PRIMECLUSTER Wizard for Oracle の留意事項について説明します。
要件・前提条件
本製品を使用するための要件、前提条件に関する留意事項です。
同一ノード上に、バージョン・リリースの異なる複数の Oracle をインストールすることができます。ただし、運用・待機ノードでバージョン・リリースを一致させる必要があります。
サポートする Oracle 製品名称等は、“インストールガイド” や “ハンドブック” 等を参照してください。
Oracle のデータベースは、共用ディスク上に配置する必要があります。
Oracle をインストールする際に使用するユーザ名、ユーザID、グループ名、グループIDは、全ノードで同一にする必要があります。
一台のサーバに複数の ORACLE_HOME を作成する場合は、それぞれ異なるユーザ名で作成してください。
Oracle のログ出力先を共用ディスク装置に設定することは推奨しません。ディスク装置の障害発生時にログが出力されず、調査ができない場合や、Oracle インスタンスが起動できなくなる場合があります。
Oracle のアーカイブログファイルについては、ローカルディスクへの配置を可能とします。その場合、Oracle のリカバリが発生した場合には、両系のノードにある Oracle アーカイブログファイルを集結してリカバリ作業を実施します。
Oracle の TWO_TASK 環境変数は使用できません。詳しくは、“2.5 データベースの作成/設定” を参照してください。
Oracle ユーザの login.sql に、Oracle データベースに接続するような処理を記述しないでください。詳しくは、“2.5 データベースの作成/設定” を参照してください。
本製品は、Oracle インスタンスの起動/停止を行なう際に SYSDBA システム権限で接続しますが、このときオペレーティング・システム認証 (OS認証) を使ったローカル接続を行います。そのため、次の条件を満たしている必要があります。 (満たしていない場合、userApplication による Oracle インスタンスの操作に失敗します。)
“2.6.1 Oracle リソースの作成” および “2.7.4 Oracle インスタンス、リスナーのリソースの登録” で Oracle インスタンスリソースに設定した OS ユーザ (Oracle ユーザ) が、Oracle の DBA ユーザであること。
sqlnet.ora ファイルに SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES パラメタが設定されていないこと。
本製品の接続は OS 認証を使用しますが、それ以外の接続 (例えば、システム管理者がメンテナンスのために手動で SYSDBA または SYSOPER システム権限で接続する場合) では、パスワード・ファイル認証を使用することができます。
Oracle ユーザのプロファイルにおいて、対話型のコマンド (例 script) を実行しないでください。userApplication の起動・停止、Oracle リソースの監視が正常に動作しない場合があります。プロファイルは、/etc/profile, .bash_profile, .cshrc, .profile などを指します。詳しくは、“2.3 Oracle ソフトウェアのインストール/設定” または “2.7.2 Oracle ソフトウェアのインストール/設定” を参照してください。
Oracle ユーザのホームディレクトリ、プロファイルを共用ディスクに配置した環境は、サポート対象外です。Oracle ユーザのホームディレクトリ、プロファイルは各ノードのローカルディスクに配置してください。
リスナーのオペレーティング・システム認証 (OS認証) を有効にしてください。詳しくは、“2.5 データベースの作成/設定”を参照してください。
/tmp ディレクトリに Oracle ユーザの書き込み権限を付与してください。
本製品では、Oracle ユーザ権限で動作するプログラムが /tmp ディレクトリを使用します。書き込み権限がない場合、Oracle の起動や停止に失敗します。
/opt/FJSVclora/usr 配下に格納するユーザスクリプト(prestartup*・nomount*・mount*)内では、"su -"を使用しないでください。
仕様・機能
本製品の仕様、機能に関する留意事項です。
Oracle インスタンスの監視のため、SYSTEM ユーザでデータベースに接続します。また、SYSTEM ユーザのデフォルト表領域上に監視用テーブルを作成して Oracle の動作確認を行います。 この監視用テーブルは数バイトの小さなものです。 ただしデータの更新を定期的に行っているため、微量ですが REDO ログの更新が行われ、アーカイブログが出力されます。
Oracle インスタンスの immediate モードによる停止では、DBA ユーザが Oracle インスタンスに接続している場合や、Online Backup を実施している場合に停止に失敗します。この場合は、abort モードで停止を行います。
Oracle インスタンスの起動時間、停止時間 はデータベースの規模によって異なります。デフォルトでは Oracle インスタンス起動時間のタイムアウトは 10分、停止時間のタイムアウトは 3分となっています。また、RMS の停止コマンド hvshut は独自のタイムアウト時間が設定されています。hvshut コマンドがタイムアウトしても RMS 停止に伴う userApplication の停止処理は継続されます。
Oracle インスタンスの起動中にデータベースの異常を検出したとき、データベースの修復処理を自動的に実行します。ただし、RAC を使用している場合は修復処理を実行しません。RAC を使用して修復処理を実行したい場合は、/opt/FJSVclora/usr ディレクトリの以下のファイル名を変更してください。
_mount10EndBackup.sh->mount10EndBackup.sh
_mount20MediaRecover.sh->mount20MediaRecover.sh
mount05EndBackup_MediaRecover.sh -> _mount05EndBackup_MediaRecover.sh
参考 “3.10 Oracle 起動処理中のユーザスクリプト”
Oracle RAC 10g 環境において、CRS の srvctl コマンドや 、Oracle インスタンスに対して shutdown コマンドを直接実行すると、RMS 上のリソース状態との不一致が発生する場合があります。
RMS上の Oracle RAC 10g 用リソース名は Oracle RAC 10g のリソース名を元に、以下のように生成されます。
Oracle インスタンスリソース
<SubApplicationName>_<inst_name>.i
Oracle リスナーリソース
<SubApplicationName>_<lsnr_name>.l
これは、Oracle RAC 10g の crs_stat コマンドにて表示されるリソース名の先頭部分( Oracle インスタンスリソースの場合は "ora.<db_unique_name>"、Oracle リスナーリソースの場合は “ora.<node_name>” ) に代わって "<SubApplicationName>_" をつけ、末尾部分のリソースの種類( .lsner、.inst )を短縮したもので、次の規約があります。
39文字以内である必要があります。
<SubApplicationName> は、「リソース名」で設定できます。
環境構築
環境構築に関する留意事項です。
PreOnlineScript 等のスクリプトを設定した場合は、exit code と タイムアウト時間に注意してください。
Resource Wizard (先頭のみ大文字: Oracle ) を使用した環境構築を行う場合、SAP R/3 Wizard 連携機能の設定項目(ForUseWithR3)が表示されますが、 SAP R/3 Wizard 連携機能を使用しない場合は、設定を変更しないでください。
運用
運用に関する留意事項です。
クラスタ運用中に Oracle SYSTEM ユーザパスワードを変更する場合は、”3.6 クラスタ運用中の Oracle SYSTEM パスワード変更手順” を参照してください。
その他
上記以外の留意事項です。
abort モードでの停止では、次回起動時に Oracle インスタンスの自動リカバリが実行されます。