「Systemwalker for Oracle クラスタ運用オプション」には、クラスタノード間で共有する必要があるSystemwalker for Oracleの内部情報の格納先について設定します。
「Systemwalker for Oracle クラスタ運用オプション」は、「アラートログ監視機能」の「Alertログファイルの扱い」および「トレースファイル監視機能」の「Traceファイル格納先の扱い」のいずれかに「使用する」を選択した場合に設定が必要となります。
「Systemwalker for Oracle クラスタ運用オプション」では以下を設定します。
「監視情報格納先」
「監視情報格納先」には、クラスタノード間で共有する必要があるSystemwalker for Oracleの内部情報を格納するためのディレクトリパスを設定します。
PRIMECLUSTERを使用する場合、“3.1.1.3 Systemwalker for Oracleが使用する共有ディスクの準備”(運用待機構成の場合)または“3.1.2.6 Systemwalker for Oracleが使用する共有ディスクの準備”(相互待機構成の場合)で用意した領域を指定してください。スケーラブル構成の場合は必要ありません。
Oracle Solaris Clusterを使用する場合、“3.2.1.3 Systemwalker for Oracleが使用する共有ディスクの準備”(運用待機構成の場合)または“3.2.2.7 Systemwalker for Oracleが使用する共有ディスクの準備”(相互待機構成の場合)で用意した領域を指定してください。
Microsoft(R) Fail Over Clusteringを使用する場合、“3.4.1.3 Systemwalker for Oracleが使用する共有ディスクの準備”で用意した領域を指定してください。
「監視情報格納先」は、監視対象のOracleが稼働しているサーバから常にアクセス可能な共有ディスク内のディレクトリである必要があります。
また、Oracleパッケージのフェールオーバ等のノード切り替え時に追従し、切り替え先ノードで使用可能となるように制御されている必要があります。
注意
「監視情報格納先」を指定しない場合は省略可能です。
ただし、他のOracleに対する「Oracle環境情報」に以下の設定が行われている場合、「監視情報格納先」を省略することはできません。
「監視情報格納先の扱い」に「監視対象のOracleで共通の格納先を使用する」が指定されている。
いずかのアラートログファイル/トレースファイル格納先の扱いに「使用する」が設定されている。
注意
「監視情報格納先」に関する注意事項
「監視情報格納先」に指定したディレクトリには、「sfo」で始まる名前でSystemwalker for Oracleの内部情報ファイルが作成されます。
したがって、以下に該当するディレクトリは指定しないでください。
「sfo」で始まる名前のファイルが格納されているディレクトリ
また、指定したディレクトリには、「sfo」で始まる名前のファイルを作成しないでください。
「監視情報格納先」を変更する場合、もしくはSystemwalker for Oracleをアンインストールする場合、指定されていたディレクトリ内にSystemwalker for Oracleの内部情報ファイルが残ることがあります。この場合、指定されていたディレクトリ内の「sfo」で始まる名前のファイルを削除してください。
ディレクトリパス名として、日本語が含まれるパスは指定できません。
「監視情報格納先の扱い」
「監視情報格納先の扱い」には、「監視情報格納先」に指定したディレクトリの使用方法を選択します。「監視情報格納先の扱い」には、以下の2通りがあります。
「監視対象となるOracleで共通の格納先を使用する」
以下の場合に選択します。
Oracleのリソースが定義されているユーザアプリケーションが1つである場合(運用待機構成の場合)
常に各ノードからアクセスできる共有ディスク内の1ディレクトリを指定する場合
「監視対象となるOracleごとに格納先を使用する」
監視対象となるOracleごとに「監視情報格納先」を指定する場合に選択します。
(「監視情報格納先」はクラスタシステム内で複数指定することができます。)
以下の場合に選択します。
Oracleのリソースが定義されているユーザアプリケーションが複数あり、それぞれのOracleに対するユーザアプリケーションのノード切り替え時に追従し、切り替え先ノードで使用可能となるようなディレクトリを指定する場合
注意
「ユーザアプリケーション」という表現は、クラスタによって異なります。
[Oracle環境情報設定]画面で設定する場合
「Systemwalker for Oracle クラスタ運用オプション」の設定画面を以下に示します。
Oracle環境情報設定コマンドで設定する場合
「Oracle環境情報定義ファイル」内に設定する位置については、“Systemwalker for Oracle 導入ガイド”-“Oracleの監視を行うための設定”を確認してください。
定 義 | 項 目 | 最大項目長 | 設定位置 | 設定する値 |
---|---|---|---|---|
SHARED_MODE(*1) | 監視情報格納先の扱い | 1 | [AGENT_ENV]内 | 監視情報格納先の指定方法 (省略可能) |
SHARED_DIR(*2) | 監視情報格納先 | 1023 | [INSTANCE_ENV]内 | クラスタノード間で共有する必要があるSystemwalker for Oracleの内部情報を格納するためのディレクトリパス名 |
(*1)省略された場合は、「S」(監視対象となるOracleで共通の格納先を使用する)が設定されます。SHARED_MODEに「S」を指定した場合またはSHARED_MODEの行を省略した場合、各[INSTANCE_ENV]内のSHARED_DIRには、同一の値を設定してください。
(*2)「監視情報格納先」を指定しない場合、行を省略してください。
ただし、他のOracleに対する「Oracle環境情報」に以下に示す内容が設定されている場合、「監視情報格納先」を削除することはできません。
「監視情報格納先の扱い」に「監視対象のOracleで共通の格納先を使用する」が指定されている。
いずれかのアラートログファイル/トレースファイル格納先の扱いに「使用する」が設定されている。
設定例
例
<例1>
[クラスタ構成] 運用待機(1:1)構成
[Alertログファイル] クラスタシステム内で同一のディレクトリを使用
[Traceファイル格納先] クラスタシステム内で同一のディレクトリを使用
この場合、監視対象のOracleの数にかかわらず、Oracleのリソースが定義されているユーザアプリケーションは1つです。このため、監視対象のOracleごとに「監視情報格納先」を用意する必要はありません。「監視情報格納先の扱い」では「監視対象となるOracleで共通の格納先を使用する」を選択します。
また、監視情報格納先には共有ディスク内のディレクトリを指定します。
以下は設定例です。
[Oracle環境情報設定]画面で設定する場合
以下はUNIX版に対する設定例で、監視情報格納先に「/swfo_share」を指定した場合の例を示しています。
Oracle環境情報設定コマンドで設定する場合
Oracle環境情報定義ファイルの設定内容は以下のようになります。
以下はUNIX版に対する設定例で、監視情報格納先に「/swfo_share」を指定した場合の例を示しています。
;サーバ情報 |
例
<例2>
[クラスタ構成] 相互待機構成
[Alertログファイル] クラスタシステム内で同一のディレクトリを使用
[Traceファイル格納先] クラスタシステム内で同一のディレクトリを使用
この場合、Oracleごとにユーザアプリケーションが存在します。このため、監視対象のOracleごとに「監視情報格納先」を用意する必要があります。「監視情報格納先の扱い」には「監視対象となるOracleごとに格納先を使用する」を選択します。
また「監視情報格納先」には、それぞれのOracleに対するユーザアプリケーションのノード切り替え時に追従し、切り替え先ノードで使用可能となるようなディレクトリを指定します。「監視情報格納先」は監視対象のOracleごとに指定します。
以下は設定例です。
[Oracle環境情報設定]画面で設定する場合
以下はUNIX版に対する設定例で、監視情報格納先に「/swfo_share」を指定した場合の例を示しています。
Oracle環境情報設定コマンドで設定する場合
Oracle環境情報定義ファイルの設定内容は以下のようになります。
以下はUNIX版に対する設定例で、監視情報格納先に「/swfo_share」を指定した場合の例を示しています。
;サーバ情報 |
参考
常に各ノードからアクセスできる共有ディスク内のディレクトリを「監視情報格納先」に指定する場合、それぞれのOracleに対するユーザアプリケーションのノード切り替えを意識する必要はありません。
この場合、「監視情報格納先の扱い」には「監視対象となるOracleごとに格納先を使用する」を指定し、「監視情報格納先」には共有ディスク内のディレクトリを1箇所指定します。
例
<例3>
[クラスタ構成] スケーラブル構成
[Alertログファイル] クラスタシステム内で異なるディレクトリを使用
[Traceファイル格納先]クラスタシステム内で異なるディレクトリを使用
この場合、「Alertログファイルの扱い」および「Traceファイル格納先の扱い」は「使用しない」を指定します。また、「Systemwalker for Oracle クラスタ運用オプション」は設定する必要はありません。
以下は設定例です。
[Oracle環境情報設定]画面で設定する場合
以下はUNIX版に対する設定例です。
Oracle環境情報設定コマンドで設定する場合
Oracle環境情報定義ファイルの設定内容は以下のようになります。
以下はUNIX版に対する設定例です。
;サーバ情報 |