Exchange Serverのバックアップ運用を開始する前に以下の事前準備を行ってください。
プロバイダの登録
Exchange Serverの環境設定
AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップ
ドライブ文字マップファイルの準備
複製元/複製先ボリュームの設定
プロバイダコピーセットの登録
プロバイダ管理ファイルの退避
デバイス定義ファイルの作成
デバイス定義ファイルの退避
データベース情報の登録
Exchangeサーバとバックアップサーバの両方において、「12.5.9 eternus_provider(プロバイダ登録/削除コマンド)」を実行し、ETERNUSハードウェアプロバイダを登録します。Exchangeサーバは、クラスタグループを構成する全ノードで実施してください。
バックアップ運用設計の結果に基づいて、Exchange Serverの設定を行ってください。
Service Packの適用
本機能ではExchange Server 2003またはExchange Server 2007をサポートします。
Exchange Server 2003の場合にはSP1またはSP2をサポートします。SP1またはSP2が未適用の場合は、SP1またはSP2の適用を行ってください。
EDB/STM/CHK/LOGファイルの配置
Exchange ServerのEDB/STM/CHK/LOG ファイルを配置します。
詳細は、「8.1.2.2 ストレージグループの設計」を参照してください。
Exchangeシステム管理ツールの導入
バックアップサーバにExchange Serverのシステム管理ツールを必ずインストールしてください。
Exchange Server 2003の場合には、SP1またはSP2を適用してください(Service PackのレベルはExchange Serverと同一である必要があります)。
Exchangeサーバがクラスタ構成の場合、Exchangeサーバで管理対象サーバ業務(Storageサーバ業務)のカスタマイズを実施します。
作業の詳細は、以下のマニュアルを参照してください。
『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』
ドライブ文字マップファイルは、シャドウコピー(バックアップボリューム)に割り当てるドライブ文字(またはマウントポイント)を定義した設定ファイルです。
ドライブ文字マップファイルは以下のファイル名でバックアップサーバ上に作成してください。
<環境設定ディレクトリ>\etc\repl\data\EXDMAP.INI |
ドライブ文字マップファイルの記述例を以下に示します。
[DRVMAP] g1d1p1=F: g1d2p1=C:\mnt |
バックアップ処理ではドライブ文字マップファイルの設定内容に基づいてバックアップボリュームにドライブ文字を割り当てます。
設定ファイルにドライブ文字の指定がない場合やドライブ文字マップファイルの記述内容に不備がある場合(ドライブ文字が使用中である、マウントポイントに指定したディレクトリが不正である、など)はドライブ文字の割当てを行いません。
注意
ドライブ文字マップファイルでは、JIS2004で追加された環境依存文字(Unicode)は使用できません。
以下の点に留意して、「7.4 事前準備」に記載されている作業を行ってください。
業務ボリューム(*.edb、*.stm、*.log、*.chkが配置されているボリューム)とその複写先となるバックアップボリュームをすべて登録します。
業務ボリュームを複製元ボリューム、バックアップボリュームを複製先ボリュームにします(複製元ボリューム、複製先ボリュームを逆にしてはいけません)。
Exchangeサーバ(複製元サーバ)を操作サーバにします(「12.4.1.1 swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)」の-oオプションの引数に「ORG」または「BOTH」を指定してください)。
リストアを実施する必要があるため、-uオプションを指定しないでください。
ボリュームの登録単位はパーティション単位(gXdYpZ)としてください。LUN単位(gXdY)で登録しないでください。
Exchangeサーバにおいて、コピーセット登録コマンドを実行し、業務ディスクとバックアップディスクの対応関係を登録します。コマンドはクラスタグループを構成するプライマリノードで実施してください。
[実行例]
C:\>C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\eternus_copyset -set -o g1d1@EXCHG-SVR -t g1d11@BKUP-SVR -c QOPC -g BK1 eternus_copyset set successfully completed. C:\> |
万一の場合に備えて、プロバイダ管理ファイルを退避してください。退避するファイルは以下のとおりです。
[Exchangeサーバ]
<AdvancedCopy Managerの共有データ用共有ディスクのドライブ>:\etc\opt\swstorage\etc\prov_copyset.ini |
[バックアップサーバ]
<環境設定ディレクトリ>\etc\prov_copyset.ini |
バックアップサーバで、以下の手順に従ってデバイス定義ファイルを作成してください。
コピー先デバイスのOLU番号と物理デバイス番号を確認します。
「12.5.11 eternus_getolu(コピー先ディスク番号表示コマンド)」を実行し、コピー先デバイスのOLU番号と物理デバイス番号を確認してください。
コピー先デバイスのデバイスインスタンスIDを確認します。
すべてのコピー先デバイスのデバイスインスタンスIDを確認してください。
デバイスインスタンスIDの確認方法は、以下のとおりです。
コンピュータの管理を起動します。
[スタート]→[管理ツール]→[コンピュータの管理]で起動してください。
[コンピュータの管理]の[ディスクの管理]を選択して、バックアップ対象デバイスのプロパティを表示し、場所(Bus Number、Target ID、LUN)を確認してください。
[コンピュータの管理]の[デバイスマネージャ]の[ディスクドライブ]を選択し、ディスクドライブを表示します。
[ディスクドライブ]配下のDisk Device(FUJITSU E8000 Multi-Path Disk Deviceなど)でバックアップ対象デバイスを確認します。
Disk Device(FUJITSU E8000 Multi-Path Disk Deviceなど)を選択し、右クリックでプロパティを選択してください。手順2のb.で確認した場所(Bus Number、Target ID、LUN)と表示したプロパティの場所(Bus Number、Target ID、LUN)が一致するDisk Deviceを確認してください。
手順2のb.で確認した場所と手順2のd.で確認した場所が一致した場合、詳細を選択し、デバイスインスタンスIDを確認してください。
物理ディスク番号と手順2のe.で確認したデバイスインスタンスIDの組合せをテキストファイルなどに保存してください。
デバイスインスタンスIDは、「12.5.12 eternus_getins(デバイスインスタンスID表示コマンド)」を実行して表示できます。
デバイス定義ファイルを作成します。
手順1で確認したコピー先デバイスのOLU番号と手順2で確認したデバイスインスタンスIDの組合せでデバイス定義ファイルを作成します。
デバイス定義ファイルは、メモ帳を使用して、以下の名称で作成してください。
<環境設定ディレクトリ>\etc\eternus_hardope.def |
次のフォーマットで、OLU番号とデバイスインスタンスIDの組合せを1行で記載します。
OLU番号,デバイスインスタンスID<改行> |
[例]
53,MPIO\DISK&VEN_FUJITSU&PROD_E8000&REV_0000\1&7F6AC24&0&4538393053323041232323232020202020203641303030323330333033330000 54,MPIO\DISK&VEN_FUJITSU&PROD_E8000&REV_0000\1&7F6AC24&0&4538393053323041232323232020202020203641303030323330333033330001 55,MPIO\DISK&VEN_FUJITSU&PROD_E8000&REV_0000\1&7F6AC24&0&4538393053323041232323232020202020203641303030323330333033330002 56,MPIO\DISK&VEN_FUJITSU&PROD_E8000&REV_0000\1&7F6AC24&0&4538393053323041232323232020202020203641303030323330333033330003 57,MPIO\DISK&VEN_FUJITSU&PROD_E8000&REV_0000\1&7F6AC24&0&4538393053323041232323232020202020203641303030323330333033330004 58,MPIO\DISK&VEN_FUJITSU&PROD_E8000&REV_0000\1&7F6AC24&0&4538393053323041232323232020202020203641303030323330333033330005 |
万一の場合に備えて、バックアップサーバのデバイス定義ファイルを退避してください。
退避するファイルは以下のとおりです。
<環境設定ディレクトリ>\etc\eternus_hardope.def |
「12.5.1 swsrpdbinfo_ex2k3/swsrpdbinfo_exchange(Exchangeデータベース情報登録コマンド)」によって、管理ファイルにExchangeデータベース情報を登録します。Exchangeデータベースのバックアップ/リストアを行う前に、Exchangeサーバ上でこのコマンドを実行して初期設定を行います。また、Exchange Serverの構成が変更された場合もこのコマンドを実行します。
例:ストレージグループFirstStorageGroupのデータベース情報を格納します。業務サーバ(EXCHG-SVR)からコマンドを実行します。
C:\>set SWSTGNODE=nodeAGT C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpdbinfo_ex2k3 -evs VSVR -sgname FirstStorageGroup swsrpdbinfo_ex2k3 successfully completed C:\> |
Exchangeサーバがシングル構成の場合、アドバンスト・コピー制御用ディスク(アクセスボリューム)をExchangeサーバ用に作成する必要があります。
なお、クラスタ構成の場合は、AdvancedCopy Manager用の共有データ用共用ディスクをアクセスボリュームとして使用するため、ここで説明する作業は不要です。
以下に、アドバンスト・コピー制御用ディスクの作成手順を記載します。
No | 手順 | 作業内容 |
---|---|---|
1 | 論理ユニットの作成 | バックアップ対象のExchangeデータベースと同一のディスクアレイ装置内に論理ユニットを作成します。論理ユニットのサイズは任意です(アドバンスト・コピー制御用ディスクはディスクサイズに依存しないので最小のサイズで作成が可能です)。 |
2 | ホストへの接続 | 作成した論理ユニットをホストに接続します。接続手順は、ETERNUS ディスクアレイのマニュアルを参照してください。 |
3 | パーティションの作成 | ホスト(サーバ)に接続した論理ユニット(ディスク)にパーティションを作成します。 |
4 | ドライブ文字の割当て | 手順3で作成したパーティションにドライブ文字を割り当てます。 |
5 | ファイルシステムの作成 | 手順3で作成したパーティションをNTFSでフォーマットします。 |
アドバンスト・コピー制御用ディスクの作成後、アクセスボリューム定義ファイルを以下のファイル名でExchangeサーバ上に新規作成します。
<環境設定ディレクトリ>\etc\eternus_accdrv.ini |
アクセスボリューム定義ファイルのフォーマットは以下のとおりです。
Drive=<ドライブ文字> |
以下はアクセスボリューム定義ファイルの記述例です(ドライブ文字がEの場合)。
Drive=E |