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Interstage Service Integrator V9.4.1 運用ガイド
Interstage

3.1.3 リストア手順

資源破壊が発生した場合など、バックアップしておいたISI資源を復旧するためのリストア手順について説明します。

リストアは以下の手順で行います。

  1. ISIの停止

  2. 資源のリストア

  3. Formatmanager変換機能のセットアップ

  4. ISIの起動

  5. JMS-Rキューの再作成

  6. キュー間転送環境の構築

  7. MQD利用時の環境構築

各手順の詳細を以降で説明します。

ポイント


クラスタ構成の環境にリストアを行う場合、“ISI 導入ガイド”の“クラスタシステムのセットアップ”を参照し、クラスタ環境の設定を行い、esisetclusterコマンドを実行したあとにリストアを行ってください。クラスタを構成していない環境の場合、本手順は不要です。
各ノードでのリストアは、それぞれのノードでバックアップした資源を使用してください。

3.1.3.1 ISIの停止

リストアを行う前に、ISIを停止してください。停止手順については、“1.1 ISIサーバの運用管理”の“1.1.2 停止”を参照してください。

3.1.3.2 資源のリストア

リストア手順について説明します。

リストア対象とする資源は、バックアップ操作時にバックアップ対象とした資源です。

リストアは、以下の手順で行います。

  1. データベース環境資源のリストア

  2. APS環境資源のリストア

  3. ISI環境資源のリストア

  4. rcプロシジャの編集

  5. Interstage運用グループの設定

各手順の詳細を以降で説明します。

  1. データベース環境資源のリストア

    本手順は、ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で運用している場合に実施してください。

    データベース環境資源のリストアの詳細は、“Symfoware Server RDB運用ガイド”を参照してください。

    Symfowareの環境資源をリストアする手順の例を以下に示します。

    1. RDBシステムの作成

      RDBシステムを作成します。すでに作成済みの場合、本手順は不要です。

      データベースのセットアップ時に指定したデータベーススペース格納用のディレクトリを作成してください。データベーススペース格納用のディレクトリは、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”の「データベースの作成」で作成するディレクトリです。

      ディレクトリ作成後、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”を参照し、「RDBシステムパラメタの設定とログ・ディクショナリの作成」の手順まで実施してください。

      データベースのセットアップ時に指定したデータベーススペース格納用のディレクトリとRAWデバイスを作成してください。データベーススペース格納用のディレクトリとRAWデバイスは、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”の「データベースの作成」で作成するディレクトリとRAWデバイスです。

      ディレクトリとRAWデバイス作成後、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”を参照し、「/etc/servicesファイルの編集」の手順まで実施してください。

    2. RDBディクショナリのリストア

      RDBディクショナリをリストアします。RDBシステムが停止している状態でリストアを行ってください。

      rdbrcvdic -L -f dicback@X:\Backup\db\dic

      rdbrcvdic -L -f dicback@/backup/db/dic

      ポイント

      RDBディクショナリのリストア時に、データベーススペースに割り当てられているローカルファイルが存在しない場合は、以下のメッセージが出力されます。

      以下はデータベーススペース名が“ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE”、ローカルファイルのパスが“C:\RDBESI\ISI_MSGACMDB\esimsgacmdb”の場合の例です。

      qdg12079e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'のデバイスが削除されています デバイス名='C:\RDBESI\ISI_MSGACMDB\esimsgacmdb' (システム名=RDBESI)
      qdg02469e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'をアクセス禁止状態にしました (システム名=RDBESI)

      以下はデータベーススペース名が“ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE”、ローカルファイルのパスが“/rdbesi/isi_msgacmdb/esimsgacmdb”の場合の例です。

      qdg12079e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'のデバイスが削除されています デバイス名='/rdbesi/isi_msgacmdb/esimsgacmdb' (システム名=RDBESI)
      qdg02469e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'をアクセス禁止状態にしました (システム名=RDBESI)

      メッセージが出力された場合は、以下の対処を行ってください。

      “qdg12079e”のメッセージのデバイス名に表示されるローカルファイルのパスに関して、ローカルファイルの格納先ディレクトリC:\RDBESI\ISI_MSGACMDBが存在するか確認してください。存在しない場合は格納先ディレクトリC:\RDBESI\ISI_MSGACMDBを作成してください。

      “qdg12079e”のメッセージのデバイス名に表示されるローカルファイルのパスに関して、ローカルファイルの格納先ディレクトリ/rdbesi/isi_msgacmdbが存在するか確認してください。存在しない場合は格納先ディレクトリ/rdbesi/isi_msgacmdbを作成してください。


      対処後は、次の手順“RDBシステムを起動”を実施してください。

    3. RDBシステムを起動

      RDBシステムを起動します。

      rdbstart

      ポイント

      RDBシステムの起動には時間がかかる場合があります。コマンドの実行が完了するまで他の操作は実施しないでください。

    4. データベーススペースの再接続

      データベーススペースの再接続を行います。対象のデータベーススペースは、“3.1.2.3 資源のバックアップ”の“データベース環境資源のバックアップ”の“データベーススペースの確認”の手順で確認できます。

      確認したデータベーススペースに対して以下のコマンドを実行し、データベーススペースの再接続を行ってください。

      rdbexspc -mdetach -p ESIMESSAGEDB.APFW_MSGSPACE
      rdbexspc -mattach -p ESIMESSAGEDB.APFW_MSGSPACE
    5. DSIのリストア

      DSIのデータをリストアします。リストアする前に、DSIに対してアクセス禁止や利用規定の設定がされていないことを確認してください。

      rdbsloader -mi -i ESIMESSAGEDB.DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL -t X:\Backup\db\dsi\DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL.dat
          :
          :
      rdbsloader -mi -i ESIMESSAGEDB.DUPLICATECHECK_DSI_00 -t X:\Backup\db\dsi\DUPLICATECHECK_DSI_00.dat

      rdbsloader -mi  -i ESIMESSAGEDB.DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL -t /backup/db/dsi/DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL.dat
          :
          :
      rdbsloader -mi -i ESIMESSAGEDB.DUPLICATECHECK_DSI_00 -t /backup/db/dsi/DUPLICATECHECK_DSI_00.dat
    6. JDBCネーミングサービスの起動

      JDBCネーミングサービスを起動します。以下の手順で起動してください。

      1. Symfoware JDBCネーミングサービスの登録
        Symfoware JDBCネーミングサービスを登録します。すでに登録済みの場合、本手順は不要です。

        symjddefns -add
      2. Symfoware JDBCネーミングサービスの開始
        WindowsのサービスからSymfoware JDBC Naming Serviceを開始します。

      java com.fujitsu.symfoware.jdbc2.naming.SYMNameService &
    7. JDBCデータソース定義の登録

      JDBCデータソース定義を登録します。

      symjddefds -bind -ds esimsgdb -file esimsgdb.txt

      -fileオプションには、“3.1.2 バックアップ手順”でJDBCデータソース定義の情報を保存したファイルのパスワード部分を修正したファイルを指定してください。

  2. APS環境資源のリストア

    APS環境資源のリストアの詳細は、“Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)”を参照してください。

  3. ISI環境資源のリストア

    ISI環境資源のリストアは、以下のコマンドを実行します。

    isirestore X:\Backup\isi

    isirestore /backup/isi

    ポイント

    • バックアップ資源格納用ディレクトリのパスに空白を含むパスは指定できません。

  4. rcプロシジャの編集

    Interstage Application Serverカスタムでインストールした場合に必要な手順です。標準でインストールした場合、本手順は不要です。

    “ISI 導入ガイド”の“インストール後の作業”の以下を参照してrcプロシジャの編集を行ってください。

    • Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集

    • Interstageのrcプロシジャの編集

  5. Interstage運用グループの設定

    セキュリティ強化を実施するため、Interstage運用グループの設定を行ってください。Interstage運用グループの設定方法については、“1.5.2 Interstage運用グループの変更”を参照してください。

3.1.3.3 Formatmanager変換機能のセットアップ

Formatmanager変換機能(ISIサーバ分離型)を使用している場合、Formatmanager変換機能(ISIサーバ分離型)のセットアップを行ってください。
セットアップ方法については、“ISI 導入ガイド”の“Formatmanager変換機能(ISIサーバ分離型)”を参照してください。

3.1.3.4 ISIの起動

リストアを行ったあと、ISIを起動してください。起動手順については、“1.1 ISIサーバの運用管理”の“1.1.1 起動”を参照してください。

データベースの起動とInterstageの起動だけ行ってください。その他の起動については、以降に記載している“3.1.3.7 MQD利用時の環境構築”までの手順を実施したあとに行ってください。

ポイント

ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で作成している場合やJMS-Rキューの追加を行っている場合、Interstageの起動時に以下のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。また、非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で運用しているISIサーバは起動に失敗しますが、対処は不要です。次の手順を実施してください。

  • es21301: [%s] データベース種別が誤っています。

  • es21202: [%s] メッセージ格納DB用ライブラリの呼び出しパラメタエラーが発生しました。:INFO=Apfwdb::Apfwdb

  • es10802: [%s] 通信エラーが発生しました。: EXCEPTION=IDL:CORBA/StExcep/NO_IMPLEMENT:1.0, minor=0x464a0880

  • es10026: [%s] イベントチャネルの起動に失敗しました。

%sは可変情報です。

3.1.3.5 JMS-Rキューの再作成

ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で作成している場合やJMS-Rキューの追加を行っている場合、JMS-Rキューを再作成します。JMS-Rキューの再作成を行う前に、Interstage管理コンソールを使用して非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成のISIサーバとJMS-Rキューが起動しているか確認し、起動している場合は停止してください。

その後、以下に示す手順でJMS-Rキューを再作成してください。

ISIサーバのセットアップ時にデフォルトで作成されるキューの場合

以降の手順では、基本構成でセットアップしたISIサーバの場合を例にして説明しています。

  1. キューの削除

    JMS-Rキューを削除します。以下の手順でキューを削除してください。

    esrmchnl -g ESI-GRP1

    “es21301”のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。esmonitorコマンド、またはInterstage管理コンソールを使用して、指定したグループ名のキューが削除されていることを確認してください。

  2. キューの作成

    JMS-Rキューを作成します。以下の手順でキューを作成してください。

    1. 作成

      esmkchnl -g ESI-GRP1 -c ESI-INBOUND ESI-SEND ESI-OUTBOUND ESI-FTP -notify -ptp -tran -dbf <INSDIR>\var\jms-r\ESIInboundQueue\esi.dbc -autodiscon

      esmkchnl -g ESI-GRP1 -c ESI-INBOUND ESI-SEND ESI-OUTBOUND ESI-FTP -notify -ptp -tran -dbf /opt/FJSVesi/var/jms-r/ESIInboundQueue/esi.dbc -autodiscon
    2. 動作環境の設定

      essetcnfchnl -g ESI-GRP1 -s -blockade 1 -ltrnedmaxover yes
    3. 起動

      esstartchnl -g ESI-GRP1

    ポイント

    分離構成でセットアップしたISIサーバの場合、上記で説明した手順において、グループ名、チャネル名、データベース連携情報ファイルに以下を指定してください。

    グループ名
    ESI-GRP1-<ISIサーバ名>
    チャネル名
    ESI-INBOUND-<ISIサーバ名>
    ESI-SEND-<ISIサーバ名>
    ESI-OUTBOUND-<ISIサーバ名>

    ESI-FTPはシステムで1つだけ作成するチャネルであるため、分離構成の場合は指定しないでください。

    データベース連携情報ファイル

    <INSDIR>\var\jms-r\ESIInboundQueue-<ISIサーバ名>\esi.dbc

    /opt/FJSVesi/var/jms-r/ESIInboundQueue-<ISIサーバ名>/esi.dbc

    <ISIサーバ名>には、対象のISIサーバ名を指定します。'<'と'>'の文字は指定しないでください。

    (例:対象のISIサーバが“ESIServer_srv1”の場合のグループ名には“ESI-GRP1-ESIServer_srv1”を指定します。)

esiqueadd_jmsrコマンドで作成したキューの場合

  1. キューの削除

    JMS-Rキューを削除します。以下のコマンドを実行してキューを削除してください。

    esiquedel_jmsr -c inboundqueue

    以下のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。

    • SETUP-CMD-30001: Failed to execute command(detail=esstopchnl)

    • es21301: [%s] データベース種別が誤っています。
      (%sは可変情報)

    esmonitorコマンド、またはInterstage管理コンソールを使用して、指定したキューが削除されていることを確認してください。

  2. キューの作成

    JMS-Rキューを作成します。以下のコマンドを実行してキューを作成してください。JMS-Rキュー作成の詳細は、“ISI 導入ガイド”の“JMS-Rキューの作成”を参照してください。

    esiqueadd_jmsr -c inboundqueue -s ESIServer -f esiqueadddef.dbc

3.1.3.6 キュー間転送環境の構築

キュー間転送機能を利用している場合、キュー間転送環境の構築を行ってください。キュー間転送環境の構築手順を以下に示します。

ポイント

クラスタ運用時の待機ノードでは、“MQDシステムの作成”の手順だけ実施してください。“MQDシステムの作成”以降の手順は不要です。

  1. MQDシステムの作成

    キュー間転送機能で使用するMQDシステムを作成します。すでに作成済みの場合、本手順は不要です。MQDシステムの作成は以下のコマンドを実行します。

    esisetenv_qctenv -m MQDESI01
  2. MQDシステムの起動

    MQDシステムを起動します。すでに起動済みの場合、本手順は不要です。MQDシステムの起動は以下のコマンドを実行します。

    mqdstr -s MQDESI01 -p
  3. サービス定義の登録

    キュー間転送機能で使用するサービス定義を登録します。サービス定義の登録は以下のコマンドを実行します。

    mqdnsgwdef -s MQDESI01 -a -f nsgwsvc.txt

    -fオプションには、“3.1.2 バックアップ手順”でキュー間転送機能のサービス定義の情報を保存したファイルを指定してください。

  4. サービス定義の反映

    キュー間転送機能で使用するサービス定義を反映します。サービス定義の反映は以下のコマンドを実行します。

    mqdstrsvc -s MQDESI01 -n nsgw

    サービス定義を反映した後、システムログに“MQD6470”のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。

3.1.3.7 MQD利用時の環境構築

MQDのメッセージキューを利用した非同期メッセージの送信、および受信を行っている場合、MQD利用時の環境を構築してください。MQDを利用したメッセージの送受信を行っていない場合、本手順は不要です。