Linkexpress クラスタシステム導入説明書
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第2章 SafeCLUSTERシステムにおける設定と運用> 2.2 Solaris上の設定と運用(相互待機)

2.2.3 作業手順

ここでは、SafeCLUSTERシステムへLinkexpressを導入する手順について説明します。利用するSafeCLUSTERシステムの運用形態によって違いがあるため、以下に説明する適用パターンから、作業手順を確認してください。

■新規インストール(1:1相互待機)

1:1相互待機の場合、以下の手順で作業を行います。

  1. 事前準備

    SafeCLUSTERシステムで動作するための資源の確保を行います。"2.2.3.1 事前準備"を参照してください。

  2. Linkexpressのインストール

    各ノードでLinkexpressのインストールおよび起動確認を1回行います。"2.2.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。

  3. Linkexpressの環境設定

    各ノードでLinkexpressの環境設定を1回行います。"2.2.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。

  4. 状態遷移プロシジャ、状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録

    各ノードでSafeCLUSTERシステムにLinkexpressの登録を1回行います。"2.2.3.4 状態遷移プロシジャの登録"および"2.2.3.5 状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録"を参照してください。

  5. SafeCLUSTERシステムへのサービス登録

    SafeCLUSTERシステムにLinkexpressをサービスとして登録し、サービスを起動します。サービスの登録については"2.2.3.6 SafeCLUSTERシステムの環境設定(相互待機)"を参照してください。

  6. Linkexpressの待機業務登録

    各ノードで運用インスタンスに対するLinkexpressの運用業務(通常業務)を登録後、待機インスタンスに対するLinkexpressの待機業務を登録します。待機業務の登録については"2.2.3.7 Linkexpressの待機業務登録"を参照してください。

    切替え発生時には、待機インスタンス用に登録された待機業務を使用可能状態とし、待機業務を実行することにより相互待機を実現します。

■新規インストール(n:n相互待機)

n:n相互待機の場合、以下の手順で作業を行います。

注)
2.,3.,4.および6.は各ノードごとに1回行います。
  1. 事前準備

    SafeCLUSTERシステムで動作するための資源の確保を行います。"2.2.3.1 事前準備"を参照してください。

  2. Linkexpressのインストール

    各ノードでLinkexpressのインストールおよび起動確認を1回行います。"2.2.3.2 Linkexpressのインストール"を参照してください。

  3. Linkexpressの環境設定

    各ノードでLinkexpressの環境設定を1回行います。"2.2.3.3 Linkexpressの環境設定"を参照してください。

  4. 状態遷移プロシジャ、状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録

    各ノードでSafeCLUSTERシステムにLinkexpressの登録を1回行います。"2.2.3.4 状態遷移プロシジャの登録"および"2.2.3.5 状態遷移プロシジャのサブプロシジャの登録"を参照してください。

  5. SafeCLUSTERシステムへのサービス登録

    SafeCLUSTERシステムにLinkexpressをサービスとして登録し、サービスを起動します。サービスの登録については"2.2.3.6 SafeCLUSTERシステムの環境設定(相互待機)"を参照してください。

  6. Linkexpressの待機業務登録

    各ノードで運用インスタンスに対するLinkexpressの運用業務(通常業務)を登録後、待機インスタンスに対するLinkexpressの待機業務を登録します。待機業務の登録については"2.2.3.7 Linkexpressの待機業務登録"を参照してください。

    切替え発生時には、待機インスタンス用に登録された待機業務を使用可能状態とし、待機業務を実行することにより相互待機を実現します。

■アンインストール

SafeCLUSTERシステムの相互待機におけるLinkexpressのアンインストールは"2.2.3.8 Linkexpressのアンインストール"を参照してください

2.2.3.1 事前準備

SafeCLUSTERシステムにLinkexpressをインストールする前に、SafeCLUSTERシステムの動作環境として以下の資源を確保してください。詳細は「SafeCLUSTER説明書」を参照してください。

引継ぎIPアドレスおよび共有ディスク装置の設定は、サービス単位に必要となります。n個のサービスを運用する場合はn個用意してください。

注)
Linkexperss単体導入時、共用ディスクは必須ではありません。しかし、Linkexpress Replication option導入時は必須となります。

2.2.3.2 Linkexpressのインストール

パッケージのインストールおよび各種定義作業を行い、LinkexpressがSafeCLUSTERシステムの設定をしていない通常のシステム構成で起動できるか確認します。パッケージのインストールについてはインストールガイドを参照してください。

Linkexpressの起動に失敗した場合は、システムパラメタの設定が適切でない可能性があります。インストールガイドを参照して、システムパラメタの設定を確認してください。

Linkexpressの起動を確認します。

lxstrsys

なお、Linkexpressの起動完了を通知するメッセージの後に以下のメッセージが1〜3個出力される場合があります。メッセージで表示された通信パスを使用する予定がない場合は問題ありません。

FL20010:ネットワーク定義にLinkexpressの応用プログラム名が定義されていません
- 応用プログラム名(appl_name)

Linkexpressの起動を確認した後は、停止処理を行ってください。

lxstpsys

2.2.3.3 Linkexpressの環境設定

LinkexpressをSafeCLUSTERシステムの相互待機で運用する場合、hostsファイルに設定した引継ぎIPアドレスの情報をLinkexpressの環境定に反映する必要があります。また、ネットワーク定義にはSafeCLUSTERシステムで運用するための、固有の設定を追加する必要があります。

以下に示す定義の変更点を反映し、定義の登録を行ってください。

■定義の相互関について

引継ぎIPアドレスの影響範囲とネットワーク定義に追加するオペランドの設定を1:1相互待機の例で示します。以下の例では、SafeCLUSTERシステム側で使用する引継ぎIPアドレスaaa.bb.cc.dddに対してclip1, aaa.bb.cc.eeeに対してclip2という引継ぎホスト名を対応づけています。

ノード1(nodeA)

ノード2(nodeB)

接続相手システム(nodeC)

■各種定義の設定について

hostsファイル、およびLinkexpressの各種定義に対するSafeCLUSTER固有の設定は以下のとおりです。

◆hostsファイの設定

相互待機システム

相互待機システムを構成する各ノードのhostsファイルには、自ノード上の運用インスタンスが属するサービスの引継ぎIPアドレスとホスト名、および自ノード上の待機インスタンスが属するサービスの引継ぎIPアドレスとホスト名を追加してください。これらのホスト名は、運用ホスト名(own_nodeオペランド)としてネットワーク定義に反映します。

接続相手システム

接続相手システムのhostsファイルには、SafeCLUSTERシステム側の引継ぎIPアドレスとホスト名を追加してください。また、hostsファイルに設定したホスト名は相手システムの情報としてネットワーク定義に反映します。

◆動作環境定義の設

相互待機システム

相互待機システムを構成する各システムの動作環境定義では、以下の設定を行ってください。

◆ネットワーク定の設定

相互待機システム

相互待機システムを構成する各ノードでは、接続先システムに対して同一応用プログラム名(たとえば@_LEXPSV)を指定したpath定義を2つ用意する必要があります。一方は運用インスタンス用、もう一方は待機インスタンス用のpath定義です。

各path定義命令に以下のオペランドを追加してください。オペランドの詳細については、ネットワーク定義の説明を参照してください。

なお、応用プログラム名には、業務定義を利用する場合は@_LEXPSVを指定し、ファイル転送コマンドを利用する場合は@_LEXPJBを指定してください。これらの応用プログラム名が指定された場合、要求用通信パス名/応答用通信パス名は、同一node定義内であってもpath間で重複可能です。詳細は"2.2.7 ネットワーク定義の要求/応答用通信パス名の一意性について"を参照してください。

また、相互待機クラスタシステムを構成する各ノード間では、同一の接続相手システムに対する要求用通信パス名/応答用通信パス名を同一にしてください。

環境定義ユーティリティでpath定義を追加する場合は、以下の手順で行ってください。

  1. [挿入]−[サーバ]コマンドで接続先システムを追加します。
  2. サーバの新規追加ダイアログでhostsファイルに定義した相手システム名を設定します。
  3. サーバ種別で転送専用サーバを選択します。
  4. [挿入]−[ネットワークパス]コマンドで、ネットワークパスの新規追加ダイアログを開きます。
  5. 通信パスの情報を設定します。
  6. 4.〜5.の操作をもう一度実行して2つ目の通信パスを追加します。この際、新しいパス名の設定が必要です。また、要求用通信パス名および応答用通信パス名の変更が必要な場合は変更してください。(注)
注)
2つ目の通信パスを作成した場合、相手システム(転送専用サーバ)側のネットワーク定義においても対応する2つ目の通信パスが自動生成されます。しかし相手システム側においては、1つのnode定義内に2つの通信パスは不要であるため、相手システム側のネットワーク定義において、待機インスタンスに対応する通信パスを削除してください。

以下に相互待機における通信パスの関係図を示します。

接続相手システム

node定義命令にSafeCLUSTERシステム側の情報として以下のオペランドを指定してください。

◆サーバグループ定の設定

相互待機システム

相互待機クラスタシステムで動作するLinkexpressは制御サーバ兼業務サーバで作成し、サーバグループを構成しません。そのため、サーバグループ定義は作成しないでください。

2.2.3.4 状態遷移プロシジャの登

SafeCLUSTERシステムで動作するための状態遷移プロシジャを登録します。状態遷移プロシジャを登録するためのシェルスクリプトをスーパーユーザーの権限で実行してください。

なお、各サーバで実行するシェルスクリプトは/opt/FSUNlnkexp/bin/ディレクトリに配置されています。

◆相互待機の状態遷移プロシジャ

相互待機の場合、運用インスタンス用の状態遷移プロシジャと待機インスタンス用の状態遷移プロシジャは異なります。そのため、1つのノードに対して2つの状態遷移プロシジャ登録が必要です。

以下に相互待機における状態遷移プロシジャ登録の概要図を例で示します。

以下に状態遷移プロシジャの登録手順を示します。

ノード1

  1. 運用インスタンス用状態遷移プロシジャ登録

    運用インスタンス用状態遷移プロシジャ登録のため、lxclsetrscを実行します。-nオプションにはリソース名を指定し、-mオプションにはo(operate)を指定してください。リソース名は任意です。

    lxclsetrsc -n リソース名 -m o


注)
リソース名とは、LinkexpressをSafeCLUSTERシステムに登録するための任意の名前です。
  1. 待機インスタンス用状態遷移プロシジャ登録

    待機インスタンス用状態遷移プロシジャ登録のため、lxclsetrscを実行します。-nオプションにはリソース名を指定し、-mオプションにはs(standby)を指定してください。リソース名は任意ですが、同一ノード上の運用インスタンス用状態遷移プロシジャ登録時とは異なる名前にしてください。

    lxclsetrsc -n リソース名 -m s

ノードn

  1. 運用インスタンス用状態遷移プロシジャ登録

    運用インスタンス用状態遷移プロシジャ登録のため、lxclsetrscを実行します。-nオプションには、相互関係となる待機インスタンス用状態遷移プロシジャ登録時に指定したリソース名を指定し、-mオプションにはo(operate)を指定してください。

    lxclsetrsc -n 待機インスタンス用状態遷移プロシジャ登録時のリソース名 -m o

  2. 待機インスタンス用状態遷移プロシジャ登録

    待機インスタンス用状態遷移プロシジャ登録のため、lxclsetrscを実行します。-nオプションには、相互関係となる運用インスタンス用状態遷移プロシジャ登録時に指定したリソース名を指定し、-mオプションにはs(standby)を指定してください。

    lxclsetrsc -n 運用インスタンス用状態遷移プロシジャ登録時のリソース名 -m s

2.2.3.5 状態遷移プロシジャのサブプロシジの登録

状態遷移プロシジャから呼び出されてLinkexpressの運用に関する切替え処理を行うためのプロシジャをサブプロシジャと呼びます。サブプロシジャには、以下の5種類があります。

項番

サブプロシジャ名

処理内容

サブプロシジャの格納先ディレクトリ

1

相互関係システム設定 (mutual.tbl)(注)

相互関係となるシステムのホスト名を設定

/opt/FSUNlnkexp/lib/subproc/

2

待機業務の再実行(work_ms.sh)

切替え時の特定の運用業務再実行

/opt/FSUNlnkexp/MANAGER

3

待機業務用DBサービスの再実行(dbsv_ms.sh)

切替え時の特定の運用業務用DBサービスをリセット

/opt/FSUNlnkexp/MANAGER

4

運用業務の再実行(work_mo.sh)

切戻し時の特定の運用業務再実行

/opt/FSUNlnkexp/MANAGER

5

運用業務用DBサービスの再実行(dbsv_mo.sh)

切戻し時の特定の運用業務用DBサービスをリセット

/opt/FSUNlnkexp/MANAGER

サブプロシジャのサンプルは以下のディレクトリに格納されています。

/opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER

注) サブプロシジャのうち、1.の相互関係システム設定は省略できません。必ず設定してください。

◆サブプロシジャの登録手順

サブプロシジャの登録は、サブプロシジャのサンプルを格納先ディレクトリに複写することにより行われます。以下の手順で行ってください。

相互関係システム設定(mutual.tbl)

相互関係システム設定(mutual.tbl)サブプロシジャの登録は、待機インスタンスが存在する各ノードで行います。

サブプロシジャの登録操作の手順を以下に示します。

(1.サブプロシジャのサンプルを、格納先ディレクトリに複写します。)

# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/mutual.tbl /opt/FSUNlnkexp/lib/subproc/.

(2.複写したファイルをviなどのエディタで、自システムの運用に合わせてカスタマイズします。)

# vi /opt/FSUNlnkexp/lib/subproc/mutual.tbl

業務の再実行(work_mo.sh,work_ms.sh)とDBサービスの再実行(dbsv_mo.sh,dbsv_ms.sh)

サブプロシジャの登録操作の手順を以下に示します。

(1.サブプロシジャのサンプルを、格納先ディレクトリに複写します。)

# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/work_ms.sh /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/.

# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/dbsv_ms.sh /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/.

# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/work_mo.sh /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/.

# cp /opt/FSUNlnkexp/SAMPLE/CLUSTER/dbsv_mo.sh /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/.

(2.複写したファイルをviなどのエディタで、自システムの運用に合わせてカスタマイズします。)

# vi /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/work_ms.sh

# vi /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/dbsv_ms.sh

# vi /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/work_mo.sh

# vi /opt/FSUNlnkexp/MANAGER/dbsv_mo.sh

◆サブプロシジャの編集方法

業務定義やDBサービスを新しく作成した場合、各サブプロシジャに以下の行を追加します。

相互関係システム設(mutual.tbl)

mutual.tblは、自ノード上の待機インスタンスが属するサービスの引継ぎIPアドレスに対するホスト名を記述するファイルです。状態遷移プロシジャは、ノード切替えが発生した際、mutual.tbl に記述されたホスト名を使用し、待機業務を実行可能または実行不可能な状態に切替えます。

[記述形式]

自ノード上の待機インスタンスが属するサービスの引継ぎIPアドレスに対するホスト名を、1行目に記述します。

ホスト名

ホスト名に“clip2”と指定した場合の記述例を以下に示します。

clip2

以下に1:1相互待機における相互関係システム設定例を示します。

待機業務の再実(work_ms.sh)

work_ms.shは、切替え後に自ノード(切替え先ノード)上の待機業務を先頭イベントから自動的に再実行するためのシェルスクリプトです。待機業務を再実行する記述例を以下に示します。

自ノード上の待機業務(WORK1,WORK2)を再実行する場合

#!/bin/sh
PATH=/opt/FSUNlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxstrwrk -s WORK1
lxstrwrk -s WORK2

なお、待機インスタンスからは切替え時に中断された業務を判別することはできません。

待機業務用DBサービスの再実行(dbsv_ms.sh)

DBサービスを実行している最中にノードダウン等が発生した場合、DBサービスの状態に不整合が生じます。相互待機の場合、以前に動作していた待機業務用のDBサービスに不整合が発生すると、再度の切替え後の待機業務実行時にエラーとなります。

dbsv_ms.shは切替え時に自ノード(切替え先ノード)上の待機業務に対するDBサービスの状態を復旧するためのシェルスクリプトです。待機業務のDBサービスを復旧する記述例を以下に示します。

自ノード上の待機業務用DBサービス(DBサービスグループ名:SG1,SG2)を復旧する場合

#!/bin/sh
PATH=/opt/FSUNlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxrstsv -s SG1 -f
lxrstsv -s SG2 -f

運用業務の再実行(work_mo.sh)

work_mo.shは、切戻し後に自ノード上(切戻し先ノード)の運用業務を先頭イベントから自動的に再実行するためのシェルスクリプトです。運用業務を再実行する記述例を以下に示します。

自ノード上の運用業務(GYOUMU01,GYOUMU02)を再実行する場合

#!/bin/sh
PATH=/opt/FSUNlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxstrwrk -s GYOMU1
lxstrwrk -s GYOMU2

なお、運用インスタンスからは切戻し時に中断された業務を判別することはできません。

運用業務用DBサービスの再実(dbsv_mo.sh)

DBサービスを実行している最中にノードダウン等が発生した場合、DBサービスの状態に不整合が生じます。相互待機の場合、以前に動作していた運用業務用のDBサービスに不整合が発生すると、再度の切戻し後の運用業務実行時にエラーとなります。

dbsv_mo.shは切戻し時に自ノード(切戻し先ノード)上の運用業務に対するDBサービスの状態を復旧するためのシェルスクリプトです。運用業務のDBサービスを復旧する記述例を以下に示します。

自ノード上の運用業務用DBサービス(DBサービスグループ名:G1,G2)を復旧する場合

#!/bin/sh
PATH=/opt/FSUNlnkexp/bin:${PATH};export PATH
lxrstsv -s G1 -f
lxrstsv -s G2 -f

2.2.3.6 SafeCLUSTERシステムの環境設(相互待機)

相互待機の場合、SafeCLUSTERシステムが提供するスタンバイサービスの登録を、ノード数分登録します。以下にサービス構成の概要図を示します。

SafeCLUSTERシステムが提供するサービスの登録は、[クラスタ運用設定メニュー]画面から行うことができます。SafeCLUSTER操作メニューからクラスタ運用設定を選んで、[クラスタ運用設定メニュー]画面を開いてください。なお、Linkexpressと連携する製品がある場合には、同一サービスに連携製品のリソースを登録する必要があります。

  1. サービス名の設定
  2. ノード設定
  3. サービスで使用するリソースの設定
  4. 共用ディスク装置の使用種別の設定
  5. サービスの登録

その他の登録方法の詳細については、「SafeCLUSTER導入運用手引書」を参照してください。

◆サービス名の設

[サービス名・運用形態設定]画面で、サービス名とサービスの運用形態の設定を行います。

サービス名:
登録するサービス名を記述します。サービス名は、任意の名前を指定します。
運用形態:
運用形態にはStandbyを選択します。

◆ノード設

[ノード設定(standbyクラス)]画面で、サービス名とサービスの運用形態の設定を行います。

運用ノード:
運用インスタンスを登録するノードを選択します。
待機ノード:
待機インスタンスを登録するノードを選択します。

◆サービスで使用するリソーの設定

[リソース設定]画面で、サービスで使用するリソースの設定を行います。

[設定できるリソース]一覧から以下のリソースを選択し、[設定するリソース]一覧に追加します。

◆共用ディスク装置の使用種別の設

[共用ディスク装置使用種別設定]画面で、Linkexpressの運用資源配置で使用する共用ディスク装置の種別として、切替えディスクを設定します。

◆サービスの登録

[サービス設定情報確認と登録]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。

2.2.3.7 Linkexpressの待機業務登録

LinkexpressをSafeCLUSTERの相互待機で運用する場合、自ノード上にLinkexpressの業を運用インスタンスに対して登録する一方、同一ノード上に存在する待機インスタンスに対しても待機業務を登録します。待機業務は相互関係となる運用インスタンスで登録した業務と同一の業務を登録しておく必要があります。

切替え発生時は、待機インスタンス用に登録された待機業務を使用可能状態とし、待機業務を実行することで相互待機を実現します。以下に待機業務の登録手順を示します。

  1. 各ノードに運用業務として、通常の業務定義を登録します(clip1:GYOMU1,clip2:WORK1を定義)。
  2. 各ノードに運用業務に対して相互関係となる待機業務を登録します。待機業務の業務名には自ノード上に定義済の運用業務名とは異なる名前かつ、相互関係となる他ノード上の運用業務名と同一の名前で登録してください(clip1:WORK1,clip2:GYOMU1を定義)。
    待機業務の定義内容は、運用業務と同一の内容で作成した上で、以下のオペランドを追加してください。オペランドの詳細については、業務定義の説明を参照してください。

    オペランドの値として、自ノード上の待機インスタンスが属するサービスの引継ぎホスト名を定義します。usesystemオペランドの指定値は、ネットワーク定義のown_nodeオペランドで定義されている必要があります。(clip1:待機業務WORK1にはusesystem=clip2, clip2:待機業務GYOMU1にはusesystem=clip1を指定)。

    Linkexpressクライアントでは、運用システム名として示されます。

    なお、prtworkオペランド(連携業務名)は、usesystemオペランドの指定値が同じ業務に限り、指定できます。

  3. DBサービス定義登録をともなう業務の場合、相互関係となる待機業務に対してもDBサービス定義を行います。DBサービス定義のDBサービスグループ名は、自ノード上の運用業務に対するDBサービスグループ名とは異なる名前かつ、相互関係となる他ノード上の運用業務に対するDBサービスグループ名およびDBサービス名と同一の名前で登録してください。

Linkexpressクライアントや業務監視系コマンドでは、運用業務と待機業務の判別は、運用システム名の有無で行います。

2.2.3.8 Linkexpressのアンインストール

SafeCLUSTERシステムの相互待機におけるLinkexpressのアンインストールは、サービスを停止してから、各ノードに対して通常のアンインストールを1回行ってください。


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