通常運用時に法令点検など正センタマスタノードと正センタミラーノードを停止するような保守作業を行う場合には、利用者業務の停止を待ってセンタ切り替えを行うことで、保守作業中に副センタマスタノードで業務を行うことができます。
通常運用時の正センタ保守の流れを以下に示します。
注1) 利用者業務の停止が可能な時間に実施します。
注2) Active DB GuardのRLPのRLC単位に繰り返します。
注3) Symfoware Serverの停止が必要な場合に実施します。
注4) 必要に応じて実施します。
注5) Mirroring Controllerを利用している場合で、DBミラーリング動作環境ファイルのGCM_FAILOVER=YESを指定しているときは、DBミラーリングサービスの開始前にGCMを起動してください。GCMが起動されていない場合、DBミラーリングサービスは開始できますが、警告メッセージを出力します。
注6) 保守運用から通常運用への切戻し手順については、“5.6 センタ切り替え”を参照してください。なお、正センタを副センタに、副センタを正センタにそれぞれ置き換えて、リカバリを行ってください。
注7) ロググループの数だけ繰り返します。
正センタマスタノードの操作
dxsvstopコマンドを実行します。これにより、DBミラーリングシステムは、正系ノードのDBミラーリングサービスと副系ノードのDBミラーリングサービスを連動して通常停止します。
$ dxsvstop
dxinfコマンドのsオプションの実行により、DBミラーリングサービスが通常停止していることを確認します。
DBミラーリングサービスの通常停止の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.1.2 sオプション”を参照してください。
Active DB GuardのRLPを指定してrdbbcswhコマンドを実行し、RLCファイルを強制交替します。
$ rdbbcswh -p 'Active DB GuardのRLP名'
Active DB GuardのRLPのRLCファイルが交替すると、以下のメッセージが出力されます。
rdb: INFO: qdg20150i:RLCを交替しました RLC通番='RLC通番' RLP名='Active DB GuardのRLP名'
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行します。
複写元システムでのRLCファイルの交替状態の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
交替したRLCファイルは、退避します。rdbbcrlcコマンドのBオプションを実行してRLCファイルを退避します。
このとき、RLC退避ファイル名には、複写先システムの抽出処理で指定するRLC退避ファイルを識別するために、出力ファイル名にRLC通番や日付などを付加してください。
$ rdbbcrlc -B -p 'Active DB GuardのRLP名' -f '出力先ファイル名'
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行し、RLCファイルの退避状態を確認します。
複写元システムでのRLCファイルの退避状態の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
交替したRLCファイルの抽出が完了すると、以下のメッセージが出力されます。
rdb: INFO: qdg20152i:複写先システムでRLCの抽出が完了しました RLC通番='RLC通番' RLP名='Active DB GuardのRLP名'
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行し、RLCの抽出状態を確認します。
複写元システムでのRLCファイルの抽出状態の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
セキュリティの運用ポリシーに応じて、Symfoware ServerのrdbclrfコマンドまたはOSの機能でRLC退避ファイルを削除します。
rdbbcofflineコマンドのmオプションにswitchを指定して実行し、Active DB GuardのRLPを切り替えオフラインにします。
$ rdbbcoffline -p 'Active DB GuardのRLP名' -m switch
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行し、RLPの切り替えオフライン状態を確認します。
切り替えオフラインの確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
Symfoware Serverの停止が必要な保守作業を行う場合には、Symfoware Serverのrdbstopコマンドを実行して、Symfoware Serverを停止します。
dxstopコマンドを実行して、モニタデーモンを停止します。
$ dxstop
正センタマスタノードで保守作業を実施します。
dxstartコマンドを実行して、モニタデーモンを起動します。
$ dxstart
Symfoware Serverを起動します。
Connection Managerの監視プロセスを起動します。
処理性能を向上させるために、BC管理DBのActive DB GuardのRLP環境に対応するDSIをメモリに常駐させることを推奨します。
Symfoware Serverのrdbresidentコマンドを使用して、BC管理DBのActive DB GuardのRLP環境に対応するDSIをメモリ常駐化します。
【参照】
メモリ常駐化を行うBC管理DBのActive DB GuardのDSI名については、“Active DB Guard 設計・セットアップガイド”の“BC管理DBの構成”を参照してください。
処理性能を向上させるために、BC管理DBのデータベース二重化/Mirroring ControllerのRLP環境に対応するDSIをメモリに常駐させることを推奨します。
Symfoware Serverのrdbresidentコマンドを使用して、BC管理DBのデータベース二重化/Mirroring ControllerのRLP環境に対応するDSIをメモリ常駐化します。
【参照】
メモリ常駐化を行うBC管理DBのデータベース二重化/Mirroring ControllerのDSI名については、“データベース二重化導入運用ガイド”の“DSIのメモリ常駐”または“Mirroring Controller 運用ガイド”の“DSIのメモリ常駐”を参照してください。
dxsvstartコマンドのcオプションを実行し、正系ノードのDBミラーリングサービスを開始します。
$ dxsvstart -c
【注】
正センタマスタノードで正系ノードのDBミラーリングサービスを開始する際には、正センタミラーノードで正系ノードのDBミラーリングサービスを開始していない事を確認してください。DBミラーリングシステムの管理用のLANに異常が発生している場合に、正センタマスタノードと正センタミラーノードで正系ノードのDBミラーリングサービスを開始すると、DCUの再構築が必要となります。
dxinfコマンドのsオプションの実行により、正系ノードのDBミラーリングサービスが開始されていることを確認します。
正系ノードのDBミラーリングサービスの開始の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.1.2 sオプション”を参照してください。
rdbbconlineコマンドのmオプションにreflectを指定して実行し、Active DB GuardのRLPをオンライン(複写先システム)にします。
$ rdbbconline -p 'Active DB GuardのRLP名' -m reflect
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行して、RLPのオンライン状態を確認します。
複写先システムでのオンラインの確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
正センタマスタノードのActive DB GuardのRLP(複写先システム)と副センタマスタノードのActive DB GuardのRLP(複写元システム)がオンラインとなると、以下のメッセージが両システムに出力されます。
rdb: INFO: qdg20158i:コネクション状態を確立しました RLP名='Active DB GuardのRLP名'
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行し、RLPのコネクション状態を確認します。
コネクション状態の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
抽出・反映処理を開始します。
正センタアプリケーションサーバの操作
利用者業務を停止してください。
アプリケーションサーバを利用してデータベースアクセスを行っている場合は、アプリケーションサーバのコネクションを切断します。Interstage Application Serverを利用している場合は、コネクションを停止するために、ワークユニットを一旦停止する必要があります。
運休日などでデータベース運用を停止する場合は、正系ノードのDBミラーリングサービスの停止前にアプリケーションサーバを停止してください。
正センタミラーノードの操作
dxinfコマンドのsオプションの実行により、DBミラーリングサービスが通常停止していることを確認します。
DBミラーリングサービスの通常停止の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.1.2 sオプション”を参照してください。
Symfoware Serverの停止が必要な保守作業を行う場合には、Symfoware Serverのrdbstopコマンドを実行して、Symfoware Serverを停止します。
dxstopコマンドを実行して、モニタデーモンを停止します。
$ dxstop
正センタミラーノードで保守作業を実施します。
dxstartコマンドを実行して、モニタデーモンを起動します。
$ dxstart
Symfoware Serverを起動します。
Connection Managerの監視プロセスを起動します。
処理性能を向上させるために、BC管理DBのデータベース二重化/Mirroring ControllerのRLP環境に対応するDSIをメモリに常駐させることを推奨します。
Symfoware Serverのrdbresidentコマンドを使用して、BC管理DBのデータベース二重化/Mirroring ControllerのRLP環境に対応するDSIをメモリ常駐化します。
【参照】
メモリ常駐化を行うBC管理DBのデータベース二重化/Mirroring ControllerのDSI名については、“データベース二重化導入運用ガイド”の“DSIのメモリ常駐”または“Mirroring Controller 運用ガイド”の“DSIのメモリ常駐”を参照してください。
dxsvstartコマンドのrオプションを実行し、副系ノードのDBミラーリングサービスを開始します。
$ dxsvstart -r
dxinfコマンドのsオプションの実行により、副系ノードのDBミラーリングサービスが開始されていることを確認します。
副系ノードのDBミラーリングサービスの開始の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.1.2 sオプション”を参照してください。
副センタマスタノードの操作
RLCファイルが交替すると、以下のメッセージが出力されます。
rdb: INFO: qdg20151i:複写元システムでRLCが交替しました RLC通番='RLC通番' RLP名='Active DB GuardのRLP名'
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行します。
複写先システムでのRLCファイルの交替状態の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
rdbbcextコマンドを実行して、RERUNログを抽出します。
$ rdbbcext -p 'Active DB GuardのRLP名'
RLC退避ファイルから抽出する場合は、抽出対象のRLC通番を確認後、該当のRLC通番のRLC退避ファイルから正センタマスタノードで退避した順序でRERUNログを抽出します。
$ rdbbcext -f 'RLC退避ファイル名' -p 'Active DB GuardのRLP名'
RERUNログ抽出完了のメッセージが出力されます。
rdb: INFO: qdg20033i:RERUNログの抽出が完了しました RLC通番='RLC通番' RLP名='Active DB GuardのRLP名'
rdb: INFO: qdg20210i:rdbbcextが正常終了しました 復帰コード 00
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行し、RLC退避ファイルからRERUNログが抽出された状態を確認します。
複写先システムでのRLCファイルの抽出状態の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
rdbbcrefコマンドのaオプションを実行して、データベースへRERUNログを反映します。
RERUNログを抽出したファイルをデータベースに反映します。
$ rdbbcref -p 'Active DB GuardのRLP名' -a
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行してActive DB GuardのRLPの運用情報を表示し、未抽出・未反映のRLCファイルがあるかどうかを確認します。
複写先システムでの未抽出・未反映のRLCファイルの確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
正センタマスタノードのRLPがオフラインになると、以下のメッセージが出力されます。
rdb: INFO: qdg20154i:ディスコネクション状態になりました RLP名='Active DB GuardのRLP名'
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行し、RLPのディスコネクション状態を確認します。
ディスコネクション状態の確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
rdbbcofflineコマンドのmオプションにswitchを指定して実行し、Active DB GuardのRLPを切り替えオフラインにします。
$ rdbbcoffline -p 'Active DB GuardのRLP名' -m switch
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行し、RLPの切り替えオフライン状態を確認します。
切り替えオフラインの確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
rdbbconlineコマンドのmオプションにcaptureを指定して実行し、Active DB GuardのRLPをオンライン(複写元システム)にします。
$ rdbbconline -p 'Active DB GuardのRLP名' -m capture
rdbbcrlpコマンドのVオプション、Oオプション、およびpオプションを実行して、RLPのオンライン状態を確認します。
複写元システムでのオンラインの確認については、“付録C コマンド表示内容の確認”の“C.4.2 Vオプション、Oオプション、およびpオプション”を参照してください。
【注】
副センタマスタノードでActive DB GuardのRLPをオンライン(複写元システム)する際には、正センタマスタノードでActive DB GuardのRLPをオンライン(複写元システム)にしていない事を確認してください。正センタと副センタの間のリモートコピー環境に異常が発生している場合に、正センタマスタノードと副センタマスタノードでActive DB GuardのRLPをオンライン(複写元システム)すると、Active DB GuardのRLPの復旧が必要となります。
副センタマスタノードでActive DB GuardのRLPをオンライン(複写元システム)する際には、副センタミラーノードで正系ノードのDBミラーリングサービスを開始していない事を確認してください。副センタミラーノードで正系ノードのDBミラーリングサービスを開始した状態で、副センタマスタノードでActive DB GuardのRLPをオンライン(複写元システム)すると、Active DB GuardのRLPの再作成か、データベース二重化/Mirroring ControllerのDCUの再構築が必要となります。
退避処理を開始します。
副センタアプリケーションサーバの操作
利用者業務を再開してください。アプリケーションサーバを利用して、データベースへのアクセスを行う場合、アプリケーションサーバは、副センタマスタノードのDBミラーリングサービス開始後、かつ、利用者業務開始前に起動してください。