ページの先頭行へ戻る
ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.1 運用ガイド
ServerView

10.1.1 バックアップ・リストアのしくみ

ここでは、本製品を導入したシステムにおける、バックアップ・リストアのしくみとして、環境の条件、注意事項、リストア後の再開位置について説明します。


バックアップ・リストア環境の条件

バックアップする環境とリストアする環境で以下の条件を満たす必要があります。

ックアップ・リストア時の注意事項

バックアップ・リストアを行う際の注意事項について説明します。

本製品が管理する資源と更新契機

本製品が管理する資源は、以下のとおりです。更新契機に記載されている操作を実施した際には、バックアップの取り直しを実施してください。

表10.1 バックアップ対象資源と更新契機

バックアップ対象の資産

バックアップが必要な資産の更新契機

マネージャー停止の必要性

備考

証明書

なし

不要

セッション暗号キー

パスワード保存(rcxlogin -saveコマンド実行後)

不要

システムイメージ、クローニングイメージ

物理L-Serverのイメージ追加、削除、変更

不要

仮想L-Serverのシステムイメージとクローニングイメージのバックアップは、仮想マシンのバックアップ運用の一環として行います。
仮想マシンのバックアップ運用は、VM管理製品のバックアップ運用で行ってください。

構成定義情報

L-Serverやリソースの作成、登録、変更、登録解除、削除

不要

イメージファイルに関連する情報

物理L-Serverの登録、削除、移動、用途変更、電源操作、関連付け、関連付け解除

VMホストの登録、解除

不要

各種定義ファイル

定義ファイル変更

不要(注)

注)以下の定義ファイルをバックアップする場合は、マネージャーを停止し、オフラインバックバックアップを実施する必要があります。
・L-Platform管理の設定の一部
・テナント管理・アカウント管理の設定
・稼動状況のサーバ一覧の設定
・CMDBエージェントのイベントログ出力の設定

イメージ管理情報

rcxadm imagemgrコマンド操作

不要

メータリング情報

L-PlatformやL-Serverの作成、変更、削除、移動、電源操作

不要

ホームのお知らせ情報

お知らせ変更

必要

利用者登録時の規約

規約変更

必要

ダッシュボード情報

随時

必要

随時更新されるため、必要に応じてマネージャーを停止して、採取してください。

稼動状況情報

随時

必要

随時更新されるため、必要に応じてマネージャーを停止して、採取してください。

申請情報

L-Platformの利用、変更、削除の申請、申請の承認、審査、却下、取り消し

必要

L-Platformの利用許諾、解約許諾

利用許諾、解約許諾の変更

必要

備考) [キャパシティプランニング]画面にて表示している情報は、バックアップ対象外のため、管理サーバのリストアを実施しても復元されません。このため、定期的に[キャパシティプランニング]画面を使用して、表示内容をCSV形式、または、Excel形式にて保存することをお勧めします。


バックアップに必要なディスク容量

バックアップに必要なディスク容量は、以下のとおりです。

表10.2 バックアップ対象資源と必要なディスク容量

バックアップ対象の資産

バックアップに必要なディスク容量

構成定義情報

バックアップしたファイルは、構成定義情報のリソース数の増減に応じてサイズが増減します。
VMゲスト数が1000VMの場合、採取情報は、一時的に150MB程度になります。圧縮することで2MB未満になります。
このサイズを参考にバックアップ領域を用意してください。

イメージ格納域

バックアップ時に毎回必要です。このため、たとえばバックアップを3回実施した場合、イメージ格納域の容量は3倍必要です。
イメージ格納域の容量は「設計ガイド CE」の「2.4.2.7 動的ディスク容量」を参照してください。

証明書
セション暗号キー
各種定義ファイル
イメージ管理情報
ホームのお知らせ情報
利用者登録時の規約
L-Platformの利用許諾、解約許諾

バックアップしたファイルのサイズは、バックアップするファイルの数に応じて変動します。

どのファイルも10KB以下であり、このファイルを100個格納していても1MB未満の領域しか必要としないため、このサイズを参考にバックアップ領域を用意してください。

メータリング情報

[オフラインバックアップ]

バックアップしたファイルは、メータリング対象のリソース数およびメータリングログの保存期間の増減に応じてサイズが増減します。(注)

[オンラインバックアップ]

1KB(注)

ダッシュボード情報

バックアップしたファイルは、L-Serverテンプレート数およびテナント数の増減に応じてサイズが増減します。
L-Serverテンプレートが10個定義されている場合の以下の計算式を参考に、バックアップ領域を用意してください。
テナント数が100の場合、およそ6.6GBが必要です。

ディスク容量 = (67.0 + (55.5 × テナント数)) × 1.2 (MB)

稼動状況情報

20MB

申請情報

バックアップしたファイルは、動作環境に応じてサイズが増減します。以下のディレクトリ配下のディスク容量の合計を算出し、その分のバックアップ領域を用意してください。

【Windowsマネージャー】

  • システムドライブ\SWRBADB(存在する場合)

  • インストールフォルダー\SWRBAM

  • インストールフォルダー\SWOMGR

【Linuxマネージャー】

  • /etc/opt/FJSVswrbam

  • /var/opt/FJSVswrbam

  • /var/opt/FJSVJMCMN/etc

  • /var/opt/FJSVjmcal

  • /var/opt/FJSVJOBSC

  • /var/opt/FJSVfwseo/config/JM

  • /opt/FJSVJOBSC/bin

  • /etc/mjes

  • /var/spool/mjes

注) メータリング情報のバックアップは、オフラインバックアップの場合、rcxmgrbackupコマンドで指定したディレクトリ配下に採取されますが、オンラインバックアップの場合、指定したディレクトリとは別の領域に採取されます。
以下の例を参考に、メータリング情報のバックアップで必要なディスク容量を算出してください。
オフラインバックアップには、"ベースバックアップに必要なディスク容量"が必要です。
オンラインバックアップには、"ベースバックアップに必要なディスク容量"と"差分バックアップに必要なディスク容量"の合計が必要です。

以下の条件では、オフラインバックアップには約1.3GB、オンラインバックアップには約12.6GBのディスク容量が必要です。

表10.3 メータリング情報のバックアップに必要な条件

項目

想定値

運用しているL-Platform数

1000

1つのL-Platformあたりのリソース数

L-Server

1

拡張ディスク

1

ソフトウェア

2

運用状況

  • 毎日、以下を実施

    • 10のL-Platformの返却、配備

    • 始業時に1000台のL-Serverを起動

    • 就業時に1000台のL-Serverを停止

  • 定期ログを毎日取得

  • メータリングログを1年分保持

オンラインバックアップの頻度

  • 1ヶ月(30日)ごとにベースバックアップを実施

  • 1時間ごとに差分バックアップを実施

表10.4 1日あたりのメータリングログの計算式
  • メータリングログ容量の目安

    • L-Platformに対するイベントログ : 2.3KB/回 (A)

    • L-Platform以外に対するイベントログ : 0.6KB/回 (B)

    • 定期ログ : 2.3 × L-Platform数 (KB) (C)

  • 1日あたりのメータリングログ

    (A) × 1日あたりのL-Platformに対する操作の回数
    + (B) × 1日あたりのL-Platform以外に対する操作の回数
    + (C) × 運用しているL-Platform数

    = 2.3KB × 20 + 0.6KB × 2000 + 2.3KB × 1000
    = 3.5MB

表10.5 ベースバックアップに必要なディスク容量計算式

1日あたりのメータリングログ × 1年分

3.5MB × 365 = 1.3GB

表10.6 差分バックアップに必要なディスク容量計算式

1つのWALファイルあたりのディスク容量 : 16MB

ベースバックアップ取得まで(30日間)のWALファイル退避回数 : 24 × 30

16MB × 24 × 30 = 11.3GB

表10.7 オンラインバックアップの運用に必要なディスク容量計算式

オンラインバックアップの運用に必要なディスク容量計算式

= ベースバックアップに必要なディスク容量計算式 + 差分バックアップに必要なディスク容量計算式

= 1.3GB + 11.3GB

= 12.6GB


資源をバックアップするための保存先

管理サーバ上の資源をバックアップするための保存先について説明します。

保存先フォルダーはメータリング情報を除いて、rcxmgrbackupコマンドで指定します。

以下の表に記載するフォルダーが、保存先フォルダー内に自動的に作成されて資源が格納されます。リストアを行う際には各フォルダーの最新のフォルダーの情報からリストアされます。このため、ディスク容量の状況に応じては、最新のフォルダーの情報を残して他のフォルダーを削除しても問題ありません。

-cleanupオプションを指定してrcxmgrbackupコマンドを使用すると、コマンドで採取した情報は最新の情報を残して過去の情報が削除されます。

表10.8 バックアップ方式と採取資料との関係

フォルダー

オフラインバックアップ

オンラインバックアップ
(ベースバックアップ)

オンラインバックアップ
(差分バックアップ)

CTMG_OFFyyyymmddhhmmss

×

×

CTMG_BASEyyyymmddhhmmss

×

×

CTMGyyyymmddhhmmss

×

×

CFMGyyyymmddhhmmss

RORyyyymmddhhmmss

RBAyyyymmddhhmmss

×

×

RORSCW

"yyyymmddhhmmss"は、コマンド実行日時

注意

バックアップした情報が管理サーバの異常で破損しないように、管理サーバのバックアップで退避するファイルは、ほかの記録媒体や外部ストレージに保管してください。

メータリングの保存先は、「10.1.5 メータリングのオンラインバックアップの設定」を参照してください。

バックアップ・リストア処理時間の目安

管理サーバのバックアップ・リストアにかかる時間は、以下のコマンド処理時間を参考に見積もってください。

お客様の環境によってコマンド処理時間は異なりますので、運用試験などでお客様の環境で採取し、その値によって運用見積もり時間を決定してください。

  • 環境

    • CPU : 4CPU

    • メモリ : 16GB

  • コマンド処理時間

    • オフラインバックアップ : 3分

    • オンラインバックアップ(ベースバックアップ) : 2分

    • オンラインバックアップ(差分バックアップ) : 2分

    • リストア : 4分

リストア後のシステム再開位置

本製品を利用したシステム運用の流れにおいて、資源のバックアップするタイミングにより、システム再開位置が異なります。そのため、バックアップ前の状態から再開できるようにするために、バックアップとして、オフラインバックアップ、オンラインバックアップを合わせて運用し、それぞれのバックアップに合わせたリストア処理を行います。

図10.1 管理サーバのバックアップのスケジュールとリストア(例)

上図の流れについて説明します。

  1. システムでトラブルが発生(例:2011年8月1日 12:35に発生)

  2. システムを復旧するために、オフラインバックアップした環境とオンラインバックアップした環境をリストアします。

    (例:2011年8月1日 14:00 リストア実行)

    リストアする順番は、「バックアップ・リストア時の注意事項」を参考に行います。

  3. 差分のバックアップファイルの最新は、(2011年8月1日 12:00)日付のため、再開位置は、その日付からになります。