MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合
クラスタシステムにおけるバックアップ運用では、通常運用と異なる以下の注意事項があります。
バックアップコマンド実行中にフェイルオーバが発生した場合、「12.2.3.1 swstsrsemtch(資源整合コマンド)」を使用して整合性がとれるようにリカバリー対処が必要です。
クラスタ運用を行う場合、AdvancedCopy Managerはクラスタグループに組み込まれており、クラスタグループの一部として動作するため、バックアップ運用はクラスタグループの運用系で実施する必要があります。
待機状態となっているノードや、別のクラスタグループからバックアップを行うことはできません。
注意
バックアップボリュームとして使用するボリュームは、以下の手順でドライブ文字の削除を行ってください。
この作業は、管理対象サーバ(Storageサーバ)配下のデバイス情報を取り込む前に実施する必要があります。
プライマリノードでディスクの管理またはディスクアドミニストレータを使用してバックアップボリュームのドライブ文字を削除します。
セカンダリノードに移動します。
セカンダリノードでディスクの管理またはディスクアドミニストレータを使用してバックアップボリュームのドライブ文字を削除します。
プライマリノードに移動します。
上記作業は、MSCSまたはWSFCがフェイルオーバ時に実施するドライブ文字割当て処理を、バックアップボリュームに対して実施しないようにするため必要です。
OPCを利用したスナップショット型のバックアップ運用を行ってください。
バックアップ/リストアを実行する際には、物理ディスクリソースの保守モードを利用して、以下の手順で行います。
ポイント
物理ディスクリソースの保守モード状態を確認するためには、以下の構文を使用したコマンドを入力してください。
cluster [ClusterName] res DiskResourceName /maint |
「状態」が「オンライン」と表示される場合は、保守モードは“OFF”になっています。
「状態」が「オンライン(保守)」と表示される場合は、保守モードは“ON”になっています。
物理ディスクリソース(業務ボリューム/バックアップボリューム)の保守モードをONにします。
> cluster [ClusterName] res <業務ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on > cluster [ClusterName] res <バックアップボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:on |
バックアップ/リストアを実行します。
> C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swstbackup Device-Name Device-Name swstbackup completed > |
物理ディスクリソース(業務ボリューム/バックアップボリューム)の保守モードをOFFにします。
> cluster [ClusterName] res <業務ボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off > cluster [ClusterName] res <バックアップボリュームの物理ディスクリソース名> /maint:off |
ECを利用する場合は、複写先を非クラスタの管理対象サーバに接続した、サーバ間のレプリケーション運用を行ってください。
クラスタ運用でのSQL Serverデータベースのバックアップとリストアには、以下の注意事項があります。
SQL Serverバックアップ機能をMSCSまたはWSFCで運用する場合は、以下を実施してください。
SQL Server業務とAdvancedCopy Manager業務を同一クラスタグループ内に作成してください。論理IPアドレスをSQL ServerとAdvancedCopy Managerで共用しないでください。
「12.6.2.1 swsrpbackup_sql(SQL Serverバックアップ実行コマンド)」を実行する際は、環境変数SWSTGNODEにAdvancedCopy Managerの論理ノード名を事前に設定してください。
「12.6.1.1 swstbackup_sqlsvr(SQL Serverバックアップ実行コマンド)」、「12.6.1.2 swstrestore_sqlsvr(SQL Serverリストア実行コマンド)」を実行する際は、Xserverオプションを使用し、その引数には、SQL Serverの仮想サーバ名を指定してください。
デバイスマップファイルはプライマリノード、セカンダリノードの双方から参照できるように配置してください。共用ディスク上に配置するか、または、両ノードのローカルディスク上に配置してください。
MSCSまたはWSFCでクラスタ運用している場合
AdvancedCopy Managerが属するクラスタグループが稼働している場合、稼働ノードだけでバックアップ運用が可能です。待機ノードではバックアップ運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、バックアップ運用を行うことはできません。同様に、クラスタグループが停止している場合も、環境が整っていないためにバックアップ運用を行うことはできません。
ただしクラスタグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、バックアップ運用を行うことができます。
注意
以下のリソースを起動(オンライン)できない場合、バックアップ運用ができません。
AdvancedCopy GUI Service(運用管理サーバ業務だけ)
SymfoWARE RDA RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)
Windows Server 2008以降の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。
SymfoWARE RDB RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)
AdvancedCopy COM Service_論理ノード名
IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース
AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)
バックアップ運用ディスク(運用したい業務ボリューム/バックアップボリューム)
以下の手順で、クラスタグループ停止中のバックアップ運用を行います。
両ノードでクラスタグループが停止(offline)していることを確認します。
クラスタグループの停止方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
運用に必要なリソースを起動(online)にします。
以下のリソースを起動してください。
AdvancedCopy GUI Service(運用管理サーバ業務だけ)
SymfoWARE RDA RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)
Windows Server 2008以降の場合は、"SymfoWARE RDA RDBSWSTF"のリソースはありません。
SymfoWARE RDB RDBSWSTF(運用管理サーバ業務だけ)
AdvancedCopy COM Service_論理ノード名
IPアドレスリソース(AdvancedCopy Managerのクラスタセットアップコマンドで作成している場合は、リソース名が“AdvancedCopy IP Address_論理ノード名”です)
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのディスクリソース
AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスクのディスクリソース(運用管理サーバ業務だけ)
バックアップ運用ディスク(運用したい業務ボリューム/バックアップボリューム)
注意
リソースの起動は必ずどちらか一方のノードで行ってください。両ノードで同じリソースを起動しないでください。
AdvancedCopy COM Service_論理ノード名と業務ディスクは依存関係が設定されているため、AdvancedCopy COM Service_論理ノード名を起動すると依存関係のあるディスクリソースがすべて起動されます。
リソースの起動方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
環境変数SWSTGNODEに該当業務の論理ノード名を設定します。
環境変数の設定方法は以下のとおりです。
<実行例>
set SWSTGNODE=論理ノード名 |
バックアップ運用を実施します。
クラスタ運用の通常時と同様、バックアップ運用を行うことができます。
手順2で起動したリソースをすべて停止(オフライン)します。
リソースの停止方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。
クラスタグループを起動(オンライン)します。
必要に応じて、クラスタグループを起動します。
クラスタグループの起動方法は、MSCSまたはWSFCのマニュアルを参照してください。