バックアップウィザード(for Exchange Server)操作時にエラーが発生した場合は、障害調査に必要な資料を採取して、当社技術員に連絡してください。
保守資料の採取方法は、「11.2.2 保守資料の採取方法」を参照してください。
バックアップウィザード(for Exchange Server)の実行が何らかの原因により失敗した場合、途中まで行われたバックアップ設定を解除し、バックアップウィザード実行前の状態に復元します(この復元を、以降、“バックアップウィザードのロールバック”と記述します)。
バックアップウィザードのロールバックに失敗した場合の復旧方法を、以下に説明します。
バックアップウィザードのロールバックに失敗しているかの判別方法
バックアップウィザード(for Exchange Server)の実行中にエラーが発生したあと、エラー原因にすべて対処してもバックアップウィザードの実行に失敗する場合は、バックアップウィザードのロールバックに失敗している可能性があります。以下の手順で復旧してください。
復旧方法
運用管理サーバ、メールボックスサーバ、バックアップサーバのうち、起動していないサーバがあれば起動します。
メールボックスサーバの以下フォルダにファイルが存在するか確認します。存在する場合は、すべてのファイルを削除します。
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\wizard\tmp
メールボックスサーバの以下フォルダに、今回操作対象としたメールボックスデータベースまたはパブリックフォルダーデータベースの、バックアップ実行スクリプトおよびバックアップ削除スクリプトが作成されているかを確認します。作成されている場合は削除します。
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\wizard\bat
注意
以前のバックアップウィザードの実行が正常終了し、正しく作成されたバックアップ実行スクリプトおよびバックアップ削除スクリプトの可能性もあります。削除しようとしているファイルの日付が、バックウィザードがエラーとなったときの日付であるかを確認してください。
例えば、2012年10月29日の20時49分に“MB2_ENG”を選択してバックアップウィザードを実行し、バックアップウィザードのロールバックに失敗した場合は、以下のファイルを削除します。以下のファイル以外を削除しないでください。
execute_backup_MB2_ENG_20121029204931.bat delete_backup_MB2_ENG_20121029204931.bat
バックアップウィザードで選択したデータベースに対してAdvancedCopy Managerのバックアップ定義を削除します。
以下の手順は、選択したデータベースの数だけ行います。
選択したデータベースが使用しているボリュームを表示するため、メールボックスサーバで以下のコマンドを実行します。
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\bin\swsrpdevdisp_exchange -dbname <データベース名>
以下は、コマンド実行例です。
C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>swsrpdevdisp_exchange -dbname MB1_ENG Store: MB1_ENG EDB=F:\MB1_ENG\MB1_ENG.edb AdvancedCopy Manager Device:g1d61p1 TransactionLog=G:\MB1_ENG\E02.log AdvancedCopy Manager Device:g1d62p1 CheckPointFile=G:\MB1_ENG\E02.chk AdvancedCopy Manager Device:g1d62p1 C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>
「AdvancedCopy Manager Device:」の後に表示されているボリュームが、データベースとして使用しているバックアップ元ボリュームです。上記のコマンド実行例では、g1d61p1とg1d62p1がバックアップ元ボリュームとなっています。
上記のコマンドを実行した後は、以下を行います。
情報が表示された場合: 「メールボックスデータベース情報の削除」
情報が表示されない場合: 「ボリュームペア定義の取得(パターン1)」
選択したデータベースの定義を削除するため、メールボックスサーバで以下のコマンドを実行します。
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\bin\swsrpdbinfo_exchange -delete <データベース名>
以下は、コマンド実行例です。
C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>swsrpdbinfo_exchange -delete -dbname MB1_ENG swsrpdbinfo_exchange successfully completed C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>
上記が完了したあと、「ボリュームペア定義の取得(パターン2)」を実施します。
メールボックスサーバで以下のコマンドを実行します。
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\bin\swsrpvolinfo
以下は、コマンド実行例です。
C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>swsrpvolinfo Server Original-Volume Size Replica-Volume Size Copy Op-Server VM-23 g1d61p1@VM-23 4.9 Gbyte g1d86p1@VM-32 4.9 Gbyte bi-direction both VM-23 g1d62p1@VM-23 4.9 Gbyte g1d97p1@VM-32 4.9 Gbyte bi-direction both C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>
上記で表示されたペアのうち、バックアップウィザードのエラーが発生した際にバックアップ元とバックアップ先に使用する予定だったボリュームのペアについて、「ボリュームペア定義の削除」を行います。
上記のコマンド実行例では、g1d61p1@VM-23とg1d62p1@VM-23がバックアップ元ボリューム、g1d86p1@VM-32とg1d97p1@VM-32がバックアップ先ボリュームとなっています。
メールボックスサーバで以下のコマンドを実行します。
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\bin\swsrpvolinfo
以下は、コマンド実行例です。
C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>swsrpvolinfo Server Original-Volume Size Replica-Volume Size Copy Op-Server VM-23 g1d61p1@VM-23 4.9 Gbyte g1d86p1@VM-32 4.9 Gbyte bi-direction both VM-23 g1d62p1@VM-23 4.9 Gbyte g1d97p1@VM-32 4.9 Gbyte bi-direction both C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>
上記で表示されたペアのうち、「メールボックスデータベースが使用しているボリュームの確認」で表示されたボリュームが含まれているペアを今回のウィザードでペア設定したボリュームと判断し、「ボリュームペア定義の削除」を行います。
上記の実行例では、g1d61p1@VM-23とg1d62p1@VM-23がバックアップ元ボリューム、g1d86p1@VM-32とg1d97p1@VM-32がバックアップ先ボリュームとなっています。
メールボックスサーバで以下のコマンドを実行します。
<AdvancedCopy Managerエージェントインストール時のプログラムディレクトリ>\bin\swsrpdelvol <バックアップ元ボリューム> <バックアップ先ボリューム>
<バックアップ元ボリューム>および<バックアップ先ボリューム>には、「ボリュームペア定義の取得(パターン1)」または「ボリュームペア定義の取得(パターン2)」で取得したボリュームペアを指定します。以下は、コマンド実行例です。
C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>swsrpdelvol g1d61p1@VM-23 g1d86p1@VM-32 swsrpdelvol completed C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>swsrpdelvol g1d62p1@VM-23 g1d97p1@VM-32 swsrpdelvol completed C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin>