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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.2 運用ガイド
ETERNUS

13.1.7 クラスタ運用でのレプリケーション運用の注意事項

MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用では、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

複写先のボリュームがクラスタのディスクリソースとして登録されている場合は、OPCを利用したスナップショット型のレプリケーションを行ってください。

注意

複写先のボリュームがクラスタのディスクリソースとして登録されている場合、パーティション単位のコピーを推奨します。

クラスタのディスクリソースを対象としてLogical Unit単位でコピーを行い、ディスクの管理情報であるシグネチャ(MBRディスク形式の場合)またはGUID(GPTディスク形式の場合)が変更された場合、複写先のディスクリソースがクラスタから認識できなくなることがあります。

Logical Unit単位にコピーする際は、「Logical Unit(ディスク)単位コピーを実施する場合の注意事項」を参照してください。

レプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

ポイント

物理ディスクリソースの保守モード状態を確認するには、以下の構文を使用したコマンドを入力してください。

cluster [ClusterName] res DiskResourceName /maint
  • 「状態」が「オンライン」と表示される場合は、保守モードは“OFF”になっています。

  • 「状態」が「オンライン(保守)」と表示される場合は、保守モードは“ON”になっています。

  1. 複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  2. 複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  3. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    >
  4. 複写元ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off
  5. 複写先ボリュームがクラスタの物理ディスクリソースとして登録されている場合は、物理ディスクリソースの保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

ECを利用する場合は、複製先を非クラスタの管理対象サーバ(Storageサーバ)に接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはOPCを利用したスナップショット型レプリケーションを使用してください。

ECを利用したレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

  1. 同期処理を開始します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed
    >
  2. 等価性維持状態を確認します。

  3. 物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  4. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    >
  5. 物理ディスクリソース(複製元ボリューム)の保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写元ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

RECを利用する場合も、複製先を非クラスタの管理対象サーバに接続してサーバ間のレプリケーション運用を行ってください。逆方向のレプリケーションはRECを利用した同期型レプリケーションを使用します。

RECを利用した逆方向のレプリケーションを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。

  1. 物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをONにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on
  2. 同期処理を開始します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed
    >
  3. 等価性維持状態を確認します。

  4. レプリケーションを実行します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    >
  5. 物理ディスクリソース(複写先ボリューム)の保守モードをOFFにします。

    > cluster [ClusterName] res <複写先ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off

同期処理中(手順2から手順4の間)に物理ディスクリソースが一度オフラインになると、オンラインにできなくなるため、注意してください。

同期処理中に物理ディスクリソースがオフラインになってしまった場合は、以下の手順で対処してください。

  1. 非クラスタの管理対象サーバから同期処理を停止します。

    > C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpcancel -m From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpcancel completed
    >
  2. 物理ディスクリソースをオンラインにしてから逆方向のレプリケーションを再実行します。

13.1.7.1 Exchange2003/2007データベースでの注意事項

クラスタ運用でのExchange2003/2007データベースのバックアップとリストアでは、以下の注意事項があります。

Exchange連携機能をMSCSで運用する場合は、以下を実施してください。

13.1.7.2 SQL Serverデータベースでの注意事項

クラスタ運用でのSQL Serverデータベースのバックアップとリストアには、以下の注意事項があります。

SQL Serverバックアップ機能をMSCSまたはWSFCでクラスタ運用する場合は、以下を実施してください。

13.1.7.3 Hyper-Vでの注意事項

クラスタ運用でのHyper-VゲストOSのバックアップとリストアには、以下の注意事項があります。

Hyper-Vのバックアップ機能をWSFCでクラスタ運用する場合は、以下を実施してください。

13.1.7.4 クラスタグループ停止時のレプリケーション

MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合

AdvancedCopy Managerが属するクラスタグループが稼働している場合、稼働ノードだけでレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行えません。クラスタグループが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行えません。

ただし、クラスタグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用できます。

注意

以下のリソースを起動(オンライン)できない場合は、レプリケーション運用を行えません。

  • AdvancedCopy GUI Service (運用管理サーバ業務だけ)

  • SymfoWARE RDA RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)

    Windows Server 2008以降の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。

  • SymfoWARE RDB RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)

  • AdvancedCopy COM Service_論理ノード名

  • IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)

  • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース

  • AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)

  • レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)

以下の手順で、クラスタグループ停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタグループが停止(offline)していることを確認します。
    クラスタグループの停止方法は、「第2章 サービスの起動と停止」を参照してください。

  2. 運用に必要なリソースを起動(online)にします。
    以下のリソースを起動してください。

    • AdvancedCopy GUI Service(運用管理サーバ業務だけ)

    • SymfoWARE RDA RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)

      Windows Server 2008以降の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。

    • SymfoWARE RDB RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)

    • AdvancedCopy COM Service_論理ノード名

    • IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース

    • AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)

    • レプリケーション運用ディスク(運用したい複写元ボリューム/複写先ボリューム)

    注意

    • リソースの起動は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じリソースを起動しないでください。

    • AdvancedCopy COM Service_論理ノード名と業務ディスクは依存関係が設定されているため、AdvancedCopy COM Service_論理ノード名を起動すると依存関係のあるディスクリソースがすべて起動されます。

    • リソースの起動方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。

  3. 環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。
    環境変数の設定方法は以下のとおりです。

    <実行例>

    set SWSTGNODE=論理ノード名
  4. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用できます。

  5. 手順2で起動したすべてのリソースを停止(オフライン)します。
    リソースの停止方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。

  6. クラスタグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタグループを起動します。
    クラスタグループの起動方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。