資源破壊が発生した場合など、バックアップしておいたISI資源を復旧するためのリストア手順について説明します。
リストアは以下の手順で行います。
ISIの停止
資源のリストア
Formatmanager変換機能のセットアップ
ISIの起動
JMS-Rキューの再作成
キュー間転送環境の構築
MQD利用時の環境構築
各手順の詳細を以降で説明します。
ポイント
クラスタ構成の環境にリストアを行う場合、“ISI 導入ガイド”の“クラスタシステムのセットアップ”を参照し、クラスタ環境の設定を行い、esisetclusterコマンドを実行したあとにリストアを行ってください。クラスタを構成していない環境の場合、本手順は不要です。
各ノードでのリストアは、それぞれのノードでバックアップした資源を使用してください。
リストアを行う前に、ISIを停止してください。停止手順については、“1.1 ISIサーバの運用管理”の“1.1.2 停止”を参照してください。
リストア手順について説明します。
リストア対象とする資源は、バックアップ操作時にバックアップ対象とした資源です。
リストアは、以下の手順で行います。
データベース環境資源のリストア
APS環境資源のリストア
ISI環境資源のリストア
rcプロシジャの編集
Interstage運用グループの設定
各手順の詳細を以降で説明します。
データベース環境資源のリストア
本手順は、ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で運用している場合に実施してください。
データベース環境資源のリストアの詳細は、“Symfoware Server RDB運用ガイド”を参照してください。
Symfowareの環境資源をリストアする手順の例を以下に示します。
RDBシステムの作成
RDBシステムを作成します。すでに作成済みの場合、本手順は不要です。
データベースのセットアップ時に指定したデータベーススペース格納用のディレクトリを作成してください。データベーススペース格納用のディレクトリは、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”の「データベースの作成」で作成するディレクトリです。
ディレクトリ作成後、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”を参照し、「RDBシステムパラメタの設定とログ・ディクショナリの作成」の手順まで実施してください。
データベースのセットアップ時に指定したデータベーススペース格納用のディレクトリとRAWデバイスを作成してください。データベーススペース格納用のディレクトリとRAWデバイスは、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”の「データベースの作成」で作成するディレクトリとRAWデバイスです。
ディレクトリとRAWデバイス作成後、“ISI 導入ガイド”の“非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成”の“データベースのセットアップ”を参照し、「/etc/servicesファイルの編集」の手順まで実施してください。
RDBディクショナリのリストア
RDBディクショナリをリストアします。RDBシステムが停止している状態でリストアを行ってください。
rdbrcvdic -L -f dicback@X:\Backup\db\dic
rdbrcvdic -L -f dicback@/backup/db/dic
ポイント
RDBディクショナリのリストア時に、データベーススペースに割り当てられているローカルファイルが存在しない場合は、以下のメッセージが出力されます。
以下はデータベーススペース名が“ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE”、ローカルファイルのパスが“C:\RDBESI\ISI_MSGACMDB\esimsgacmdb”の場合の例です。
qdg12079e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'のデバイスが削除されています デバイス名='C:\RDBESI\ISI_MSGACMDB\esimsgacmdb' (システム名=RDBESI) qdg02469e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'をアクセス禁止状態にしました (システム名=RDBESI)
以下はデータベーススペース名が“ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE”、ローカルファイルのパスが“/rdbesi/isi_msgacmdb/esimsgacmdb”の場合の例です。
qdg12079e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'のデバイスが削除されています デバイス名='/rdbesi/isi_msgacmdb/esimsgacmdb' (システム名=RDBESI) qdg02469e:データベーススペース'ESIMESSAGEDB.ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE'をアクセス禁止状態にしました (システム名=RDBESI)
メッセージが出力された場合は、以下の対処を行ってください。
“qdg12079e”のメッセージのデバイス名に表示されるローカルファイルのパスに関して、ローカルファイルの格納先ディレクトリC:\RDBESI\ISI_MSGACMDBが存在するか確認してください。存在しない場合は格納先ディレクトリC:\RDBESI\ISI_MSGACMDBを作成してください。
“qdg12079e”のメッセージのデバイス名に表示されるローカルファイルのパスに関して、ローカルファイルの格納先ディレクトリ/rdbesi/isi_msgacmdbが存在するか確認してください。存在しない場合は格納先ディレクトリ/rdbesi/isi_msgacmdbを作成してください。
対処後は、次の手順“RDBシステムを起動”を実施してください。
RDBシステムを起動
RDBシステムを起動します。
rdbstart
ポイント
RDBシステムの起動には時間がかかる場合があります。コマンドの実行が完了するまで他の操作は実施しないでください。
データベーススペースの再接続
データベーススペースの再接続を行います。対象のデータベーススペースは、“3.1.2.3 資源のバックアップ”の“データベース環境資源のバックアップ”の“データベーススペースの確認”の手順で確認できます。
確認したデータベーススペースに対して以下のコマンドを実行し、データベーススペースの再接続を行ってください。
rdbexspc -mdetach -p ESIMESSAGEDB.APFW_MSGSPACE rdbexspc -mattach -p ESIMESSAGEDB.APFW_MSGSPACE
DSIのリストア
DSIのデータをリストアします。リストアする前に、DSIに対してアクセス禁止や利用規定の設定がされていないことを確認してください。
rdbsloader -mi -i ESIMESSAGEDB.DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL -t X:\Backup\db\dsi\DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL.dat : : rdbsloader -mi -i ESIMESSAGEDB.DUPLICATECHECK_DSI_00 -t X:\Backup\db\dsi\DUPLICATECHECK_DSI_00.dat
rdbsloader -mi -i ESIMESSAGEDB.DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL -t /backup/db/dsi/DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL.dat : : rdbsloader -mi -i ESIMESSAGEDB.DUPLICATECHECK_DSI_00 -t /backup/db/dsi/DUPLICATECHECK_DSI_00.dat
JDBCネーミングサービスの起動
JDBCネーミングサービスを起動します。以下の手順で起動してください。
Symfoware JDBCネーミングサービスの登録
Symfoware JDBCネーミングサービスを登録します。すでに登録済みの場合、本手順は不要です。
symjddefns -add
Symfoware JDBCネーミングサービスの開始
WindowsのサービスからSymfoware JDBC Naming Serviceを開始します。
java com.fujitsu.symfoware.jdbc2.naming.SYMNameService &
JDBCデータソース定義の登録
JDBCデータソース定義を登録します。
symjddefds -bind -ds esimsgdb -file esimsgdb.txt
-fileオプションには、“3.1.2 バックアップ手順”でJDBCデータソース定義の情報を保存したファイルのパスワード部分を修正したファイルを指定してください。
APS環境資源のリストア
APS環境資源のリストアの詳細は、“Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)”を参照してください。
ISI環境資源のリストア
ISI環境資源のリストアは、以下のコマンドを実行します。
isirestore X:\Backup\isi
isirestore /backup/isi
ポイント
バックアップ資源格納用ディレクトリのパスに空白を含むパスは指定できません。
rcプロシジャの編集
Interstage Application Serverカスタムでインストールした場合に必要な手順です。標準でインストールした場合、本手順は不要です。
“ISI 導入ガイド”の“インストール後の作業”の以下を参照してrcプロシジャの編集を行ってください。
Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集
Interstageのrcプロシジャの編集
Interstage運用グループの設定
セキュリティ強化を実施するため、Interstage運用グループの設定を行ってください。Interstage運用グループの設定方法については、“1.5.2 Interstage運用グループの変更”を参照してください。
Formatmanager変換機能(ISIサーバ分離型)を使用している場合、Formatmanager変換機能(ISIサーバ分離型)のセットアップを行ってください。
セットアップ方法については、“ISI 導入ガイド”の“Formatmanager変換機能(ISIサーバ分離型)”を参照してください。
リストアを行ったあと、ISIを起動してください。起動手順については、“1.1 ISIサーバの運用管理”の“1.1.1 起動”を参照してください。
データベースの起動とInterstageの起動だけ行ってください。その他の起動については、以降に記載している“3.1.3.7 MQD利用時の環境構築”までの手順を実施したあとに行ってください。
ポイント
ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で作成している場合やJMS-Rキューの追加を行っている場合、Interstageの起動時に以下のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。また、非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で運用しているISIサーバは起動に失敗しますが、対処は不要です。次の手順を実施してください。
es21301: [%s] データベース種別が誤っています。
es21202: [%s] メッセージ格納DB用ライブラリの呼び出しパラメタエラーが発生しました。:INFO=Apfwdb::Apfwdb
es10802: [%s] 通信エラーが発生しました。: EXCEPTION=IDL:CORBA/StExcep/NO_IMPLEMENT:1.0, minor=0x464a0880
es10026: [%s] イベントチャネルの起動に失敗しました。
%sは可変情報です。
ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で作成している場合やJMS-Rキューの追加を行っている場合、JMS-Rキューを再作成します。JMS-Rキューの再作成を行う前に、Interstage管理コンソールを使用して非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成のISIサーバとJMS-Rキューが起動しているか確認し、起動している場合は停止してください。
その後、以下に示す手順でJMS-Rキューを再作成してください。
以降の手順では、基本構成でセットアップしたISIサーバの場合を例にして説明しています。
キューの削除
JMS-Rキューを削除します。以下の手順でキューを削除してください。
esrmchnl -g ESI-GRP1
“es21301”のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。esmonitorコマンド、またはInterstage管理コンソールを使用して、指定したグループ名のキューが削除されていることを確認してください。
キューの作成
JMS-Rキューを作成します。以下の手順でキューを作成してください。
作成
esmkchnl -g ESI-GRP1 -c ESI-INBOUND ESI-SEND ESI-OUTBOUND ESI-FTP -notify -ptp -tran -dbf <INSDIR>\var\jms-r\ESIInboundQueue\esi.dbc -autodiscon
esmkchnl -g ESI-GRP1 -c ESI-INBOUND ESI-SEND ESI-OUTBOUND ESI-FTP -notify -ptp -tran -dbf /opt/FJSVesi/var/jms-r/ESIInboundQueue/esi.dbc -autodiscon
動作環境の設定
essetcnfchnl -g ESI-GRP1 -s -blockade 1 -ltrnedmaxover yes
起動
esstartchnl -g ESI-GRP1
ポイント
分離構成でセットアップしたISIサーバの場合、上記で説明した手順において、グループ名、チャネル名、データベース連携情報ファイルに以下を指定してください。
ESI-GRP1-<ISIサーバ名>
ESI-INBOUND-<ISIサーバ名> ESI-SEND-<ISIサーバ名> ESI-OUTBOUND-<ISIサーバ名>
ESI-FTPはシステムで1つだけ作成するチャネルであるため、分離構成の場合は指定しないでください。
<INSDIR>\var\jms-r\ESIInboundQueue-<ISIサーバ名>\esi.dbc
/opt/FJSVesi/var/jms-r/ESIInboundQueue-<ISIサーバ名>/esi.dbc
<ISIサーバ名>には、対象のISIサーバ名を指定します。'<'と'>'の文字は指定しないでください。
(例:対象のISIサーバが“ESIServer_srv1”の場合のグループ名には“ESI-GRP1-ESIServer_srv1”を指定します。)
esiqueadd_jmsrコマンドで作成したキューの場合
キューの削除
JMS-Rキューを削除します。以下のコマンドを実行してキューを削除してください。
esiquedel_jmsr -c inboundqueue
以下のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。
SETUP-CMD-30001: Failed to execute command(detail=esstopchnl)
es21301: [%s] データベース種別が誤っています。
(%sは可変情報)
esmonitorコマンド、またはInterstage管理コンソールを使用して、指定したキューが削除されていることを確認してください。
キューの作成
JMS-Rキューを作成します。以下のコマンドを実行してキューを作成してください。JMS-Rキュー作成の詳細は、“ISI 導入ガイド”の“JMS-Rキューの作成”を参照してください。
esiqueadd_jmsr -c inboundqueue -s ESIServer -f esiqueadddef.dbc
キュー間転送機能を利用している場合、キュー間転送環境の構築を行ってください。キュー間転送環境の構築手順を以下に示します。
ポイント
クラスタ運用時の待機ノードでは、“MQDシステムの作成”の手順だけ実施してください。“MQDシステムの作成”以降の手順は不要です。
MQDシステムの作成
キュー間転送機能で使用するMQDシステムを作成します。すでに作成済みの場合、本手順は不要です。MQDシステムの作成は以下のコマンドを実行します。
esisetenv_qctenv -m MQDESI01
MQDシステムの起動
MQDシステムを起動します。すでに起動済みの場合、本手順は不要です。MQDシステムの起動は以下のコマンドを実行します。
mqdstr -s MQDESI01 -p
サービス定義の登録
キュー間転送機能で使用するサービス定義を登録します。サービス定義の登録は以下のコマンドを実行します。
mqdnsgwdef -s MQDESI01 -a -f nsgwsvc.txt
-fオプションには、“3.1.2 バックアップ手順”でキュー間転送機能のサービス定義の情報を保存したファイルを指定してください。
サービス定義の反映
キュー間転送機能で使用するサービス定義を反映します。サービス定義の反映は以下のコマンドを実行します。
mqdstrsvc -s MQDESI01 -n nsgw
サービス定義を反映した後、システムログに“MQD6470”のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。
MQDのメッセージキューを利用した非同期メッセージの送信、および受信を行っている場合、MQD利用時の環境を構築してください。MQDを利用したメッセージの送受信を行っていない場合、本手順は不要です。
メッセージ蓄積機能を利用する場合
MQD受信環境とMQD送信環境の削除
MQD受信環境とMQD送信環境を削除します。“ISI 導入ガイド”の“MQD受信の設定”および“MQD送信の設定”を参照し、esiunsetenv_mqdrcvコマンドとesiunsetenv_mqdsndコマンドを使用してMQD受信環境とMQD送信環境を削除してください。
ISIのメッセージ蓄積データベースからMQDの環境を削除
ISIのメッセージ蓄積データベース(デフォルトの場合ESIMESSAGEDB)からMQD用のスキーマとデータベーススペースを削除します。以下のコマンドを実行してMQD用のスキーマとデータベーススペースを削除してください。
rdbddlex -d ESIMESSAGEDB drop_mqd_env.ddl
drop_mqd_env.ddlには、以下の内容を記述してください。
DROP SCHEMA MQD_<MQDシステム名>_SCH CASCADE; DROP DBSPACE MQD_<MQDシステム名>_SPU; DROP DBSPACE MQD_<MQDシステム名>_SPS;
<MQDシステム名>には、MQDを利用したメッセージの送受信を行うために作成したMQDシステム名を指定してください。
MQD利用時の環境構築
“ISI 導入ガイド”の“MQD利用時の設定”を参照し、MQDシステムとMQDのメッセージキューを作成したあと、MQD受信環境とMQD送信環境の設定を行ってください。
メッセージ蓄積機能を利用しない場合(メッセージキューにデータベースを使用)
MQD受信環境とMQD送信環境の削除
MQD受信環境とMQD送信環境を削除します。“ISI 導入ガイド”の“MQD受信の設定”および“MQD送信の設定”を参照し、esiunsetenv_mqdrcvコマンドとesiunsetenv_mqdsndコマンドを使用してMQD受信環境とMQD送信環境を削除してください。
MQD用データベースを削除
MQD用データベースを削除します。以下のコマンドを実行してMQD用データベースを削除してください。
rdbddlex -d MQD_<MQDシステム名> drop_mqd_db.ddl
drop_mqd_db.ddlには、以下の内容を記述してください。
DROP SCHEMA MQD_<MQDシステム名>_SCH CASCADE; DROP DBSPACE MQD_<MQDシステム名>_SPU; DROP DBSPACE MQD_<MQDシステム名>_SPS; DROP DATABASE MQD_<MQDシステム名>;
<MQDシステム名>には、MQDを利用したメッセージの送受信を行うために作成したMQDシステム名を指定してください。
MQD利用時の環境構築
“ISI 導入ガイド”の“MQD利用時の設定”を参照し、MQDシステムとMQDのメッセージキューを作成したあと、MQD受信環境とMQD送信環境の設定を行ってください。
メッセージ蓄積機能を利用しない場合(メッセージキューにファイルを使用)
MQD受信環境とMQD送信環境の削除
MQD受信環境とMQD送信環境を削除します。“ISI 導入ガイド”の“MQD受信の設定”および“MQD送信の設定”を参照し、esiunsetenv_mqdrcvコマンドとesiunsetenv_mqdsndコマンドを使用してMQD受信環境とMQD送信環境を削除してください。
MQD利用時の環境構築
“ISI 導入ガイド”の“MQD利用時の設定”を参照し、MQDシステムとMQDのメッセージキューを作成したあと、MQD受信環境とMQD送信環境の設定を行ってください。