インストールレス型エージェント監視を行うための運用管理サーバ側の設定について説明します。
インストールレス型エージェント監視で利用できる機能については、「1.6.1 エージェントを導入しないでOracleを監視する」を参照してください。
注意
事前に実施しておく必要のある作業
運用管理サーバ上でインストールレス型エージェント監視を使用する場合の環境設定が事前に実施済である必要があります。
未実施の場合は、“5.1.5 インストールレス型エージェント監視を使用する場合の環境設定”/“5.2.3 インストールレス型エージェント監視を使用する場合の環境設定”/“5.3.6 インストールレス型エージェント監視を使用する場合の環境設定”を参照し、インストールレス型エージェント監視を使用するための環境設定を行ってください。
アラートログ監視でTelnet接続を利用する場合
Systemwalker Centric Manager でデプロイ方式を利用する場合の設定と同様の設定が必要です。
以下を実施してください。
FTP接続(ログイン)するためのアカウントを準備する
アカウントには、root権限を持ったアカウントを用意してください。
注意
Solaris11の場合、以下のコマンドを実行し、rootアカウントでログインするための設定を行ってください。
rolemod -K type=normal root |
Firewallを設定する
OSのファイアウォール機能が有効となっている場合、以下の通信を許可してください。
・Telnetで使用するポート:23
・FTPで使用する制御ポートおよびデータ転送ポート
FTPデーモンを起動する
FTPがインストールされていない環境ではFTPをインストールしてください。
インストール方法やデーモン起動方法は、FTPのマニュアルを参照してください。
以下のコマンドを実行して、監視サーバから被監視システムにTelnet接続し、監視サーバにFTP通信ができることを確認してください。
# telnet %1 (監視サーバ上で実行する) |
%1:被監視システムのホスト名(Systemwalkerコンソールのノードプロパティの[ネットワーク]タブにあるホスト名)、またはIPアドレス
%2:被監視システムへのTelnet接続用ログインユーザ名("エージェントを導入しないサーバ側の設定"の作業で準備したTelnet接続用ユーザ)
%3:被監視システムへのTelnet接続用ログインパスワード
%4:運用管理サーバのホスト名(Systemwalkerコンソールのノードプロパティの[ネットワーク]タブにあるホスト名)、またはIPアドレス
%5:運用管理サーバへのFTP接続用ログインユーザ名(手順1.-a. の作業で準備したFTP接続用のユーザ)
%6:運用管理サーバへのFTP接続用ログインパスワード
コマンドの実行結果として、FTP接続に成功し、プロンプトが表示されます。
インストールレス型エージェント監視の動作定義を設定してください。
インストールレス型エージェント監視動作定義変更コマンドで以下の項目の設定を行ってください。
項目名 | 設定値 |
---|---|
FTP_USER | 運用管理サーバへのFTP接続用ログインユーザ名 |
FTP_PASSWD | 運用管理サーバへのFTP接続用ログインユーザ名に対するパスワード |
インストールレス型エージェント監視動作定義変更コマンドの詳細は、“運用ガイド”-“mpordefctlals(インストールレス型エージェント監視動作定義変更コマンド)”を参照してください。
被監視システムとの通信定義設定を行ってください。
Systemwalker Centric Managerのインストールレス型エージェント監視画面で被監視システムとの通信定義を行い、ポリシーを配付します。
設定方法の詳細は、”Systemwalker Centric Manager使用手引書監視機能編”を参照してください。
Telnetクライアントを有効にしてください。
“Telnetクライアント”がインストールされていない場合は、インストールしてください。
以下を実施してください。
FTP接続(ログイン)するためのアカウントを準備する
アカウントには、管理者権限(Administrators)およびDmAdmin権限を持ったアカウントを用意してください。
FTPサーバに対する設定を行う
運用管理サーバ上のFTPサーバに対して、以下に示す仮想ディレクトリの設定を行う必要があります。
FTPがインストールされていない環境ではFTPをインストールしてください。
インストール方法やデーモン起動方法は、FTPのマニュアルを参照してください。
FTPサーバのマニュアルに従い、以下の設定を行ってください。
仮想ディレクトリの設定 | 設定内容 |
---|---|
エイリアス名 | swfo-ftpwk |
仮想ディレクトリの物理パス | (WKDIR)\als\alert |
アクセス許可 | 読み取り/書き込み |
WKDIR:Systemwalker for Oracleのインストール時に指定する「作業用フォルダ」
デフォルト指定の場合以下となります。
(Systemwalkerインストールフォルダ)\MpWalker.or\temp\als\alert
Firewallを設定する
OSのファイアウォール機能が有効となっている場合、以下の通信を許可してください。
・Telnetで使用するポート:23
・FTPで使用する制御ポートおよびデータ転送ポート
FTPサービスを起動する
FTPサービスの起動方法は、FTPのマニュアルを参照してください。
インストールレス型エージェント監視の動作定義を設定してください。
インストールレス型エージェント監視動作定義変更コマンドで以下の項目の設定を行ってください。
項目名 | 設定値 |
---|---|
FTP_USER | 運用管理サーバへのFTP接続用ログインユーザ名 |
FTP_PASSWD | 運用管理サーバへのFTP接続用ログインユーザ名に対するパスワード |
インストールレス型エージェント監視動作定義変更コマンドの詳細は、“運用ガイド”-“mpordefctlals(インストールレス型エージェント監視動作定義変更コマンド)”を参照してください。
被監視システムとの通信定義設定を行ってください。
Systemwalker Centric Managerのインストールレス型エージェント監視画面で被監視システムとの通信定義を行い、ポリシーを配付します。
設定方法の詳細は、”Systemwalker Centric Manager使用手引書監視機能編”を参照してください。
アラートログ監視でSSH接続を利用する場合
Systemwalker Centric Manager でSSH接続を行う場合の設定を実施してください。
設定方法については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”-“第6章 Systemwalker Centric Managerを導入しないコンピュータの構築”を参照してください。
以下は、設定方法の概要です。
SSHデーモンを起動します。
SSH接続用に、システム管理者(root)の公開鍵と秘密鍵を作成します。
被監視システムとSSH通信ができること、その際パスフレーズの問い合わせが発生しないことを確認してください。
被監視システムとの通信定義設定を行ってください。
Systemwalker Centric Managerのインストールレス型エージェント監視画面で被監視システムとの通信定義を行い、ポリシーを配付します。
設定方法の詳細は、”Systemwalker Centric Manager使用手引書監視機能編”を参照してください。
リモート接続(ログイン)するためのアカウントを準備します。
被監視システムで用意したアカウントと同じ名前のアカウントを準備します。
被監視システムで用意するアカウントについては、"5.9.2 エージェントを導入しないサーバ側の設定"を参照してください。
SSHサービスを起動します。
SSH接続用の公開鍵と秘密鍵を作成します。
被監視システムとSSH通信ができること、その際パスフレーズの問い合わせが発生しないことを確認してください。
被監視システムとの通信定義設定を行ってください。
Systemwalker Centric Managerのインストールレス型エージェント監視画面で被監視システムとの通信定義を行い、ポリシーを配付します。
設定方法の詳細は、”Systemwalker Centric Manager使用手引書監視機能編”を参照してください。
Oracle状態監視を利用する場合
OracleもしくはOracleクライアントがインストールされていない場合は、Oracleクライアントをインストールしてください。
インストール方法やデーモン起動方法は、Oracleマニュアルを参照してください。
運用管理サーバ上で、SQL*Plusを起動して、被監視システムのOracleと接続できることを確認してください。
なお、OSのファイアウォール機能が有効となっている場合、被監視システムのリスナーのポート番号に対して通信を許可してください。
インストールレス型Oracle環境情報に設定する以下の値を使用して、被監視システム上のOracleへの接続確認を行う方法の例を以下に示します。
なお、Oracle環境情報の設定内容は以下のとおりとします。
SERVER_NAME (監視対象サーバのホスト名)=mpor11
ORA_SID (ORACLE_SID)=ora10_1
ORA_USER_ID (Oracleユーザ名)=system
ORA_PASS_WD (Oracleユーザパスワード)=pwsystem
ORA_PORT (リスナーのポート番号)=1524
運用管理サーバ上にてOracleクライアントにアクセスするユーザでログインし、下記の手順でSQL*Plusを使用してOracleへの接続確認を行います。
Oracleクライアントにアクセスするユーザがスーパーユーザではない場合、Oracleクライアントアクセスユーザ設定を実施してください。
Oracleクライアントアクセスユーザの変更方法については“G.4 Oracleクライアントアクセスユーザの設定について【UNIX版】”を参照してください。
#sqlplus /nolog <ENTER> |
上記の接続確認でエラーが出力された場合は、「Oracleユーザ名」および「ユーザパスワード」を確認し、再度、接続確認を行ってください。
注意
スーパーユーザでログインして接続確認を実施する場合の注意事項
スーパーユーザでログインしている場合、事前に以下の環境変数を設定しておく必要があります。
ORACLE_HOME
PATH
LD_LIBRARY_PATH
上記の例では以下のように設定します。
export ORACLE_HOME=/oracle/ora/product <ENTER> |
運用管理サーバ上にてOracleインストールユーザでログインし、下記の手順でSQL*Plusを使用してOracleへの接続確認を行います。
#sqlplus /nolog <ENTER> |
上記の接続確認でエラーが出力された場合は、「Oracleユーザ名」および「ユーザパスワード」を確認し、再度、接続確認を行ってください。