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Interstage Service Integrator V9.5.0 アプリケーション開発ガイド
FUJITSU Software

E.6.6 BPEL定義の作成/編集

BPELエディタでBPEL定義を作成/編集します。以下に要素ごとの作成/編集方法を説明します。

BPELエディタは、[プロジェクトエクスプローラ]ビューで編集するBPEL定義を右クリックし、ポップアップメニューの[開く]をクリックします。

ここでは、以下に示す項目ごとに説明します。


表E.13 BPEL定義の要素

分類

要素名

概要

BPEL定義のプロパティの設定

BPEL定義のプロパティを設定します。

基本
アクティビティ

Invoke

サービスを呼び出します。

Receive

送信されたメッセージを受信します。

Reply

受信したメッセージに対して応答を返します。

Assign

変数に値を設定します。

Throw

障害を生成し、エラー情報を通知します。

構造化アクティビティ

Sequence

Sequence内に定義されたアクティビティを1つずつ順に実行します。

Flow

Flow内に定義された複数のアクティビティを同時並列に実行します。

If

条件付き動作を定義し、条件に従ってアクティビティを実行します。

While

While内に定義されたアクティビティを条件が真の間、繰返し実行します。

その他の要素

Variables

メッセージや変数を定義します。

PartnerLinks

Invoke/Receive/Replyで連携するサービスを定義します。

FaultHandlers

エラー情報を受け取ります。

CorrelationSets

Receiveで受信するメッセージとビジネス・プロセスのインスタンスを関連付けます。


BPEL定義のプロパティの設定

BPEL定義のプロパティを以下のとおり設定します。


  1. プロパティビューの表示
    BPELエディタの[設計]タブの空白部分をクリックし、BPEL定義のプロパティビューを表示します。

  2. プロパティビューの[説明]、[詳細]、[Join動作]、および[インポート]で以下の設定を行います。


    表E.14 BPEL定義のプロパティの設定内容

    設定場所

    設定項目

    設定内容

    説明

    名前

    BPELプロセスファイル名を設定します。
    初期状態では、“E.6.4 BPELプロセスファイルの作成”で設定したBPELプロセスファイル名となっています。

    対象名前空間

    BPELプロセスの名前空間を設定します。
    初期状態では、“E.6.4 BPELプロセスファイルの作成”で設定した名前空間となっています。

    詳細

    式言語

    条件式の形式を設定します。必ず[XPath 1.0 in BPEL 2.0]を選択し、その他は選択しないでください。

    クエリ言語

    XML参照方式を設定します。必ず[XPath 1.0 in BPEL 2.0]を選択し、その他は選択しないでください。

    標準障害による終了

    BPEL標準障害が発生した場合の動作を設定します。以下のどちらかを選択してください。初期設定ではNoとなっています。

    • する
      BPEL標準障害が発生した場合、即、exitする。

    • しない
      BPEL標準障害が発生した場合、exitしない(障害ハンドラでエラー処理を行う)。

    Join動作

    各アクティビティのプロパティの[Join動作]の[Join Failureの抑制]の初期値を設定します。以下のどちらかを選択します。

    • する
      bpel:joinFailure(障害)を通知しない。

    • しない
      bpel:joinFailure(障害)を通知する。

    インポート

    初期設定のままとしてください。


    図E.20 BPEL定義のプロパティの設定画面


Invoke

Invokeの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • Invokeの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。

  • Invokeを追加する場合、呼び出すサービスに受け渡すメッセージを格納する変数、および呼び出すサービスから受け渡されるメッセージを格納する変数をあらかじめ作成しておく必要があります。あらかじめ作成していないと、プロパティビューの[詳細]で[入力変数]、および[出力変数]の入力フィールドが表示されない場合があります。この場合は、そのInvokeをいったん削除し、各変数を作成後に、再度Invokeの追加を行ってください。

  • 以下の場合は呼出し元のBPEL定義と呼出し先のBPEL定義を異なるビジネス・プロセス実行環境に配備してください。ビジネス・プロセス実行環境へのBPEL定義の配備については、“E.3.3 ビジネス・プロセス実行環境への配備”を参照してください。

    • BPEL定義からBPEL定義で作成したサービスをInvokeで呼出す場合。


Receive

Receiveの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • BPEL定義が要求/応答型の場合、Receiveは、必ずReplyとペアで使用してください。

  • Receiveの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


Reply

Replyの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • BPEL定義が要求/応答型の場合、Replyは、必ずReceiveとペアで使用してください。

  • Replyは、ビジネス・プロセスの最後で実行し、Replyのあとにアクティビティを実行しないようBPEL定義を作成してください。

  • Replyでメッセージを通知する場合は、プロパティビューの[詳細]の[障害名]を設定しないでください。障害を通知する場合、メッセージを通知することはできません。

  • Replyの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


Assign

Assignの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • 検証はサポートしていません。チェックしても無視されます。

  • 代入元、および代入先に指定できる種別は以下のとおりです。その他は指定しないでください。


    表E.21 Assignの代入元/代入先で指定できる種別

    指定位置

    指定できる種別

    代入元

    ・[変数]
    ・[式]
    ・[定数値]

    代入先

    ・[変数]
    ・[式]

  • [代入先]に設定する変数の[データ型]が[要素宣言]または[メッセージ]の場合、変数の中の整数型のElementに値をコピーするときは、[代入元]に[式]を指定しないでください。コピーするときは、[式]の結果を[データ型]が[プリミティブ型]または[Simple Types]の変数にいったんコピーしたあと、本来のコピー先にコピーしてください。

  • Xpath1.0形式で指定する場合、以下の関数は使用しないでください。

    • lang()

    • doXslTransform()

  • [代入先]に不当なXPath1.0関数を指定しても、bpel:selectionFailureは通知されません。

  • Assignの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


Throw

Throwの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • Throwの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


Sequence

Sequenceの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • Sequenceの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


Flow

Flowの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • Linkで無限ループする定義は作成しないでください。作成するとビジネス・プロセス実行時に無限ループし、ビジネス・プロセスの実行がタイムアウトとなります。

  • BPELエディタの[設計]タブでSequence、If、Whileなどの折りたたみ表示(各アクティビティ内に定義したアクティビティの表示を省略する表示)を行うと、Linkの矢印表示が異常となります。折りたたみ表示から元の表示に戻すことで矢印は正常な表示に戻ります。

  • Flowの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。

  • Linkのプロパティビューの[説明]の[名前]は変更しないでください。初期値のLink名を、そのまま使用してください。


If

Ifの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • Ifの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


While

Whileの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • While内に定義されたアクティビティを条件が真の間、繰返し実行します。条件判定は事前に行うため、条件判定の結果が偽の場合は、While内のアクティビティは一度も実行されずにWhileを終了します。

  • Whileの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


Variables

変数の追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • 変数のプロパティの[初期化]での初期化定義は未サポートです。変数の初期化はAssignで実施してください。

  • 変数の名前として使用できる文字列は、NCNameに準拠します。ただし、“.”(ピリオド)は使用しないでください。

  • BPEL機能で使用できるデータ型は、Interstage Application Serverに準拠していますので、その他のデータ型は使用しないでください。使用できるデータ型については、Interstage Application Serverの“Java EE運用ガイド”の“Java EEアプリケーションの開発”の“アプリケーションの作成方法”の“Webサービスの通信で利用できるデータ型”を参照してください。
    また、Complex Type、QName、およびAttributeは使用しないでください。
    要素宣言については、WSDLで定義したものだけ使用してください。

  • 変数の名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


PartnerLinks

PartnerLinkの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • PartnerLinkの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。


FaultHandlers

障害ハンドラの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • 変数名で定義した変数で使用できるデータ型は、Interstage Application Serverに準拠していますので、その他のデータ型は使用しないでください。使用できるデータ型については、Interstage Application Serverの“Java EE運用ガイド”の“Java EEアプリケーションの開発”の“アプリケーションの作成方法”の“Webサービスの通信で利用できるデータ型”を参照してください。
    また、Complex Type、QName、およびAttributeは使用しないでください。
    要素宣言については、WSDLで定義したものだけ使用してください。

  • ユーザ定義の障害は、WSDLのSOAPFaultの定義に対応しています。WSDLにSOAPFaultの定義が無い場合は障害ハンドラでSOAPFaultを障害としてcatchすることはできません。


CorrelationSets

相関セットの追加、削除、および編集は、以下のとおり行います。


注意

  • プロパティで使用できる型は、Interstage Application Serverに準拠していますので、その他のデータ型は使用しないでください。使用できるデータ型については、Interstage Application Serverの“Java EE運用ガイド”の“Java EEアプリケーションの開発”の“アプリケーションの作成方法”の“Webサービスの通信で利用できるデータ型”を参照してください。
    また、Complex Typeは使用しないでください。
    要素宣言については、WSDLで定義したものだけ使用してください。

  • 相関セットの名前は、同じBPEL定義内の他の要素と重複しない名前を、プロパティビューの[説明]の[名前]に必ず設定してください。

  • [メッセージプロパティの作成]、または[メッセージプロパティの編集]で大量の要素を持つメッセージを持つプロパティエイリアスを[エイリアス]で選択して[編集]ボタンをクリックすると、[プロパティエイリアスを編集]ダイアログの画面が異常となり、プロパティエイリアスの編集ができなくなる場合があります。このような場合は、[キャンセル]ボタンで[プロパティエイリアスを編集]ダイアログを閉じ、該当するプロパティエイリアスをいったん削除し、新たなプロパティエイリアスを作成することでプロパティエイリアスの内容を変更してください。

  • 相関セットのプロパティを設定しない状態でBPELエディタやInterstage Studioを終了しないでください。BPELエディタやInterstage Studioを終了する場合は、相関セットのプロパティを設定したあとで終了してください。