データベースの配置
データベースは共用ディスク上に作成します。共用ディスクが参照できる状態で行う必要があります。
各資源の配置は以下に示します。
項目 | 場所 | 備考 |
初期化パラメタ | ローカル | 各ノードのローカルディスクに配置することを推奨 |
サーバパラメタ | 共有 |
|
制御ファイル | 共有 |
|
データファイル | 共有 |
|
REDOログ | 共有 |
|
アーカイブログ | 任意 | どちらでもよい。 |
アラートログ | ローカル | 各ノードのローカルディスクに配置することを推奨 |
参考
データベース作成前に、共用ディスクに Oracle ユーザの書き込み権限があることを確認してください。
スケーラブル運用 (RAC) におけるデータベースの作成と設定
データベースの作成は任意の1ノードからのみ行い、その他のノードでは、作成した共用ディスク上のデータベースを動作させる設定のみ行います。
参照
データベースの作成は、RAC のマニュアルを参照してください。
スタンバイ運用におけるデータベースの作成と設定
運用ノード
データベースの作成は運用ノード上からのみ行い、待機ノードでは、運用ノードから作成した共用ディスク上のデータベースを動作させる設定のみ行います。
参照
データベースの作成は、Oracle のマニュアルを参照してください。
待機ノード
データベースを作成した運用側と同一の構成になるように、ディレクトリの作成やファイルのコピー、リンクの設定を行ってください。
$ORACLE_HOME/dbs 配下
$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_SID 配下
上記で作成したディレクトリとファイルのパーミッションを運用系と同一にしてください。
アーカイブログ出力先等の設定を運用ノードで行った場合は、待機ノードでも同一の設定を行ってください。
参照
/opt/FJSVclora/sbin/cloracpy コマンドを使って、運用ノードの必要なファイルをtar形式にバックアップすることができます。 "4.4 cloracpy - Oracle設定ツール(待機ノード用)"を参照してください。
相互待機 / N:1 運用待機構成
相互待機や N:1運用待機構成の場合も、1:1 運用待機と同様にデータベースの作成は、それぞれの運用ノードから行い、待機ノードでは、運用ノードから作成した共用ディスク上のデータベースを動作させる設定のみ行います。その他の運用形態も同様です。
例
相互待機
2:1 運用待機
パラメタファイル
初期化パラメタ LOCAL_LISTENER の設定が、listener.ora、tnsnames.ora の設定と整合性が保たれている必要があります。整合性が保たれていないと、Oracle の起動がエラーになる場合があります。Oracle のネットワークの設定を行う場合も、注意してください。
Oracle のサーバパラメタファイル(永続初期化パラメタファイル)を使用する場合、サーバパラメタファイルは共用ディスク上に配置してください。共用ディスク上に配置しない場合、運用、待機ノードで同一の設定で動作できなくなります。サーバパラメタファイルの配置先は、初期化パラメタファイルに指定してください。
例
初期化パラメタファイルの設定例
($ORACLE_HOME/dbs/init<ORACLE_SID>.ora)
spfile = /mnt2/o9idb/parameter/spfile.ora
注意
Oracle 10g 環境で DBCA(Database Configuration Assistant) を使用してデータベースを作成する場合、サーバパラメタファイルの格納先を指定できない場合があります。(例:データベース作成先がファイルシステムの場合など)
このような場合、以下の例を参考にして、データベース作成後にサーバパラメタファイルを共用ディスク上に移動してください。
共用ディスクがマウントされていなければ、マウントする。
「2.4 userApplication の作成」で作成した userApplication を起動してください。
サーバパラメタファイルを共用ディスク上に移動する。
# mv $ORACLE_HOME/dbs/spfile<SID>.ora <共用ディスク上の格納先>/spfile<SID>.ora
初期化パラメタファイル $ORACLE_HOME/dbs/init<SID>.ora を以下のように編集する。
spfile=<共用ディスク上の格納先>/spfile<SID>.ora
手順3は、運用・待機両ノードにて実施してください。
運用ノードで実施後、cloracpy コマンドを使用することもできます。
ネットワーク設定
Oracle のネットワーク設定を行います。
$ORACLE_HOME/network/admin/listener.ora, tnsnames.ora
listener.ora
スタンバイ運用等で論理IPアドレスを使用した、Oracle リスナーの切替え運用を行う場合は、Oracle リスナーの IPアドレスに論理IPアドレスを設定します。
例
LISTENER =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = <論理IPアドレス>)(PORT = 1521))
)
SID_LIST_LISTENER =
(SID_LIST =
(SID_DESC =
(GLOBAL_DBNAME = ora9i)
(ORACLE_HOME = /opt/oracle/product/9.0.1)
(SID_NAME = ora9i)
)
)
注意
リスナーのオペレーティング・システム認証 (OS認証) を有効にしてください。
デフォルトでは OS 認証が有効になっています。listener.ora ファイルに以下のパラメタを設定した場合もOS 認証は有効になります。
LOCAL_OS_AUTHENTICATION_<LISTENER_NAME> = ON
tnsnames.ora
Oracle リスナーの監視において、tnsping による Oracle リスナー動作監視を行う場合は、tnsnames.ora の設定を行ってください。tnsnames.ora で設定したネット・サービス名をPRIMECLUSTER Wizard for Oracle の Oracle リスナーの環境設定で指定します。tnsnames.ora で設定する ORACLE_SID、ホスト(論理IPアドレス)およびポート番号は、監視対象の Oracle リスナーと同一にします。
例
ネット・サービス名 = (DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = <論理IPアドレス>)(PORT = 1521)) (CONNECT_DATA = (SID = ora9i)) )
SYSTEM ユーザのパスワード
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、Oracle の SYSTEM ユーザを使用して Oracle にアクセスし、Oracle の監視を行っています。そのため、SYSTEM ユーザのパスワードを、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle に設定する必要があります。 SYSTEM ユーザのパスワードを、"4.3 clorapass - 監視用パスワードの設定" を参照して、設定してください。
Oracle の動作確認
Oracle インスタンスおよび Oracle リスナーを手動で起動/停止し、正しく動作することを確認してください。
注意
Oracle の TWO_TASK 環境変数は使用しないでください。TWO_TASK 環境変数は、Oracle への接続時に接続識別子を付加し、自動的にネットワーク接続にて接続するための環境変数です。
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、ローカル接続 ("/ as sysdba") にて Oracle に接続する必要があるため、ネットワーク接続は使用できません。
業務などでネットワーク接続を行う場合は、TWO_TASK 環境変数を使用せず、ログイン時に "@接続識別子" を指定してください。
Oracle ユーザの login.sql に、システム変数の設定以外の処理を記述しないでください。
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、SQL*Plus を使用して Oracle を制御しています。そのため、login.sql に SQL 文などが記述されていると、制御時に自動的に実行してしまい誤動作する可能性があります。
ただし、SET コマンドによりシステム変数を設定することはできます。