big DataComplex Event Processing Server V1.1.0 ユーザーズガイド
FUJITSU Software

4.4.5 CEPエンジンのセットアップ

CEPエンジンのセットアップについて説明します。

4.4.5.1 インストール直後の状態

インストール直後は、CEPエンジンを管理するCEPサービスが起動しており、また、すぐに利用可能なCEPエンジンが一つ作成されています。以降、このCEPエンジンを他のCEPエンジンと区別して指す場合は「初期CEPエンジン」とします。初期CEPエンジンは停止状態です。

図4.1 インストール直後の状態

この初期CEPエンジンは以下の設定になっています。サンプルアプリケーションの配備と動作確認はこの初期CEPエンジンを使って行うことが可能です。

項目

設定値

CEPエンジン名

インストール時に指定した名前になります。

インストール時に指定を省略した場合は"CepEngine"です。

ロギング種別

設定されていません(ロギング機能は使用しない)

ディレクトリ名

同上

ロギングファイルオープン数

同上

ロギングサイクル時間

同上

Socketアダプターポート

9600

高速フィルター機能のJVMオプション
(*1)

メモリ割り当てプールの最大値:2048MB
メモリ割り当てプールの初期値:512MB
Permanent世代領域の最大値: 192MB

複合イベント処理機能のJVMオプション
(*1)

同上

(*1) CEPエンジンが使用するメモリについての設定です。各パラメーターの詳細については、「6.3.4.1 JVMオプションのチューニング」を参照してください。


また、以下は初期CEPエンジン作成で使用したエンジン構成ファイルです。

/etc/opt/FJSVcep/cep/sample_eng.xml

エンジン構成ファイルの内容の見方については、「9.1.1 エンジン構成ファイル」を参照してください。

4.4.5.2 CEPエンジンの設定変更

初期CEPエンジンでロギング機能を使用する場合は、CEPエンジンの設定変更作業が必要です。

CEPエンジンの各種設定変更には、以下の2種類があり、それぞれ変更可能な項目が異なります。

設定変更方法

変更可能な項目

cepconfigengコマンドによる設定変更

  • ロギング設定

  • Socket通信時に使用するポート番号

cepsetjvmoptコマンドによる設定変更

  • CEPエンジンが使用するメモリ


ここでは、cepconfigengコマンドによる設定変更について説明します。

cepsetjvmoptコマンドによる設定変更については、「6.3.4.1 JVMオプションのチューニング」を参照してください。

cepconfigengコマンドによる設定変更

cepconfigengコマンドによる設定変更の流れは以下の通りです。

CEPエンジンの設定変更手順について説明します。なお、以下の作業において、コマンド実行はスーパーユーザーで行ってください。

  1. 現在のエンジン構成ファイルの用意

    cepconfigengコマンドの実行時に指定するエンジン構成ファイルには、変更対象外であるCEPエンジンも定義する必要があります。そのため、保管されている、現在のエンジン構成ファイルを元にして変更内容を定義します。

    初期CEPエンジンの作成で使用したエンジン構成ファイルは以下の場所に保管されています。

    /etc/opt/FJSVcep/cep/sample_eng.xml

    初期CEPエンジン作成で使用したエンジン構成ファイル用意する例

    # cp /etc/opt/FJSVcep/cep/sample_eng.xml /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml <ENTER>

    注意

    cepconfigengコマンドに指定するエンジン構成ファイルに、作成済みのCEPエンジンの定義が含まれていない場合、cepconfigengコマンドは定義が無いCEPエンジンを削除します。

  2. エンジン構成ファイルのバックアップ

    現在のエンジン構成ファイルを編集する前に、エンジン構成ファイルのバックアップを作成します。編集ミスにより定義情報が失われることを防ぐために、必ずバックアップを作成してください。

    エンジン構成ファイルバックアップ例

    # cp /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml /etc/opt/FJSVcep/Engine.bak.xml <ENTER>
  3. エンジン構成ファイルの編集

    エンジン構成ファイルはviコマンドなどを使用して編集し、対象のCEPエンジンの設定を定義します。

    エンジン構成ファイルの書式については、「9.1.1 エンジン構成ファイル」を参照してください。

    初期CEPエンジンのロギング機能を有効にする定義例

    インストール直後の初期CEPエンジンに対し、CEPサーバのロギング機能(出力先はエンジンログ)を有効にする場合の定義例です。

    定義中の"CepEngine"は、インストール時に指定したCEPエンジン名によって異なります。

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    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
    <subSystemConfig xmlns="urn:xmlns-fujitsu-com:cspf:bdcep:v1">
    <engineConfig id="CepEngine">
    <logging>
    <type>file</type>
    </logging>
    <socketAdapterPort>9600</socketAdapterPort>
    </engineConfig>
    </subSystemConfig>
  4. CEPサービスの起動状態確認

    cepconfigengコマンドの実行には、CEPサービスが起動していることが必要です。CEPサービスの状態確認はcepdispservコマンドで行います。cepdispservコマンドの詳細については、「8.5 cepdispserv」を参照してください。

    起動していない場合は、cepstartservコマンドによってCEPサービスを起動させてください。cepstartservコマンドの詳細については、「8.10 cepstartserv」を参照してください。

    cepdispservコマンドによるCEPサービスの起動状態の確認例

    cepdispservコマンドを実行して、以下の内容が出力されるか確認します。

    nnnnとなっている箇所には、動作しているプロセス番号が表示されます。

    CepEngineとなっている箇所には、作成済みのCEPエンジン名が表示されます。

    # cepdispserv <ENTER>
    (途中省略)
    Interstage Java EE DAS started
    (途中省略)
    Interstage Java EE Node Agent started

    (途中省略)
    CEPAgentIJServerCluster running
    CepEngine_flt not running
    CepEngine_cep not running
    (途中省略)
    Status : Running
    (途中省略)
    jsvc (pid nnnn nnnn) を実行中...
    (途中省略)
    pg_ctl: server is running (PID: nnnn)
    (途中省略)
    Command cepdispserv executed successfully.

    参考

    CEPサービスの実体

    CEPサービスは複数のプロセスから構成されるサービスです

  5. エンジンの停止状態を確認

    cepconfigengコマンドによるCEPエンジンの設定変更には、対象となるCEPエンジンが停止していることが必要です。エンジンの状態確認はcepdispengコマンドで行います。cepdispengコマンドの詳細については、「8.4 cepdispeng」を参照してください。

    CEPエンジンが起動している場合は、cepstopengコマンドによってCEPエンジンを停止させてください。cepstopengコマンドの詳細については、「8.11 cepstopeng」を参照してください。

    cepdispengコマンドによる初期CEPエンジン停止状態の確認

    cepdispengコマンドを実行し、初期CEPエンジンについて、以下の内容が出力されるか確認します。

    コマンド実行例および出力例の"CepEngine"は、インストール時に指定したCEPエンジン名によって異なります。

    # cepdispeng -e CepEngine <ENTER>
    engineId :CepEngine

    port :9600
    status_filter :STOP
    status_cep :STOP

    Command cepdispeng executed successfully.
  6. cepconfigengコマンドの実行

    編集したエンジン構成ファイルを指定して、cepconfigengコマンドを実行します。実行すると、変更確認が行われるので、そのまま実行して良いなら"y"と入力します。"n"または"q"でコマンドの実行をキャンセルできます。cepconfigengコマンドの詳細については、「8.2 cepconfigeng」を参照してください。

    cepconfigengコマンドの実行例

    編集したエンジン構成ファイルとして /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml を指定する例です

    # cepconfigeng -f /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml <ENTER>
    Are you sure you want to change the CEP Engine configuration? [y,n,q]:y
    <ENTER>
    Command cepconfigeng executed successfully.
  7. エンジン構成ファイルの保管

    cepconfigengコマンドに指定したエンジン構成ファイルは、今後さらにCEPエンジンの追加や削除、設定変更を行う際に必要になるため、大切に保管します。必要に応じて、外部媒体へのバックアップなどを検討します。

    注意

    バックアップ作成方法はシステムの管理方針により異なります。必ずマシン管理者に確認してください。

4.4.5.3 CEPエンジンの新規作成

基本的にCEPエンジンは1つだけ運用しますが、複数の開発者グループ用に開発環境を分けたい場合など、複数のCEPエンジンを用意したい場合があります。

BDCEPは、1つのCEPサーバで最大5つまでCEPエンジンを作成できます。ここでは、cepconfigengコマンドを使用したCEPエンジンの新規作成について説明します。

cepconfigengコマンドによるCEPエンジンの新規作成

cepconfigengコマンドによるCEPエンジンの新規作成の流れは以下の通りです。

CEPエンジンの新規作成手順について説明します。なお、以下の作業において、コマンド実行はスーパーユーザーで行ってください。

  1. 現在のエンジン構成ファイルの用意

    cepconfigengコマンドの実行時に指定するエンジン構成ファイルには、既存のCEPエンジンも定義する必要があります。そのため、保管されている、現在のエンジン構成ファイルを元にして追加するCEPエンジンの設定を定義します。

    ポイント

    先に、「4.4.5.2 CEPエンジンの設定変更」の実行例に従って操作した場合、現在のエンジン構成ファイルは以下のファイルになります。

    /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml

    注意

    cepconfigengコマンドに指定するエンジン構成ファイルに、既存のCEPエンジンの定義が含まれていない場合、cepconfigengコマンドは定義が無いCEPエンジンを削除します。

  2. エンジン構成ファイルのバックアップ

    現在のエンジン構成ファイルを編集する前に、エンジン構成ファイルのバックアップを作成します。編集ミスにより定義情報が失われることを防ぐために、必ずバックアップを作成してください。

    エンジン構成ファイルのバックアップ例

    # cp /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml /etc/opt/FJSVcep/Engine.bak.xml <ENTER>
  3. エンジン構成ファイルの編集

    エンジン構成ファイルはviコマンドなどを使用して編集し、新規に追加するCEPエンジンの設定を定義します。

    CEPエンジン名は、他のCEPエンジンと重複しない名前にします。エンジン構成ファイルの書式については、「9.1.1 エンジン構成ファイル」を参照してください。

    CEPエンジン NewCepEngine新規作成する定義例

    4.4.5.2のCEPエンジンの設定変更の実行例に従って変更した初期CEPエンジンのほかに、以下の設定のCEPエンジンを新規作成します。

    項目

    設定値

    説明

    CEPエンジン名

    NewCepEngine

    他のCEPエンジンと重複しない名前にします

    ロギング種別

    ロギングを使用しないため、設定しない

    ディレクトリ名

    同上

    ロギングファイルオープン数

    同上

    ロギングサイクル時間

    同上

    Socketアダプターポート

    Socket通信は行わないため、設定しない

    設定しない場合は、SOAPアダプターとHTTPアダプターのみ利用可能です。


    以下はエンジン構成ファイルの定義例です。

    9、10行目の<engineConfig id="NewCepEngine">から</engineConfig>までが、新たに追加されるCEPエンジンの定義になります。

    既存のCEPエンジンの定義は変更せずに残します。定義中の"CepEngine"は、インストール時に指定したCEPエンジン名によって異なります。

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    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
    <subSystemConfig xmlns="urn:xmlns-fujitsu-com:cspf:bdcep:v1">
    <engineConfig id="CepEngine">
    <logging>
    <type>file</type>
    </logging>
    <socketAdapterPort>9600</socketAdapterPort>
    </engineConfig>
    <engineConfig id="NewCepEngine">
    </engineConfig>
    </subSystemConfig>
  4. CEPサービスの起動状態を確認

    cepconfigengコマンドの実行には、CEPサービスが起動していることが必要です。CEPサービスの状態確認はcepdispservコマンドで行います。cepdispservコマンドの詳細については、「8.5 cepdispserv」を参照してください。

  5. cepconfigengコマンドの実行

    編集したエンジン構成ファイルを指定して、cepconfigengコマンドを実行します。実行すると、変更確認が行われるので、そのまま実行して良いなら"y"と入力します。"n"または"q"でコマンドの実行をキャンセルできます。cepconfigengコマンドの詳細については、「8.2 cepconfigeng」を参照してください。

    cepconfigengコマンドの実行例

    編集したエンジン構成ファイルとして /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml を指定する例です

    # cepconfigeng -f /etc/opt/FJSVcep/Engine.xml <ENTER>
    Are you sure you want to change the CEP Engine configuration? [y,n,q]:y
    <ENTER>
    Command cepconfigeng executed successfully.
  6. エンジン構成ファイルの保管

    cepconfigengコマンドに指定したエンジン構成ファイルは、今後さらにCEPエンジンの追加や削除、設定変更を行う際に必要になるため、大切に保管します。必要に応じて、外部媒体へのバックアップなどを検討します。

    注意

    バックアップ作成方法はシステムの管理方針により異なります。必ずマシン管理者に確認してください。