Oracle状態監視は、「Oracle状態監視定義ファイル」を作成して、コマンドで条件を定義することができます。
Oracle状態監視設定コマンドでは、ひとつのOracle SIDに対して複数の監視条件を一括して設定することができます。
以下の手順で実施してください。
Oracle状態監視定義ファイルを作成する
“6.3.2.1 Oracle状態監視定義ファイルについて”を参照し、Oracle状態監視定義ファイルを作成します。
Oracle状態監視定義ファイルは、運用管理サーバ上に作成してください。
Oracle状態監視定義ファイルの内容を確認する
「1.Oracle状態監視定義ファイルを作成する」で作成したOracle状態監視定義ファイルの内容確認を行います。
【UNIX版】
運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
#/opt/FJSVmpor/bin/mporcndset -c FILENAME<ENTER> |
【Windows版】
運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。コマンドは、Administratorsグループに属するユーザで実行する必要があります。
mporcndset.exe -c FILENAME<ENTER> |
「1.Oracle状態監視定義ファイルを作成する」で作成したOracle状態監視定義ファイルをフルパスで指定してください。
エラーがあった場合は、ファイルを修正し、再度確認を行ってください。
Oracle状態監視設定コマンドを実行する
「2.Oracle状態監視定義ファイルの内容を確認する」で内容が確認された後、Oracle状態監視の設定を行います。
【UNIX版】
運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。
コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
# /opt/FJSVmpor/bin/mporcndset -a FILENAME -h HOST -sid ORACLE_SID<ENTER> |
【Windows版】
運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。
コマンドは、Administratorsグループに属するユーザで実行する必要があります。
mporcndset.exe -a FILENAME -h HOST -sid ORACLE_SID<ENTER> |
「1.Oracle状態監視定義ファイルを作成する」で作成したOracle状態監視定義ファイルをフルパスで指定してください。
Oracle状態監視の定義を設定するホスト名を指定してください。
Oracle状態監視の定義を設定するORACLE_SIDを指定してください。
ポリシー配付を行う
Systemwalkerコンソールの[ポリシーの配付]画面で「すぐに適用する」を選択して[OK]ボタンを選択します。
[ポリシーの配付]画面は、Systemwalker Centric Managerのバージョンに応じて、以下の手順で表示します。
V13.4.0以降
Systemwalkerコンソール[編集]の[ポリシー]メニューの[監視]-[ポリシーの配付]を選択します。
V13.3.0
Systemwalkerコンソール[監視]の[ポリシー]メニューの[監視]-[ポリシーの配付]を選択します。
V13.2.0以前
Systemwalkerコンソール[監視]の[ポリシー]メニューの[ポリシーの配付]を選択します。
Oracle状態監視定義ファイルについて説明します。
Oracle状態監視定義ファイルは運用管理サーバ上に作成します。
Oracle状態監視定義ファイルの形式は以下のとおりです。
[FILE_VERSION] 設定内容については“監視項目"を参照してください。 |
ファイル先頭に[FILE_VERSION]を記述します。
監視スケジュールを記述します。
[SCHEDULE]を記述します。
監視項目を記述します。
直前の監視スケジュール[SCHEDULE]で定義された時刻に監視する監視項目[ITEM]を記述します。
監視項目が複数ある場合、繰り返し記述します。
監視スケジュールが複数ある場合、2~3を繰り返し記述します。
注意
「Oracle状態監視定義ファイル」作成時の注意事項
ファイルは運用管理サーバ上に作成してください。
(ディレクトリおよびファイル名は任意です。)
ファイルはOracle SIDごとに作成してください。
(監視するスケジュール、監視する監視項目が同一の場合、1つのファイルを複数のOracle SIDで使用可能です。)
ファイルの文字コードは、運用管理サーバのコード系とします。
各項目の記述位置については“6.3.2.2 Oracle状態監視定義ファイルの作成例”を参照してください。
行の最後には改行を設定してください。
設定値を省略する場合、対象となる行を省いてください。
セミコロン(;)から始まる行はコメント行となります。
行の途中からコメントを記入することはできません。
「=」の前後に空白およびタブを入れないでください。
空白行は挿入可能です。
監視対象となるSIDに対し設定可能な監視スケジュールの数は7です。
各項目に対して指定可能な項目長を超える長さの値が設定されている場合、エラーとなります。
Oracle状態監視定義ファイルの記述に誤りがある場合、Oracle状態監視は作成されません。
重複した監視スケジュールを記述した場合、エラーとなります。
同一スケジュール内に重複した監視項目を記述した場合、エラーとなります。
以下に、Oracle状態監視定義ファイルに設定する内容について説明します。
ファイル情報(必須)
このファイルのファイルバージョンを設定します。
ファイル情報は[FILE_VERSION]の下に記述します。
定 義 | 設定する値 |
---|---|
VERSION | ファイルバージョン(「a000」固定)を設定します。 |
監視スケジュール(必須)
Oracle状態監視のスケジュールを設定します。
監視スケジュールは[SCHEDULE]の下に記述します。
定 義 | 設定する値 |
---|---|
NUMBER | スケジュールの定義番号を設定します。 ・”1”~”7” 定義番号が重複した場合、重複した監視スケジュールとみなされエラーとなります。 |
START_TIME | 監視開始時刻を設定します。(HH:MM) 時・分ともに2桁で記述してください。 |
END_TIME | 監視終了時刻を設定します。(HH:MM) 時・分ともに2桁で記述してください。 |
INTERVAL | 監視間隔(分)を設定します。 ・”1”~”1439”(*1) 毎日同時刻に1回のみ監視を行う場合には、”1440”を設定してください。 その場合、監視開始時刻(START_TIME)と監視終了時刻(END_TIME)は同時刻を指定してください。 |
VALID | スケジュールの有効または無効を設定します。 ・”Y”:有効 ・”N”:無効 |
COMMENT (*2) | コメントを設定します。 英数字、日本語、およびその混在文字列が入力可能です。(ASCII換算で64文字以内) |
(*1) インストールレス型エージェント監視では、”5”~”1439”で監視間隔(分)を設定します。
(*2) 省略可能です。
監視項目
Oracle状態監視の監視項目を設定します。
監視項目は[ITEM]の下に記述します。
Oracle状態監視は、監視時間の開始時刻から監視間隔に指定された時間ごとに終了時刻まで毎日実行されます。
スケジュールの最大定義数は7つです。
監視項目には、しきい値を持つ項目と持たない項目があります。監視項目については、“6.3.3 各監視項目の設定について”を参照してください。
各定義に設定する値の詳細は、以下を参照してください。
“Systemwalker for Oracle 運用ガイド”-“Oracle状態監視の監視項目の詳細”
定 義 | 設定する値 |
---|---|
ITEM_NAME (*1) | 監視項目名を設定します。 監視項目名に設定する値は、監視項目に設定する値を参照してください。 1つの監視スケジュールの中で監視項目名が重複した場合、重複した監視項目とみなされエラーとなります。 |
VALID (*1) | 監視項目の有効または無効を設定します。 ・”Y”:有効 ・”N”:無効 |
UNIT | しきい値の単位を設定します。 ・”1”:MB ・”2”:% ・”3”:回 ・”4”:byte ・”5”:数 ・”6”:sec ・”7”:msec ・”8”:Mbps 各監視項目名で設定可能なしきい値単位は、監視項目に設定する値を参照してください。 VALIDに「N」が指定されている場合は、無効になります。 |
UNIT_TIME | 単位時間(分)を設定します。 ・”1”~”120” 単位時間の設定がある監視項目は、監視項目に設定する値を参照してください。 |
RANGE | しきい値の最小値、最大値および重要度を設定します。(最小値-最大値,重要度) 最大5つまで設定可能です。 最小値: ・”0”~(しきい値単位により異なります。(*2)) 最大値: ・”0”~(しきい値単位により異なります。(*2)) 重要度: ・”0”:無効 ・”1”:警告 ・”2”:重要 ・”3”:最重要 しきい値の設定がある監視項目は、監視項目に設定する値を参照してください。 |
TARGET_SIZE (*3) | 空き領域の監視時に使用する全体領域を設定します。 ・”1”:現在のサイズ ・”2”:最大サイズ(自動拡張指定時) 全体領域の設定がある監視項目は、■領域の監視を参照してください。 VALIDに「N」が指定されている場合は、無効になります。 |
(*1) 監視項目を定義する場合には、必須です。
(*2) しきい値単位が、
”%”の場合、”100”
”%”以外の場合、”2147483647”
です。
(*3) 監視対象となるサーバのSystemwalker for OracleのバージョンがV13.3.0以降の場合に設定可能です。
監視項目に設定する値
監視項目 | 監視項目名 | しきい値 | しきい値単位 | 単位時間 | 全体領域 | |
データベースバッファ キャッシュヒット率 | 全体 | HIT_ALL | ○ | % | × | × |
DEFAULT | HIT_DEF | |||||
KEEP | HIT_KEEP | |||||
RECYCLE | HIT_REC | |||||
DEFAULT(2K) | HIT_DEF2 | |||||
DEFAULT(4K) | HIT_DEF4 | |||||
DEFAULT(8K) | HIT_DEF8 | |||||
DEFAULT(16K) | HIT_DEF16 | |||||
DEFAULT(32K) | HIT_DEF32 | |||||
データディクショナリキャッシュミス率 | DICMIS | ○ | % | × | × | |
ライブラリキャッシュミス率 | LIBMIS | ○ | % | × | × | |
SGA内のメモリ空き状況 | SGAFREEMEM | ○ | % byte | × | × | |
COMMIT数 | COMITCNT | ○ | 回 | ○ | × | |
SQL実行数 | SQLCNT | ○ | 回 | ○ | × | |
ディスクREAD数 | DISKREAD | ○ | 回 | ○ | × | |
ディスクWRITE数 | DISKWRITE | ○ | 回 | ○ | × | |
ラッチ獲得ミス率 | LATCHMIS | ○ | % | × | × | |
ロールバックセグメント獲得率 | RBSRATE | ○ | % | × | × | |
REDOログバッファの領域割り当て競合監視 | REDOCMPT | ○ | % 数 | × | × | |
書き込み可能なREDOログ・グループの監視 | WRREDOLOG | ○ | 数 | × | × | |
UNDOセグメントの読み取り一貫性の監視 | UNDOREAD | ○ | sec | × | × | |
1カーソル実行あたりの取得バッファ数 | CURBUF | ○ | 数 | × | × | |
要求キュー平均待機時間 | REQQUE | ○ | msec | × | × | |
共有サーバプロセスの使用 | SHSVPROC | ○ | % | × | × | |
応答キュー平均待機時間 | TMREPQUE | ○ | Msec | × | × | |
ディスパッチャプロセスの使用率 | DISPPSRATE | ○ | % | × | × |
○ :あり
× :なし
監視項目 | 監視項目名 | しきい値 | しきい値単位 | 単位時間 | 全体領域 |
ユーザセッション数の割合 | USRSES | ○ | % | × | × |
接続ユーザ数 | CONUSR | ○ | % 数 | × | × |
セッション接続時間 | TMSESCON | ○ | sec | × | × |
セッションアイドル時間 | TMSESIDL | ○ | Sec | × | × |
SQL文の実行でセッションが使用するCPU時間 | TMCPU | ○ | msec | × | × |
○ :あり
× :なし
監視項目 | 監視項目名 | しきい値 | しきい値単位 | 単位時間 | 全体領域 | |
システム表領域の空き領域 | SYSFREESP | ○ | % MB | × | ○ | |
ユーザ表領域の空き領域 | USRFREESPACE | ○ | % MB | × | ○ | |
一時表領域の空き領域 | TMPFREESPACE | ○ | % MB | × | ○ | |
ローカル管理の一時表領域の空き領域 | LTMPFREESP | ○ | % MB | × | ○ | |
一時表領域の使用可能領域 | TMPUSABLESPACE | ○ | % MB | × | × | |
UNDO表領域の空き領域 | UNDOFREESP | ○ | % MB | × | ○ | |
UNDO表領域の使用可能領域 | UNDOPSBLSP | ○ | % MB | × | × | |
SYSAUX表領域の空き領域 | AUXFREESP | ○ | % MB | × | ○ | |
ロールバックセグメント のエクステント監視 | 割り当て可能な残りエクステント | RBSEXTREM | ○ | % 数 | × | × |
エクステント割り当てが可能かの監視 | RBSEXTALLOC | × | - | - | - | |
ユーザオブジェクト のエクステント監視 | 割り当て可能な残りエクステント | USREXTREM | ○ | % 数 | × | × |
エクステント割り当てが可能かの監視 | USREXTALLOC | × | - | - | - | |
管理者オブジェクト のエクステント監視 | 割り当て可能な残りエクステント | MGREXTREM | ○ | % 数 | × | × |
エクステント割り当てが可能かの監視 | MGREXTALLOC | × | - | - | - | |
アーカイブ先の空き領域(*1) | ARCFREESP | ○ | % MB | × | × | |
ASM上のアーカイブ先の空き領域 | ASMARCFREESP | ○ | % MB | × | × | |
移行行と連鎖行の数 | TRNSCHANCNT | ○ | 数 | × | × |
○ :あり
×(-):なし
(*1) インストールレス型エージェント監視では使用できません。
監視項目 | 監視項目名 | しきい値 | しきい値単位 | 単位時間 | 全体領域 |
ロールバックセグメントの状態 | STRBS | × | - | - | - |
データファイルの状態 | STDATAFL | × | - | - | - |
データファイル・ヘッダーの状態 | STDATAFLHD | × | - | - | - |
テンポラリファイルの状態 | STTMPFL | × | - | - | - |
REDOログファイルの状態 | STREDOLOG | × | - | - | - |
トリガーの状態 | STTRIGR | × | - | - | - |
表領域の状態 | STTBLSP | × | - | - | - |
オブジェクトの状態 | STOBJ | × | - | - | - |
インデックスの状態 | STIDX | × | - | - | - |
表の制約定義 | STTBLCONST | × | - | - | - |
○ :あり
×(-):なし
監視項目 | 監視項目名 | しきい値 | しきい値単位 | 単位時間 | 全体領域 |
インターコネクト経由でのノード間データ転送中に破損したブロック数 | BRKNBLK | ○ | 数 | × | × |
インターコネクト経由でのノード間データ転送ブロックの損失率 | LOSTBLK | ○ | % | × | × |
インターコネクト経由でのノード間データ送信量 | SNDMBS | ○ | Mbps | × | × |
○ :あり
× :なし
監視項目 | 監視項目名 | しきい値 | しきい値単位 | 単位時間 | 全体領域 |
スタンバイ・データベースでの アーカイブログ適用確認 | STBAPL | ○ | 数 | × | × |
スタンバイ・データベースでの アーカイブログ受信確認 | STBRCV | ○ | 数 | × | × |
○ :あり
× :なし
Oracle状態監視定義ファイルの作成例を以下に示します。
例
;Oracle状態監視定義ファイルの作成例 [FILE_VERSION] VERSION=a000 <ファイルバージョン> ;↓スケジュール(定義番号:1)の定義範囲([SCHEDULE]~ TARGET_SIZE=1まで) [SCHEDULE] NUMBER=1 <定義番号> START_TIME=09:00 <監視時間・開始時刻> END_TIME=12:00 <監視時間・終了時刻> INTERVAL=20 <監視間隔> VALID=Y <スケジュールの有効無効> [ITEM] ITEM_NAME=DISKREAD <監視項目名> VALID=Y <監視条件の有効無効> UNIT=3 <しきい値単位> UNIT_TIME=20 <単位時間> RANGE=0-10000,1 <しきい値> RANGE=10001-20000,2 <しきい値> RANGE=20001-30000,3 <しきい値> [ITEM] ITEM_NAME=USRFREESPACE VALID=Y UNIT=2 RANGE=0-10,1 RANGE=11-20,2 TARGET_SIZE=1 ;↓スケジュール(定義番号:2)の定義範囲([SCHEDULE]~末尾まで) [SCHEDULE] NUMBER=2 START_TIME=13:00 END_TIME=18:00 INTERVAL=30 VALID=Y [ITEM] ITEM_NAME=TMPFREESPACE VALID=Y UNIT=1 RANGE=0-100,1 RANGE=101-200,2 TARGET_SIZE=2 |
Oracle状態監視の設定内容の確認を行う場合、運用管理サーバ上でOracle状態監視参照コマンドを実行してください。
以下は、ホスト名「casper」の「ora1020」というORACLE_SIDに対する作成済みの「Oracle状態監視」の設定内容を表示する場合の実行例です。
【UNIX版】
コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
# /opt/FJSVmpor/bin/mporcnddsp -h casper -sid ora1020<ENTER> |
【Windows版】
コマンドは、Administratorsグループに属するユーザで実行する必要があります。
mporcnddsp.exe -h casper -sid ora1020<ENTER> |
注意
設定内容は「Oracle状態監視定義ファイル」の形式で表示されます。
コマンドの詳細については、“Systemwalker for Oracle 運用ガイド”-“mporcnddsp(Oracle状態監視参照コマンド)”を参照してください