Linkexpress クラスタシステム導入説明書
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第3章 PRIMECLUSTERシステムにおける設定と運用> 3.1 SolarisおよびLinux上の設定と運用

3.1.3 作業手順

ここでは、PRIMECLUSTERシステムへLinkexpressを導入する手順について説明します。以下に説明する適用パターンから、作業手順を確認してください。

■新規インストール(1:1運用待機)

1:1運用待機の場合、以下の手順で作業を行います。

  1. 事前準備

    PRIMECLUSTERシステムで動作するための資源の確保を行います。"3.1.3.1 事前準備"を参照してください。

  2. Linkexpressのインストール(運用ノード)

    Linkexpressのインストールおよび起動確認を行います。"3.1.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。

  3. Linkexpressの環境設定(運用ノード)

    Linkexpressの環境設定を行います。"3.1.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。

  4. 状態遷移プロシジャ、状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録(運用ノード)

    運用ノードのPRIMECLUSTERシステムにLinkexpressの登録を行います。

    "3.1.3.5 状態遷移プロシジャの登録"および"3.1.3.6 状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録"を参照してください。

  5. Linkexpressのインストール(待機ノード)

    Linkexpressのインストールおよび起動確認を行います。"3.1.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。

  6. Linkexpressの環境設定(待機ノード)

    Linkexpressの環境設定を行います。"3.1.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。

  7. 状態遷移プロシジャ、状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録(待機ノード)

    待機ノードのPRIMECLUSTERシステムにLinkexpressの登録を行います。"3.1.3.5 状態遷移プロシジャの登録"および"3.1.3.6 状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録"を参照してください。

  8. クラスタアプリケーションの登録

    PRIMECLUSTERシステムにLinkexpressをクラスタアプリケーションとして登録し、クラスタアプリケーションを起動します。

  9. クラスタアプリケーションの状態遷移テスト

    クラスタアプリケーションの状態遷移テストを実行します。

■新規インストール(N:1運用待機)

Linkexpressとしてのインストール手順は1:1運用待機の場合と同様です。"新規インストール(1:1運用待機)"を参照してください。

■新規インストール(相互待機)

Linkexpressとしてのインストール手順はSafeCLUSTERの相互待機の場合と同様です。詳細は、"2.2.3 作業手順"を参照してください。その際、"SafeCLUSTER"は"PRIMECLUSTER" へ読み替えてください。

■新規インストール(カスケード運用)

Linkexpressとしてのインストール手順は1:1運用待機の場合と同様です。"新規インストール(1:1運用待機)"を参照してください。

■アンインストール

PRIMECLUSTERシステムからLinkexpressをアンインストールする方法は"3.1.3.9 Linkexpressのアンインストール"を参照してください。

3.1.3.1 事前準備

PRIMECLUSTERシステムにLinkexpressをインストールする前に、PRIMECLUSTERシステムの動作環境として以下の資源を確保してください。詳細は「PRIMECLUSTER導入運用手引書」を参照してください。

3.1.3.2 Linkexpressのインストール

パッケージのインストールおよび各種定義作業を行い、LinkexpressがPRIMECLUSTERシステムの設定をしていない通常のシステム構成で起動できるか確認します。パッケージのインストールについてはインストールガイドを参照してください。

Linkexpressの起動に失敗した場合は、システムパラメタの設定が適切でない可能性があります。インストールガイドを参照して、システムパラメタの設定を確認してください。

Linkexpressを起動します。

# lxstrsys


なお、Linkexpressの起動完了を通知するメッセージの後に以下のメッセージが1〜3個出力される場合があります。メッセージで表示された通信パスを使用する予定がない場合は問題ありません。

FL20010:ネットワーク定義にLinkexpressの応用プログラム名が定義されていません
- 応用プログラム名(appl_name)

Linkexpressの起動を確認した後は、停止処理を行ってください。

# lxstpsys

3.1.3.3 Linkexpressの環境設定

LinkexpressをPRIMECLUSTERシステムで運用する場合、hostsファイルに設定した引継ぎIPアドレの情報をLinkexpressの環境定義に反映する必要があります。また、ネットワーク定義にはPRIMECLUSTERシステムで運用するための、固有の設定を追加する必要があります。
なお、簡易導入機能(Linkexpress V5.0L10相当でサポート)による簡易導入モードの場合、ネットワーク定義、およびサーバグループ定義の作成は不要です。

以下に示す定義の変更点を反映し、定義の登録を行ってください(運用ノード)。

■定義の相互関について

引継ぎIPアドレスの影響範囲とネットワーク定義に追加するオペランドの設定を1:1運用待機の例で示します。以下の例では、PRIMECLUSTERシステム側で使用する引継ぎIPアドレスaaa.bb.cc.dddに対してnodeAというホスト名を対応づけています。

運用ノード

待機ノード

接続相手システム

■各種定義の設定について

hostsファイル、およびLinkexpressの各種定義に対するPRIMECLUSTER固有の設定は以下のとおりです。

◆hostsファイの設定

運用ノード

引継ぎIPアドレスと、対応するホスト名を追加してください。ここで設定するホスト名を自システムの情報として、動作環境定義とネットワーク定義に反映してください。

待機ノード

運用ノードと同様に引継ぎIPアドレスと、対応するホスト名を追加してください。また、運用ノードの接続相手システムのIPアドレスとホスト名も追加します。

接続相手システム

接続相手システムのhostsファイルには、PRIMECLUSTERシステムの運用ノードに追加した引継ぎIPアドレスと、対応するホスト名を設定してください。また、hostsファイルに設定したホスト名は相手システムの情報としてネットワーク定義とサーバグループ定義に反映します。

なお、hostsファイルの書き換えは、PRIMECLUSTERシステムに接続するLinkexpressクライアントに対しても行う必要があります。

◆動作環境定の設定

運用ノード

動作環境定義の自サーバ名(SERVER-NAMEキーワード)には、hostsファイルに設定した引継ぎIPアドレスに対応するホスト名を指定してください。環境定義ユーティリティでは、自サーバに関するサーバ単位の環境定義(自サーバ名)として示されます。

◆ネットワーク定の設定

運用ノード

comdef定義命令に以下のオペランドを追加してください。オペランドの詳細については、ネットワーク定義の説明を参照してください。

path定義命令に以下のオペランドを指定してください。

接続相手システム

node定義命令にPRIMECLUSTERシステム側の情報として以下のオペランドを指定してください。

◆サーバグループ定の設定

接続相手システム

接続相手システムにPRIMECLUSTERシステム側の情報を設定する場合には、相手システム名の箇所にhostsファイルに設定した引継ぎIPアドレスに対応するホスト名を設定してください。

環境定義ユーティリティでは、自サーバに関するサーバ単位の環境定義(自サーバ名)として示されます。

3.1.3.4 Linkexpressのプロセス監

導入しているPRIMECLUSTERのバージョン・レベルが4.1A20以降の場合、PRIMECLUSTERによるLinkexpressのプロセス監視が可能です。PRIMECLUSTERにプロセス監視登録を行うことでLinkexpressが異常終了したときに切替えを発生させる事ができます。

状態遷移プロシジャの修正箇所について

プロセス監視登録を行うには、以下に示す状態遷移プロシジャから"clmonproc"コマンド記述行に対するコメントを外して状態遷移プロシジャを登録してください。すでにlxclsetupコマンドを実行済みの場合、lxclsetrscコマンドで登録してください。lxclsetupコマンド未実行の場合は、lxclsetupコマンドで登録してください。

<Solarisの場合>

/opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/switch. FSUNlnkex


<Linuxの場合>

/opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/switch.FJSVlnkexp

注)Red Hat Enterprise Linux AS(v.2.1)およびRed Hat Enterprise Linux ES(v.2.1)はサポートしていません。

監視対象となるプロセスについて

監視対象とするプロセスには、@_LEXPJBを利用したファイル転送で使用されるプロセス (f3eatdmn)は、含まれていません。このプロセスも監視対象にする場合は、以下の手順でプロセス監視シェルを修正してください。

<Solarisの場合>

プロセス監視シェル:/opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link_mproc

<Linuxの場合>

プロセス監視シェル:/opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link_mproc

以下のプロセス監視シェルの"PLIST"(*1)に、プロセス名("f3eatdmn")を追加してください。

# Linkexpress daemon List(process name)
PLIST="f3easdisp f3eatrnlogput f3eatrnhstydm f3eatrnaplsnd"      ←*1

# Linkexpress daemon List(process id) : f3eatrnscale
PLIST1=`/usr/bin/ps -e -o pid -o ppid -o comm | /usr/bin/nawk '{if (($2=="1") && ($3=="f3eatrnscale")) print $1}'`

# Linkexpress daemon List(process id) : f3eatrnscaleovmain
if [ ${PLIST1} ]
then
    export PLIST1
    PLIST2=`/usr/bin/ps -e -o pid -o ppid -o comm | /usr/bin/nawk '{if (($2==ENVIRON["PLIST1"]) && ($3=="/opt/FSUNlnkexp/bin/f3eatrnscaleovmain")) print $1}'`
fi

# Linkexpress daemon List(process id) : f3eatrnrspftp

< Linux(IPF)/Linux(x64)の場合>

プロセス監視シェル:/opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link_mproc

以下のプロセス監視シェルの"f3eatdmn"記述行(*1)に対するコメントを外してください。

#######################################################################
LNK_PID_FILE=/opt/FJSVlnkexp/LOG/lnkpid
TRN_PID_DIR=/opt/FJSVlnkexp/TEMP/TRN/tmp
PID1=0          # f3easdisp
PID2=0          # f3eatdmn
PID3=0          # f3eatrnintdm
PID4=0          # f3eatrnrspdm
PID5=0          # f3eatrnrspdm_s
PID6=0          # f3eatrnintdmftp
PID7=0          # f3eatrnrspdmftp
PID8=0          # f3eatrnrspdmlnkexpb
PID9=0          # f3eatrnintdmsan
PID10=0         # f3eatrnrspdmsan
PID11=0         # f3eatrnrspdmsanreceive
PID12=0         # dtsscalepid
PID13=0         # f3eatrnlogpid
PID14=0         # dtsscaleovpid
PID15=0         # aplsndpid
PID16=0         # hstydmpid

# read PID_FILE
PID1=`grep f3easdisp $LNK_PID_FILE | awk '{print $2}'`
# PID2=`grep f3eatdmn $LNK_PID_FILE | awk '{print $2}'`          ←*1
if [ -f $TRN_PID_DIR/f3eatrnintdm ]
then
        PID3=`head -1  $TRN_PID_DIR/f3eatrnintdm`
fi
if [ -f $TRN_PID_DIR/f3eatrnrspdm ]
then
        PID4=`head -1  $TRN_PID_DIR/f3eatrnrspdm`
fi

3.1.3.5 状態遷移プロシジャの登

PRIMECLUSTERシステムで動作するための状態遷移プロシジャを登録します。状態遷移プロシジャを登録するためのシェルスクリプトをスーパーユーザーの権限で実行してください。

なお、各サーバで実行するシェルスクリプトはSolarisの場合は/opt/FSUNlnkexp/bin/ディレクトリに配置されています。Linuxの場合は/opt/FJSVlnkexp/bin/ディレクトリに配置されています。

lxclsetupコマンドでは、Linkexpressの情報ファイルを切替えディスク上にコピーし、その後、リソース登録を行います。そのため、lxclsetupコマンド実行時に切替えディスクが参照/更新できる状態である必要があります。状態遷移プロシジャの登録までの手順を以下に示します。

  1. RMSの初期設定(運用ノード)
    詳細は、"PRIMECLUSTER(TM) 導入運用手引書" 「RMSの初期設定」を参照してください。
  2. GLSリソースの初期設定(運用ノード)
    詳細は、"PRIMECLUSTER(TM) 導入運用手引書" 「GLSの初期設定」を参照してください。
  3. GDSリソースおよびFsystemリソースの初期設定(運用ノード)
    詳細は、"PRIMECLUSTER(TM) 導入運用手引書" 「GDSの初期設定」を参照してください。
  4. クラスタアプリケーションの登録
    詳細は、"PRIMECLUSTER(TM) 導入運用手引書" 「クラスタアプリケーションの設定」を参照してください。
  5. Linkexpressの環境設定
    クラスタアプリケーションが登録できた状態で、RMSを起動し切替えディスクが扱えるようにします。
    lxclsetupコマンドを1回実行します。-nオプションには共通のリソース名を設定します。リソース名は任意です。切替えディスクのマウントポイントは、Fsystemリソースで設定したマウントポイントを指定します。
    (運用ノード)
    lxclsetup -m 切替えディスクのマウントポイント -n リソース名 -M
    実行例:lxclsetup -m /mnt/shared001 -n lnkexp -M
    -nオプションに対応するリソースIDが通知されます。
    (待機ノード:切替えディスクは参照しません)
    lxclsetup -m 切替えディスクのマウントポイント -n リソース名 -S
    実行例:lxclsetup -m /mnt/shared001 -n lnkexp -S
    -nオプションに対応するリソースIDが通知されます。
  6. 状態遷移プロシジャのサブプロシジャ登録
    状態遷移プロシジャのサブプロシジの登録を行います。
    詳細は"3.1.3.6 状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録"を参照してください。
  7. クラスタアプリケーションの変更(運用ノード)
    RMSを停止し、6で登録したリソースをクラスタアプリケーションに追加します。

なお、Linkexpressのリソースは、SystemState3として登録されています。Linux版の登録手順の詳細は、"付録B Linkexpressのリソース設定手順サンプルログ(Linux)"を参照してください。Solaris版については"付録D Solaris PRIMECLUSTERへのセットアップ手順"を参照してください。

3.1.3.6 状態遷移プロシジャのサブプロシジの登録

状態遷移プロシジャから呼び出されてLinkexpressの運用に関する切替え処理を行うためのプロシジャをサブプロシジャと呼びます。サブプロシジャには、以下の3種類があります。

項番

サブプロシジャ名

処理内容

サブプロシジャの格納先ディレクトリ

Solaris

Linux

1

切替えディスクへのリンク設定(link.tbl)

切替えディスクへのリンク設定

/opt/FSUNlnkexp/lib/subproc

/opt/FJSVlnkexp/lib/subproc

2

業務の再開(work.sh)

業務キャンセル・開始、または、リカバリモードで業務再開

/opt/FSUNlnkexp/MANAGER

/opt/FJSVlnkexp/MANAGER

3

DBサービスの再開(dbsv.sh)

DBサービスをリセット

/opt/FSUNlnkexp/MANAGER

/opt/FJSVlnkexp/MANAGER

サブプロシジャのサンプルは以下のディレクトリに格納されています。

<Solarisの場合>

/opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER

<Linuxの場合>

/opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER

◆サブプロシジャの登録手順

サブプロシジャの登録は、サブプロシジャのサンプルを格納先ディレクトリに複写することにより行われます。以下の手順で行ってください。

切替えディスクのリンク設定(link.tbl)

切替えディスクへのリンク設定(link.tbl)サブプロシジャの登録は、運用ノードと待機ノードで行います。

  1. 切替えディスクへのリンク設定(link.tbl)のサンプルを格納先ディレクトリに複写します。
  2. 複写したサブプロシジャを、vi等のテキストエディタを利用して自システムの運用に合わせてカスタマイズします。

サブプロシジャの登録操作の手順を以下に示します。

<Solarisの場合>

(1.サブプロシジャのサンプルを、格納先ディレクトリに複写します。)
# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link.tbl /opt/FSUNlnkexp/lib/subproc/.
(2.複写したファイルをviなどのエディタで、自システムの運用に合わせてカスタマイズします。)
# vi /opt/FSUNlnkexp/lib/subproc/link.tbl

<Linuxの場合>

(1.サブプロシジャのサンプルを、格納先ディレクトリに複写します。)
# cp /opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link.tbl /opt/FJSVlnkexp/lib/subproc/.
(2.複写したファイルをviなどのエディタで、自システムの運用に合わせてカスタマイズします。)
# vi /opt/FJSVlnkexp/lib/subproc/link.tbl

業務の再開(work.sh)とDBサービスの再開(dbsv.sh)

業務の再開(work.sh)とDBサービスの再開(dbsv.sh)サブプロシジャの登録は、運用ノードで行います。ノード切替え時に業務再開させる業務がある場合に作成、登録してください。

  1. 業務の再開(work.sh)とDBサービスの再開(dbsv.sh)サブプロシジャのサンプルを格納先ディレクトリに複写します。
  2. 複写したサブプロシジャを、vi等のテキストエディタを利用して自システムの運用に合わせてカスタマイズします。

サブプロシジャの登録操作の手順を以下に示します。

<Solarisの場合>

(1.サブプロシジャのサンプルを、格納先ディレクトリに複写します。)
# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/work.sh /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/.
# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/dbsv.sh /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/.
(2.複写したファイルをviなどのエディタで、自システムの運用に合わせてカスタマイズします。)
# vi /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/work.sh
# vi /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/dbsv.sh

<Linuxの場合>

(1.サブプロシジャのサンプルを、格納先ディレクトリに複写します。)
# cp /opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/work.sh /opt/FJSVlnkexp/MANAGER/.
# cp /opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/dbsv.sh /opt/FJSVlnkexp/MANAGER/.
(2.複写したファイルをviなどのエディタで、自システムの運用に合わせてカスタマイズします。)
# vi /opt/FJSVlnkexp/MANAGER/work.sh
# vi /opt/FJSVlnkexp/MANAGER/dbsv.sh

◆サブプロシジャの編集方法

業務定義やDBサービスを新しく作成した場合、各サブプロシジャに下記の内容を追加します。

切替えディスクのリンク設(link.tbl)

link.tblは、切替えディスクのマウントポイントを記述するためのファイルです。状態遷移プロシジャは、ノード切替えが発生したときに、link.tblに記述されたパス情報を元に切替えディスクとのリンク設定を行います。PRIMECLUSTERシステムで運用する場合には必ず作成してください。

[記述形式]

1行に記述できるパス名は1つで、複数のパス名を記述する場合には、改行で区切ります。コメントは記述できません。

切替えディスクのマウントポイント

切替えディスクのマウントポイントを“/cluster”と指定した場合の記述例を以下に示します。1:1運用待機の場合は、このような1行だけの記述となります。

/cluster

N:1運用待機の待機ノードで、切替えディスクのマウントポイントを“/cluster”、“/cluster2”、“/cluster3”と指定した場合の記述例を以下に示します。

/cluster
/cluster2
/cluster3

業務の再(work.sh)

work.shは、ノードダウンなどによって中断された業務を、切替え後に、自動的に再実行するためのシェルスクリプトです。切替え時の再実行では、業務再開コマンドをrecoveryモードで記述します。recoveryモードについては、lxrrnwrkコマンドの説明を参照してください。中断された業務を再実行する場合の記述例を以下に示します。なお、Linkexpress Replication optionを利用される場合のサブプロシジャ登録時の注意事項については、「Linkexpress Replication option クラスタ導入運用ガイド」を参照してください。

中断された業務をすべて再実行する場合

<Solarisの場合>

#!/bin/sh
PATH=/opt/FSUNlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxrrnwrk -s "*" -m r

<Linuxの場合>

#!/bin/sh
PATH=/opt/FJSVlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxrrnwrk -s "*" -m r

注)業務は中断されたイベントから再開できるよう設計する必要があります。

特定の業務(GYOUMU01,GYOUMU02)を先頭イベントから再実行する場合

<Solarisの場合>

#!/bin/sh
PATH=/opt/FSUNlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxcanwrk -s GYOUMU01 -m f
lxstrwrk -s GYOUMU01
lxcanwrk -s GYOUMU02 -m f
lxstrwrk -s GYOUMU02

<Linuxの場合>

#!/bin/sh
PATH=/opt/FJSVlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxcanwrk -s GYOUMU01 -m f
lxstrwrk -s GYOUMU01
lxcanwrk -s GYOUMU02 -m f
lxstrwrk -s GYOUMU02

注)特定の業務と中断された業務を再実行する場合は、中断された業務再実行よりも先に特定業務の再実行を行う必要があります。

DBサービスの再(dbsv.sh)

DBサービスを実行している最中にノードダウン等が発生すると、DBサービスの状態に不整合が生じ、切替え後にDBサービスを継続できない場合があります。dbsv.shはDBサービスの状態を復旧するためのシェルスクリプトです。DBサービスを復旧する場合の記述例を以下に示します。

<Solarisの場合>

#!/bin/sh
PATH=/opt/FSUNlnkexp/bin:${PATH};export PATH
for  i  in   /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/DB/[A-Z]*
do
        if [ -d $i ]
        then
                j=`basename $i`
                lxrstsv -s [DBサービスグループ名] -f
        fi
done

<Linuxの場合>

#!/bin/sh
PATH=/opt/FJSVlnkexp/bin:${PATH};export PATH
for  i  in   /opt/FJSVlnkexp/MANAGER/DB/[A-Z]*
do
        if [ -d $i ]
        then
                j=`basename $i`
                lxrstsv -s [DBサービスグループ名] -f
        fi
done

注) /[A-Z]*はDBサービスグループ名検索のために記述しています。また、basenameは、検索したクラスタアプリケーショングループ名を含むディレクトリ名から、末尾のディレクトリ名だけを取り出すためのシェルコマンドです。

3.1.3.7 状態遷移プロシジャリソースの確認/変更/削除

状態遷移プロシジャリソースの確認および変更、削除についての詳細は、"PRIMECLUSTER導入運用手引書" 「PRIMECLUSTER対応製品用の状態遷移プロシジャリソースの登録/変更/削除」を参照してください。

3.1.3.8 Linkexpressの停止方法

Linkexpressの停止手順は以下のとおりです。

1.LinkexpressのリソースID確認

以下のコマンドで、LinkexpressのリソースIDを確認します。
Linkexpressのリソースは、リソースクラスがSystemState3で、かつリソース名がlnkexpです。

 [root@hstcll01 bin]# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
Cluster 1 cluster
        Domain 2 HSTCLL
                Shared 7 SHD_HSTCLL
                        SDX_SHDDC 23 class0001 UNKNOWN
                                SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP hstcll02
                                SDX_DC 25 class0001 ON hstcll01
                Node 3 hstcll01 ON
                        SDX_DC 25 class0001 ON
                        Ethernet 14 eth0 UNKNOWN
                        SystemState3 91 lnkexp ON
                Node 5 hstcll02 ON
                        SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 15 eth0 UNKNOWN
                        SystemState3 92 lnkexp OFF-STOP

2.プロセス監視停止

Linkexpressのプロセス監視を停止します。以下に実行例を示します。
LinkexpressのリソースIDは91とします。

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clmonproc -r 91 -e

3.Linkexpressの停止

以下のコマンドで停止します。

# lxstpsys -mf

Linkexpress停止の注意点

Linkexpressは、"lxstpsys"コマンドを実行により停止しますが、プロセス監視を行っている場合、クラスタの切替えが発生します。そのため、プロセス監視を停止してください。詳細は"3.1.3.12 プロセス監視の停止手順"を参照してください。

3.1.3.9 Linkexpressのアンインストール

アンインストールはすべての運用ノードおよび待機ノードで実施してください。

Linkexpressのアンインストール手順は以下のとおりです。

<Solarisの場合>

1.RMSを停止します。

- GUIの場合

"Cluster Admin"の画面より、RMSの停止を実行します。

- コマンドの場合

# /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvshut -a

2.Linkexpressのリソースをクラスタアプリケーションから削除します。

"userApplication Configuration Wizard"より、"userApplicationやResourceの削除"で、 "userApplication"のみ削除します。さらに、"userApplicationやResourceの削除"で、 Linkexpressの"Procedure"を削除します。削除後に、再度"userApplication"を構築してください。

3.ノンクラスタ環境に復元します。

lxclsetup -r を両ノードで実行します。

# lxclsetup -r

4.LinkexpressのリソースIDを確認します。

以下のコマンドでLinkexpressのリソースIDの確認します。

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree

5.Linkexpressのリソースを削除します。

以下のコマンドでリソースの削除を行います。

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelprocrsc -r リソースID

6.Linkexpressの状態遷移プロシジャの削除をします(運用ノード)。

以下のコマンドで削除を行います。

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelproc -c SystemState3 switch.FSUNlnkex

7.Linkexpressをアンインストールします。

Linkexpressのアンインストールについてはインストールガイドの"5.インストール手順"を参照してください。

<Linuxの場合>

1.RMSを停止します。

# /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvshut -a

2.Linkexpressのリソースをクラスタアプリケーションから削除します。

# /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvw

3. ノンクラスタ環境に復元します。

lxclsetup -r を両ノードで実行します。

# lxclsetup -r

4.LinkexpressのリソースIDを確認します。

以下のコマンドでLinkexpressのリソースIDの確認します。

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree

5.Linkexpressのリソースを削除します。

以下のコマンドでリソースの削除を行います。

/etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelprocrsc -r リソースID

6.Linkexpressの状態遷移プロシジャの削除をします(運用ノード)。

以下のコマンドで削除を行います。

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelproc -c SystemState3 switch.FJSVlnkexp

7.Linkexpressをアンインストールします。

Linkexpressのアンインストールについてはインストールガイドの"5.インストール手順"を参照してください。

詳細は、"PRIMECLUSTER 導入運用手引書" 「PRIMECLUSTER対応製品用の状態遷移プロシジャリソースの登録/変更/削除」を参照してください。

運用ノードの実行例を以下に示します。
Linkexpressのリソースは、リソースクラスがSystemState3で、かつリソース名がlnkexpです。

 [root@hstcll01 bin]# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
Cluster 1 cluster
        Domain 2 HSTCLL
                Shared 7 SHD_HSTCLL
                        SDX_SHDDC 23 class0001 UNKNOWN
                                SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP hstcll02
                                SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP hstcll01
                Node 3 hstcll01 ON
                        SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 14 eth0 UNKNOWN
                        SystemState3 87 lnkexp OFF-STOP
                Node 5 hstcll02 ON
                        SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 15 eth0 UNKNOWN
                        SystemState3 88 lnkexp OFF-STOP
[root@hstcll01 bin]# /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelprocrsc -r 87
[root@hstcll01 bin]# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
Cluster 1 cluster
        Domain 2 HSTCLL
                Shared 7 SHD_HSTCLL
                        SDX_SHDDC 23 class0001 UNKNOWN
                                SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP hstcll02
                                SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP hstcll01
                Node 3 hstcll01 ON
                        SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 14 eth0 UNKNOWN
                Node 5 hstcll02 ON
                        SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 15 eth0 UNKNOWN
                        SystemState3 88 lnkexp OFF-STOP
[root@hstcll01 bin]#

待機ノードの実行例を以下に示します。

 [root@hstcll02 bin]# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
Cluster 1 cluster
        Domain 2 HSTCLL
                Shared 7 SHD_HSTCLL
                        SDX_SHDDC 23 class0001 UNKNOWN
                                SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP hstcll02
                                SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP hstcll01
                Node 3 hstcll01 ON
                        SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 14 eth0 UNKNOWN
                Node 5 hstcll02 ON
                        SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 15 eth0 UNKNOWN
                        SystemState3 88 lnkexp OFF-STOP
[root@hstcll02 bin]# /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelprocrsc -r 88
[root@hstcll02 bin]# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
Cluster 1 cluster
        Domain 2 HSTCLL
                Shared 7 SHD_HSTCLL
                        SDX_SHDDC 23 class0001 UNKNOWN
                                SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP hstcll02
                                SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP hstcll01
                Node 3 hstcll01 ON
                        SDX_DC 25 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 14 eth0 UNKNOWN
                Node 5 hstcll02 ON
                        SDX_DC 24 class0001 OFF-STOP
                        Ethernet 15 eth0 UNKNOWN
[root@hstcll02 bin]#

3.1.3.10 定義変更の手順(運用ノードのみ)

ネットワーク定義、サーバグループ定義および、動作環境定義の変更手順を以下に示します。
プロセス監視の有無によって、手順は2通りあります。

■プロセス監視なしの場合

  1. Linkexpress の停止
    以下のコマンドでLinkexpressを停止します。

    # lxstpsys

  2. 詳細は"3.1.3.8 Linkexpressの停止方法"を参照してください。
  3. 各定義の変更
    各定義を変更し、登録します。
  4. Linkexpressの起動
    以下のコマンドでLinkexpressを起動します。

    # lxstrsys

■プロセス監視ありの場合

  1. Linkexpress の停止
    Linkexpressを停止します。詳細は"3.1.3.8 Linkexpressの停止方法"を参照してください。
  2. 各定義の変更
    定義体の変更を行い、登録します。
  3. Linkexpressの起動
    以下のコマンドでLinkexpressを起動します。

    # lxstrsys

  4. Linkexpressプロセス監視の開始
    Linkexpressのプロセス監視を開始します。以下に実行例を示します。
    LinkexpressのリソースIDは91とします。

    <Solarisの場合>

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clmonproc -r 91 -s -a /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link_mproc -c 0

    <Linuxの場合>

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clmonproc -r 91 -s -a /opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link_mproc -c 0

3.1.3.11 状態遷移プロシジャの再登録方法 

状態遷移プロシジャに修正が必要な状況が発生した場合、以下の手順で状態遷移プロシジャの再登録を行ってください。

- Linkexpressの環境において、データベース等の環境変数を追加したい場合

- プロセス監視を行いたい場合

- プロセス監視を解除する場合

状態遷移プロシジャの再登録方法は以下のとおりです。

  1. 構成を変更するRMSを停止します(運用ノード)。
  2. 状態遷移プロシジャを取り出します(運用ノード/待機ノード)。
    cldspprocコマンドで、リソースクラスSystemState3の全ての状態遷移プロシジャを表示します。Linkexpressの状態遷移プロシジャは、switch.FSUNlnkexまたはswitch.FJSVlnkexpです。
    clgetprocコマンドで、状態遷移プロシジャを、/tmp/switch.FSUNlnkexまたは/tmp/switch.FJSVlnkexp に取り出します。
    実行例を以下に示します。

    <Solarisの場合>

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldspproc -c SystemState3 all
    switch.FSUNlnkex
    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgetproc -c SystemState3 -f /tmp/switch.FSUNlnkex switch.FSUNlnkex

    <Linuxの場合>

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldspproc -c SystemState3 all
    switch.FJSVlnkexp
    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgetproc -c SystemState3 -f /tmp/switch.FJSVlnkexp switch.FJSVlnkexp

  3. 状態遷移プロシジャを修正します(運用ノード/待機ノード)。
    2.で取り出した状態遷移プロシジャを修正します。
  4. 状態遷移プロシジャを再登録します(運用ノード/待機ノード)。
    3.で修正した状態遷移プロシジャを再登録します(clsetprocコマンド)

    <Solarisの場合>

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsetproc -o -c SystemState3 -m switch.FSUNlnkex /tmp/switch.FSUNlnkex

    <Linuxの場合>

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsetproc -o -c SystemState3 -m switch.FJSVlnkexp /tmp/switch.FJSVlnkexp

  5. RMSを起動します(運用ノード)。
    状態遷移プロシジャの再登録方法についての詳細は、"PRIMECLUSTER導入運用手引書" 「PRIMECLUSTER対応製品用の状態遷移プロシジャリソースの登録/変更/削除」を参照してください。

3.1.3.12 プロセス監視の停止手順

プロセス監視を行っている場合、Linkexpressの停止を行えません。しかし、パッチ適用や状態遷移プロシジャの変更作業等で、Linkexpressを停止する場合、以下の手順で一時的にプロセス監視を停止できます。

a.プロセス監視を停止する

/etc/opt/FJSVcluster/bin/clmonproc -r LinkexpressのリソースID(*1) -e

b.Linkexpressを停止する

# lxstpsys -mf

c.パッチ適用や状態遷移プロシジャを変更または登録する

d.Linkexpressを起動する

# lxstrsys

e.プロセス監視を開始する

<Solarisの場合>

/etc/opt/FJSVcluster/bin/clmonproc -r LinkexpressのリソースID(*1) -s -a /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link_mproc -c 0

<Linuxの場合>

/etc/opt/FJSVcluster/bin/clmonproc -r LinkexpressのリソースID(*1) -s -a /opt/FJSVlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/link_mproc -c 0

*1:LinkexpressのリソースIDは、clgettreeコマンドで確認してください。


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