ページの先頭行へ戻る
Interstage Service Integrator V9.4.1 運用ガイド
Interstage

3.1.2 バックアップ手順

バックアップ手順について説明します。

ここでは、バックアップ資源格納用ディレクトリを以下のディレクトリとして説明しています。バックアップを実施する前にディレクトリを作成してください。

X:\Backup

/backup

バックアップは以下の手順で行います。

  1. バックアップ前の作業

  2. ISIの停止

  3. 資源のバックアップ

  4. ISIの起動


各手順の詳細を以降で説明します。

3.1.2.1 バックアップ前の作業

バックアップを行う前に、以下の作業を行ってください。

  1. 非同期通信のリカバリ

    リカバリを実施していない異常メッセージがある場合は、非同期通信のリカバリを行ってください。異常メッセージのリカバリ方法については、“1.1.6 非同期通信のリカバリ”を参照してください。

  2. キュー内のデータの処理

    ISIが非同期メッセージの送受信で使用する全てのキューにメッセージが残っていないことを確認してください。メッセージが残っている場合は、メッセージをすべて処理してください。

  3. キュー間転送のキュー間コネクションの初期化

    キュー間転送機能を利用している場合は、以下のコマンドを実行してキュー間コネクションを初期化してください。

    mqdnsgwcomm -s MQDシステム名 -r キュー間転送名
    mqdnsgwcomm -s MQDシステム名 -e *

    ポイント

    • キュー間転送で相手サーバのキューから自サーバのキューにメッセージを転送している場合は、相手サーバのキューのメッセージを処理したあと、転送が発生しない状態で作業を行ってください。

    • *は\*、'*'、または"*"のように指定してください。

    • コマンド実行時に“MQD6351”または“MQD6176”のメッセージが出力される場合がありますが、動作に影響はありません。

3.1.2.2 ISIの停止

バックアップを行う前に、ISIを停止してください。停止手順については、“1.1 ISIサーバの運用管理”の“1.1.2 停止”を参照してください。

ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で運用している場合、データベース環境資源のバックアップを行う必要があります。データベース資源環境のバックアップを行う場合、RDBシステムが起動している必要があるため、RDBシステムを停止しないでください。

3.1.2.3 資源のバックアップ

バックアップ手順について説明します。

バックアップは、以下の手順で行います。

  1. ISI環境資源のバックアップ

  2. APS環境資源のバックアップ

  3. データベース環境資源のバックアップ

各手順の詳細を以降で説明します。

ISI環境資源のバックアップ

ISI環境資源のバックアップは、以下のコマンドを実行します。

isibackup X:\Backup\isi

isibackup /backup/isi

ポイント

  • バックアップ資源格納用ディレクトリのパスに空白を含むパスは指定できません。

  • 指定したディレクトリが存在しない場合は、指定したディレクトリが作成されます。

  • 作成済みのディレクトリを指定する場合は、指定したディレクトリ配下が空の状態でバックアップ作業を行ってください。

  • isibackupコマンドは、バックアップ資源格納用ディレクトリ配下に“ISI”、“FM”ディレクトリを作成後、その配下にISI資源をバックアップします。

  • コマンド実行時にシステムログに “MQD6063”のメッセージが出力される場合がありますが、動作に影響はありません。

APS環境資源のバックアップ

APS環境資源をバックアップします。APS環境資源のバックアップの詳細は、“Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)”を参照して実施してください。

バックアップ対象の資源は、“3.1.1 バックアップ・リストア対象資源”を参照してください。


キュー間転送機能を利用している場合は、以下の手順でサービス定義の情報をバックアップしてください。キュー間転送機能を利用していない場合、本手順は不要です。

キュー間転送用のMQDシステム名は、JMS-R環境セットアップ定義ファイルの「QCTMQDSystemName」で指定した値です。デフォルトは、「MQDESI01」です。

  1. キュー間転送の起動

    以下のコマンドを実行し、キュー間転送を起動します。

    mqdstr -s キュー間転送用のMQDシステム名 -p

    キュー間転送の起動時にシステムログに“MQD6458”または“MQD6302”のメッセージが出力される場合がありますが、対処は不要です。

  2. サービス定義情報のバックアップ

    以下のコマンドを実行して出力されるサービス定義の情報を表示します。

    mqdnsgwprt -s キュー間転送用のMQDシステム名 -c

    コマンドを実行して出力される情報に対して、以下の編集を行った情報をファイル(nsgwsvc.txt)に保存し、バックアップ資源格納用ディレクトリに格納してください。

    • 以下の行を削除してください。

      **** Active Define Information
    • 以下の行が出力されている場合は、以下の行をすべて削除してください。

      ectype = CHANNEL

ポイント

  • キュー間転送で複数のMQDシステムを使用している場合は、MQDシステムごとにファイルを分けてサービス定義情報をバックアップしてください。

データベース環境資源のバックアップ

本手順は、ISIサーバを非同期メッセージング(メッセージ保証あり)構成で運用している場合に実施してください。

Symfowareの環境資源をバックアップします。バックアップ対象の資源は、“3.1.1 バックアップ・リストア対象資源”を参照してください。

ポイント

  • RDBディレクトリファイルのリカバリは、データベース、およびRDBディクショナリを用いたリバースクリエーションによって行います。そのため、RDBディレクトリファイルをバックアップする必要はありません。

  • データベースとRDBディクショナリは、同じタイミングでバックアップしてください。

  • データベースのバックアップは、ISIが使用するデータベースのすべての表のDSIをバックアップ対象としてください。ISIで使用するデフォルトのデータベース名は“ESIMESSAGEDB”です。

バックアップの詳細は、“Symfoware Server RDB運用ガイド”を参照してください。

Symfowareの環境資源をバックアップする手順の例を以下に示します。

  1. バックアップディレクトリの作成

    RDBディクショナリとDSIをバックアップしたデータを格納するディレクトリを作成します。

    md C:\Backup\db\dsi
    md C:\Backup\db\dic

    mkdir -p /backup/db/dsi
    mkdir -p /backup/db/dic
  2. バックアップ対象のDSIの確認

    バックアップ対象のDSIは、以下の手順で確認できます。

    1. データベーススペースの確認

      ISIで使用しているデータベース(デフォルトの場合ESIMESSAGEDB)に対して、以下のコマンドを実行して、データベース内のデータベーススペース名を表示します。

      rdbprt -d ESIMESSAGEDB -m DEF prt_db.txt

      prt_db.txtには、以下の内容を記述してください。

      DB<改行>
      表示例
      Database name ...... ESIMESSAGEDB
      
        Creator      ...... ADMINISTRATOR
        Created date ...... Thu Jul 06 21:50:19 2010
      
        Schema information
        No.       Schema name
        1         APFW001
        2         APFW_MSG
        3         ESIMESSAGEDBSCHEMA
      
        Database space information
        No.       Database space name                  Loggroup
        1         APFW001SPACE                         system
      
        2         APFW_MSGSPACE                        system
      
        3         ESIMESSAGEDBSPACE                    system
      
        4         ESIMSGACCUMULATIONDBSPACE            system
      
      
      qdg12074i:rdbprtが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=RDBESI)
      
      
    2. DSIの確認

      手順1で確認したデータベーススペースに対して、以下のコマンドを実行してDSIを表示します。

      rdbinf -p ESIMESSAGEDB.APFW_MSGSPACE

      表示されたDSIのTYPEが“DATA”であるものが、バックアップ対象のDSIです。

      表示例
      RDBII rdbinf DATE:2010/07/26 TIME:20/52/10
      
              Directory : C:\SFWD\RDB\USR\DIR\DIR_FILE1
      
              Database  : ESIMESSAGEDB
      
              DBspace   : APFW_MSGSPACE
                       Cond   Used    Free     Size
                       NON     91%      9%     11534336
      
              DSI       : IXDSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL
      
              TYPE            Cond    Size
              INDEX           NON     49152
              BASE            NON     196608
      
              DSI       : DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL
      
              TYPE            Cond    Size
              DATA            NON     327680
      
              DSI       : DSI_APFW_MSG_APFW_DEF_MSGBASE
      
              TYPE            Cond    Size
              DATA            NON     6144
      
          :
          :
  3. RDBディクショナリ、およびDSIの更新抑止を設定

    RDBディクショナリとDSIに対して更新抑止の利用規定を設定します。

    rdbrtr -z
    rdbrtr -f dsi.txt

    dsi.txtには、“バックアップ対象のDSIの確認”で説明した手順を参照し、バックアップ対象のDSIの名前を以下のように記述してください。

    ESIMESSAGEDB.DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL
    ESIMESSAGEDB.DSI_APFW_MSG_APFW_DEF_MSGBASE
        :
        :
    ESIMESSAGEDB.DUPLICATECHECK_DSI_00
  4. DSIのバックアップ

    DSIのデータをバックアップします。テキスト形式でバックアップを行ってください。バックアップ前にDSIに対して、アクセス禁止が設定されていないことを確認してください。

    rdbunl -i ESIMESSAGEDB.DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL -t X:\Backup\db\dsi\DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL.dat
        :
        :
    rdbunl -i ESIMESSAGEDB.DUPLICATECHECK_DSI_00 -t X:\Backup\db\dsi\DUPLICATECHECK_DSI_00.dat

    rdbunl -i ESIMESSAGEDB.DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL -t /backup/db/dsi/DSI_MSG_APFW_SPACEINFOTBL.dat
        :
        :
    rdbunl -i ESIMESSAGEDB.DUPLICATECHECK_DSI_00 -t /backup/db/dsi/DUPLICATECHECK_DSI_00.dat
  5. RDBディクショナリのバックアップ

    RDBディクショナリをバックアップします。

    rdbdmpdic -f dicback@X:\Backup\db\dic -e -N

    rdbdmpdic -f dicback@/backup/db/dic -e -N
  6. RDBディクショナリ、およびDSIの更新抑止を解除

    RDBディクショナリとDSIに対して更新抑止の利用規定を解除します。

    dsi.txtは、更新抑止の利用規定を設定したときと同じファイルを使用してください。

    rdbrls -z
    rdbrls -f dsi.txt
  7. JDBCデータソース定義のバックアップ

    JDBCデータソース定義をバックアップします。以下のコマンドを実行して出力される情報をファイル(esimsgdb.txt)に保存し、バックアップ資源格納用ディレクトリに格納してください。

    symjddefds -lookup -ds esimsgdb

3.1.2.4 ISIの起動

バックアップを行ったあと、ISIを起動してください。起動手順については、“1.1 ISIサーバの運用管理”の“1.1.1 起動”を参照してください。