インストールレス型エージェント監視におけるUNIX版の運用管理サーバにおいて、Oracleクライアントにアクセスするユーザを変更する場合は以下の作業を行います。
Oracleクライアントにアクセスするユーザのデフォルトはスーバーユーザです。
変更する必要がない場合は、以下の作業は必要ありません。
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルの作成
インストールレス型エージェント監視におけるUNIX版の監視対象のOracleクライアントにアクセスするユーザを指定する外部ファイルを「Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル」とよびます。
インストール直後には、「Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル」は存在しません。
以下の手順で「Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル」を作成します。
「Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル」は運用管理サーバ上に作成してください。
「Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル」には、1行につき1つのORACLE_HOMEに対するユーザを設定します。
各行は、各項目をコンマ(,)で区切って以下の形式で設定します。
ORACLE_HOME,OSUSER_NAME,OSUSER_GRP <改行> |
以下に設定項目の詳細を示します。
項目 | 説明 |
ORACLE_HOME | Oracleクライアント(SQL*Plus)が存在するORACLE_HOMEを指定してください。 |
OSUSER_NAME | Oracleクライアントアクセスユーザ名を指定してください。
|
OSUSER_GRP | OSUSER_NAMEで指定したユーザのプライマリグループ名を指定してください。
|
例
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルの作成例
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルの作成例を以下に示します。
;ORACLE_HOME,OSUSER_NAME,OSUSER_GRP<改行> |
上の例では以下の内容が設定されています。
ORACLE_HOME=/opt/oracle/ora1020/product/10.2.0/db_1に対して、Oracleクライアントアクセスユーザ=oracle、実効グループ=dbaでアクセスします。
複数のORACLE_HOMEが存在する場合、Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルに記述されていないORACLE_HOMEについては、スーパーユーザでOracleクライアントにアクセスします。
例えば、Oracle10gとOracle11gがインストールされていて、Oracle10gのORACLE_HOMEが/opt/oracle/ora1020/product/10.2.0/db_1の環境において上記定義が設定されている場合、Oracle11gでOracleクライアントにアクセスする際はスーパーユーザで実行します。
注意
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル作成時の注意事項
定義ファイルは運用管理サーバ上に作成してください。
定義ファイルの文字コードは、運用管理サーバのコード系とします。
コンマ(,)の前後に空白、タブを記入しないでください。
セミコロン(;)から始まる行はコメント行となります。
行の途中からコメントを記入することはできません。
空白行は挿入可能です。
1つのORACLE_HOMEに対して複数行を指定することはできません。
行の最後には必ず改行を設定してください。
定義ファイルに指定可能なORACLE_HOMEの数は、最大16です。
定義ファイルに指定されていないORACLE_HOMEについては、スーパーユーザでOracleクライアントにアクセスします。
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルの内容確認
Oracleクライアントアクセスユーザの確認を行う場合、Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドを「-c」パラメタで実行します。
運用管理サーバ上で、以下のコマンドを実行してください。
コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
# /opt/FJSVmpor/bin/mporsetcliusr -c FILE_NAME <ENTER> |
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル名をフルパスで指定します。
Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンド実行時にエラーメッセージが通知された場合、エラーの内容を確認し、Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルを修正してください。
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルの修正後、再度、Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドを実行してください。
Oracleクライアントアクセスユーザ設定の適用
指定したOracleクライアントアクセスユーザの設定を有効とするためには、以下の手順で作業を行います。
Oracleアクライアントクセスユーザ設定コマンドの実行
Oracleクライアントアクセスユーザの設定を行う場合、Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドを「-s」パラメタで実行します。
運用管理サーバ上で、以下のコマンドを実行してください。
コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
# /opt/FJSVmpor/bin/mporsetcliusr -s FILE_NAME <ENTER> |
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイル名をフルパスで指定します。
Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドでエラーメッセージが通知された場合、エラーの内容を確認し、Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルを修正してください。
Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルの修正後、再度、Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドを実行してください。
Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドが正常に終了した場合、Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルの内容でOracleクライアントアクセスユーザが設定されます。
設定内容の確認は、Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドを「-v」パラメタで実行します。
# /opt/FJSVmpor/bin/mporsetcliusr -v <ENTER> |
Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドによる設定内容確認の例を以下に示します。
# /opt/FJSVmpor/bin/mporsetcliusr -v <ENTER> |
各監視プロセスの再起動
運用管理サーバ上でpsコマンドを実行し、以下のプロセスが動作しているか確認します。
sfostmonals
動作しているプロセスについて以下のコマンドを実行しプロセスを再起動します。
コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
# /opt/FJSVmpor/bin/reloadstmonals <ENTER> |
コマンドの詳細は“Systemwalker for Oracle 運用ガイド”-“拡張監視機能の条件適用コマンド”を参照してください。
注意
Oracleクライアントアクセスユーザ定義を変更する場合は、Oracleクライアントアクセスユーザ定義ファイルを再作成し、再度、Oracleクライアントアクセスユーザ設定の適用を実施する必要があります。
Oracleクライアントアクセスユーザ設定の解除
Oracleクライアントアクセスユーザ設定の解除を行う場合、以下の手順で行います。
Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドの実行
Oracleクライアントアクセスユーザの解除を行う場合、Oracleクライアントアクセスユーザ設定コマンドを「-d」パラメタで実行します。
運用管理サーバ上で、以下のコマンドを実行してください。
コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
# /opt/FJSVmpor/bin/mporsetcliusr -d <ENTER> |
各監視プロセスの再起動
運用管理サーバ上でpsコマンドを実行し、以下のプロセスが動作しているか確認します。
sfostmonals
動作しているプロセスについて以下のコマンドを実行しプロセスを再起動します。
コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。
# /opt/FJSVmpor/bin/reloadstmonals <ENTER> |
コマンドの詳細は“Systemwalker for Oracle 運用ガイド”-“拡張監視機能の条件適用コマンド”を参照してください。